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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  関心領域 《ネタバレ》 
 知識を求められる映画で、映像を見て音声を聴いて、そこで何が起きているのか、何故そうなっているのかが知識無しでは何も伝わってこない、それ単体では意味不明な映画ではあるの。ドキュメンタリーのようにただ事象を淡々と描いているばかりで、一部タッチの全く異なった不思議な映像が挿入される部分以外はそれが何を言っているのか説明するように描いてはいないのね。  でも私たちはそれが何か知ってる。その塀の向こうで何が行われていたのか、その会話の中の発明がなんのためか、その会議で語られる数字がなんの事を語っているのか、その毛皮のコートが、歯が、沢山の靴が・・・そして恐怖するの。   その一家の日常は凄まじい異常の中に成立していて、だけどそれを異常だと感じていない、正常だと信じてるのね。それは自分たちとはほぼ無関係なことだから。その日常にちらりちらりと入り込んでくる影をヒステリックに否定し自分の理想から決して外れない妻のかたくなな姿勢は恐ろしく見えながら、でも今の人々の写し鏡でもあって。   現在進行形のイスラエルのパレスチナに対するジェノサイドはナチスの再現のようだしイスラエルに与するアメリカはバイデンを選ぶも地獄、トランプを選ぶも地獄、その二択のみの地獄。裏金をため込む自民党の犯罪者集団を罰せず知らんぷりをし、日本政府も東京都知事も弱者を切り捨て、ネトウヨは差別を是とし、それでもとりあえず日常は続く、のかな?って。   あの一家のほんの数年後は果たしてどうなったのかしら?   この映画とか『デデデデ』とか、朝日新聞に寄せられた相談に対する野沢直子氏のクソみたいな回答とかそれを持ち上げるクソみたいな朝日新聞の記者とか(ここら辺いちいち説明する余裕はないので調べてね)、次期都知事候補の小池都知事を持ち上げ蓮舫氏をサゲて偏向しまくるマスコミとか近々に符号する事象がぐるぐるしちゃってもうクラクラしちゃってるわ。  じゃあアタシは何ができるの?ってとりあえずこうしてネット上に文章を残すこと、それはできるのよね。   この映画はスクリーンの向こう側だけで完結してはいないの。
[映画館(字幕)] 7点(2024-05-29 16:58:11)
2.  ガンパウダー・ミルクシェイク 《ネタバレ》 
 カレン・ギランさま好き。『GOTG』や『アベンジャーズ』での真っ青でいつもキレ気味な彼女はちょっとあんまり・・・だけど『ジュマンジ』シリーズのルビーは本当にステキだわ。  そんな彼女が主役の映画なのでワクワクして見に行ったのだけれど、ちょっと微妙だったわね。悪くはないのだけれど、でも、みたいな。   凄腕の殺し屋のお嬢さんが依頼に反するコトをしたために組織に追われるコトになる、って最近邦画でもそんなの見たけどこちらの方が公開は先ね。こちらの方がシリアスなのだけれど、でもシリアスとコミカルとのバランスはそんなに好みじゃないのね。もっと弾けちゃってる方が好きだわ。  彼女を殺そうとやってくる二人組なんか明らかにお莫迦なお笑い系なのにワリとシリアスに殺されちゃうし出番も意外に短いわ。ここではむしろ両腕が麻痺して使えなくなっちゃったヒロインが少女を守り、かつ利用しながらいかに難局を乗り越えるかにウエイトが置かれていて、それはそれでハラハラする見せ場として成立してるのだけど、ならばあの二人組はコミカルである必要はないのよね。シリアスな方がサスペンスは引き立つんじゃない? その前にボウリング場のダサいスカジャンに着替えるのもネタとしてわざとハズしてるんでしょうけど、それも必要だったかしら?   カーチェイスもあるけどとても限定的な舞台で、最初から最後までそんなには舞台に広がりがある感じじゃなくて、狭い世界で殺し合ってる印象。  お母さんが彼女を置いて去ってしまったことに何か大きな秘密があるのかと思えば予想の範囲内だしお母さんと図書館のおねえさま方との不和なんかはテンポを悪くしてる感じがあるし、おねえさま方がカッコ良く敵を圧倒するかと思えばかなりの苦戦状態だし、なんていうか全体的に『ジョン・ウィック』的な、爽快とはいかない闇の世界のシンドさみたいなので支配されてる感じね。でもクライマックスの独り死地に赴くヒロイン、からの盛り上がりは良かったわ。  ヒロインと少女とおねえさま方の物語、出てくる男はみんなお莫迦、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』の類似作でもあるかしら。どちらも『グロリア』の亜種だけど。キレはあまりよくないわ。   オシャレな画作りは良かったのでもっとクサいくらいにカッコつけた映画の方が良かったわね。でもこの映画の場合、ひたすらアタシの好みのモンダイってカンジ。
