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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》 
ついに実現したジャイアント馬場とアントニオ猪木の一騎打ち。どちらが勝つのだろう。ファンの期待は不安を孕みながら膨らんで行く。不安とは、贔屓の敗北に失望したくないからだ。しかし、ゴングから5分後、タイガー・ジェット・シンの乱入で勝負は台無しに。馬場と猪木が対シンで共闘する。無言の共闘ではあるが、なぜが息がぴったり合っている。そして、シンを撃退。シンが上田馬之助に促され花道に消えた後、目的性が消失した時間帯、馬場と猪木はただ視線を交わし合うのであった…。 本作は昭和プロレスのストーリーをほぼ完璧になぞっていました。そーいう意味では、昭和の怪獣たちに適応したお話。実力的にはシンが最も強そうだったので、微妙な見応えが残りました。 はい、昭和プロレスのファンですよ、私。馬場と猪木は、スタン・ハンセンとブルーザー・ブロディに置き換え可。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-11-08 01:15:11)(笑:2票) (良:1票)
2.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》 
原作やアニメにあるエピソードやアクションのモザイクですが「攻殻」を知る者には物足りない出来栄えでした。 全身義体化技術が人体実験のレベルで草薙素子の出自を遡ることに重点が置かれてます。そのため、義体や電脳が持つ可能性への突っ込みが浅く、原作が提示している「攻殻」らしい面白さを放棄している印象を持ちました。お話の出発点が低空なのです。本作で初めて「攻殻」に接する人も多いから仕方が無かったのでしょうが、私のような信奉者wには消化不良が残りました。このストーリーでは決め台詞の「ゴーストが囁くのよ」の出番はありませんな。 光学迷彩を使うたびに、ヨハンソンのマネキンヌード(太め!)を見せられるのが苦痛でした。原作やアニメに準ずるなら脱ぐ必要は無いのにね。それと舞台になっている都市の景観が下品で好きになれなかった。 以下、信奉者の余談。士郎正宗が「攻殻」を描いたのは30年ほど昔の1990年頃。リアルのIT技術が怒涛の進歩を見せた30年だったと思いますが、それでも未だに色褪せない原作の先見性に改めて感心します。体の一部を機械化するサイボーグは「009」の頃からありましたが、脳の一部を機械化(=電脳化)してネットワークに繋いだことが本タイトルの独創性。ほとんどの人がインターネットを知らなかった時代です。そこを出発点に「ゴースト(=自我・自意識・魂)」の在り方への問いかけや人類進化までを扱うスケールの大きさは、日本アニメの才人たちが懸命に咀嚼し表現しています。そのアニメもおススメですが、未読の方はぜひ原作をお読みいただきたい。2回以上読まないと理解が追い付かないことを保証します(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-14 03:04:10)
3.  ゴーストバスターズ(2016)
散漫な映画でした。 と書いて送信ボタンを押したら「コメントが短かすぎます」とのアラートが出ました。以前は「満点!」だけで投稿したこともあったのですけどねw 
[CS・衛星(字幕)] 2点(2017-05-15 17:05:57)(笑:1票)
4.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
法廷闘争でもやるのかと思っていたら予想しにくい方向へ転がって行きました。最後まで緊張感が途切れずサスペンスとして良質です。 旦那の浮気の証拠を掴んで普通に離婚すれば良かったと思うのだけど、そうしなかった時点でこれは特異な女性を描いたお話です。自身の幸福を、他者の不幸で得るタイプ。でも、いますよね、こんな人。あくまで個人的意見ですけど、男性より女性に多い。この種の女性が発する陰湿なパワーは圧倒的で、周囲を味方に付けるバランス感覚や戦略も堂に入っている。腕力には頼れない女性が攻撃衝動に駆られ、その意思力が異常発達したらこんな具合になるのでしょう。普通の男では太刀打ちできません。 で、悪女であることは確かですけど最後は旦那の精子を受精して保身します。そこまで出来るのかと思うのだけど、旦那のワイドショーでのカウンターアタックに惚れ直したのかなとも思いました。強い種を欲するのも女性の形質で、その辺りは都合よく本能に従っている。 男と女は同じ人間でも別の生き物。色々と思うことはありましたけど、やっぱりコレですかね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-18 02:07:15)
5.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
