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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 823
性別 男性

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1.  キック・アス 《ネタバレ》 
素直に面白いと思える映画。 他のヒーローモノの世界とも異なり、もちろん現実的な世界とも異なるが、“現実”をベースにした独特な世界観が非常にユニークと感じられる。 あまり見たことのないタイプの作品だけに、評価をしたいところ。 世界観だけではなくて、ストーリーに関しても観客を裏切るような展開が多く、飽きることが全くない。 ゲイネタを盛り込んだり、他のヒーローモノのパロディネタを盛り込んだり、いきなり大量虐殺が始まったり、主人公がとんでもないところから登場したり、バズーカの使いどころといったように、自由自在さが観客を驚かせる。 さらにオタク系の恋愛モノや親子愛モノなども盛り込まれており、“現実感”を取り込み続けることで、映画が非常に豊かな仕上りとなっている。 瀕死のビッグダディがヒットガールに対して、指示を送り続けるシーンには親子の長年の訓練による“絆”のようなものも感じられる良いシーン。 「悪者はただぶっ殺せばよいのか」「女児童による殺人は許されるのか」という問題もあるが、リアリティや倫理性を重視している作品ではなくて、正義感やエンターテイメント性を重視しているのであり、それほど問題はない(現実感がある作品にリアリティがないというのも面白い)。 主人公のガールフレンドがきちんと悲しんでいたので、この点に関しても一応はフォローされている。 ビッグダディの友達の警官もフォロー役として機能している。 最後にキックアスとヒットガールが本名を交し合っており、ヒーロー(殺し屋)ではなくて、生身の人間であるという確認する行為を行うことでこれらの問題に対する提起もなされているように思えた。 また、声高々に「ヒーローとは何か」「正義とは何か」といったテーマを叫ぶようなことはしていない点に好感がもてる。 そのようなことをしなくても、他のヒーローモノとは異なり、生身の人間だからこそ、心に訴えてくるようなものがあったように思える。 ヒーローを見て「カッコいい」と思うようなことはあっても、ヒーローと同じことをしようとは思わないが、キックアスを見ると「自分は何をすべきなのだろうか」と思うようなことはある。 日本は幸いなことに暴力や強奪が横行しているわけではないが、少なくとも傍観者ではいられないのではないだろうか。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-07 00:55:25)(良:2票)
2.  宮廷画家ゴヤは見た 《ネタバレ》 
ゴヤの画家としての生涯を描く映画ではないとはもちろん思っていたが、ゴヤの眼を通してみるスペインの狂乱や異端審問がメインとは思わなかった。 思いも寄らない内容の映画だったが、傍観者・ゴヤの目や絵を通してみる当時のヨーロッパの狂気が上手く演出されており、インパクトの強い映画に仕上がっている。 ただ、ハマれる人はハマれそうだが、自分にはどこかピンとこなかったというのが正直な感想。 時代背景やゴヤなどの知識を持ち合わせていなかったからだろうか。自分にはレベルが高い映画だったかもしれない。 原題は「Goya's Ghosts」、直訳すれば「ゴヤの幽霊たち」になる。 本作における「幽霊」とは、顔が描かれていない絵の際に触れていたと思う。 本作でゴヤのモデルになったロレンソとイネスは歴史上の存在ではなく、架空の存在のようなので、これを指していることになりそうだ。 しかし、彼らの関係を通して、何をフォアマンは伝えたかったのかが自分にはぴったりとはハマらなかった。 彼らの間に“愛”などというものはもちろん存在しないだろう。 ロレンソはイネスのことを忘れており、その後も病院送りにしている。 イネスにとってもロレンソを愛しているというよりも、彼の存在と自分の子どもを拠り所にして15年間精神をかろうじて保っていたというところだろう。 最後にイネスとロレンソが手を繋いだのは、“愛”というよりも“家族”という想いを込めたためと思われる。 彼らの関係はそれほど重要ではないのかもしれない。 