[映画館(字幕)] 6点(2022-10-17 22:43:26)
3.  カーズ クロスロード 《ネタバレ》 
 マックイーンは最後に何故トレードマークの赤い色を捨てたのでしょうか?  若くて未来ある、だけども性格の悪いストームのボディは青い部分もある、けれど黒いです。まだ若いけれど挫折して夢を諦めた状態のクルーズのボディは黄色いです。もう若くはなく、レーサーとしての寿命を認識せざるを得ないマックイーンの色は赤いです。つまり、今回の作品に関してはそのボディカラーが信号の色を示してたりしない?って。1作目の段階で赤いマックイーンですから、今作に対してしか通用しない考え方ですが。  もう少し細かく見ると、クルーズは黄色一色が、途中で黄色に黒のペイント、次に黄色にオレンジ~赤のペイントとなり、そして最後には黄色にブルーのロゴ。マックイーンは赤いボディに黄色のロゴが、一度は剥がされ剥き出しの素の色になり、元に戻ってハデになって泥を被って元に戻って、最後はブルーのボディにブルーのロゴ。その塗装の変化が立場や心情、意識の変化を示しているようにも思えます。ブルーは未来を予感させる色、黄色は惑いの色、そして赤は限界を感じる色、そんな感じなのかな?みたいな。   そんな今作はある程度歳を重ねた人、挫折を経験した人、人生に迷った人に染みるようなお話で、だから日本でのシリアスな大人向けっぽいCMも、あながち間違いでもないのかな、と。これまでの『カーズ』はあまり好きになれなかったのですが(マックイーンもメーターもウザくて)、今回はシンパシーを感じる部分が多く楽しめました。ああいうシンプルなデザインのキャラがドラマを演じる事の無理がある感は1作目同様にあったと思います。もっとテンポアップした方がいいんじゃないかって。でも、情感溢れるシーンはキャラとのバランスに違和感を抱きつつも味わいを感じて。  ピクサーの子供向け枠の限界にぶち当たってる状態はここに極まれり、って感じではありますが。   あと、松岡茉優は蒼井優に匹敵する声優殺しでした。
[映画館(吹替)] 8点(2017-07-25 22:05:35)
4.  怪盗グルーのミニオン大脱走 《ネタバレ》 
 前作でルーシーが登場した事で愛すべきシリーズへと昇華された感があって、今回は見ている間、とても幸せな気分に浸れた、のですが、でも作品的には前作の方が好きだったなぁ、と。   前作には血の繋がりの無い者同士が家族を形作るという大きな流れが貫かれていましたが、今作は最終的には「家族っていいね」ってところに到達するものの、散漫でまとまりに欠けています。  悪党バルタザールとの戦いと反悪党同盟をクビになるグルーとルーシー。突如現れたグルーの双子の兄弟ドルー。母親として認められるために奮闘するルーシー。ユニコーンを探すアグネス。グルーに反抗し家を飛び出し騒動を起こし投獄されるミニオンズ。それぞれが密接に絡み合って1つの映画を高めてゆく、っていう訳にはいかず、バラバラ。  邦題にある「ミニオン大脱走」は本筋に全く絡まないエピソードで、ミニオン達の大活躍が見たければ『ミニオンズ』の続編に期待しましょう、って状態。明らかにキャラを広げ過ぎたようで。それを自覚してでしょう、ネファリオ博士なんか作劇上ジャマだとばかりに退場状態にしてしまいますが、ほったらかしなまま映画が終わってしまって唖然。  ドルーは本当はもっと重要なポジションだった筈でしょうに、立ち位置も性格もハンパ。もっと振り切れたキャラで良かったんじゃないかと思いました。   それでもグルーと三姉妹(孤児院出身なので本当は血の繋がりは無いと思いますが)とルーシーとミニオンズ、その世界の更なる続きが見られる事は幸せですし、オモチャ箱みたいなガチャガチャした感覚は健在。  それに今回は80年代のヒット曲満載で世代的にツボでした。   次が楽しみなシリーズ、ですが、これまで3~4年に1作ペース、次は一体いつになるんでしょうねぇ・・・
