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プロフィール
コメント数 127
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  敷居の住人
途中から作者の意識が変わったのが明らかに見て取れます。序盤は多田由美のものまねなどが見られて少々苦しかったりするんだけど、中盤からは俄然面白くなってくる。わかりやすく成長するでもなく、あーでもないこーでもない、とぐだぐだ悩んだり凹んだりする主人公を見ていると笑ってしまうんだけど、いたたまれなくもある。ああ、こういうのって思春期だよなあ。何気に自己中心的な女性陣の振る舞いにもリアリティがある。そうそう、精神不安定な女の人って本人は悪気はないんだけど、かなり残酷なことするんだよね。著者の出世作、まだ青い部分はあるとしても、やっぱり面白いです。
8点(2007-11-29 01:17:34)
22.  うたかたの日々
実は岡崎作品のなかではあんまり好きじゃありません。岡崎さんが原作に共鳴したのはわかるけど、あまり漫画化した意味が見い出せない。原作を読めばそれで充分、というのが率直な感想です。
6点(2007-11-29 01:03:40)
23.  ラブマスターX 《ネタバレ》 
『脂肪という名の服を着て』に並ぶ、安野モヨコ氏初期の秀作のひとつ。さまざまな登場人物が有機的に絡みつく複雑な展開が見もの。主役の少女はもちろん、その両親まで恋愛に突っ走る。なぜかおじいちゃんと小学生の弟君がいちばんの決め台詞を吐く。恋に酔ったり病んだりしている連中よりも、恋愛に距離のある人間がもっとも適切な判断力を持っている、ということか。かと思うと意識的に冷静さを捨てることで最大限に恋を楽しむキャラもいる。どちらとも、違った意味でラブマスターなのかもしれない。……「ラブマスター」って素の文で書くと異様に恥ずかしいな。
8点(2007-11-20 02:42:43)
24.  学校怪談
けっしてメジャーにはならない、自分のような一部のもの好きにしか薦められないタイプの漫画。同じ一話完結ものの学園ホラーでも、『地獄先生ぬ~べ~』などとは遠く隔たったマニアック臭がする。線が太くて暗い独特の画風に、昔の怪談を思わせる物語構成。幽霊も妖怪もオリジナルのものが多く、ラヴクラフト並みにどぎつい化け物が多い。悪いときには怪物が強烈過ぎてかえって怖くなかったりもする。でもねえ、この陰惨な一方で能天気な味わいが、一度はまるとたまらないのですよ。まあ、薦め難いのは間違いないんだけれども。
7点(2007-11-20 02:22:40)
25.  幕張サボテンキャンパス
気楽に楽しめる大学を舞台とした四コマもの。各タイトルがオチに繋がっているのが絶妙に上手い。マンガ内での時間の経過がいったんは停滞するもののちゃんと卒業まで続くので、ゆるゆるとドラマ性も生まれ、さりげなくいい台詞があったりして軽く感動してしまう。『ここだけのふたり!』や『あずまんが』でもそうだけど、登場人物がきちんと年をとっていくのを見ると、少し寂しい半面で登場人物へのいとおしさがいや増していく。地元ではまったくないけど千葉のローカルネタも楽しく、読み終えたあとではマザー牧場とピーナッツに妙な愛情すら持っていた(笑)。  ちなみに無駄にインパクトが強かったのはファンレターに対する著者の返答コーナー。津田沼さんと結婚したい、という女性ファンを「こんなもん言ってみりゃ紙とインク。現実見なさい」とあっさり切り捨てていた。いや、そうだけど、それをあんたがいったらお終いでしょうが。
8点(2007-11-18 20:28:34)
26.  なるたる―骸なる星、珠たる子 《ネタバレ》 
バカバカしいラストを別にすれば、面白かった。  愛らしい絵柄にはまったくそぐわない凄絶な内容で、茫然とさせられる。目を背けたくなるものばかり見せてくれたあげく、ラストでは世界をリセット。こんな醜い世界は消えてしまえばいい、ということだろうか。他にも似たような結末の作品はいくつかあるが、素直にいいと思えたことがない。これだけ長いこと付き合わせといて、結局いいたかったのはそんなに子ども地味たことなのかと思う。人間ドラマにしても娯楽性にしても(あざといのがたまに瑕だけど)相当な力を持った作者だとわかるだけに、この結末は残念。  もっとも、多少の欠点があるにしても、ありふれた凡作よりはこういった問題作のほうが好きだ。