二人の関係よりも、ロレンソが最後に改宗しなかった辺りがポイントとなりそうだ。 異端審問をして、さらにその審問を異端視して、またその異端視を異端されるというエンドレスの抗争が描かれている。 今日にも通じる“宗教”という考え方の違う対立による根深さは永遠に消え去ることのないということを描こうとしているようだ。 これを解決する術はなく、紛争はいつまでも永遠に続くのかというフォアマンの憂いを感じられる。 狂った世界において、ロレンソ自身が処刑される際に窓辺にいる自分の娘と赤ん坊の姿を見て、何かを悟ったようなところが印象的であった。 一番人間らしい心を持っていたのは精神を病んでしまったイネスということなのかもしれない。 ゴヤの作品も理解するのは一筋縄にはいかないが、フォアマン作品も一筋縄ではいかないような独特の仕上りとなっている。
[映画館(字幕)] 5点(2008-10-21 23:09:59)
3.  紀元前1万年 《ネタバレ》 
テーマや設定は悪くはないが、あまりにも発想力、アイディアが欠如している。高額な制作費を掛けた割には、その費用に見合った内容には仕上がっていない。スケールの大きさではなく、もっとアイディアに金を掛けるべきだろう。金を掛ける部分が間違っているのではないか。 特に、主要メンバー2人が「瀕死の重傷を負った敵に背後から攻撃される」という同じような展開をみせられると、さすがに悲しくなる。 女性の方はあの描き方でも悪くはないが、男性の方はもっと派手に散らすべきだろう。 意味のある死に方を描けないようでは、質の高い作品とはいえない。 なんのために存在するのか分からないようなキャラクターが多すぎる。 また、通称“ゴッド”のあっけない最期と、ハリウッド的ハッピーエンドに至るラストが非常に不味い仕上がりとなっている。 “ゴッド”とのやり取りにはもう工夫必要だろう。あまりにもあっけなさ過ぎる。 例えば、“ゴッド”が奇術的なチカラを用いて、反乱を鎮めて、交渉を持ち掛けようとするが、そのイカサマトリックに主人公が気付いて、“ゴッド”の神格性を否定して倒すといった展開の方が面白いのではないか。 今では常識になっていることだが、当時では理解不能なことを利用して民衆を統治していたといったことを紹介することもできるだろう。 訳もなく交渉に賛同しておきながら、いきなり狂ったように槍を投げ付けるなど、あまりにも発想が貧困すぎる。 ハリウッド的ハッピーエンドもあまりにも強引過ぎて苦笑するしかない。 巫母が苦しむ姿が何度も出てきて、ウザイと思っていたが、まさかこんなことのために引っ張っているとは思わなかった。 強引に生き返らせるのではなく、サーベルタイガーかマナク(マンモス)が身代わりになるとか、ティクティクか主人公の父親が身代わりになるとかもっと膨らますことはできたはずだ。 そもそも、マナク(マンモス)を暴走させるだけで、反乱がほぼ成功するというのも、あまりにも敵側をナメ過ぎではないか。 実は、主人公の父親が生きていて、反乱の準備を着々と進めていた矢先といったような展開に持っていった方がよりスムーズだろう。 そして、息子のために、自分の身を犠牲にした方がストーリーとしては引き締まったはずだ。 今後はローランド・エメリッヒは監督に専念して、脚本は他に任せた方がいいだろう。 彼には作家性はないのではないか。 
[映画館(字幕)] 4点(2008-05-05 14:37:40)(良:1票)
4.  危険な遊び(1993) 《ネタバレ》 
二人の子役の演技自体は素晴らしい。 プロットも悪くはないが、深みがまるでないのが問題だ。 単なるホラーモノの仕上がりであり、これでは殺し屋を子どもに置き換えただけではないか。 やはり、マコーレーの内面を描かなければ、意味がない作品だと思う。 単純に「母親の愛情を独り占めしたい」という欲求からの行動と思いながら鑑賞していたが、そういうニュアンスを醸し出しながらも一歩踏み出してはいない。 これでは、ただの悪戯のエスカレートという見方しかできない。 本作の内容ならば、動機や心理的な面に触れないと、個人的には高い評価はしたくない。 作者が狙ったのかどうか分からないが、非常に後味も悪い幕引きとなっている。 (嘘ではあるが)「I LOVE YOU」と叫ぶ実の子どもを見殺しにして、他人の子どもを助けるというオチの付け方はなかなかショッキングなものだ。 