[映画館(吹替)] 7点(2017-07-24 16:02:12)(良:1票)
5.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス 《ネタバレ》 
 前作はめちゃくちゃ楽しめたけれど、今回はなんかフツー。   前作ではどんどんと舞台が移っていったのに今回は舞台の殆どが1つの星に限定されて広がりは無く、前作ではハミ出し者の寄せ集めが最後は大勢の人々と共闘する事で宇宙の危機に立ち向かったのに、今回は宇宙の危機自体は両手の指で足りる程度のキャラのいざこざで語られてしまい(危機に絡まない無関係なキャラは多いものの)、結局は例の作品でお馴染みな宇宙規模の親子喧嘩、最後はカビが生えまくりの定番設定な星の核を破壊する事で事態は解決、そんなモノを笑って皮肉ってみせるとかじゃなくて、マジでやっちゃってる状態。80年代の娯楽映画を見てたら、もうここには新しいモノなんてVFX以外何もありません、みたいな映画。   あとはキャラの面白さを楽しむくらいなわけですが、今回はウェットなドラマが全編をどんよりと覆っていて(前作もそれなりにウェットではありましたけどさ)、キャラの歯切れの悪いこと。ロケットなんてアライグマなカッコしてる必然性がないくらいに普通にドラマを消化してましたからねぇ。  前作のそれぞれハチャメチャなキャラっぷりは今回は冒頭を除くと鳴りを潜めて、みんな受け身。大切なのはファミリー、みたいな。『ワイルドスピード』かいな。守りに回ったら面白くないわけですが。   面白かったのは冒頭のタイトル部分の長回しとか、新キャラのマンティスとか、最近の3Dには珍しく飛び出し方向を強調していて昔の『ジョーズ3』なんかの目が疲れる系3Dっぷりが懐かしかったとか。   映画全体が守りに回った感がして、二作目にしてそれって、ちと早過ぎないかと。実はこれもまた次回『アベンジャーズ』のための予告編映画なのでした、とかだったらイヤな話だなぁ。
[映画館(字幕)] 5点(2017-05-14 17:43:50)(良:2票)
6.  カリフォルニア・ダウン 《ネタバレ》 
 娯楽エンターテインメントってヤツです。だからここから何か教訓を得ようとか、メッセージ性が云々とか、そういうのを求めても無駄っていう。不謹慎とかなんとかっていうのも的外れ。  昔ながらのパニック映画。映像的には最先端ですが、お話的にはクラシカルな要素の寄せ集め。科学者や専門家の健闘虚しく大災害が起こって、そこから生き延びようとする人々の苦難が描かれる、それだけ。見終わって何かが残るってほどのモノでもなく。   脚本的にはツッコミどころ満載。ドウェインがレスキュー隊の隊長なのに大地震後は行動が自分の家族を助ける事だけに終始するとか、それどころか津波後のボート大暴走は「それ確実に何人か轢いてるだろ!」とか。あの社長はそこまで悪いヤツか? 知り合った兄弟だって最後には水没する彼女を見捨てたじゃん、とか。留守電に入れたメッセージが結局なんの意味もなかったですし。大地震起きても地下鉄運行してるし。   ロスから娘のいるサンフランシスコに向かうロードムービー的展開に「このパターン、アメリカの安い製作費のチャチなビデオスルーのパニック映画によくある」ってイヤな予感。それでもB級に堕ちずになんとか留まっていたのはやはり映像テクノロジーのお陰ですか。   74年の『大地震』のリメイク的な面があって、崩れるビルや高速道路、落下する人、落下する瓦礫、ダム決壊、降り注ぐガラスなど、映像的に共通する要素が沢山。それが今のテクノロジーで圧倒的な迫力をもって描かれます。映画の中の出来事なればこその、破壊の快感に満ちていて。  でも大地震映画ならセンサラウンドが欲しかったところ。今の映画館の通常の音響設備ではセンサラウンドは再現不可能で(サブウーファー何基入れたってデジタルのブルンブルンした音じゃねぇ)、その点ではむしろ退化。   それにしても『モンスターVSエイリアン』『ゴジラ』コレと最近ゴールデンゲートブリッジはよく落ちます。『猿の惑星:新世紀』『ベイマックス』(アレは鳥居型ですが)『インサイド・ヘッド』にも出てきますし『アントマン』にも出てくるっぽいですし、金門橋、流行り?
