41. 多重人格探偵サイコ
《ネタバレ》 プロローグ的な最初の数冊は面白いが、SFの度合いが強くなっていくにつれてどんどんつまらなくなった。田島昭宇のスタイリッシュな絵柄は非常に魅力的だが、ストーリーは微妙。個々のアイディアは良いのだが、ろくに煮詰めないまま適当にお話に組み上げてみましたという程度のできに留まっている。また登場人物が全然生きていないので、全体的にスカスカな感じがして、読んでいて心を動かされることがあまりない。暴力的描写が話題になることも多いが、これだけ残酷なのにまったく痛みが伝わってこないというのは、すごいのかすごくないのか……。 6点(2008-05-14 07:22:20) |
42. め組の大吾
どこに行っても何かしらの災害に遭遇するご都合主義ぶりにちょっと笑ってしまうけど、題材の目新しさには目を見張った。でも同じ天才を主役にした作品でも『昴』とかに比べると主人公のキャラクターがいまいち、説得力を持っていなかった。レスキューの天才ゆえに抱えるジレンマも語られるんだけど、これまた微妙。わかり難く、感動しにくい。そこらのアクション映画でも敵わない救出シーンの迫力はすごかった。けれども人間ドラマとしては、正直たいして印象に残っていない。 6点(2008-02-01 01:26:55) |
43. 封神演義
おちゃらけたノリがどうしても好きになれなかった。普通に面白いんだけど。とくに登場人物が「このマンガの連載が~」なんてふうにメタ的な台詞を吐いちゃうのが、どうしても許せない。そういう要素があると真剣な下りでも白けて読んでしまうのは自分だけだろうか? あと作品の性質上仕方ないかもだけど、人の命が軽すぎる感じもいやだった。絵柄はとても斬新で面白いと思うのだけど、自分のなかではとても微妙な作品。むしろその後の完全にふざけきった短期連載作品のが、開き直った感じがして好きだったなあ。 6点(2008-01-08 14:28:12) |
44. うたかたの日々
実は岡崎作品のなかではあんまり好きじゃありません。岡崎さんが原作に共鳴したのはわかるけど、あまり漫画化した意味が見い出せない。原作を読めばそれで充分、というのが率直な感想です。 6点(2007-11-29 01:03:40) |
45. MIND ASSASSIN
短期間で連載終了してしまったのに、とりわけ深く記憶に刻まれている作品。人の記憶、または精神を破壊することのできる超能力者を主人公としたサスペンスで、繊細だけど力強い絵が印象的だった。 いくらでも広げようのある良いアイディアだったと思うのだけど、作者がデビューしたてのためかストーリーのワンパターンが目立ち、またジャンプらしからぬ大人向けの題材が多かったのもあって、人気を保ち続けることができなかった。しかし女性作家ならではの繊細な語り口が魅力で、連載当初から個人的なお気に入りだった。 充分な熟成を待たずに打ち切られてしまったのを残念に思う。大きな可能性を持っていた、惜しい作品だった。 6点(2007-11-01 00:21:29) |
46. ONE PIECE
《ネタバレ》 登録しといてなんだけど、苦手です。連載当初から、なにが面白いのかわからなかった。 少年ジャンプの悪しき伝統に乗っ取って、必要以上にバトルものの要素が濃い。お互いの技を見せっこして、結局は根性で敵の攻撃を耐え切って勝利という、駆け引きも何もあったもんじゃないパターン。毎回律儀に仲間の数と同数の敵キャラクターを用意して、全員を一対一で戦わせ、全員が勝つ。味方の側にはまず死人が出ないので、緊張感は薄れる一方。尾田さんには戦いを面白く描く才能が、欠けている。 人間ドラマを展開する力はあるし、ディティールにこだわった絵は見ていてとても楽しい。戦いの要素を減らして、もっと人間ドラマ、冒険物語としての純度を高めるべきだと思う。悪魔の実などの設定は浅はか過ぎるし、キャラクターの設定なんかはあとから足しているのが見え見えで白ける。ついでにギャグも寒い。 なんというか、尾田さんの他に脚本や設定に関するブレーンがいたなら、傑作になっていたと思う。 5点(2007-11-30 00:22:29) |
47. 花とみつばち
《ネタバレ》 安野さんにしては切れ味に欠けている感じ。さくさく読めるんだけど、冴えない男が頑張っているというだけで話に深みがなく、ギャグについても無駄に下品なだけで普通。ラストに至っては登場人物が勝手に動いてしまったのかあるいは強引に終わらせたのか、完全に普通のラブストーリーになってしまった。きっとこのテーマではストーリーを広げるのも深めるのも難しかったんじゃないかと思う。 5点(2007-11-15 01:00:21) |
48. I"s
絵は文句なしに上手い。とくに女性の体の一部に関しては業界一、むしろ作者はどこかしら心を病んでるんじゃないの? と心配してしまうくらいに上手い。そこはまったく否定できない。 ただ、こういった主役の男がこれといった必然性もないのに美少女にモテる感じのマンガは昔から苦手。そうした系統の作品にしてはまだ現実味があって話もしっかりしている方だとは思うけれども、やはり受け付けない。 4点(2008-04-23 01:31:18) |
49. 金田一少年の事件簿
《ネタバレ》 『占星術殺人事件』よりこちらを先に読まされてしまったクチなので、遠慮なく0点を付けさせてもらう。単純なトリックをアレンジして利用するくらいなら問題にはならないが、よりによってオールタイムベスト級の超名作のトリックを、そのまんま盗用するとは……バカか? どんな作品でも多少なりとも過去の作品の影響が見られるのは当然だが、これに限っては完全に一線を超えている。 しかもトリックの使い方が下手。ミステリのネタというのはそれ自体の出来と同じくらい、どう見せるかという演出方法が大切だ。島田荘司氏の小説ではあれほど衝撃的だったトリックが、どうしてこんなしょぼい話になるのだ。ほんとうにバカ。パクるにしても劣化し過ぎなんだよ。 シネマレビューの方でも0点をつけたことがないのだが、評価の範囲外ということで。オリジナルのネタの中にはよくできたものもあるし、『コナン』に比べれば荒も少ないだけに、残念ではある。 0点(2008-05-20 14:58:26) |