作中では軽く触れられていたが、まさか「母親の霊が乗り移った」わけでもないだろう。 甘い仕上がりとなるが、最後の最後で悪人が善人になるというパターンでもよかったか。 マコーレーが「I LOVE YOU」と母に告げて、自ら手を放すようなオチにすると、後味はぐっと良くなる。 マコーレーも実は寂しい子どもだったと観客にイメージさせることもできる。 「オーメン」のようなホラーならば、“悪魔のような子ども”というイメージでもよいが、そういう趣旨とは思えない作品だ。 大人が殺し屋の場合、突然の更生には違和感を覚えることもあるが、子どもの場合には更生する機会を与えてもおかしくないだろう。
[DVD(字幕)] 5点(2008-04-14 00:31:40)
5.  君のためなら千回でも 《ネタバレ》 
子どもというのは、弱くて、勇気がなくて、ずる賢くて、残酷なものだ。アミールの姿をみて、自分の昔の姿を思い出した。トラブルからは逃げ出し、嫌なことは見ないフリをして、自己の責任を何かのせいにして回避するような子どもだった気がする。 アミール同様に、自分も普通のつまらない大人になってしまった。今でも自分には何か大切なものが欠けていると感じるときはある。本作を見ることで何か少しは変われるような気になれる。 どんなに遅いと感じても、確かに「やり直せる道はある」のかもしれない。 「友情の大切さ」「勇気を持つことの素晴らしさ」「自己に誇りを持つこと」「恥を知ること」という大切なことを考えるきっかけになるのではないか。 映画を見たくらいで、簡単に影響を受けるほど自分は単純ではないが、そんな自分でも何かを感じさせる「じんわりとした暖かさ」を持った映画だ。 また、人間としての“弱さ”は、逆に言えば“強く”なれる可能性があるとも感じられた。アミールもアミールの父も自分の“弱さ”を認めることができたから、あれほど強くなれたのではないか。親友の妻を寝取ったアミールの父親もアミール同様に“弱い”人間であるのは間違いない。パキスタンに向かうバスの中で彼があれほど強くなれたのは、自分の過ちを知って、自分の恥や弱さを痛感しているからなのではないか。 後編のカブール侵入は大変な決意や苦悩が必要だと思うので、もう少し葛藤を描きこめたらよかった。 人間は強くなれる生き物かもしれないが、それほど“強い”生き物ではない。死ぬ危険性を冒すのだから、彼の“弱さ”を今一度感じさせてもよかった。“弱さ”を描くことによって、彼の“強さ”がさらに際立つはずだ。 残酷なシーンは少々あるが(リアルさがないように配慮していると思う)、子どもにも見てもらえるように非常に分かりやすい映画になっているのが好感触だ。 時代背景やタリバン、アフガニスタンの知識を問われるようにはなっていない。 もちろん子どもだけではなく、大人にも見てもらいたい良作だ。 「友情」の象徴でもある凧揚げが見事に印象深く描かれている美しい映画である。
[映画館(字幕)] 8点(2008-02-24 02:56:47)(良:4票)
6.  記憶の棘
ミュージックビデオ界出身の新鋭監督の作品、二コールキッドマン主演、10歳の少年とニコールキッドマンの議論を呼んだシーンなどの関心事項があったため鑑賞したものの、はっきりいってストーリーはまるで面白くはない。 新鋭監督といっても、画像そのものにあまり目新しさはなかった。彼が多用したのは、俳優の表情をクローズアップで長時間撮るところ。 俳優に対してセリフではなく、「表情」で内面を語らせるようにさせている。しかし、ニコールキッドマンは、努力はしているものの、表情では上手く語れないようだ。ジョゼフ役を演じたダニーヒューストンという役者の方が数段上だった。 <以下ネタバレ>あの少年の気持ちは、少しは理解できると思う。 彼自身、自分がショーンの生まれ変わりだと信じたかったのだろう。父の仕事の都合で付き添った高級アパートメントでたまたま見かけたアナを密かに愛し、アナもショーンという10年前に死んだ夫を深く愛していることを手紙で知ったときに、彼の頭の中で何かが弾けとんだのではないか。自分がひょっとしたら、夫ショーンの生まれ変わりかもしれないと。だから、死んだショーンがアナのことを真剣に愛していないと知ったときに、真剣にアナを愛している自分はショーンの生まれ変わりではないとはっきり気付いたのだろう。 アナを真剣に愛しているからこそ、アナを裏切ることもできず、アナを真剣に愛しているからこそ、夫ショーンの生まれ変わりとして愛されることは望まない。 