新しい感じはしました。「怪獣映画」と「災害映画」の融合って意味です。 怪獣映画に社会資本の破壊は付き物ですけど、それに「痛み」を感じた記憶はありません。「ディザスタームービー」と呼ばれる映画も、破壊のスペクタクルは見どころであって「痛み」からは距離がありました。でも、この映画にはチクチクと痛みを覚えたのです。本作が近年の震災や大津波を意識して作られていることは明白で、その視覚体験が「痛み」に繋がったのだと思います。同時に、ある程度の見応えを担保してくれたと思います。 でも、この方向性で今後を展開させるのは難しいですね。災害が最も重く感じられるのは復興の過程。そこと怪獣映画は相容れませんから。まさに「今」的なゴジラ映画だったと云う意見です。 「ゴジラ」に出演するニッポン人博士は「芹沢」さん。60年に亘るシリーズへの敬意でしょう。その芹沢さん曰く「世界のバランスを保つため」にゴジラが現れた。これはかなり強引でした。怪獣たちの直接対決にはもう少し説得力が欲しかったですね。 余談ですが、私は原発再稼働賛成派なので、原子力が「ヒトの手に余るもの」という描写には不満です。
[映画館(字幕)] 5点(2015-08-06 23:48:39)(良:1票)
6.  恋におちたシェイクスピア 《ネタバレ》 
誰もが知ってる(のかな?)悲恋のストーリーをなぞりながら、しかし完全にはシンクロさせない距離を保つ構成は見事でした。ヴァイオラの行く末を祝福するように物語を綴るシェイクスピアが印象に残ります。フィクションの存在意義そのものだと思いました。ご本人には失礼だけど、ジュリエットを演じるパルトロウの男装が女装よりもキュートなところが個人的にツボでした。良作ではありますが、確かにオスカー8つは多すぎるかな…。助演女優賞は納得し易かったです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-03-31 22:35:55)
7.  告発 《ネタバレ》 
名作との誉れ高い作品。確かに見応えはありましたが、シックリ来ないものが残りました。理由はいくつかありますが、あの裁判の後にも拘わらず、ヘンリーが独房で死亡したことを挙げさせてもらいます。副所長の目を見据えてヘンリーは「勝利」を謳います。確かに「彼」は勝ちましたが、独房での死は人権的視点の敗北を意味します。アルカトラズの閉鎖までさらに20年を要した訳ですから、この裁判が社会に及ぼした意義は一過性のものだったのかと訝ってしまいます。1940年代と云う時代を強く意識させられるエンディングでした。悪趣味な意見かも知れませんが、再収監後を見せて欲しかったです。そこをナレーションで済ませずに映像化した方が、本作のテーマが深まったと思えるからです。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-01-31 03:24:25)(良:2票)
8.  コンタクト 《ネタバレ》 
科学的な知見と思索と想像力に満ちたお話でした。 主人公が接触した異星人はなぜ、地球人の姿を借りて現れ、地球万民の前に姿を現さなかったのか。記録を残すことを拒んだのか。彼は「焦らず、気長に」と言った。まさにその言葉の通りだと思う。現在、地球が太陽の周りを回っていると発言して問題にされることはない。しかし、時の権力によって迫害された時代がありました。ヒトの存在意義の根底を揺るがせるような事実が「あたりまえ」に周知されるためには、時間が必要なのです。本作が宗教を大きくフィーチャーしていることは、過去の忌まわしい歴史と無関係では無い。現在の宗教は科学的な前進を拒むものではないと思うが、本作のように不穏な方はいそうです。異星人は主人公の記憶から、そのあたりの事情を読み取ったのだと解釈しました。 次のコンタクトは10年後なのか100年後なのか。地球外生命や文明の存在が地動説と同レベルに「あたりまえ」に認識された頃、コンタクトは次の段階へ進むのだと思います。本作は啓蒙のファーストステップでした。 余談だけど、カール・セーガン氏の原作の最後の見開きには、創造主(それを神と呼ぶかどうかは別にして)の存在が証明されるくだりがあります。公理的なものにメッセージを含ませ、次元が違う存在に言及する。それもフィクションではあるが、その方法論にとても感心しました。
[映画館(字幕)] 8点(2013-10-18 00:42:48)(良:2票)
9.  ゴッドファーザー PART Ⅲ 《ネタバレ》 