[映画館(字幕)] 6点(2015-09-16 22:59:46)
7.  怪盗グルーのミニオン危機一発 《ネタバレ》 
 前作に比べてヌルいです。前作もヌルかったかもしれませんが、今作はそれに輪をかけてヌルいです。何しろ前作で「幸せになりました」ってところから、今回は「もっと幸せになります」ってだけの映画ですから。   グルーはすっかり丸く優しいパパに、3人の女の子達はそれぞれに暮らしを謳歌し、ミニオン達は相変わらず楽しそうで、この幸せそうな世界に、あと足らないものは、と言ったら?   という事で、この映画は新登場の一人の女性、エージェントのルーシーの視点で描かれてゆく感じです。この世界に仲間入りをしてゆく、この世界に受け入れて貰える女性の話というのが本体のように思えるのですよね。  そのために陰謀だの戦いだのはほんのエッセンス程度。前作では一応核として存在した敵役との攻防も今回は隅に追いやられ、物語は主にグルーとルーシーがその関係を築いてゆく事に費やされます。  グルーを一方的に倒し誘拐するという冷徹な登場の仕方をするルーシーは、仕事仲間となり、協力して信頼関係を築き、私生活に触れ、恋をして、と。そのルーシーの変化は単なるアニメキャラを越えて、一人の人間の移ろいゆく心を見る感じで魅力的です。  特にグルーのお見合いデートに遭遇したルーシーの、彼の名誉を守るための可笑しくも健気でカッコいい一連の行動には「なんていいオンナなんでしょ」って。   血の繋がりの無い者同士が集まって家族を形成してゆく『グルー』の世界が、今回、嫁として、母として迎えられる存在のための映画となったのは必然的な流れだったのかもしれません。見事な愛すべき世界への補完でした。
[映画館(吹替)] 8点(2014-12-16 23:05:45)(良:1票)
8.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 
 予告編の印象から、もっとバカっぽい映画かと思ってたらとても熱く燃える映画でした。   まるで統一感のない魑魅魍魎状態のキャラ達が支離滅裂、ドタバタなところから銀河を守るって共通の目的でぐわーっとまとまってゆく、その熱さ。  アライグマとか木人間とか、ネタにしか思えないじゃないですか。だけどこれがちゃんと熱いの、感動させるの。  主人公にしても、冒頭の母に対する想いがちゃんとクライマックスからラストで回収されて、カセットテープに収録された全編を彩る懐メロの意味にも感動して。   VFXを駆使した燃えるシチュエーションの戦闘シーンもたっぷり、飽きさせるようなヘタな脇道もなく、混ざり物だらけのように見えながらとても純度の高い娯楽映画なのでした。  こういう、作ってる人間が「こういうのがやりたいんだ!」っていうのがハッキリ見えてくる映画はいいなあ。   【追記】4DX版見てきました。やっぱりドッグファイトとの馴染みは最高です。画面に合わせて前後左右にガンガン揺さぶられる状態は臨場感抜群で突入シーンでの盛り上がりがこれ以上無いってくらいな高揚感。一方で格闘シーンなんかは微妙かも。三人称視点のもの1つ1つに衝撃を与えてる状態ってワリと不自然。水や風はそこそこ、光や煙の演出は蛇足っぽく、シャボン玉は上手く画面に合って。でも、何と言っても「泣かせる揺らし」があるのがこの映画での4DXの最大の特徴かも。『スター・ツアーズ』にだって「泣かせる揺らし」ありませんものね。
[映画館(吹替)] 10点(2014-10-02 21:14:32)(良:1票)
9.  華麗なるギャツビー(2013) 《ネタバレ》 