アナを真剣に愛していないショーンの生まれ変わりであると、アナから思われることは、自分にとって屈辱以外の何物でもなかったのだろう。 自分は、ただのガキだと知れば、いくら真剣に愛していようと関係はない。ただ彼女の前から立ち去る以外にすることはない。 アナもショーン少年を忘れて、ジョゼフと結婚しようと思うが、彼女は混乱するしかない。自分は、夫のショーンを愛していたのか、それともショーン少年を愛してしまったのか。夫への愛は本当のものだったのか。それともただの「幻」にすぎなかったのか。記憶や思い出は、どこかで美化されて、都合よく解釈されて、時間がたっても抜けない棘となって、心のどこかをチクチクと刺し続けるものだ。 この邦題は、映画の本質・奥深いところを捉えた、なかなかよいものではないだろうか。観客に対して、映画の解釈の手助けにもなるものだろう。
[映画館(字幕)] 4点(2006-10-02 22:27:49)
7.  虚栄のかがり火 《ネタバレ》 
途中から「つまらないな…」と感じ、恐らくラストまで面白くなるとも思えなかったが、最後まで観てもやはり面白くなかった。キャストは豪華、キャラクターもそれぞれ一癖ありユニークで、それぞれの思惑がぶつかりあう展開。そして、テーマもかなり奥深いというのに、2時間かけて、この映画はいったい何を伝えたかったのかが、まるで見えてこなかった。虚栄、エゴ、節度、正義、人種問題等、これらの重要なことが盛り込まれているにも関わらず、本作からは何一つ伝わってこなかった。 戦犯は、まずはなんといってもトムハンクスだろう。トムハンクスというよりも脚本におけるマッコイの人物像に相当問題があるのではないか。 あんな小心者の男が、なぜウォール街のトップに君臨できたのかと疑わざるを得ない。はったりも効かず、度胸もなく、ただ事故に怯え、妻に怯え、愛人に怯え、父親に怯え、警察に怯え、社会に怯える。とても一日で数億ドルを扱う大物には見えない。ただの小物の小さな転落劇では、「虚栄」というテーマが活きてこない。彼からは「栄光」も「虚栄」も何もかも感じられなかった。「地球は俺中心に回っている」くらいの堂々として自信満々で、威厳を備えていないと、本作の主人公としては失格だろう。本作の主人公に相応しいのは、周りから媚びへつらわれ、裸の王様ということに気付いていない憐れな男ではないか。 そして、自らが築きあげた「栄光」が一瞬でもろくも崩れ去る姿を見せる必要があり、築き上げていたものは、単なる砂上の楼閣に過ぎないということをしっかりと見せるべきであった。マッコイの人物像は、トムハンクスというよりも、むしろ冒頭のブルースウィリスに近いキャラクターではないかと思う。そのウィリスも中途半端な印象を受けた。 彼ら二人の出会いによる「化学反応」がまったく生じていない。二人の出会いによって、お互いに何も変わらないのは問題ではないか。 ファロー(ウィリス)は、マッコイの虚栄の人生を見つめ、ピューリツアー賞を得て、一躍「虚栄」を手に入れた。自己の「虚栄」に何を感じるのだろうか…という余韻にはまるで浸れない。当然、モーガンフリーマンの演説も、劇中において「正義とは何か」「法とは何か」「欲にまみれた人々に必要なものとは何か」ということがきちんと描きこまれていないので、深みのある生きた「言葉」には聞こえてこない。
[DVD(字幕)] 3点(2006-09-20 23:39:37)
8.  ギター弾きの恋 《ネタバレ》 
ジャンゴと「愛」に対して病的にまで怯える男エメットをショーンペンが実に繊細な演技で演じている。 自分の気持ちをストレートに表現することができずに、ネズミの射撃行為や汽車を眺めることに逃げてしまうのも、彼の不器用さや孤独感を印象付けている。 感情を表に出すことを嫌がっているエメットだけれども、彼の奏でる音楽にはどことなく孤独感や寂しさが伝わってくる感じがした。 そして、彼の音楽を聞いているときのハッティの表情が素晴らしい。言葉を発することはできなくても、彼女の表情が様々なことを物語っている。彼の演奏に心酔していることが、サマンサモートンの表情によって見事に演じられていた。 また、アレンの演出も冴えていた。途中途中で入るアレン本人やジャズ関係者のセリフがいいアクセントになっている。 