「1」はマイケルの始動篇、「2」はマイケルの隆盛&やり過ぎ篇。ならば、本作はマイケルの苦悩&引退篇。律儀に最後まで描こうとした姿勢は評価します。マーロン・ブランドが演じたドン・コルレオーネの最期とマイケルのそれが、大河シリーズのエンディングらしく被りました。 マイケルは、あるレベルに達すれば、血生臭い世界を突き抜けると思っていたようです。本作のマイケルは殺さないし、殺しを命じてもいない。でも、何故か見映えが前作までとあまり変わらない。そのこと自体が、マイケルが裏の世界から這い出られないことを物語っているようでした。根本的な話だけど、地道さが無いんですね。やっていることがサービス業の利権の奪い合い。浮き沈みが激しく、真っ当な取引では語れない部分が多い。一般論として不正が横行する世界なのでしょう。宗教に肩入れして名声を浄化するより、農業でもやった方が良かったんじゃなかろうか。 個人的に面白かったのはヴィンセント(アンディ・ガルシア)の描写。元々がインテリで、そこに荒事を付加したのがマイケルならば、その逆を辿るのがヴィンセント。成長の方向性はひとつじゃない。経験と知恵が維持するラインを、若さとやる気が凌駕するポイントがある。それは世代交代と呼ばれます。マイケルもそこは認めたようだけど、家督を譲りながら娘との交際は断固として認めない。生業をとことん否定していることが印象に残りました。 「ファミリー」と呼ばれる組織は、まさに「家族」を始めとする血縁者の守護を目的としていました。しかし、大きな金が動くとそこからは遊離し、利潤を追求する同族企業に様変わりします。昔は「○○一家」と呼ばれた日本の侠客も、状況は同じでしょう。 変なまとめ方ですが、家族と組織におけるお父さんの役割の変化を、経済社会の成熟に併せて描いたシリーズだったのだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-10-14 02:55:07)
10.  コナン・ザ・バーバリアン
シュワちゃんが演じたオリジナルより、全体的な見映えは良かったですね。撮影やCGの技術が格段に進歩してることが良く分かる。 少年時代にあれだけ強ければ、青年になれば「ベルセルク」のガッツ並と思っていたのですが、そうでも無かったです。あの領域を実写で表現してくれたら、かなり称賛したと思うんですけど。 ちなみに今(2013/7)、日本では「ムキムキ」じゃなく「細マッチョ」が買いらしい。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-07-30 20:35:05)
11.  コナン・ザ・グレート 《ネタバレ》 
邦題がチグハグですよね。偉人の伝記みたいな先入観を持っていましたが、「Barbarian」って「野蛮人」ですよ。それで本編を見たら、見事に「野蛮人」の映画ですからね。乱暴で盗みを働き人殺しを何とも思っていない。基本的には腕力で物事を解決する。その生き方の是非を問うというより、そんな「野蛮人」がのし上って行く世界観を真面目に提示しようとした姿勢は感じられました。セットの作り込みや動員しているエキストラが半端じゃない。しかし、野蛮人がヒロイックに見えるほどには盛り上がらないのがイタイところです。こんなに喋らない主人公は珍しく、体でモノを言わせたかったようですが、野蛮人らしい決め台詞くらいはあった方が良かったと思います。ジャンルは違いますが、「野蛮人」の描写を追及して成功したのが「ターミネーター」だったという見方もありますね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-05-08 01:49:51)(良:1票)
12.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 
「1」はファミリーの内実と代替わりを描いた。本作は、その前とその後の時代を交互に見せる。勢力を伸ばして行くドン・コルレオーネと、苦悩するマイケルが対比される。この二人の違いは何なのかと考える。時代の違いなのか、仕事内容の違いなのか、人間の器の違いなのか。家族=ファミリーを守りたいと思う気持ちは共通していたはずだけど、最後はその家族までも自らの手にかけるマイケル。二人の能力の差と言ってしまうのは簡単だけど、私は組織体の盛衰の本質を見る思いでした。時代の流れに自分の目的を添わせ組織を大きくしたドン・コルレオーネと、巨大化した組織の維持を優先せざるを得なかったマイケル。時代の移り変わりは、その流れに乗っている者に有利に働く訳で、よほど上手く代謝できない限りは廃れて行きます。突飛な例えかも知れないけど、マイケルの世代は高度成長を経た後の日本の大手家電メーカーに似ていると思います。日本のメーカーが技術力で後れを取ったとは思わないけど、後発の韓国企業に業績で抜かれてしまいました。背負うものを持たずに次の事だけを考えられる組織が時代に適合し、牽引する勢いを持つと云うことだと思います。日本企業の断末魔に似た人員整理とマイケルの苦悩のリストラが被ります。本作は1974年の製作ですが、今さらながら「組織と人」という点において多くの啓示を持った作品だったのだと思います。まだ若いデ・ニーロは、この時すでに名優でした。マーロン・ブランドに似せた口の周りの演技と表情としゃがれた声。顔の骨格は違っても、それらしく見えるところが凄いです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-09 21:53:08)
