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 > かたゆき さんの口コミ一覧。3ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1893
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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41.  ザ・ガンマン 《ネタバレ》 
『ブラッド・ダイヤモンド』のような社会性の強いアクション・エンタメ作品を目指して制作されたのだろうけど、とにかく脚本が穴だらけでいまいち面白くなかったです。50代とは思えぬ、ショーン・ペンさんのガチガチに引き締まった肉体美に+1点。
[DVD(字幕)] 5点(2017-02-08 14:28:52)
42.  ザ・ウォーク 《ネタバレ》 
1974年、ニューヨーク。完成間近の世界貿易センタービル、通称ツインタワー。当時世界最高の高さを誇ったこのビルで、誰にも成しえない偉業を達成した男がいる。男の名は、フィリップ・プティ。自称・世界最高の綱渡り師だ。そう、彼はその2つの超高層ビルの屋上にワイヤーを張り、命綱なしで横断することに成功したのだ。本作は、彼とその仲間たちによる狂気と紙一重のそんな無謀な挑戦をスリリングな映像で描いた超一級のエンタメ映画だ。ストーリーは極めてシンプル。エンドロールを迎えるまでの2時間強、この世界最高の危険な綱渡りを彼が如何にして成功させたのか、そこにどんなドラマがあったのか、ただその一点のみを描いている。偉業と言えば聞こえがいいが、彼らがやっていることは完全に犯罪行為。成功したからよかったものの、もし仮に彼が転落したりワイヤーが切れて窓硝子を割ったりでもしたら下手をすれば死人だって出たかもしれない。ただでさえ忙しい警察の業務を妨害したことも当事者にとってはたまったものじゃないだろう。でも、僕はそれでも彼らに成功してほしいと応援せずにはいられなかった。決行当日、様々な困難に出遭い一時は失敗を覚悟しながらも不屈の闘志でもって2つのビルにワイヤーをかけようとする彼らに、「それだけの情熱があるなら、もっと社会にとって有意義なことに活かせよ!!」という突っ込みなどまるで風に流される青空の白い雲のように霞んでしまう。ただ自分を待ってくれている人に心の底から楽しんでもらえたらそれでいい――。彼の無謀な情熱は、どこか映画作りのそれと似ていないだろうか。一人の男の馬鹿げた挑戦を最新の映像技術を駆使して何ヶ月、時には何年もかけて一本の映画に仕上げてしまうスタッフ及び監督の情熱とそれは根本的なところで繋がっている。フィリップと、稀代のエンターテイナーとして常にハリウッドの第一線を走ってきたロバート・ゼメキスの思いがオーバーラップするからこそ、観客である自分は思わず心揺さぶられてしまうのだ。クライマックス、ビルとビルの屋上にかけられた1本の弱々しいワイヤーの上へとフィリップが最初の一歩を踏み出すときの緊張感は、きっと映画が公開される直前の監督の緊張感と通じている。まさに、エンターテイメント・ショー。お金を払って観に来てくれた観客に最高の時間を過ごしてもらいたい、そんなゼメキス監督の表現者としての矜持に僕は最大限の賛辞を贈りたいと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2016-11-04 01:09:06)
43.  サベージ・キラー 《ネタバレ》 
地獄で彷徨え――。ニューメキシコに拡がる広大な砂漠を年代物の古い車が疾走している。運転するのは、ゾーイという名の耳が不自由な若い女性ただ一人。近々結婚を控え、順風満帆な人生を約束されていた彼女だったが、ハイウェイで偶然出会った荒くれ男たちによってその運命は一変する。彼らに捕まり小屋に監禁されたゾーイは、有刺鉄線によってベッドに縛り付けられ何度も何度も輪姦されるのだった。隙をみて逃げ出そうとするものの、無情にも男どものナイフによってその命まで奪われてしまう――。だが、神はそんな彼女を見捨てたりはしなかった。砂漠に放置されたゾーイの遺体を発見したのは、なんと魔術を使いこなすアパッチ族の呪術師だったのだ。彼女を殺した男がアパッチ族伝来の地に住み、同胞たちをも惨殺してきた殺人鬼であることを知った呪術師は、古代の秘術を駆使して彼女を復活させる。伝説の英雄マンガス・コロラダスの魂と共に復活したゾーイは、その冷酷非情な野生の血を滴らせながら復讐の鉄槌を下してゆくのだった……。超荒唐無稽な設定ながら勢いとセンスだけを武器に最後まで突っ走るB級ジェットコースター・バトルホラー・ムービー。序盤からそのお話の無茶苦茶ぶりにけっこう面喰らってしまったのですが(だってほとんどゾンビと化した主人公が、バーで男の腸を笑いながら引きずり出すんですもん!)、意外と細部がしっかりしていたり脚本がなかなかよく出来ていたりで、中盤からぐいぐい見入っている自分がいました。いやー、けっこうな掘り出し物ですよ、これ。何が面白いって、なんといっても主人公のゾーイ!