架空の人物であるエメットレイという人物をリアルに描けるという効果が生じるだけではなくて、こういうシーンを挿入せずに、もし、ただただエメットの人生だけを描いたのとするならば、話が散漫になり観客が飽きてしまうのではないか。 この手法は観客を飽きさせるのを防止するとともに、一本の映画としてストーリーを引き締める効果もあると思う。エメットの生涯を無理なく描こうとしようとすれば、エピソードが飛び飛びになってしまう。ハッティとの出会いやブランチとの結婚を無理なく一本のストーリーに収めるために、アレンや関係者に概要を語らせた後に、当該エピソードに繋げていっているのでとても分かりやすくなっており、映画がとてもスムーズになっている。 「このエピソードには諸説あって…」というような発展型にも応用されていて、アレンのユーモアも感じられる。 そして、なんといってもラストのエメットの「I mistake」が実に胸に突き刺さる。見栄っ張りで不器用な男が犯した間違い。後悔したとしてももう戻れない彼の過ちが重さが、自分の命であるギターの破壊に見事に投影されている。
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-22 00:31:29)(良:1票)
9.  キング・コング(2005) 《ネタバレ》 
初日、深夜の渋谷での鑑賞だったが、観客が50人以下というかなりヤバ目の入りだった。アメリカでも多少苦戦していると聞いているが、「夢」への実現のためにこれほどの情熱を傾けられ、ジャクソン監督の私財を投じられて創られた本作が、後に続く者への希望となるように、収入面においても挽回していって欲しいと思う。 内容は、30年代オリジナルに存分なオマージュを捧げながら、70年代リメイクで本来描きたかったものを更に2、3歩進めたようなものを描き出した。 アクションに関してはもちろん文句のつけようがないが、コングとアンの関係を丁寧に描き出しているのが好印象だ(70年代リメイクはこの部分で完全な失敗を犯している)。 このため、アンのコングに対する気持ちに全く違和感がない。コングの孤独を知り、優しさを知り、その強さを知り、惹かれていく過程及び信頼関係が強固に築きあげられていく様を非常に丁寧に繊細に描いている。また、束の間のスケートデートなども微笑ましく(決して擬人的ではなく動物的なのもよい)、そして一緒に観た夕陽がとても印象的に用いられている。コングがエンパイアステートビルに登ったのは、アンと過ごす時間を誰にも邪魔されたくないという想いから登ったのではないかと思ったが、二人で観たあの夕陽をもう一度死ぬ前に一緒に観たかったという想いもあったからかもしれない。 それにしても、ブロディの描き方が中途半端な気がする気がする。愛する者に対するコングの一途で強い真っ直ぐな「愛」と、ブロディの気持ちは強いが、想いが伝いきれない煮え切らない「愛」の対比を訴えるべきではなかったか。それが現代の煮え切らない人々への強いメッセージとなるのではないか。 余談であるが、恐竜の走るスピードは、種類によるが、自転車並と言われているだけあって、人間の走るスピードより若干速い感じに描かれているのは科学的にみて合致しているように思われる(監督はリアルな恐竜を描くつもりはないらしいが)。 また、ナオミワッツが粉雪の舞うニューヨークで、あんな薄着でも大丈夫なのかという疑問をもつと思うが(映画での話であるが)、実際にもクソ寒い東京でのプレミア試写会でもコートも着ずに薄着でファンサービスに務めていたという話もあり、これもまた問題ないように思われる。
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-18 19:21:53)(笑:1票) (良:1票)
10.  キングコング(1976)
ジェシカのお色気路線にまず引く。 そして、コングがあらゆる点において、あまりにも人間的過ぎる点でかなり引く。 さらに、コングが可哀相な存在だとしても、ジェフとジェシカのコングに対するあまりにも感情移入しすぎる点も引く。 やはりコングは猛獣だからこそキングコングなのであって、コングが本能のまま行動している感じがせず、人間的な感情をもっているようには描くべきではないだろう。 ラストのジェフの行動だけは男としてそこそこ評価はできるが、オリジナルに比し何もかも劣っていると言わざるを得ない。
[DVD(字幕)] 4点(2005-12-12 01:23:28)
