<ネタバレ>「これは実話です」と冒頭から大層なBGMを流し、目撃者は変な .. >(続きを読む)
<ネタバレ>「これは実話です」と冒頭から大層なBGMを流し、目撃者は変な顔と皆で言い、婦警は何となく犯人のアジトを見つけ、犯罪者コンビはちょっとした分け前で揉めて片割れをミンチ、という信じられないくらいの珍妙さとブラックユーモアのオンパレード。面白いのかつまらないのか分からないのに、どこかしら心の片隅に残る、そんな映画。そういう意味でコーエン兄弟の思惑通りかと。婦警を除いて、男達は自分のことで手一杯で他人を考える余裕がない。正に合理的で私利私欲に満ちたアメリカの縮図そのもの。後の『ノーカントリー』でも言えることだけど、「身の丈にあった当たり前の日常が一番幸せ」というスタンスを貫いていて、ユダヤ系らしかぬ幸福論が興味深い。