復活した彼女が屈強な男どもを血祭りにあげていくわけだけど、ほとんどゾンビと化しているせいで、腕はもげるわ、内臓は飛び出るわ、傷口に蛆虫は湧くわで大変なことになりながら頑張るんですよ。で、途中から彼女の婚約者がやってくるのだけど、そんな醜い姿になってしまった自分を婚約者に見せたくない、でも彼には会いたいから鏡越しに一瞬だけ会ってみたりと、こんなグロ切ないヒロイン初めて見ました(笑)。そして、さんざん血みどろグッチャグチャバトルを繰り広げながらも、最後はめちゃ切ない感じで幕を引く監督のこのセンス!素晴らしいと思います!ヒロインの耳が聞こえない設定は正直なくてもよかった気がしなくもないけど、うん、面白かった!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2016-09-21 22:12:09)(良:1票)
44.  猿の惑星:新世紀(ライジング) 《ネタバレ》 
いまや伝説と化しているディストピアSF映画『猿の惑星』シリーズのその前日譚として製作された前作。とあるウィルスの蔓延によって知能が異常に発達し、それまで当然のように支配してきた人類に反旗を翻した猿たちの闘いを描き、これが詰めの甘い部分が目立ったものの、徐々に拡がっていく猿たちと人間との戦いをサスペンスフルに描いていて、緊迫感溢れるエンタメ映画として僕はけっこう楽しめたんですよ。なので、その後の滅亡の危機にまで追い込まれてしまった瀬戸際の人類と地球の新たな支配者として台頭しはじめた猿たちとの種の存亡を懸けた戦いを壮大に描いた続編として僕はけっこう期待しながらこの度鑑賞いたしました。結果は……、なんですのん、このスケールのちっちゃなお話は(笑)。猿と人間の地球規模の壮大な戦いどころか、けっこう狭い森の中で人間と猿の小規模なコミュニティ同士のダムを稼動させるか否かみたいなこじんまりとした戦いだけで終わっちゃ駄目でしょ。続編なんだから最低限前作のスケールは超えていってくれないと。それに脚本もテキトー過ぎ!人間と猿たちの戦いを描きたいのか、猿のコミュニティでの内部抗争を描きたいのか、軸がブレブレでストーリーがさっぱり盛り上がらない。ダムを稼動させたいという主人公のおっさんも猿の味方なのか人間の味方なのかいまいちよく分かんないから全く感情移入できません。あと、武器庫の門番をしてた人間の2人組、敵の猿が近づいてきたのに、「なかなか愉快な猿だぜ」と意気投合し一緒に酒飲んじゃうとか、普通にアホ過ぎっしょ(笑)。そのすぐ後に、やっぱり武器を奪われちゃって殺されちゃうとかどんなけ緊張感ないね~ん!!そういうテキトーなところばかりがやけに目について、僕はまっっったく楽しめなかったです。前作が良かっただけに残念!!
[DVD(字幕)] 3点(2015-11-17 21:12:33)
45.  ザ・ベイ 《ネタバレ》 
2009年、7月4日。穏やかな港湾に面したアメリカの地方都市クラリッジはその日、独立記念日の祭典に沸いていた。花火が打ち上げられ、たくさんの屋台が道路に軒を連ね、海岸ではカニ早食い競争が開催されていた。人々は朝からビールを飲み、そんな平和な夏の休日を満喫していたのだった。だが…、彼らはまだ知らない。海に隣接する大きな養鶏場から連日のように廃棄される鶏の糞には危険な科学物質が大量に含まれていて、さらにはそんな危険物質を含んだ海水が市の“海水淡水化事業”により、人々の飲み水として大量に供給されていたことを――。化学物質の影響で突然変異を起こした恐ろしい寄生虫によって、突如として阿鼻叫喚の地獄絵図へと変貌してしまった港湾都市の悲劇を、遺された大量の映像で再構築して見せるモンスター・パニック作品。こういうジャンルにありがちな所謂フェイク・ドキュメンタリーというスタイルで撮られた作品なのですが、そこはさすがアカデミー賞の栄誉に輝くバリー・レヴィンソン監督。取材していたテレビカメラの映像や、監視カメラ、実家へと帰省する若い夫婦のプライベートビデオ、パトカーの記録映像、当事者によってネットへと投稿された動画などなど、様々なフェイク映像を抜群の編集センスによって繋ぎ合わせることで、この手の作品によくある“視点が最後まで変わらないのでストーリー展開が単調になりがち”という弱点を見事に克服しておりました。最後まで全く緊張感を途切れさせずに見せ切るこのサスペンスフルなストーリーはなかなかのクオリティ。被害者の身体の中や魚の体内に蠢く寄生虫たちの見ているだけで鳥肌立ちまくりの悶絶気持ち悪さといったら、もうトラウマもの!!それに群像劇としてもなかなか良く出来ていたんじゃないでしょうか。ただ、「これからこの超気持ち悪~いこいつらが大量発生して生き残った人々をさらに殺し捲るんだろー。もうヤバいってーー!」とワクワクしながら観ていたのですが、最後はけっこう呆気なく終わっちゃったのが残念!こういうモンスター・パニックもののクライマックスは、やっぱりもっとやり過ぎってくらい無茶苦茶な阿鼻叫喚にしてもらわないと。と、そこだけ残念ではありましたけれど、全体的には気軽に観られるB級パニック映画として、僕は充分楽しめました。ただ、これから食事しようという方(特に魚料理!笑)は観ない方がいいかもね~。確実に食欲がなくなります!!