13.  コンゴ
たぶん、クライトンの原作はもう少し賢そうに書かれてあるのでしょう。中央アフリカの政情不安と豊富な鉱物資源、部族ごとに習慣が違う原住民たちなど…。それを小学生向けに映画化した作品です。<R-10向き>。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2012-01-21 00:41:15)
14.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
もちろん彼らがやっていることには感心しませんが、人間ドラマとしてこれほど真に迫ってくる作品は本当に稀だと思います。映画には発砲シーンが付きもので、ほとんどの作品ではエンタテイメントの要素ですが、本作の銃弾は重さが違う。撃たれたら本当に死にますね。この作品が醸し出す空気がそのように見せていることは明らかです。イタリア系マフィアの起源には詳しくないのですが、移民として自分たちの家族を守ることに端を発した組織なのでしょう。だからなのか、組織も家族と同様に「ファミリー」と呼称するところが啓示的です。老いて行く棟梁、やる気は充分だったが直情型で資質が伴わなかった長男、そして堅気として登場し、次第に自らの才能に目覚めて行く弟。この3人の対置がストーリーの流れを作り、同時に大河的な趣きを形成します。特にアル・パチーノ=マイケルの変貌には目を瞠りました。病院で無防備な父を守った初仕事で、おどおどしながら非凡な判断力を見せる。次はいきなり敵対マフィアの暗殺という大仕事。シチリアに逃亡して現地の娘と結婚するが、ニューヨークの抗争が飛び火して妻を失う。マイケルの変化を決定づけたのは、敵対マフィアの暗殺では無く、最初の妻の爆死だったと思う。大切なものを失わない為には何をすべきか。それが彼の行動原理になりました。多くのフィクションでマフィアの抗争劇は観てきました。その抗争のほとんどは権勢や金銭欲が動機になっていましたが、本作からは不思議とその匂いがしません。その代わりに、家族=「ファミリー」を守るという動機を強烈に感じます。それが製作から40年を経ても、この作品が特別な場所にいる理由だと思います。家族を守るのは父親=ファーザーの勤め。改めて「ゴッドファーザー」というタイトルの重みに思い至りました。30年ぶりの鑑賞でしたが、やはりこれには傑作という言葉がふさわしい。日本の同業者たちも昔は「○○一家」でしたが、そんな呼び方しなくなりました。
[映画館(字幕)] 10点(2012-01-02 04:11:02)(良:1票)
15.  コンテイジョン 《ネタバレ》 
確かに主役級がずらりと並ぶが主役はいません。最初のウィルス感染からパンデミック、パニック、ワクチン開発、そして収束に至る事態の流れを、様々な立場の人の均等な描写によって見せる。でも、豪華役者陣がお互いに絡むことはほとんど無い。無駄遣いって言葉も浮かんだけど、もし本作に無名役者を並べたら顔と劇中の役割が一致する前に映画が終わっていたかも。それほどエンタテイメント性が希薄なシナリオでした。だから、作品をもたせる意味でこのキャスティングには意味があったと思います。見慣れない単語のタイトルの意味は「接触感染」。ストレートです。物語を捉える視線もストレートで、すごく真面目な作品という印象を受けました。従来の同類作品ならワクチンが開発されれば大団円だったが、本作では製造が追いつかないワクチンの接種順を決める問題にまで踏み込む。パニックを予見しインサイダー情報を身内に流すフィッシュバーンや、世間を悪い方向へ扇動しているようなジュード・ロウ、そしてマリオン・コティアールを拉致する中国人たちが悪人に見えない。明らかに悪人に見えないように演出的な配慮がなされている。彼らの行為は実際に起こる可能性が高いものだけど、本作はその行為を糾弾することが目的ではないからだろう。実際、死に直結するウィルスが蔓延したら、誰が悪いなんて責任論を展開するよりも先にやることがあるはずだから。映画としての娯楽性を考えたら、終盤でもう一度くらいは何かが起こるのかと思ったけどそうはならなかった。ホントに真面目。これは現実に事が起こった際のシミュレーションと捉えると納得しやすいかも。面白かったかと聞かれると困るけど、観た意義は感じられる作品でした。
[映画館(字幕)] 5点(2011-11-22 11:24:59)(良:3票)
16.  この森で、天使はバスを降りた 《ネタバレ》 
主人公を最後に殺して欲しくなかったなぁ。あの街に希望の種を植えて逝ってしまったけど、彼女にこそ希望を与えて実現させてあげたかった。死んだ方が彼女の功績が印象づけられると計算があっての展開なんだろうけど、釈然としないものが残りまくってます。だって、彼女が死ななくても、すでにあの街は良い方向に向かっていましたから。彼女を疑ってコンテストの応募金を隠そうとした男の偏見を正すための代償だったとしたら、高く付き過ぎです。これは制作側の思慮が浅いと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-12 21:27:57)(良:1票)
