<ネタバレ>下宿先の部屋の陰影、
廃墟に広がる雨音、
滴り落ちて広が .. >(続きを読む)
<ネタバレ>下宿先の部屋の陰影、
廃墟に広がる雨音、
滴り落ちて広がる波紋、
霧と雪で覆われた故郷、
焼身自殺を図った男を纏う炎…
ただならぬ雰囲気はある。
しかし、世界の終わりを待つ宗教狂いの男が民衆に精神主義を訴えて殉教しようが、
彼の代わりに余命いくばくもない詩人がロウソクを持って世界を救おうが、誰にも理解できないし、
ただの自慰行為で世界が良い方向に変われたらどれだけ幸せだろうか。
そう思えてしまう自分は、物質社会に逆らえない常識に染まった凡人なんだな、と再確認。
作りものの故郷に沈んでいく『惑星ソラリス』に似た結末に、
祖国に戻れないタルコフスキーの心情と覚悟が重なる。