11.  キング・コング(1933)
この映画はマジで凄い。感動した。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-04 22:55:27)
12.  銀河ヒッチハイク・ガイド(2005) 《ネタバレ》 
巷では評判がよい本作ですが、有名らしい伝説のカルト小説の存在すら知らない自分にはちょっと向かない映画でした。一言でいえば、つまらなくはないけど、面白さを感じない。微妙にツボがずれている気がする(自分は宇宙船レッドドワーフ号の笑いは理解しているつもり)。 他の観客もそれほど大笑いしているという感じでもない。もっとも、本作は大笑いするというよりもクスッとくる映画ではあるが。 この映画のツボがたまたま自分に合わないのか、それとも他の多くの日本人にも合うのかどうか知りたいので、レビューが増えることを期待するけど、東京では六本木でしかやっていないのが問題。個人的には、よほどの原作マニアでない限り、六本木まで足を運ぶ必要はないのではないかという気がする。DVDを待っても良いのではないかと思える映画。 【以下ネタばれ含み】 原作を知らないのに語るのには抵抗があるが、なぜハマれなかったのか理由を考えてみたい。 ①「意外と真面目な映画に仕上がっていないか」 ユルイ笑いとナンセンスさが中心になっているかと思いきや、やや哲学的な内容を含み、どうでもいいはずのストーリーなのに真面目くさいのが肌に合わない。 「42」に対する質問や展開もユルくてもよいはずであり、白ネズミの存在や、地球再建なども明確的に描いて欲しかった。 ドアの音、ゼイフォードとフォードが飲む酒、無限不可能性ドライブ後の副作用などにはセンスや興味を惹いたが、やはり笑いと真面目さのバランス感覚が悪い。タオルとかイルカも使い道があったのではないか。肝心のガイドが大切なときに役に立たないというオチでもよい。 ②「せっかくのキャラクターが活きていない」 ゼイフォードを演じたロックウェルや、ハーマを演じたマルコビッチはそれなりの存在感を示したが、アーサー、フォード、トリシアが揃ってイマイチ。もうちょい個性的なキャラになり得たはず。いい味を出しているがマービンももっと笑いが取れるはずだ(緊迫感のある場で場違いな発言をしたり、皆から全く無視されるなど)。 アーサーはもっとマヌケ、悲観的役。フォードは逆に如何なる場面でも「don't panic」で究極の楽観的。トリシアはもっと不思議系でよかったのではないか。 ③この映画をみて「どこかに旅行にでも行きたいな」と思ったりもしたが、そういうテーマに対して上手くストーリーをまとめていない気がした。
[映画館(字幕)] 5点(2005-09-11 19:25:34)
13.  キングダム・オブ・ヘブン 《ネタバレ》 
第一印象としては非常に勿体無い作品だなと思う。本来ならば、グラディエーター並に素晴らしい傑作になり得たのではないか。映像はリドリースコットだけあって文句の付けようがない素晴らしさ。そして描かれた舞台やその背景にも興味が引かれ、また深いテーマも描けそうである。さらに登場人物も各々それなりの思想を持ち、クセのある人達である。 それがあまり心に響かない凡作となってしまったのには、あまりにも時間が短すぎるのではないかと思う。2時間30分程度ならば、確かにグラディエーターと同様ではあるが、個人的には2部もしくは3部に分けて描いても納まるかどうか分からないほど描くべきことが多かったように思われる。 それがあまりにも、かっ飛ばして描かれていくので少しおかしな話になる。バリアンに惹かれないのも、主人公の心情を描くだけの時間を割いていないからだと思われる。 とは言っても、個人的にはバリアンはただの「ラッキーマン」としか思えなかった。 いきなり父の前に現れたと思ったら、皆を戦いに巻き込み、一人だけ無傷にいる。 いきなり船が転覆したと思ったら、何故か一人(他に馬)だけ無傷で助かる。 いきなり因縁つけられたと思ったら、父に数分教えられただけの技で、腕の立つ剣使いを倒してしまう。 何を考えてよく分からないが、いきなり数十人で百倍以上の敵に立ち向かっていき「さすがにこいつのラッキーもここまでだろう」と観ていたら、切り刻まれたのに、あの結果…。 最後には何故か一人木陰でたたずむところを数名の刺客に襲われても素手(石)で倒してしまうというストーリーには、はしょっているためかメチャクチャな展開が目立ってしまった。 