[DVD(字幕)] 6点(2015-07-13 22:24:33)(良:1票)
46.  ザ・イースト 《ネタバレ》 
「我々は“ザ・イースト”。お前たちは自分の利益を守るために見知らぬ土地を汚染した。そこに住む人々や動物たちがどれほどの被害を被るかを分かっていながら…。犯した罪から逃れることは出来ない。大企業のCEOたち、我々はお前たちの住所を知っている。罪を犯した者には同じ恐怖を味わわせてやる。環境を破壊すれば、お前の土地も破壊する。我々はザ・イースト。そう、これは始まりに過ぎない」――。罪を犯した大企業に報復のテロ活動を行う過激な環境保護団体、ザ・イースト。民間企業に工作員として採用された元FBI捜査官サラは、そんな非合法組織へと潜入捜査を開始する。恋人との平穏な生活も犠牲にして、そんな独自の信念を持つ彼らとの共同生活へとどっぷりと浸っていくサラ。だが、彼らの主張へと耳を傾けていくうちに、次第に彼女のこれまで信じてきた価値観が揺らぎ始めていくのだった…。とにかく、この作品の最後まで途切れることなく続く息が詰まるような緊張感には素直に圧倒されました。監督の程よく抑制の利いた演出力はもう完成の域に達しており、特にこのテロリストのメンバーたちのそれぞれの個性や魅力をきちんと描き分けているところなどなかなかのもの。正義感から出発した彼らが、カルト宗教まがいの怪しい儀式に拘ったり食料調達にごみ漁りするところなど彼らの狂信性を自然に炙りだしていて巧い!テロを行う前に流される曲が荘厳なピアノソナタなのも、単なるエンタメ映画に終わらせないという監督の知性が感じられますね。物語の終盤、彼らの本当の目的が明かされる驚きの展開にも見事に騙されてしまいました。そして、本作が何より優れているのは、大企業にもこの環境保護団体にもどちらにも肩入れしないその極めてストイックな姿勢でしょう。双方の主張もそして各々が抱える問題点も徹底的に透徹した目で描くことで、観客に問題提起して終わるというこの印象的なラストには久し振りにガツンとやられました。本作で主役を演じた女優さんは共同脚本としても名を連ねているのですね。うん、久々に美貌と知性と演技力を兼ね備えた、将来が楽しみな才能に出会えたように思います。次は是非、シーシェパードを槍玉に挙げてもらいたいものですね(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-09 21:27:15)(良:1票)
47.  ザ・コール [緊急通報指令室] 《ネタバレ》 
911。それはアメリカにおける、緊急通報システム。日夜、多種多様な人々からの様々な緊急連絡に対応してきた優秀なオペレーターであるジョーダンはある日、とある少女からの悲痛なSOSを受ける。今まさに猟奇殺人犯に捕まろうとしている少女の切実な叫びに、受話器越しに必死に対応するジョーダンだったが、彼女の致命的なミスにより、少女は数日後に遺体となって発見されるのだった――。6ヶ月後、以来現場から退き教官として後輩の育成にあたっていたジョーダンだったが、またしても幼い少女の誘拐事件が発生してしまう。犯人の車のトランクから携帯電話で必死に助けを求めてくるケイシーと名乗る被害少女。いてもたってもいられなくなったジョーダンは、そんなケイシーの命を救うため、再び現場へと復帰すると受話器越しに様々なアドバイスを与えてゆくのだったが……。猟奇殺人犯に拉致された少女と911のオペレーターとの電話越しの遣り取りをスピーディに描くサスペンス・スリラー。90分という適度な尺、小気味よく進む娯楽に徹したストーリー、相変わらずお美しいハル・ベリーの華のある熱演…。まあ、犯人があまりにも頭悪すぎ(死んだと思ってトランクに閉じ込めた被害者の男が実は生きていたって、犯人、脈ぐらい確認しろよー!てか、最初からケイシーを縛っといたら良かったじゃん!笑)ってところがちょっぴり失笑でしたけど、ツボを押さえたエンタメ作品としてはなかなか良かったんじゃないでしょうか。でも、それも中盤まで。ずっと受話器越しの遣り取りのみで被害者を救出すると思われた主人公が、何故かそんな司令室を飛び出して犯人のアジトへと乗り込んでいくって、おいおい(笑)。しかもそこから思いっ切り、『羊たちの沈黙(劣化版)』になっちゃってるし~。挙句の果てに、もうここまでベタでいくなら最後までベタで通してほしかったのに、奇を衒ったような変てこなラストシーンを迎えちゃいます。いやー、いろいろと残念賞な作品でありました。ハル・ベリーの相変わらずスタイル抜群のナイスバディと、反対に誘拐された少女の妙にエロいムチムチ・ランジェリー姿に+1点!