8点(2007-11-18 20:12:07)
27.  ヘルタースケルター 《ネタバレ》 
岡崎作品は暗いものが多いけれど、とりわけ読み進めるのが辛いのがこれ。ほんとうは何もかもが崩壊寸前だとわかっているのに、平気な顔を取り繕いながら綱渡りの生を歩む。やがては破綻するであろうことが明らかなだけに、全編に渡って剥き出しの神経を掻き毟られるような心地がした。  他作品でも同様だが、突如差し込まれる見開きがすごく効果的だ。しかも大抵は直線ばかりで構成されたうら寂しい都市の風景。あるいはオーブンに頭を突っ込んだ死体という、読んでいる者をぶん殴るような絵。面白いから本を閉じるまではいかないんだけど、この読んでいてぎりぎりまで追い詰められるような焦燥感は、すごい。  ところがこの悲劇的な物語は、ラストで思わぬ着地をみせ、突き抜けたような不思議な明るさを漂わせる。続編なんてなしに完結させてほしかったという気もするけど、これも悪くないのかな。絶望的な虚無を描きながらもどこかしら切ない美しさがある、痛ましい傑作。
9点(2007-11-17 23:42:54)
28.  ザ・ワールド・イズ・マイン
阿部和重、伊坂幸太郎と帯に並ぶ名前が異様に豪華ですが、実際これほど衝撃的な読書体験は小説の世界でもなかなかない。  殺人鬼“モン”の理屈もなにもない狂気じみた台詞が奇妙な魅力と説得力を持って、読むものの倫理観を揺らがせる。殺人鬼をヒーロー扱いする世相の描写もリアルで、現代における倫理の頼りなさを巧みに伝えている。一方で、対するマリアやユリカンの唱えるきれいごとが不思議なほど感動的に響く。類型的な人物やありがちな台詞といったものは皆無に等しく、登場人物は皆尋常ではない人間臭さと存在感をもって話しかけてくる。  賛否両論分かれたラストについてはどちらかというと否定派につきたいが、それを補って余りある内容だと思う。暴力の恐怖と魅力、倫理のもろさと力強さ、命と善悪をめぐる相反する側面が力強く活写されている。終盤には作者の自己陶酔や意味のわからないぶっ飛びすぎた展開が増えてやや残念なところもあるけれど、とくに前半は文句なく素晴らしかった。  名作だと思います。……たぶん。
9点(2007-11-17 23:42:14)
29.  ガンスミスキャッツ
銃器に対する強い愛情と知識に裏打ちされた、秀逸なガンアクション。  銃を使ったアクションは星の数ほどあるけれど、大抵はヒーローは百発百中なのに敵の弾は足元を抉るだけというしょうもないファンタジーに終わる。それに比べると、本作も主役が凄腕であるのは変わりないとしても、武器についての豊かな知識を利用して敵の裏を掻く過程が説得力をもって描かれている。常に読者の意表を突いた展開が心憎い。ハリウッドのアクション映画の作り手たちはこれを読んで勉強するべきだろう。  ただ、ちょっとHなのはご愛嬌だとしても、さすがにミニーメイの設定には引いた。露骨にロリコンの願望充足のためのキャラクター。主役の設定にもどうかと思うところはあるけれど、これはあんまりだ。  銃と車と、美少女。良くも悪くも、男性のためのマンガだろう。
8点(2007-11-15 01:22:51)
30.  花とみつばち 《ネタバレ》 
安野さんにしては切れ味に欠けている感じ。さくさく読めるんだけど、冴えない男が頑張っているというだけで話に深みがなく、ギャグについても無駄に下品なだけで普通。ラストに至っては登場人物が勝手に動いてしまったのかあるいは強引に終わらせたのか、完全に普通のラブストーリーになってしまった。きっとこのテーマではストーリーを広げるのも深めるのも難しかったんじゃないかと思う。
5点(2007-11-15 01:00:21)
31.  天使な小生意気 《ネタバレ》 