また、父に託された「キングダムヘブン」の使命を全く理解していないところがバリアンに惹かれない部分であろう。 「(ギーを殺して、シビラと結婚するのは)私の良心が傷みます。私の魂は私のもの。」と言って、シビラとやっちまった揚句に拒否して、戦禍を拡大させる要因を作ったのには、誰も共感しないところだろう。 シビラとの結婚こそ、「キングダムオブヘブン」への道だと何故気付かん。 エルサレムに魂を引かれた人々を救ってやれよと思う。 最後に、エンドクレジット後に、ハンセン氏病に対する理解が示されていたのは好感的だ。観ている間に、この訳を使っていいのか、ちょっと引っかかっていたがやむを得ないところだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2005-05-15 02:11:45)
14.  ギャング・オブ・ニューヨーク
あまり自分は好きではないスコセッシ作品の中で意外と好きな作品。 どう感じていいか難しいラスト以外は面白いと思うし、モノ凄い情熱を込めた映画だと感じる。ビルとアムステルダムの関係が様々な想いが重なり面白いと感じる。 アムステルダムにとって、ビルは父の仇であるのと同時に、父の理解者であり、尊敬や畏敬の念を抱くに値する男である。ビルの下で働くのを楽しんでいるかのようであった。ビルの暗殺を食い止めたのは、自分の手で殺したかったのではなく、やはり尊敬から自然とああいう行動に出てしまったのだろう。 一方、ビルにとって、アムステルダムはある意味「息子」のような存在だったのではないかと思う。ビルは息子を望んでいたし、知恵も勇気もあるアムステルダムのことを買っていたのは間違い無い。 アムステルダムによるビル暗殺が失敗に終わってもアムステルダムのことを殺さずに焼印を押しただけにとどめたのも納得ができる。 以前、ビルはヴァロン神父に殺されそうになった時に、恐怖で目をそむけたことがあり、「恥を背負って生きろ」とヴァロンに殺されなかったエピソードが思い出される。それによりビルは目をくり貫いて一回り成長してヴァロンを殺すことができた。自分がされたことを全く同様のことをしたのである。ここでもビルのヴァロンに対する尊敬の気持ちが感じられる。 これにより、アムステルダムは一層、一皮剥けたと思う。父と同様に信念を持ち、同胞をまとめあげるリーダーシップを得れたような気がする。始めてビルと対等の立場にたつことができたのではないか。 恋愛を交えるのは別に悪いとは思わないが、もう少しちゃんとジョニーとの友情なり、ジェニーに対する想いをきっちりと描いておけば効果的なものとなったであろう。ダンスシーンだけで充分とは思えない。 ジェニーは突然ではないがカルフォルニアに行きたいとかトンチンカンなことを言い出すのが不明だ。アムステルダムを止めたいのか何なのか、ボコられて戻ってくるのも中途半端だ。 ラストは軍隊という大きなチカラについて自分なりに感じたものはあったが、スコセッシはどのような意味を込めたんだろうか。
[DVD(字幕)] 7点(2005-04-10 02:22:43)(良:1票)
15.  キャスト・アウェイ
自分の人生に生きがいを失っていると感じている人に見てもらいたい良作。 本作は人々に生きる希望を与え、人生あきらめてはいけないことを教えてくれるような気がした。 チャックが語っていたように、息をし続けていれば、潮がきっと何かを運んでくれる。 人生につらい事があっても生きてさえいれば、きっと何かいいことがあるということを言っているのだろう。 たとえ最愛の女性と気持ちは通じ合っていても別れなければならない状況に陥ったとしても、チャックのように最後の最後まで自分の仕事に対するプロ意識があれば、また新しい出会いに巡り合えるチャンスを得ることもできる。 人生も一種の漂流みたいなものだ。どこにたどり着くかは分からないが、どこかに向かって歩きつづけ、もがきつづけている。  そして愛する人への想いが人を生へ固執させることを改めて教えてくれた。 「島ではずっと一緒にいてくれた…。」フォレストガンプでも似たようなセリフはあったが、こういったセリフは本当に純粋に胸を打つ。 愛する人の支えがあるからこそ、人は頑張れる。 愛する人だけでなく、親友ももちろん重要だろう。 最高の親友であるウィルソンとの別れのシーンも最高だった。 確かに少しオーバーアクションで感動させようとしているのがちょっと分かってしまうが、普通の人間の親友や恋人との別れのシーンよりもある意味で感動的だった。 戻ってきた時の文明や飽食に対する寂しそうな表情も忘れられない。 あの火を起こす苦労に比べ、チャッカマンなんて反則だからなあ。 自殺、文明への依存、食べ物に対する意識など、現代社会に対する警鐘的な要素も見逃せない。 