[DVD(字幕)] 6点(2014-12-06 00:41:23)
48.  最愛の大地 《ネタバレ》 
1992年、ボスニア・ヘルツェゴビナ。画家の卵である若き女性アイラと軍部隊将校である青年ダニエルは、仲の良い恋人同士としてささやかながらも幸せな日々を過ごしていた。だが、突如として民族紛争が勃発。ムスリムであるアイラとセルビア人であるダニエルは、そんな時代のうねりに巻き込まれ図らずも敵同士となってしまう――。収容所に投獄されたアイラは、日夜男たちからの理不尽な暴力とレイプに耐える屈辱的な日々を過ごすことに。かつての恋人を救うため、ダニエルはそんな彼女を軍専属の画家として雇うのだった。束の間の平穏を享受する2人。だが、泥沼化する紛争と民族浄化の嵐の中で、彼らの精神は次第に壊れ始めていく……。国連親善大使でもあるアンジェリーナ・ジョリーが初メガホンを取って描き出すのは、第二次大戦以降最大の人道危機とも呼ばれたボスニア紛争によって、運命を翻弄されるそんな恋人たちの悲劇を描いた重厚な人間ドラマでした。有名俳優は一切起用せず、最後までドラマティックな音楽も流さず、ただひたすら理不尽な現実に翻弄される市井の人々を淡々と追うことで、戦争がいかに人間性を破壊していくかを冷徹に見つめた彼女のそのストイックな姿勢には感服するものがあります。ただ、誤解を怖れずに言うと、そんな圧倒的な現実に対して肝心の物語が弱い。僕が映画に求めるものは、この世界は残酷で理不尽な暴力に満ち溢れていて人間は何処までも愚かで人生とは生きるに値しないのかも知れない、それでも生きていたいと思わせる何らかの〝言葉〟。あるいはラース・フォン・トリアーのように「この世は生きるに値しない」という絶望的な〝言葉〟でもいい、監督が極限まで考え抜いて絞り出した答えがそれなら僕は真摯に受け止めます。対してこの作品には、そんな心に響く〝言葉〟が乏しかった。これでは、遠くない過去に起こった――そして今でも世界の何処かで起こっているだろう残酷な現実をただ再現しただけに過ぎません。今も何処かで声にならない悲鳴を発し続けているだろう社会的弱者を少しでも救いたいというその思想には好感がもてるものの、今作を観るかぎり彼女に映画監督としての才能は乏しいと言わざるをえません。
[DVD(字幕)] 5点(2014-11-22 21:29:35)
49.  SOMEWHERE 《ネタバレ》 
酒と女を生き甲斐に自堕落な毎日をおくっているハリウッドの人気俳優ジョニー。彼の娘で、今は離婚した母親と共に過ごす11歳の多感な女の子クレオ。ふとしたきっかけで、一緒にイタリアへと旅することになった彼らの、特になーーーーーんにも起こらない静かな日々をただ淡々と描いた、いかにもソフィア・コッポラ監督らしいヴェネチア映画祭金獅子賞受賞作。いやー、なんなんですかね、ソフィア・コッポラって。相変わらず、退屈紙一重のともすれば睡眠誘発剤になりかねないかなり地味な内容(正直、クレオが出てくるまでの最初の10分は撃沈しそうになっちゃいました)なのに、普通に最後まで観ていられるのは彼女の溢れんばかりの瑞々しいセンスによるところなのでしょう。終始のんびりとした雰囲気で描き出される、女癖の悪い父親とのほほんとした娘とのユーモラスな遣り取りには素直に心が癒されました。そして、そんな2人を彩る周りの個性豊かな女たち…。女性の美しさを上品に撮らせたら、もうソフィア・コッポラの右に出る者は居ないだろうね。だって、ポールダンスを踊るストリッパーまでもがキュートなんですもん。そして特筆すべきは、やっぱりクレオを演じたエル・ファニングちゃんのびっくりするぐらいの美少女っぷりっしょ。そのニンフェットな魅力が爆裂している彼女の可憐な姿に、自他共に認めるロリコンの僕としては、完全にノックアウトされちゃいました。特に、レオタード姿でアイススケートを踊る時のその超プリティなちっちゃなお尻なんて、見ていて危うく悶絶死しそうになったっす(笑)。それに、スティーブン・ドーフのいつだって二日酔いって感じの駄目パパっぷりもなかなか良かったですね。うん、総じて思春期少女のその大人でも子供でもない一瞬のきらめきをリリカルに切り取った、詩情溢れる美しい作品であったと思います。 取り敢えず、今作をビデオ屋さんに返しに行く前に、あのスケートリンクで妖精のように舞うエル・ファニングちゃんの可憐な姿(お尻?笑)をもう一度観てこの目に焼き付けておこうと思います。って、こんなアホなことばっか言ってっから、いつまで経っても僕には彼女が出来ないんだよな~。まあ、当たり前か(笑)。求む、明るくて可愛くてちょっぴり童顔の(もちろん大人のッ笑)女の子!
