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神という概念ですが、今まで見た映画ではどうも違和感が消えなかったんですが、これだけの「天才」と結びつくとすんなりと受け止めることが出来てしまった。ただ、僕は音楽の優劣については残念ながらうといので、モーツァルトの「天才」ぶりがサリエリの言葉を通してしか伝わってこなかった。サリエリは嫉妬深いですがしんどかったと思います。人生をかけて築いてきたものをたった一人の「天才」によって否定されてしまったのだから分からなくも無い。才能は認めるけど人格が・・・とかごにょごにょ言いたくもなります。だから、彼はただ、自分を守りたかったんだと思います。でも、そんなことモーツァルトには関係なくて言いたい事もずばずば言うし、ある意味周りを見ないですむ位置にいる。だから、オペラでもサリエリはモーツァルトをチラチラ気にするけど、モーツアルトは指揮に夢中でした。なんか分かるなあ。結構かっこいい、かわいいんだけど中途半端で結局一番の奴のインパクトでかすむと言うか、そういう感覚に似てます。だからこそ、僕らはいい感じに自分を騙しながら生きていくもんだと思うし、そこで対抗心を燃やすと余計惨めになるというか。難しいんですけど。それにしても、場面の切り替えやシーンの見せ方が音楽を効果的に使っていてうまいです。多少しつこかったけど。あと、僕はどうしても男の視点で見てしまうからでしょうか?時に冷酷とも思える女のリアリズムに時々引いてしまいました。話の通じない女しか出てこないと思ってしまったのもそのためでしょうか?召使とサリエリ、モーツァルトと妻の会話がイラついてしまった。そして、モーツァルトが死ぬ間際に妻が帰ってきてサリエリに出て行けって言う場面、なぜ自分じゃなくてサリエリが居るのかという嫉妬、これも嫉妬ですが、最後にあなたに尽くすわって言ってたけどあれは独占欲だと思いました。そういう意味ではすごく面白かった。ラストで君も凡人だとか言ってたけど、あらゆる場面で凡人の側に立たされる自分としてはちょっとツライ。観終わった頃にはモーツァルトにシンクロしてるから釘をさされたって感じです。
【中上雅巳似】さん 8点(2003-06-18 16:01:50)
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