不良が喧嘩ばっかりしてるマンガって苦手なんだけど、これはとっても面白かった。何より笑いのセンスがかなりキてる。旅館のエピソードなんて何度読んでも笑ってしまう。  あとこのマンガってギャグだけじゃなくて、真剣な決めの場面に対しても、「かっこいいぜ…」「決まった…」と突っ込み(客観視)の台詞が入る。たぶん西森さんは自作に対する客観性がものすごく強い人で、まじめなことを書くとすぐ照れてしまうんだと思う。  客観的な視点は創作全般においてはもちろん、一人でボケと突っ込みを兼ねなければいけないギャグ漫画家にとっては絶対に必要な力。そういう意味では西森さんはずば抜けていて、たとえ小ネタであっても全然すべらない安定感を持っている。そして実はすごくかっこいい連中ばかりを描いているのに、全然嫌味がない。この辺りも優れた突っ込み力の賜物だろう。  結末に向けてちゃんと伏線を張っているのも良い。気楽に読める作品でも、やっぱりプロットががっちりしてると満足感が違う。欲をいえば最終話近くが急ぎ足になって、わずかに伏線を拾い損ねているのがもったいないかな(たとえば魔本の起源はほのめかすだけに終わってるし、藤木が闇夜の谷川に飛び込めたのは例の河童のおかげなんじゃないかと思うんだけど説明はなし)。  とはいえ読後の爽快感は最高だった。全体を通して暗い要素は薄く、敵役ですらラストの行動は清々しい。読んでいてすごく気持ちのいいエンターテインメントに仕上がっている。
9点(2007-11-15 00:46:27)
32.  MONSTER 《ネタバレ》 
ヨーロッパが舞台のミステリー巨編で、リアルタイムで単行本を集めるくらいには好きでした。  惜しむらくは他作品からの露骨な引用が多すぎることで、読みながらああここは『ツインピークス』、ここは『死の接吻』、こちらは『沈黙の獲物』で、あちらには『FBI心理分析官』まであるぞという感じで次々と元ネタが見つかる。過去の作品から影響を受けるのは当然だし、ゼロからオリジナルを生み出せとはいわない。にしても、ちょっとやり過ぎでしょう。結末までそっくりな小説があると知ったときはさすがにげんなりした。  ただそれでも充分読ませる面白さではあるし、さまざまな視点からスケールの大きな物語が立ち上がってくるあたりはさすが浦沢氏。この結末も、似た小説があるとしても評価できると思う。これだけ大勢の人間を巻き込んだ悲劇でありながら、根底にあるのはナチスの陰謀ではなく家族の崩壊だった、というのが人間という生きものの本質を表しているようで面白い。上記の理由から文句なしの名作、とはいい難いんだけど、個人的には好きです。
7点(2007-11-11 22:34:16)
33.  フラグメンツ
正直にいうと山本直樹はたまに――しばしば自分の読解力を超越しているのであまり堂々とは語れないんだけど、『フラグメンツ』に関してはやっぱり好きだ。ファンタジーというのはためらわれるけれど、リアルというのとも違う雰囲気からしてなんともいえない。普通に足を踏み出したつもりなのに、靴底が地面から一センチほど浮かんでいたみたいな、微妙な浮遊感が。収録されている「別章」も無関係なようでどことなく共通した空気が通っている。リアルじゃない場所でリアルなものを探している人たちの寂しさが伝わってくる。
9点(2007-11-08 21:27:28)
34.  行け!稲中卓球部
久々に読み返してこの漫画が現在の自分を形成するかなり重要なファクターとなっていることに気づき、暗澹たる思いになる。前野や田中という主役級キャラのフルネームが明かされないなど、著者のドライっぷりにはびっくりだ。この地獄のようなくだらなさ、今の十代が読んでも普通に笑えるんじゃないかな。  小林よしのり氏がゴー宣で「わしは稲中卓球部に挑戦する」とかいっていたけど、正直大敗というか、誰も挑戦していたことに気づかなかったくらいの圧倒的戦力差があった。よしりんが悪いんじゃないよ、古谷さんが最高すぎたんだよ。  いまだに都合が悪くなると「いいよねどうせ人類なんて滅びるし」とかいっちゃうのはこのマンガのせいです。十点にしようとして理性に止められ、九点。
9点(2007-11-06 01:39:29)
35.  賭博黙示録カイジ
名作ですね。ギャンブルは苦手だけどこれはめちゃくちゃ面白かった。ジャンケンを元にしたシンプル極まりないゲームが、人知を尽くした頭脳戦として加熱していくさまは圧倒的。知的興奮ももちろんすごいけど、日常とはかけ離れた舞台設定も、欲望の塊のような悪役利根川も強烈だった。もしも自分がこんな極限状況に置かれたらきっとすぐにテンパって自滅しちゃうんだろうなー……