 この映画のオリジナルな良さ、という点においてなんか微妙な感じがして。   秀逸なのは街の人々の生と死を見おろす眼科医の看板の目なのですが、あれは原作から存在しているものなので(ちゃんと宝塚版にも存在してますし)、忠実な映像化以上のモノではない気がしますし。   バズ・ラーマンのチカチカするような賑やかな画、あの紛い物みたいなインチキくさい作りが好きではあるんですが、それが今回は必ずしもいい方向に転んでいるとは思えないんですよね。  今回はむしろちゃんとした時代設定の元で、忠実にアール・ヌーヴォーからアール・デコへ至る美術で飾られた世界が見たかったです。   ガチャガチャと賑やかなせいで、妙に全体がペラペラな印象で、ギャツビーがやたら幼稚な人間に思えてしまいました。  金や地位に群がる連中の空疎なから騒ぎは(過剰なくらいに)描けていても、その間に吹く虚しいすきま風や本心から求めていたものに関する描写は通り一遍な感じが無きにしもあらず。  ギャツビーが手を伸ばし掴もうとしていた緑色の光、あれがもうちょっとだけギャツビーと観客を誘う役割を担っていたら良かったように思います。   それにしても最近のディカプリオはどうもジャック・ニコルソン化してきているような気がして仕方ないです。
[映画館(字幕)] 6点(2014-02-14 21:15:06)
10.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 
画面から片時も目が離せないって感じでとっても面白かったです。何も判らない状態から1つ1つ映像を重ねて1つ1つ謎が明らかになっていって。その薄皮を剥いでゆくようなエピソードの積み重ねに惹き付けられます。そして事実が(ほぼ、大体)明らかになってからは上手く行くのかどうかのサスペンスにハラハラして。ツッコミどころは多めですしクライマックスが結局は力技と運による解決っていうフツーな状態になってしまっていたのは残念でしたが(せっかくあそこまで作戦練ったのだから、あくまでその作戦の枠の中でスッキリ終わらせて欲しかったな)、オチの「そう来たか!」ってところまで含めて単純に「ああ、楽しかったわぁ」って。サム・ワーシントンってちっとも顔が覚えられないくらいにジミな感じがしないでもないのですが、こういう題材にはむしろ合ってるかも。一見弱々しい自殺志願者って。個人的には『ショーシャンクの空に』や『ダイ・ハード2』で個性的なカオを見せてたウィリアム・サドラーが今回もまた個性的なカオで印象に残りました。主役が一つ所からほぼ動かないサスペンス映画としては『裏窓』の系譜に分類されるのでしょうか。こちらはずっと窓の外側でしたけどね。
[映画館(字幕)] 8点(2012-07-08 13:07:03)(良:1票)
11.  カウボーイ&エイリアン 《ネタバレ》 
インディ・ジョーンズと、その元ネタとなったジェームズ・ボンドが共演し(初代との共演が『最後の聖戦』ならば、こちらは最新ボンド)、『未知との遭遇』のように空を見上げる人々、空の光、『宇宙戦争』のように巻き上げられる人々、父と子の物語、言葉でのコミュニケーションが上手く取れない人々が意識で連帯してゆく、ついでに女性としての魅力に薄いヒロイン等、この映画はスピルバーグ的エッセンスで溢れています。が、いかんせん映画そのものの出来がとても薄味。物語的に面白い仕掛けがある訳でもなければ、刺激的で斬新なビジュアルがある訳でもなく(西部劇とSFという、ビジュアル的に大きなハッタリをカマせる設定なのに!)、予想の範囲を下回る凡庸な物語が退屈に続いてゆくばかり。大スターを起用したビッグバジェットの映画ではありますが、この脚本ならば低予算のB級映画でも大丈夫なレベルでしょう。クレジットされていた大勢の脚本家達(調べたら8人!)は一体何をしていたのやら。「このカウボーイ、敵か味方か?」って予告編のキャッチフレーズに『エキセントリック少年ボウイ』の「♪敵か味方か、カーボウイ♪『敵かなぁ?味方かなぁ?』」って松ちゃんのキャラを思い出しましたが、そもそも映画の方は敵も味方もへったくれもなくって、人物の背景に興味を持てるだけの物語でもなかったのに萎えました。スピルバーグ諸作リンクな部分だけは楽しめたので、点数はこんな感じで。
[映画館(字幕)] 5点(2011-10-30 16:19:51)(笑:1票)
12.  カンフー・パンダ2 《ネタバレ》 
