21. 12人の怒れる男/評決の行方(1997)<TVM>
《ネタバレ》 オリジナルをほぼそのままの内容でリメイクしているのだから、面白くないわけがない。ただ、陪審員の中に黒人やメキシコ系を入れるなど、細かいアレンジを施している(その結果、上映時間が20分も長くなっている)。オリジナル版では12人いる陪審員の中でも、記憶に残るのは半分くらいだったが、今回は知っている俳優が多いせいか、ほとんどの陪審員に見せ場があるように感じた。ジャック・レモンとジョージ・C・スコットの二大名優による演技合戦には鳥肌が立つ。それにしても、人が真剣に話している最中にぶらぶら歩き回ったり、〇×ゲームを始めるとは…真面目にやれ!と言いたい。 [DVD(吹替)] 7点(2011-11-19 06:57:26) |
22. しあわせの隠れ場所
偽善と言われようと何だろうと、彼らの行いは「善」だと思うし、自分に同じことができるか?と問われれば答えに窮するだろう。白人セレブが貧乏黒人を助ける、という、一歩間違えれば嫌味な内容を、過剰に感動を煽ることも悲劇性を強調することもなく、さらっと描いたところが好印象。サンドラ・ブロックが肝っ玉母さんを演じ念願のオスカー受賞。娘役の女の子も何気に可愛かった。 [DVD(吹替)] 7点(2010-12-22 07:08:43) |
23. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 大好きなシャーロック・ホームズをガイ・リッチーがどう料理してくれるのかと観る前から楽しみにしていた。ロバート・ダウニー・ジュニアのやさぐれホームズに、ジュード・ロウのイケメンワトソン。レストレード警部にアイリーン・アドラー、ハドソン夫人、そして「教授」と、おなじみのキャラが勢揃い。19世紀末のロンドンを再現したセット&CGも雰囲気抜群でまずは楽しめた。グラナダTVのワトソンはホームズの引き立て役といった感じで少々お間抜けなキャラだったが、本作ではホームズの相棒として対等に渡り合い、むしろホームズの方がワトソンに依存している節がある。この二人のキャラが最高に立っていて、作品に求心力がある。推理が貧弱だとかアクションが多過ぎだとか演出がせわしないだとか、まあ色々文句はあるのだが、エンターテインメント大作として上出来の部類でしょう。このキャスティングで是非続編を期待したい。 [映画館(字幕)] 7点(2010-03-22 01:01:05) |
24. 7月4日に生まれて
オリバー・ストーンのベトナム戦争映画だが、戦場のシーンよりも、出征前と帰還後を丹念に描くことで、「戦争に行くとはどういうことか?」を力強く訴える。戦場の生々しさを描いた『プラトーン』とはまた違ったアプローチをしているのが面白い。個人的にはこちらの方が好印象を持った。トム・クルーズの熱演にも評価。 [DVD(字幕)] 7点(2007-08-07 16:51:10) |
25. 地獄の黙示録 特別完全版
《ネタバレ》 ジョン・ミリアスのオリジナル脚本では、クライマックスに大規模な戦闘シーンを用意していたらしいが、マーロン・ブランドの我がままでボツに…(泣)脚本通りに仕上がっていたらどんな映画になっていたのだろうか。これは、さしずめ「ウィラードと巡るベトナム周遊紀行」といったところか。3時間半の長旅だったが、思い出すのはキルゴアのナパーム投下シーンのみとは… [DVD(字幕)] 7点(2007-08-07 16:31:50) |
26. シャッター アイランド
こうなるだろう、と思った通りに進むストーリー。誰もが想像のつく結末。だけど、これが結構面白い。絶好のロケーションとディカプリオの熱演、スコセッシの古典的演出が相俟って、なかなか見応えのあるミステリーとなっている。2時間半、全く飽きずに集中して観ることができた。こういう骨太の映画は大歓迎。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-11 23:07:45) |
27. G.I.ジョー(2009)