9点(2004-11-24 01:23:24)
16.  キング・アーサー(2004) 《ネタバレ》 
テーマが「自由」のための戦いなら、「ブレイブハート」の足元にも及ばないけど、戦いの虚しさを根底にして何のために戦うかをテーマに、それぞれ自由のため、仲間のため、その地で暮らすために戦う姿を描いている。 あれほど欲しがった自由を得た後でも、仲間のためにその自由を捨てて戦う姿は良く出来ているが、ただ、何て言うか全編を通して悲壮感が漂いすぎている感じがする、「オレの子だよな?」とかいう会話も確かにあったけど遊びがないというか余裕がないんだよね。思いっきり真面目な作りでガチなんだよ。とてもブラッカイマープロデュースとは思えん。 作りにも問題がある、最後に誰かが死ぬけど、その部分で感動を誘いたいなら、そいつをもっとクローズアップすべきで、人物描写がまるでなってない。 「ティアーズオブザサン」でもそうだったように主人公、脇役、悪役も含め人物を描くこと、キャラクターに深みをつけることが必要だったと思われる。
5点(2004-07-18 01:49:55)
17.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
ストーリーに抑揚がなくストーリー自体は大して面白くはないと思う反面、じっくりと創り込められていると感じた。全体を通せば映画の出来はかなり良い。 ディカプリオとハンクスの追っかけたり、追われたりという二人のスピーディのある映画ではなく、ディカプリオが失ったものを必死に追いかけている映画だと感じた。 追っかけているのはトムハンクスではなくて、ディカプリオなんだなと思う。 「catch me if you can」の「you」はディカプリオで「me」とは実は家族の幸せだったのではないか。 父親のネズミの教え通りにもがき続けた人生の果てに見た「母親の幸せそうな家族」。 もう自分が求め続けた家族の幸せは取り戻せない。 あそこでもがくのをあきらめざるを得ない心境になるのは映画を通してよく理解できた。 クリスマスに相手をする人がいなくハンクスに電話をしてしまう寂しさとハンクスにずばり言い当てられてしまう悔しさ。 二人の関係も最終的には嘘、偽りのない並々ならぬ関係に描かれており、ラスト付近の空港の会話や職場で待つハンクスとディカプリオのやり取りも胸に染みた。 二人の信頼感がまさに固まった瞬間で終わったのが良かった。 追い求めた家族の幸せは取り戻せなかったが、最後は説明だけだが、自分の本当の家族を作ることが出来たなんていうのはなかなか良いストーリーではなかったか。
8点(2004-06-25 15:35:20)
18.  キル・ビル Vol.2
殺し屋としての哀しい宿命を描いた作品に仕上がった。 殺し屋が「母親」として生きるとはどういうことか、殺し屋としての「愛」を貫くとはどういうことか。 ブライドとビル、両方のけじめの付け方には納得がいく。 ビルのスーパーマンを引用したセリフには重みを感じた。自分が感じたのは、ビルは最後に本気を出したかどうかだ。裏切られたと感じた当時は愛する人を殺すことは出来ても、真相が分かった今となっては本気を出して愛しているブライドを殺すことはビルには出来なかったと思う。 ラストのブライドの「ありがとう」というセリフは、BBが無事に育ってくれたことや、自分を助けてくれた半蔵やパイメイだけでなく、ビルにもある意味で感謝をしているのではという想いを感じた。 ラストクレジットを見ると、やはりこの映画には多くのユニークなキャラクターが多数登場していたことを改めて気づかされる。今回は個人的に何故かエステバンが気に入った。自分が顔を切った女性を呼ぶ不気味な仕草が面白い。彼と幼い頃のビルだけでまた一本映画が撮れそうなもんだ。
7点(2004-06-25 14:49:31)
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