前作は擬人化された動物達が、なんだか妙にマジメにカンフー映画してみましたって感じがどうもしっくり来なかったのですが、今回はアクションシーンに高低差やスピード感を駆使した様々なパターンを盛り込んで全く飽きさせません。前作が『酔拳』のアニメ版ならば、今回は『プロジェクトA』のアニメ版みたいな感じで、スケールも大きくなって。ただ、主人公を苛ませる過去の暗い記憶は、映画全体のトーンを重くしてしまっている感じがしますし、そういうドラマを堪能するほどにはキャラクターに魅力があるとは思えないのですよね。それは前作でも感じた事なのですが、今回、前作で既に作られたイメージがあるためか、パンダ以外にキャラクターをもう少し掘り下げてくれるという事は殆どしてくれてなくて。タイガーの過去が思わせぶりに暗示されはしても、それはまた続編で?みたいな状態ですし。元々ジャック・ブラックって人があまり好きではないがゆえに、その人に寄ったキャラクター造形であるって時点で上手く馴染めないのかもしれませんが。一方で映像表現に関してはもはや言う事のないレベルではあります。影絵タッチのオープニングとエンドクレジットの雰囲気もいいですし、本編の描き込まれたCG世界を3Dで駆け抜ける感じも見事。ドリームワークスアニメーションの3Dは効果的な見せ方を判っている感じで常に他より一歩先んじているように思えます。競いあって成長してゆくアメリカのCG業界は凄いなぁ。
[映画館(吹替)] 7点(2011-08-21 14:35:18)(良:1票)
13.  カーズ2 《ネタバレ》 
メーターが大変にウザいキャラなんで、そんなのが主役になっちゃってる状態が見ていてツラく。マックイーン主役でいいじゃん。前作では擬人化されたクルマに人間的なドラマを語らせるほどキャラにちゃんとした魅力が生まれてないって感じがしましたが、今回もまた同じ。擬人化されたクルマが演じるスパイアクションって、別にクルマである必然性がない気がします。キャラが単にクルマなだけで、この作品ならではの独自性のある、魅力ある物語が展開する、って訳ではないので、ワリとダレ気味。会話が空回りする、展開が空回りする、そんな要素ばかりで構成されていたら、そりゃイライラもします。黒幕は誰だ?みたいなミステリー要素はまるで謎として機能しちゃいない、無駄とも言える状態でしたし。上映時間をもっと切りつめてタイトにまとめたらまだ良かったと思うのですが。3Dの立体感は、ピクサーもやっとこさこのレベルまでは来たか、って感じなものの(『カールじいさん』『トイストーリー3』と、3Dの必然が薄かったですからねぇ)、もう少しレースシーンにちゃんと活かして欲しかったです。マックイーンと共に、レースの存在があまりに傍流過ぎちゃってて。日本語吹き替え版で見たので、エンドクレジットで大音響でフルに流れた『ポリリズム』が唯一の感動ポイントでした。
[映画館(吹替)] 5点(2011-08-02 21:07:16)
14.  ガリバー旅行記(2010) 《ネタバレ》 
散りばめられた映画パロディとか様々な固有名詞の羅列によってアメリカンナイズされてゆく世界とか、笑えはするのだけれども、本当に見たいのはこういうモノとは違うよね・・・って感じで。現代アメリカを基準に翻訳された物語は、視野がアメリカのライフスタイルに限定されるがゆえにあまりに表現の幅が狭く、その上ジャック・ブラックという俺様的個性の強い存在が更にそれを狭めているようで、普遍性などとは無縁の一発芸映画。ここまで矮小化されて一過性の作品として送り出されてしまうと、もう少しちゃんと作ろうよ、って思ってしまいます。ファンタジーですからサイズの違いによる質感の差なんてところまで拘ってケチ付けるつもりはありませんが、CGのレベルがやたらに低い(お姫様を救って掌に乗せるシーンやロボットに吊り下げられるシーンでの不自然な合成っぷりは前世紀レベル)あたりも「ちゃんとしてない映画」って感じを醸してしまって。それに短すぎな上映時間はキャラクター造形もドラマも世界の背景も全てが申し訳程度にしか描かれず、映画全体が目の前をササッと通り過ぎていったようで。ガリバーが触れる驚異の世界を、最新技術できっちりがっつりと見せてくれる「ちゃんとした映画化」が良かったんだけどなぁ。それでも退屈はしなかったのでこの点数で。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-21 21:00:58)
15.  カンフー・パンダ 《ネタバレ》 