《ネタバレ》 スティーブン・ソマーズ監督はマイケル・ベイ以上に脳ミソを使わないB級アクションを撮る名手なので、今回も頭カラッポにして楽しめた。普通の映画は「起承転結」というものがあるのだが、本作は「転転転結」、最初から最後までアクションが詰まっている。キャラクターには何も深みはないが、善と悪はコインの裏表に過ぎず、両者がほとんど同等に描かれている点に好感がもてる。エッフェル塔の破壊を巡ってのジョーとコブラとの追跡戦では、思わずイ・ビョンホンの方を応援してしまったくらい。博士がマスクをつけて「俺がコマンダーだ!」と言ったところであっさり逮捕されるラストが笑える。続編を作る気満々らしいので、是非このスタッフ・キャストで、あまり間を置かず発表してほしいものだ。 [DVD(吹替)] 6点(2009-12-16 07:52:09) |
28. 白い肌の異常な夜
《ネタバレ》 イーストウッド作品の中でも異色作だが、監督はドン・シーゲル!『ダーティハリー』と同年にこんなトンデモ映画を撮っていたとは…。冒頭でイーストウッドが12歳の少女とキスするが(今ではちょっとやばい描写)、最終的にはその少女が殺人に加担する。彼女に「キノコを採ってきなさい」と命令する園長先生にぞっとする。どなたかも指摘していたが、脚を切断されるところは『ミザリー』を思い出す。ウハウハなシチュエーションから一気に奈落へ突き落とされるラストに唖然。ヘタなホラーよりもよっぽど怖いわ。 [DVD(吹替)] 6点(2009-10-02 09:57:22) |
29. 13日の金曜日(2009)
《ネタバレ》 PART1のラストから始まる本作、頭巾姿のジェイソンが若者たちを殺しまくる前半が特に良かった。本筋に入ってからはちょいと中だるみを感じないでもないが、変に設定やストーリーを凝ることもなく、おバカな連中があれよあれよとジェイソンに殺られていく様を描き、良くも悪くも『13金』のスタンダードな作りとなっている。今回のジェイソンは全速力で獲物を追い、罠を仕掛けたり、飛び道具を使ったりと、意外と知的な一面がある。ヒロインはママに似ていたことから殺されずに済んだようだが、6週間も監禁されていたことを考えると、ジェイソンは彼女に食事を出したり排泄物の処理をしたりと甲斐甲斐しく世話をしていたのではないか?そんな健気な姿も見てみたいものだ。残酷シーンは今どきの映画らしくCGを使っているようだが、あまり違和感はなく、結構きっちり撮っている(もうちょっと殺しのバリエーションがあってもいいが)。アメリカではアンレイテッド版DVDが存在するらしいので、そちらも気になるところ。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-27 23:25:05) |
30. シューテム・アップ
《ネタバレ》 こういうB級に徹した作品というのは好感がもてる。冒頭10分の銃撃戦は、並みのアクション映画のクライマックスに相当する弾薬数。製作者はとにかく撃って撃って撃ちまくる映画を作りたかったのだろう。銃規制を擁護しながら、「毒を以って毒を制す」矛盾を抱えた凄腕の主人公に、クライブ・オーウェン。対するジアマッティもムサ苦しさ満点。とことん下品でバカバカしい展開が清々しい。ラストの人参撃ちは、ジャンゴのオマージュですかね?「弾丸んねー!」のコピーが既にバカ(笑)エンドクレジットのアニメーションは007のオープニングタイトルに匹敵する格好良さ。 [DVD(字幕)] 6点(2009-03-04 22:11:31) |
31. 16ブロック
今時珍しい地味~なアクション映画だが、CGだらけの映画に疲れていたのでちょうど良い。意外にも最後はホロリとさせられて、何だか得した気分。リチャード・ドナー監督は相変わらず手堅い仕事をしています。イーストウッドの『ガントレット』が観たくなった。 [DVD(吹替)] 6点(2008-02-08 21:52:29) |
32. ジュラシック・パークIII
90分間に旨味をぎっしり凝縮させたアトラクション・ムービー。余計なドラマは省き、恐竜島からの脱出にのみ焦点を絞った脚本はいっそ潔く、前作よりも楽しめた。 [映画館(字幕)] 6点(2007-11-04 11:44:08) |
33. 13日の金曜日(1980)
