Menu
 > レビュワー
 > アンドレ・タカシ さんの口コミ一覧。3ページ目
アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
41.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 
公開中の「アバター」もそうですが、驚異的な映像という意味で映画を捉えたときエポックになった作品が何本かあると思います。自分にとっては、1968年「2001年」、1980年「帝国の逆襲」、その次に来たのが1993年の今作でした。だって、本当に恐竜がいると思いましたもの。後半は恐竜たちから逃げてばかりいるストーリーが少し残念でしたが、映像に驚いたという意味では過去最大級でした。ジュラシックパークを検分に訪れる博士たちは危険度や倫理観からNGを出します。そりゃ、ティラノサウルスにリアルに食われそうになったらそう言います。でも自分はとても残念でした。このプロジェクトが一般に公開されたら、自分もホンモノの恐竜が見られるぞ。そんな期待感で映画を観ていた気がする。だがら、しょげているハモンド氏にも同情しました。彼はたぶんスピルバーグの分身ですね。人を驚かして楽しませることを生き甲斐にしている人ですから。映像表現が飛躍的に進歩するタイミングって、10数年ごとに来るようです。この次、純粋に映像に驚かされるのは2025年くらいか…。ん? 私は何歳だ?
[映画館(字幕)] 8点(2010-01-26 01:45:40)(良:2票)
42.  シルバラード
この映画もすでに25年ほど昔の作品になった。当時、西部劇の復興だか復活だかを掲げた広告をしていました。確かに、正統な西部劇の匂いがする作品でしたね。そんなお題目があったので、あえて作品と離れて西部劇について少し考えました。42と132。この数字は、このサイトのマニアックランキングで検索した1985年以降の西部劇と時代劇の登録作品の数。21世紀になってからだと、14と66。日本の時代劇と比較することに特に意味はありません。90年代に少し復興のきざしがあった西部劇だけど、製作される絶対数は減っているようです。たぶん原因は、その時代が本来持っている暗さではないかと思う。西部開拓時代は19世紀後半の数十年で、先住民だったインディアンを駆逐して行った時代と言っても良い。過去の大半の西部劇で扱われるインディアンたちは、凶悪な未開人。そして、彼らをやっつける勧善懲悪のヒロイズムと、フロンティア・スピリットへの郷愁が西部劇の根幹だったと思います。それを強引に喩えるなら、北海道や沖縄へ攻め入ったサムライが恋や友情に彩られた冒険をしながら、アイヌや琉球の民を殺して行くようなお話だ。そんなものをアメリカの人たちは喜んで観ていたし、日本人もエンターテイメントとして盲目的に受け入れていた。その視点で語るなら、ハワード・ホークスやジョン・ウェインは罪深い人たちだ。20世紀も中程まではそれがまかり通っていたけど、今の時代にそんな映画は作れない。「ダンス・ウィズ・ウルブス」などは過去の西部劇に対する強烈なアンチテーゼだったのだろう。この映画にインディアンは出てこないけど、銃で殺し合って決着という成り行きにも、ホントにそれで良いの?と、少し気になりました。反目すれば撃ち殺してオシマイというやり方も、あの国にとっては思い出したくない過去の歴史なのかも知れない。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-08 01:13:09)
43.  上海から来た女
↓「燃えよドラゴン」はこれのパクリだったんですね。60年以上前の映画にしては古さを感じないどころか、斬新な印象さえ持ちました。美しい薔薇には棘がある、の典型ですな。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-10-27 00:27:04)
44.  十二人の怒れる男(1957) 《ネタバレ》 
初めて観たのは30年近く前のテレビ放送。まだ高校生だったと思う。その当時は陪審員の役割を知らず、観終わってから調べました。そして、有罪・無罪を決するのが裁判官ではなく陪審員であることに驚いたのでした。判決と評決の違いもその時に知り、日本で通用している手続きとの違いに強い違和感を覚えました。容疑者の罪と罰を司る裁判官は絶対的な存在と思っていたからだろう。国が変われば制度も変わるような相対的な尺度で人を裁いて良いものなのか? この疑問は今も持ち続けている。それは人が人を裁くことの難しさと同義であり、正解は存在しない。さて、今作は会話劇として珠玉のエンタテイメントであり、疑わしきは罰せずの精神のお手本であり、日常に潜む多様な偏見を浮き彫りにもする。色々な見方が出来ると思うが、普遍性を持ったテーマはタイトルに現れています。みんな怒っていました。怒りの感情は瞬間的にでも真剣になった証拠。人を裁く任を負い、その局面だけでも役割に真摯に向き合った姿勢の表れです。評決はたまたま無罪に転じたけれど、その過程とそこに居合わせた陪審員たちのスタンスに重きを置いた作品だろう。評決が決した後、彼らは裁判所の外で初めて氏名を名乗り合いました。それまでは固有名詞を持たない社会構成員として、各々の義務を果たしていたということでしょう。裁判所前を日常へ戻って行く12人を収めたショットの清々しさが格別だ。納得の行く回答へ辿り着いた達成感と重たい任を終えた開放感を、通り雨に洗われた街並みが象徴していました。97分の尺に3時間くらいの重さが詰まっている傑作です。これ以上の密度を持った作品は滅多にない。日本でも先日、裁判員制度がスタートしました。