豪華な声優陣、かなり丁寧にカンフー世界の設定をしているなど(虎拳、猿拳、蟷螂拳、蛇拳、鶴拳と)、見所いっぱいありそうに思えつつ、あまりにストレートにカンフー映画リスペクトしてしまい、意外に楽しみどころが少ないとゆー。物語はアニメ的な誇張とギャグを除けばあまりにオーソドックス。そしてキャラに今一つ魅力がないのですよね。動物キャラものって、アメリカ産CGアニメの定番ではありますが、ただ擬人化されただけという感じで、動物だからこそ面白いという訳ではなく、あれが人間のキャラで描かれていたとしても大差はなさそうで。せめてキャラ同士がもっと絡んでいれば面白味が出たのでしょうが、パンダと5人の弟子の交流はあまりに薄く。アクションの面白さなどは、逆にアニメである事でスポイルされてしまっているようにも思えましたし。アニメならば描けて当たり前な極端に誇張されたアクションよりも、動きの流れを細かく追った方がむしろ凄く思えるんじゃないかなぁ。パンダがあんなにも強かった5人の弟子達よりも更に強くなった理由というのが曖昧な描写でハッキリしなかったのが残念でした。あれって結局は訓練の賜物と言うよりは、ぶよぶよしているがゆえに相手の力を殺し弾き返せる、それに気付いただけ、って事ですよねぇ。一方、作品の主題に積極的に東洋的な思想を盛り込むあたりは面白かったです。老師が必ずしも教えに対し真っ直ぐではなく、自らも疑問を抱きながら弟子と歩む事になるあたり、西洋的な視点から見る東洋の理解、みたいな感じになっていて。まあ、それゆえに二組描かれた父子のドラマ、そのケリの付け方がドライ過ぎなのがひっかかりましたが。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-11-03 21:07:29)
16.  怪盗グルーの月泥棒 《ネタバレ》 
安定した出来のCGアニメ。悪く言うとそこそこ。スラップスティックが基本なので、もう少しスラップスティックに徹しても良かったんじゃないかと。この映画独自のルールが今ひとつ統一されておらず、受け止める方はちょっと物語を掴みかねてしまうところがあるんですよね。死の恐怖はあっても死は存在しない世界みたいな感じで。グルーと孤児達の物語はベタながら楽しく、ミニオン達は愉快で愛らしく。そして、それ以外の部分に関しては徹底的に弱く。博士や母親の存在はとてもハンパですし、敵も小物過ぎ。話が大ゴトなワリに物語は広がってゆかずに小さくまとまってしまった感がなきにしもあらずです。それに、孤児院が最終的に放ったらかしなのが気になりました。CGのレベルも他よりちょっと劣る気がしましたが、オモチャ箱みたいな世界の描き方はイイ感じでした。そのカラフルで賑やかなデザインが3Dのキワモノっぷりによくマッチしています。それにしても、『くもりときどきミートボール』『ヒックとドラゴン』そしてこの作品と、片親で、親と対話が成立せず、親に認めて貰いたいエンジニア肌の主人公って設定で共通しているのは、アメリカの男達が自信を失ってきているのか、親子関係が希薄になっているのか。
[映画館(吹替)] 6点(2010-10-30 09:41:06)
17.  ガフールの伝説 《ネタバレ》 
自然の世界をアーティスティックに捉えた映像はすっごくキレイでウットリさせられるのですが、フクロウ達の世界とは言っても人間の世界を模しただけの、元はありがちなヒロイックファンタジー、物語には特に刺激されるものがなく。それなりにスケールのある物語をタイトにまとめ過ぎているのでしょうねぇ。兄が悪に染まってゆく過程に説得力が感じられませんし、最初から優等生な主人公では成長物語にもなりません。2つの国の間の距離は最初に遙か離れた世界に思わせながら、その道程はそう長く感じられないばかりか、その後に移動する連中は苦戦していた主人公達も含めてどうもあまりに容易く移動しているように見えてしまって。移動の厳しさを描かないとスケール感がスポイルされてしまうのですよね。それに、ただでさえリアルなフクロウのグラフィックで感情移入しづらいキャラな上(リアルな恐竜がドラマを語る『ダイナソー』を思い出しました)、吹替えがあまり上手でないとなると、かなりキビシく。ちびっちゃい2匹はかわいかったのですが。この監督、どうも毎回ビジュアルが全てですねぇ。それも今回のファミリー向けな題材にはちょっと不向きなセンスだったかな。もっと子供にアピールできるデフォルメされたビジュアルが良かったんじゃないでしょうかねぇ。エンドクレジットの背景はステキでした。