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-21 00:43:29)
50.  サプライズ(2011) 《ネタバレ》 
「つ、ぎ、は、お、ま、え、だ」。結婚30周年を迎えた両親を祝うため、郊外に佇む別荘へとやって来た子供たち。それぞれの恋人たちをも引き連れ楽しいディナーになるはずだった。そう、ボウガンの矢が無慈悲に窓を突き破ってくるまでは――。突如として侵入してきた羊や虎の仮面を被った男たちによって、そんな別荘は阿鼻叫喚の地獄へと変貌してしまうのだった。次々と血の海へと沈む家族たち…、だが長男の大学教授の恋人エリンだけはかつて体験した壮絶なサバイバル経験を糧に意を決して謎の犯人たちへと立ち向かってゆく。孤立した一軒の山荘で繰り広げられる血みどろぐちょぐちょの惨劇をノンストップで描き出すスプラッターホラームービー。うん、観終わってすぐの率直な感想を言います、「ふ、普通…」。これって昔からほんと大量に創られてきた、よくあるB級ホラーと大して変わんないじゃん。唯一、新しいかもと思えるのは、中盤で明かされるどんでん返しくらいで、それだってよく考えたらけっこう強引だし、だいいち犯人たち頭悪すぎっしょ!10人近い大人の男女をたった3人で皆殺しにしようとするのに、武器はボウガン1丁とナイフ類のみって…。せめてピストルの1丁くらいは用意しましょうよ!それにグロ痛~い描写がひたすら続くのはもちろんこういう映画なんだから有りなんだけど、さすがにミキサーで脳味噌グチョグチョグチョ~は明らかにアホ過ぎだと僕は思っちゃいました(しばらくトマトジュース飲めなさそうです!笑)。でもまあ、延々とリピートされる血みどろ映像にミスマッチなポップで明るい音楽だとかスローモーションを多用した映像センスだとかはそこそこ良かったかな~。取り敢えず、犯人側にピストルが3丁もあれば確実に30分で片が付いてただろうね、これ(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-07 19:18:42)(良:1票)
51.  さまよう魂たち 《ネタバレ》 
過去に起きた交通事故をきっかけに死んだ人の霊が見える身体になってしまったフランク。以来、個性豊かな仲間の幽霊たちと一緒に怪しげな事件を自作自演し、詐欺まがいの心霊調査員としてなんとか生計を立てていた彼だったが、ある日、とある現場で黒いマントを羽織った恐ろしい死神と出会うのだった。村人たちが次々と謎の死を遂げる中、フランクは同じく死神によって夫を殺された若く美しい女性ルーシーと共に調査に乗り出す。だが、そこには残虐な殺人鬼が過去に起こした大量殺人事件とフランク自身の悲しい過去が密接に繋がっていたのだった…。「ロード・オブ・ザ・リング」でブレイクを果たす前のピーター・ジャクソンが撮った、摩訶不思議な世界観が秀逸なコメディタッチのゴーストストーリー。うん、さすがはピーター・ジャクソン監督ですね。ともすれば、いろいろ詰め込みすぎて荒唐無稽になりかねないご都合主義全開なストーリー展開と変てこな設定なのに、破綻ぎりぎりのところで見事に成立しておりました。怪しげな洋館で様々な姿で現れる幽霊から必死に逃げ惑う謎の女性というワクワクするような冒頭部分から、相棒のぶっ飛んだ幽霊たちとフランクとのコミカルなやり取り、敵役となる怪しさ爆発なFBI捜査官や脳味噌筋肉のバカ幽霊というバラエティに富んだ登場人物たち、適度にグロく適度に笑えて、そして否が応にもテンションあがっちゃうクライマックス!まあ、許容できない人も中には居るだろうけど、僕は最後まで面白く観れました。それになんと、あの“ハートマン軍曹”がまさかのゲスト出演!!いやー、「フルメタルジャケット」以外の映画で、まさか彼の雄姿が拝めるとは夢にも思いませんでした。非業の死を遂げたあと、彼はやっぱりあの世でもこうやって幽霊たちをしごきたおしていたのですね(笑)。うん、ジャクソン監督の隠れた(?)良品、お薦めっす。
[DVD(字幕)] 8点(2014-07-09 20:37:51)
52.  サイド・エフェクト 《ネタバレ》 