17.  (500)日のサマー 《ネタバレ》 
止めときゃいいのに、サマーに結婚した理由を問うトム。彼女は誰とも深い関係にならないと言っていた。だから自分たちが別れた理由もそこにあると思っていた。つまり、自分ではなく彼女に原因があると思っていた。「ある朝起きたら、あなたとは違う気持ちを感じたの」。それは正直な台詞なのだろう。しかし、その言葉は限りなく残酷だ。彼女が特殊なのではなく、トムが彼女の心を獲得できなかっただけなのだ。恋愛のカタチはたくさんあって本作もそのひとつだが、そのひとつをかなり深く掘っている。この行き違いに覚えのある者には古傷が疼く映画。自分の傷跡は風化が進んで丸くなっていて助かった。恋愛とは不条理なもの。なぜって、いくら相手を好きになっても、同じだけ好きになってくれるとは限らないから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-18 03:19:42)
18.  コン・エアー 《ネタバレ》 
役者の面子に期待したけれどがっかりする出来映え。魅力を感じる設定ではあるが、アクションやストーリーが場当たり的で生ぬるい。緊迫感がない。ハリウッド的ご都合主義の典型だろう。細かい話だけど、短いカットを繋ぐだけでそれっぽく見えると思っているアクションシーンの編集が極めて下手くそ。マルコビッチは変人には見えても悪人には見えず、こんな役は不適。初めて会う父親が血だらけで現れたら、幼い少女はトラウマになると思うよ。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-06-18 21:42:43)
19.  コララインとボタンの魔女 《ネタバレ》 
コララインって主人公の少女の名前です。私は映画が始まるまで知らなかった。これは身近な人たちを救うために悪い魔女と戦うコララインのお話。とってもオーソドックスなプロット。でも、とっても楽しい作品でした。この種のファンタジーは世界観を楽しむものと常々思っているけれど、その王道で勝負してしっかりと魅せている。決して可愛い訳ではないヒロインの個性的な力強さやボタン目の人形の不気味さ、猫やゴキブリのブサイクさなどなど。その全てを愛でたくなる。中盤以降は次はどうなるんだと云う純粋なワクワク感で引っ張られた。個人的には「アバター」に次いで2作目の3D映画だったけど、魔女が作った世界が崩壊する際の表現などはその特性を充分に活かしていて迫力ありました。いい歳の大人の心に束の間の童心をプレゼントされたような、そんな印象の映画でした。
[映画館(吹替)] 7点(2010-03-01 21:45:54)
20.  告発のとき 《ネタバレ》 
上手い見せ方、という印象です。まず、退役軍人の主人公。有りがちなのは、バリバリの愛国主義者だけど、このトミー・リー・ジョーンズからは偏執的な愛国臭を感じない。元軍人らしい頑固さはあるけれど、それ以上に、元軍人らしい折り目の正しさ、で造形していました。例えば、スラックスの皺を伸ばす几帳面さや、シャーリーズ・セロンの息子に就寝前のお話を聞かせるくだりなどで、丁寧に人物像を作ってゆきます。その流れで、二人の息子が軍属という設定にも、親父に無理強いされたというより、息子たちが自発的に尊敬する父の後を継いだのだと感じました。次に、軍警察の後輩にあたるシャーリーズ・セロンの型どおりの捜査に口を挟みます。ここでは、刑事コロンボ並みの洞察力を発揮してストーリーに起伏を作り、中だるみさせません。自分は予備知識なしに観始めて、これらの上手さはまるでクリント・イーストウッドの映画のようだと感心していたら、ポール・ハギス監督は近年のイーストウッド作品に何度も関わっていたんですね。似ていて当たり前でした。でも、その流れで何を見せてくれるのか、と期待していたら、イラクで平衡感覚を失った若者兵士の犯行というオチで、これには少しがっかりしました。戦場は違っても、ベトナム戦争以降、出尽くしているテーマです。覇権主義色が濃い戦争がもたらすものは、似たような結果にしか行き着けない。この映画のオリジナリティは、事件の真相に迫って行くのが、息子を殺された父親であると同時に、元軍人であるというところです。父親として真相を突き止めたい願いは、その息子も精神を病んでいた、という苦い真実にたどり着く。元軍人としては、自らが軍属だった頃に矜持としていた正義がまかり通らないことも実感する。恐らく彼には何が狂っているのか整理ができない。逆さの星条旗には、父親と元軍人の、両方の想いが表れています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-30 02:16:36)(良:3票)
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