《ネタバレ》 1作目がいちばん面白い。サスペンスの盛り上げが巧いし(『金田一少年の事件簿』みたい)、トム・サビーニの特殊メイクが冴えている。ケビン・ベーコン殺害シーンは、公開当時、「本当に俳優を殺した!」と話題になったらしい。ジェイソン・ママが犯人というのは今更ネタバレでもないだろうが、ラストのサプライズには結構ビビッた。ハリー・マンフレディーニのスコアも印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2007-09-11 19:47:58) |
34. 地獄のモーテル
《ネタバレ》 一応『悪魔のいけにえ』の系譜なのだろうけど、どこまで狙ったか分からないアホさ加減がカルト好きの琴線に触れるらしく、なぜかそこそこ評判の良い作品。人肉ベーコンを売る中年兄妹が実に良い味を出しており、一見そこらの田舎にいそうな感じが怖い。思ったほどグロいシーンはないのだが、畑に栽培された人間たちと、ラストの豚仮面&チェーンソー対決だけで全てが許せてしまう。変なホラー映画。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-18 22:01:15) |
35. シリアナ
ただでさえ難解な映画なのに、それを更にわかりづらく作っている。しかも、頑張って最後まで観ても、『トラフィック』ほどのカタルシスは得られず。ジョージ・クルーニーの熱演は見もの。 [DVD(吹替)] 5点(2008-10-20 09:19:38) |
36. 呪怨 パンデミック
エディソン・チャンもこれで見納めか…。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-29 15:51:32) |
37. シーズ・ソー・ラヴリー
《ネタバレ》 ことあるごとに「金持ってないんだけど…」と正直に白状するショーン・ペンが可笑しい。で、周りの人たちも何故かとっても親切。やはり凄いのはペンの演技で、どのようなアプローチでこの役を演じたのだろうか(『アイ・アム・サム』より断然凄い)。まるで天使のような男なのだ。内容はもう目茶苦茶で、ラストは呆気に取られること請け合いだが、そこには世間一般のモラルを超えた何かがあると思う。大体、平気で人を殺しまくるアメリカ映画界にあって、元の旦那と駆け落ちするぐらい、そんなに目クジラ立てるようなことではないのかもしれない(実際には嫌だけどね)。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-12 22:37:56) |
38. シャンハイ(2010)
太平洋戦争〈前夜〉の上海を舞台にした日米中の諜報戦…という、面白そうな題材を扱っているにも関わらず、このつまらなさは何だ?起伏のない展開と凡庸な演出で、サスペンスとしてもラブストーリーとしても中途半端。しかし、俳優陣だけは豪華。チョウ・ユンファと渡辺謙は相変わらずの存在感だが、主役のジョン・キューザックにあまりにも華がない(好きな役者さんだけど)。コン・リーは綺麗だった。 [DVD(吹替)] 4点(2012-03-07 00:18:24) |
39. 幸せの始まりは
《ネタバレ》 ヒロインのリース・ウィザースプーンが全く魅力的に見えないため(容姿も性格も)、どうして二人の男が彼女を取り合っているのかがよく分からない。肉食系(オーウェン・ウィルソン)と草食系(ポール・ラッド)の対比は面白いが、2時間もダラダラと彼らの三角関係を見せられるのはたまったものではない。ジェームズ・L・ブルックスは好きな監督だったが(『恋愛小説家』は10回くらい観た)、今の時代にはちょっと合わないような気がする。ジャック・ニコルソンは相変わらず巧い。 [DVD(吹替)] 4点(2011-07-27 13:28:13) |
40. ジャーロ
随所にアルジェントらしさは感じられるものの、やはり70~80年代の全盛期に比べると、切れ味が鈍った印象は拭えない。最近のフレンチ・ホラーくらい突っ走ってほしいものだ。前作(『サスペリア・テルザ』)に続き、日本人を起用してくれたことはちょっと嬉しい。それにしても、エマニュエル・セニエ老けたな。 [DVD(字幕)] 4点(2011-06-15 07:18:17) |