4年前、証券会社に勤める夫がインサイダー取引によって逮捕されたことをきっかけに鬱病を患ってしまったエミリー。服役を終え、ようやく帰ってきた夫と共にこれから失われた人生を取り戻そうとする彼女だったが、鬱という厄介な病は簡単には治まらず、車で自殺未遂を犯してしまう。偶然、そんなエミリーのことを診察することになった精神科医バンクスは、彼女にとある新薬を処方するのだったが、その抗鬱薬には未知の副作用があったのだった――。ある夜、夢遊病に似た症状に陥ったエミリーは、心神喪失の状態でなんと夫を刺し殺してしまう。有罪か無罪か。責任の所在は、処方したバンクス医師にも向けられ、その日から彼の平穏な生活も次第に壊れ始めてゆくのだった。ソダーバーグ監督が最後(?)に放つのは、そんな謎が謎を呼ぶミステリアスなストーリーが不穏に展開されるサスペンス作品でした。この、いかにもソダーバーグらしいお洒落~な雰囲気と極めて分かりやすいストーリーテリングの安定感といったらもう職人技の域に達してますね。二転三転する脚本の妙もあり、最後までなかなか面白く観ることが出来ました。いつもの如く、彼お得意のハリウッド人脈がなせる技なのか揃えられた豪華な役者陣の面々も華があって良かったっす(いかにも鬱って感じの情緒不安定なルーニー・マーラと、相変わらずセクシーダイナマイトなキャサリン・ゼタ・ジョーンズのレズ絡みシーンはなかなかエロくてたいへん良い感じでした~笑)。まあ、後で思い返してみれば細かい部分に粗が目立つし、いまいち心に深く引っ掛かるものもないまま最後までさくさく進んで終わるため、速攻で記憶から消え去りそうな薄味作品ではあったけどね。え、ソダーバーグ、これで引退?!でもまあ、そんなに惜しくないかな(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-07-05 10:50:53)
53.  ザ・ワーズ 盗まれた人生 《ネタバレ》 
とある中堅作家が新作の発表に合わせて、自作を語る朗読会を開く。その内容とは――。主人公は作家志望の貧しい若者ローリー、ひたすら書いては出版社へと原稿を送るものの無下に断られる鬱屈した日々を過ごしていた。そんなおり、彼は偶然手に入れた鞄の中から、古びた小説の原稿を発見する。「これは傑作だ…」一読してそう確信したローリーは無我夢中で、それを一言一句漏らさずパソコンへと書き写し、駄目だと分かっていながら、長年自分を支えてくれた愛する妻を助けたい、何より自分のことを世間に認めてもらいたいと、それを編集者に読んでもらい出版へとこぎつけることに。本当の作者がどんな想いでこの小説を書いたかも、自分の才能を信じてついてきてくれた妻の信頼をどれほど裏切ることになるかも知らずに…。自作を語る中堅作家の物語と、彼の新作小説の内容として語られるそんなローリーの物語と、自作を盗用された年老いた男の過去の哀しい恋物語が、複雑なメタ構造で絡み合う哀切な人間ドラマ。そんな複雑な構造の作品なのに、極めて分かりやすいストーリーテリングのおかげで最後までストレスなく観ることが出来て、そこは素直に良かったです。それぞれの恋物語も実力派の役者陣の熱演(ブラッドリー・クーパーの目力は凄い!)のおかげでなかなか楽しめました。ただ、その作風に監督が溺れてしまい、どうしてこんなメタ構造で作品を描かねばならなかったのか、その意義を最後まで見出せなかったことが少し残念でしたね。特に曖昧でよく分からないこのラストは、かなり投げっ放し感が強くて大きくマイナスポイント。それでも、そんなラスト以外は、しっかりと創り込まれた人間ドラマとしてけっこう見応えありました。取り敢えず、もしかしたら大作家になれたかも知れないあのおじいちゃんの人生は本当に哀しいですね。うん、やっぱり盗作しちゃ駄目。
[DVD(字幕)] 6点(2014-04-05 00:39:52)
54.  サイレントヒル:リベレーション3D 《ネタバレ》 
人智の及ばぬ地平に存在する、闇に閉ざされた街サイレントヒルへと迷い込んだ親子が、いろいろ頑張ったけれど結局は元の世界へと戻ってくることが出来ませんでした。な、ラストを迎えてしまった前作。その続編である今作は何故か冒頭から、「ところがお母さんがあの後いろいろ頑張って娘のヘザーだけは元の世界へと帰ることが出来てたんだ」という、とっっってもご都合主義的展開で始まり、嫌な予感がしたのですが、残念ながら僕のそんな懸念は見事に当たっちゃいました。超有名なゲーム(僕はあまり知りませんけど)を映画化した一作目は、ストーリーこそお馬鹿で薄っぺらいものでしたが、その過剰なまでのグロ描写と独自の圧倒的な世界観を有するホラーワールド、そんななかに仄見える廃墟と化した街サイレントヒルの精細で美しい雰囲気など、かなりのセンスを感じさせる映像美がなかなか見応えあったのだけど、こちらはちょっとね~。もう、前作にさらに輪をかけたような中身のない薄っぺら~いストーリー展開(特に主人公2人、いつの間に相思相愛なっとんねん!)はまぁ目をつぶるとしても、前作に比べていかんせん映像が凡庸過ぎです!取り敢えず、元ネタのゲームに出てきたであろうアイテムをただはべらせて3Dにしときゃ観客は満足なんだろ!というスタッフたちのやっつけ感が画面に滲み出ていて不快感さえ湧いてきそうでした。クライマックスでメリーゴーランドが炎に包まれたとき、この映画自体も燃えちまえばえーねん!と思わず突っ込んじゃったし(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2014-02-20 23:53:09)(良:1票)