[映画館(吹替)] 6点(2010-10-17 21:28:52)
18.  ガールフレンド・エクスペリエンス 《ネタバレ》 
ハチ公前の某大手レンタル店から、DVDを買った際にお釣を500円渡し忘れたと電話があり、じゃあ、明日にでも伺いますと答えたはいいけど、500円貰うのに300円交通費払うのってどうなのよ?と。なので渋谷で映画見ようと。唯一火曜割引で安く見られる映画がコレだった、って。コレ見た理由、それだけ。高級エスコート嬢の生活を、時間軸バラバラに崩してドキュメンタリー風にコラージュしてみせた映画ですが、これが退屈で。同居する彼氏と競うように上流の人々の中に入り込んでゆく様が描かれるのですが、最後になって陳腐なドラマを語り出し、『ティファニーで朝食を』かよ!みたいな古臭い説教を始められて困ったもんです。どんだけ上から目線よ、ソダーバーグ。ヒロインを画面の端に小さく捉えたり、フォーカスを手前や奥に合わせてヒロインをボヤかしたり、シルエットにしたり、ラスト近くになるとやつれた表情させるわ、醜悪な客を描くわで、ヒロインをちゃんと人間として描こうとはしてません。売春は違法です!って教育映画かよ、みたいな。愛がねぇ、感じられないのよ。ソダーバーグ、やっぱり苦手だわ。結局500円返して貰うために、猛暑の中、時間と1300円を損したというお話し。
[映画館(字幕)] 3点(2010-07-20 23:12:39)(笑:2票)
19.  かいじゅうたちのいるところ 《ネタバレ》 
「家出少年が紛れ込んだ家庭は自分の家よりももっと殺伐としていたのでした。やっぱりおうちがいちばん。」なんていう教訓話を延々とやられてもねぇ・・・。かいじゅうだからこそのお楽しみっていうのに酷く乏しいんですよ。せいぜい、特異な会話くらいで、かいじゅうである事の面白味みたいなのはあまりなく、独自のセンスを感じさせるビジュアルにも乏しく、そこにあるのは一般家庭を映す鏡のような、こじれた1つの社会。音響が過剰な鳴り方のシネコンで見たせいで、冒頭から少年のヒステリックな絶叫が大変耳障りで、かいじゅうの島に行ってからもかいじゅうまでプラスしてヒステリックな状況が続いて、情緒不安定な連中のイライラとした映画を延々と見せられるのが苦痛で。視覚に頼れない分(着ぐるみながら、表情にはCGが使われているようではあるものの)、物語にもっと夢や広がりがあって良かったと思うのですが、他者との関係性の描写だけに終始した脚本に、置いてけぼりを食らった感じでした。
[映画館(字幕)] 4点(2010-01-15 18:05:50)(良:1票)
20.  カールじいさんの空飛ぶ家 《ネタバレ》 
あれあれ、安心ブランドのピクサー、まさかの大失速。最初の15分くらいがこの映画の全てみたいな感じで、本題の空を飛んでからが面白くありません。悪の存在が出てきて、その悪との戦いがメインになってしまうと、それは違うんでない?って気持ちになってしまって。この題材で殺し合いのお話になるなんて予想してませんがな(予告編ではワザとその部分を隠したのでしょうけれど)。「物より思い出」なんていうクルマの広告みたいなテーマですが、それはこういう破壊や殺戮をするものの存在なんて登場させなくても描けたんではないかなぁ。あと、3Dの意味は殆どナシ。題材的に色々と立体感を与えられそうに思えるのですが、効果的な3Dのカットって全然ありません。高い料金払って見づらい3D版を見るよりは、通常版の方がいいかもしれませんね。映像の質は高かったけれど、物語にあちこちと疑問が湧いて、最初がとても良かっただけに見終った時の気持ちはかなり微妙。まわり全部工事していて一軒だけ取り残されてる、なんて状況、実際に体験した身にはとても共感を抱いたんだけどなぁ。残念ながらピクサー作品ではこれまでで最低という評価を。
[映画館(字幕)] 5点(2009-12-05 12:57:13)
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