7点(2007-11-04 19:09:36)
36.  座敷女 《ネタバレ》 
これを読んだ当時は確か「ストーカー」という現象にスポットライトが当たっていた頃で、ドラマでも本でもストーキングものが山ほどあったと思う。でも記憶にある限り、『座敷女』よりも怖いストーカーはいなかった。どこにでもいそうなサイコさんがだんだん人間離れしてきて、しまいにはストーカーなのか化け物なのかもわからなくなる……都市伝説のようなリアルな肌触りが薄気味悪かった。何気に印象的な佳作です。
7点(2007-11-04 18:46:14)
37.  残酷な神が支配する
萩尾望都は昔からしばしば依存や虐待をモチーフとしてきたが、この作品は著者のそうした関心を追求した末の、ひとつの到達点といっていいだろう。レイプによる心的外傷が圧倒的なリアリティで語られ、読み進んでいる最中はほとんど息苦しさすら覚えるほど。おそらく臨床心理の世界に関心がある方であればなおのこと興味深く読めると思う。著者としてはめずらしい大長編で、非常に読みごたえのある力作となっている。
8点(2007-11-02 02:24:54)
38.  レベルE 《ネタバレ》 
豊富なアイディアとよく練り込まれたプロットで、短いながらも読みごたえがある秀作。ただプロットに特殊なところがあって、読者をいい意味でも悪い意味でも裏切ってしまう。話を転がして大風呂敷を広げ、わくわくしてきたところで唐突に話をぶった切る。  広げた風呂敷をあっさり破り捨ててしまうので、リアルタイムで連載を追っていたときはほんとうに唖然とした。今であれば反応が違ったかもしれないが、子どもだった当時は全力で肩透かしを食らっていた。もちろん意識的な試みであることはわかっていたけれど、だからどうしたんだよ? という気持ちを拭いきれなかった。こうしたストーリーはコロンブスの卵だけど、だからといって潰れた卵が不恰好であることに変わりはないんじゃないの? なんて思った。それでも下手な凡作よりは遥かに面白いんだけど、当時の正直な感想を反映させるとマイナス1点しないわけにはいかない。  ところで、王子の作ったゲームに無理やり組み込まれる子どもたちの奮闘を描いたカラーレンジャー編は、『H×H』のGI編に繋がる要素を多分に含んでおり、また結末のアイディアはキメラアンツ編に結実しているように思う。そういう意味では、『H×H』は『レベルE』で中途半端に放り出していたネタをまっとうに熟成させた作品だといえるわけで、個人的には少年期の不満を補ってもらっている気がしてとてもうれしい。
7点(2007-11-01 23:04:03)
39.  えの素
読んだ先から脳内で新しいシナプスがぷちぷち繋がっていく、前代未聞の快作。普段何を考えてたらこんなものができるんだろうか? 底なしの下品さと、漫画的ならではの手法の結晶ともいうべき不条理さが相俟って、とんでもない高みにまで達してる。こんなこといったら笑われるかもだけど、もはやアートの一歩手前だ。とくにクライマックス長編の弾けっぷりは常軌を逸している。空想力が、あまりにもアクロバティック。数え切れないほど笑かしてもらった。葛原さんや田村さんなど、名キャラクターにも事欠かない。ある意味ギャグマンガの頂点でしょう。っていうか、同じ物差しの上で測れるものが他にない。
9点(2007-11-01 22:37:14)
40.  神戸在住
スクリーントーンを使わずに多様な斜線を利用するなど、かなり個性的な手法にのっとった絵柄で、淡くやわらかく、温かみのある雰囲気を持っている。かと思うと阪神大震災を題材とした回では、淡々としているだけに確実に心に食い込んでくるので油断ならない(読後しばらく地震恐怖症になってしまった)。大仰さのない徹底的にリアルな、エッセイ風のフィクション。スローペースな語り口の本が大好きなんだけど、これはその系統の最上の部類に入る。心の機微や人間関係をじっくりと追っていく過程がとても味わい深く、疲れ切ったときなんかに読み返したいと思う。余談だけど、主人公の桂さんは本の趣味がとてもよいですね。
9点(2007-11-01 22:15:41)(良:1票)
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