55.  360 《ネタバレ》 
芸術の都、ウィーン。大金を得るため、高級売春クラブで働くことを決めたブランカ。最初についた客に会いにホテルのバーへと向かうと、そこには妻のいる身でありながら初めて女を買おうとするエリートサラリーマンのマイケルが待っていた。一方、ロンドンで働くマイケルの妻は若い写真家との不倫に苦しんでいた。物語の語り手は、そこからその若い写真家と別れてブラジルへと帰ることを決めた恋人へとバトンタッチし、さらには飛行機で彼女と偶然隣り合わせた遠い過去に失踪した自分の娘を捜す老人、自分のなかに蠢く歪んだ欲望に苦しむ出所したばかりの元性犯罪者、同僚で人妻でもある女性への恋に苦悩する歯科医、ボスから犬のような扱いを受けているチンピラマフィア、と次々と移行していく。それにつれて舞台も、ウィーンから、ロンドン、パリ、ロシア、アメリカの各都市、ブラジルのビーチへとまるで奔流する大河のように世界を駆け巡り、最後は広大な大海原へと還元するかの如くウィーンの売春婦へと360度の円環を閉じてゆく。「シティオブゴット」で鮮烈なデビューを飾ったメイレレス監督が、豪華な俳優陣を起用しこれまでに培ってきた技巧を駆使して描き出した群像劇。と、聞くととても壮大でドラマティックな作品を思い浮かべるけど、今作は意表を突くほど地味な展開が最後まで淡々と続きます。それなのに相変わらずの見事なストーリーテリングで、最後まで観客を飽きさせないところはさすがでした。うまくいかない男と女、親と子、上司と部下、それでも人生は一度きりと幸せになるチャンスを必死に手に入れようとする人々の姿が、観終わったあとも良い余韻となって心に残ります。豪華俳優陣のわりに、あまりにも地味すぎて世間ではいまいち評判にならなかった作品みたいだけど、僕にはなかなかの良品に思えました。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-27 00:14:33)
56.  ザ・マスター 《ネタバレ》 
心に歪んだ傷を背負った元兵士フレディ。人生という迷路を彷徨い続けていた彼は、ある日マスターと信者たちから慕われる新興宗教の教祖と出会う。空虚だった自分の人生を満たしてゆくかのようにマスターへと惹かれていくフレディと、そんな彼を息子のように見守るマスターとの異常とも言える友情を描いた重厚な人間ドラマ。この監督の前作でも感じたことだけど、とにかく説明不足。起こった出来事をただ淡々と客観的に描き、その背景にある事実は観ている人それぞれに行間を読んでくださいというこの演出手法はあまり好きではありません(前半の主人公が造る謎のお酒のエピソードはいったいなんだったのでしょうか?)。そうして描かれる主要テーマもかなり難解なもの。うーん、どうなんだろう、これは。この監督のこれまでの作品(特にマグノリア)には理解出来ないなりに心にグッとくるものがあったのですが、この作品にはどうにもそれが欠けているようにしか思えないのです。主演俳優の、三者三様の熱のこもった圧巻の演技は確かに見応えがありましたけれど、残念ながら僕には心に響くものの乏しい退屈な映画でありました。ポール・トーマス・アンダーソン、次は昔のように猥雑な熱気と高尚なテーマが絶妙なバランスで同居しあう群像劇の傑作をまた撮って欲しいと切に願います。  《追記》2014/2/2、フィリップ・シーモア・ホフマンが急逝されたとのニュースが舞い込んできました。詳しいことは分かりませんが、原因は薬物中毒とのこと。悪役でも善人役でも見事な存在感でもって演じ分けるハリウッドの名バイプレーヤーとして、彼の赤ら顔をもう見ることが出来ないと思うととても残念でなりません。ご冥福をお祈りします。
[DVD(字幕)] 5点(2014-01-09 07:27:31)
57.  サミュエル・L・ジャクソン in ザ・チャンプ 伝説のファイター 《ネタバレ》 
スランプに陥り、ロクな記事が書けなくなってしまった新聞記者エリック(ジョシュ・ハートネット)は、ある日の帰宅途中、若者たちの悪質な嫌がらせに遭っていたホームレスのボブ(サミュエル・L・ジャクソン)と出会う。「俺は昔、ボクシングで世界王者寸前まで昇り詰めたチャンプなんだ!」と豪語する彼に半信半疑ながら次第に興味を惹かれていくエリック。しかし、彼のことを書いた記事が編集長の目に留まったことから、息詰まっていた二人の人生は大きな転機を迎えてゆく。常にぼさぼさの小汚いドレッドヘアとむさ苦しい髭面、そして終始甲高い掠れ声で大言壮語するサミュエルの相変わらずの怪演でみせる、そんなオーソドックスな人生再生の感動物語だと思いきや、中盤からそんな物語はあっと驚く展開を見せていきます。人間、特に父親としての弱さを大きくクローズアップしていくその考え抜かれた設定には見事に惹き込まれました。最後は確かにベタと言えばベタですけど、子供を持つ父親なら誰もが共感できる普遍的なテーマを扱ったなかなかの良作だと思います。仕事で心が折れそうになっている、全ての世の中のお父さんにお薦め。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-06 22:06:19)
58.  サイレントヒル 《ネタバレ》 
夜な夜な何かに引き寄せられるかのようにベッドから抜け出す少女シャロン。「サイレントヒル…」そう呟く娘の謎の言葉を手がかりに、母ローズは過去に起きた炭鉱事故によって廃墟と化した街へと辿り着く。だが、そこは人智を越えた存在が支配する恐ろしい街だった。すぐに姿を消してしまったシャロンを捜して、ローズは男勝りの婦人警官と共に灰燼渦巻くサイレントヒルのそんな怪しい世界へと踏み込んでゆく――。すみません、元ネタとなったゲームのことはほとんど知りません。確かにゲームを原作にしただけあって、このダークでおどろおどろしい世界観はなかなか秀逸でした。プレイヤーとしてこんなゾクゾクするような気持ち悪~い世界へと入っていったら楽しいだろーなー。ただ、映画としてみたらどうなんですかね。後半になるにしたがって、見事なまでに破綻する設定の数々にはさすがに苦笑しちゃいました。謎の宗教集団もいったい何がしたいのか意味不明だし。そして「で、結局、どういうこっちゃねん!」という観客の疑問に一切応えないまま、かなり投げやりなラストを迎えてしまいました。うーん、なんという薄っぺらいストーリー(笑)。それでも、常に白い灰が雪のように舞う幻想的で美しい街サイレントヒルに、突然重厚なサイレンが鳴り響いたかと思うと瞬く間に悪夢のような世界へと変貌を遂げ、そうして現れた淫靡でグロテスクな怪物たちが容赦なく襲ってくるという、「ひえぇぇ~」な映像はなかなか見応えがありました。こりゃ、こえーよ!!
[DVD(字幕)] 7点(2013-12-19 08:53:05)(良:1票)
59.  THE GREY 凍える太陽 《ネタバレ》 
極寒の雪山に飛行機が墜落、生き残った男たちが、襲いくる狼の群れから逃れ決死の脱出を図るお話。以上、終わり。という、超シンプルイズベストな映画でした。場面の98%が雪山と森で、可愛いおねーちゃんどころか女性は一人も出てこず、放送禁止用語を連発し下ネタばっかり話すむさ苦しい髭モジャの中年男ばかりが出演(もう画面から加齢臭が臭い立ちそう笑)という、それだけ聞くととてもつまらない映画のように思えるけれど、やっぱり映画って優れた脚本と演出力さえあればいくらでも面白くなるという見本のような作品でした。極限状況に置かれ、時には反発しあいながらも力を合わせて必死に困難を突破しようとするのだけど、人間は常に弱い生き物で周りの困難ばかりか己の弱さによって身を滅ぼしてゆく男たち。美しい自然がもたらす脅威、人が生きる理由、そして神の不在。エンタメ映画として充分な水準を保ちながら、そんな深淵なテーマをも内包したなかなかの秀作だと僕は思います。
[DVD(字幕)] 7点(2013-10-04 22:40:31)
60.  THE DAY ザ・デイ 《ネタバレ》 
何らかの理由により、社会秩序が崩壊してしまった世界で、あくまで人肉食を拒む主人公たちと、そんな彼らを狩り食料にしようと目論むグループとの息詰まるような攻防を描いたSFアクション。なのだけど、終始、どこかで見たことがあるようなシーンが延々と続き、新しさというものが一切感じられなかった。低予算で作られたからだろうけど、画面のいちいちに華がなくて、それならそれで誰も見たことがないような斬新なアイデアで勝負して欲しかったんだけどなー。残念ながら、僕には退屈な映画でした。
[DVD(字幕)] 3点(2013-08-27 04:04:31)
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