[地上波(吹替)] 9点(2009-10-20 02:01:16)(良:1票)
45.  シャレード(1963) 《ネタバレ》 
あれだけ殺人が起こったら、フランスの警察も黙っているはずがなく、捜査が始まった途端にケイリー・グラントやウォルター・マッソーの素性はバレたはずです。でも、そんなことはさして気にならずに観ていられるのはヘプバーンが可愛いからだ。基本的にはへプバーンを楽しむためのアイドル映画ということですね。でも、そう割り切るのなら、もう少し感情移入しやすいキャラにして欲しかったかな…。当時としては進歩的な女性という見せ方だったと思うが、人がたくさん死んでいる時にケイリー・グラントを誘惑するような素振りを見せるヘプバーンに少し違和感を覚えます。それにしても、コバーン、マッソー、ケネディはそれぞれ主役を張れる役者さんだけあって、みなさん怪しさ全開。彼らの存在感くらべ、という楽しみ方もあると思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-10-17 13:32:09)
46.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 
All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy. All work and no play makes Jack a dull boy.   コピー・ペーストだと楽だw。このしつこいタイプは誰かへのメッセージ。だとしたら相手は奥さんしかいない。そう考えると、こんな解釈も成立する。「仕事以外にやることが無い(all work)こんな山の中で、お前は子供にばかり気をかけて俺を蔑ろにする。夜の方もこの3年ほどご無沙汰だ(no play)。とても退屈なので(dull boy)、ちょっとお前たちと遊んでやるよ」。つまり、退屈と性的欲求不満で混濁した精神にホテルの怨霊どもが取り憑いた。
[映画館(字幕)] 7点(2009-10-05 01:16:08)
47.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
このサイトで高い平均点を維持しつつダントツのレビュー数を誇る。最高の映画の一本なのだろう。ちょっと難癖をつけてやろうと久々に見直したら、悔しいことにまた感動してしまった。粗が見当たらない。強いて言うと、あの所長があっさり自殺しちまうところが面白くないんだけど、減点するほどのことでもない。絶望的環境の中で希望を持ってしまったら、希望自体がその人を押しつぶす。何度も仮出所申請を拒否されたモーガン・フリーマンの言葉には説得力があります。その間、ティム・ロビンスはポスターの向こうにせっせと穴を掘っていた。ちっぽけな道具と要した年月を考えると、せっせと、なんて形容はもちろん正しくないが、その作業こそが希望です。つまり希望とは概念として「持つ」というより「育てるもの」なのですね。図書室の本を増やすために手紙を書き続ける、若者に高卒資格を取らせるために手ほどきする。主人公の行動には、「アクション=希望」という一貫性がありました。その一方で穴掘りの苦労を一切見せないことがラストで絶大な効果を発揮します。穴を隠すポスターは、リタ・ヘイワース、マリリン・モンロー、ラクエル・ウェルチと代替わりします。彼女たちは、希望の象徴であり、守り神だった。まさに女神。ちなみに、私はラクエル・ウェルチ派です。
[ビデオ(吹替)] 10点(2009-10-02 02:32:54)(良:1票)
48.  情婦 《ネタバレ》 
ここでの高評価に期待しましたが、さほどでも無かったです。ラストのどんでん返しはそれなりだったけど、ミラーで反射させた光を人の顔に当て、眩しそうにするかどうかで発言の真偽を判定するなんて有り得んでしょう。正直、あのシーンで萎えましたね。ただ、この時のマレーネ・ディートリッヒが50歳台の後半というのは驚異です。
[ビデオ(字幕)] 5点(2009-09-20 05:38:35)
49.  幸せの1ページ
親子で楽しんてください。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-08-20 00:25:23)
50.  シンドラーのリスト 《ネタバレ》 
重たい映画は観ることに覚悟が必要で、ずっと敬遠していましたがやっと観賞。まず、シンドラーが絶対的な人道主義者かというと、そうは思わなかった。最初は安い労働力を確保したいだけの実業家で、ユダヤ人の人権なんて意識していなかった。むしろその反対と言っても良い。転機はゲットー解体の目撃で、自分が帰属するナチスの行為とはいえ、そのやり口に苦味を覚えたようだった。次は収容所の所長。この男の非道は徹底していていたが、ユダヤ人の女中に欲情することなどから信念を持って任務を遂行しているとは思えず、最低の奴だった。だけどこの映画を見る限り、彼の功績は大きい。シンドラーにとっての「反面教師」として。シンドラーがユダヤ人の助命に奔走した直接の動機は、彼への反感と嫌悪感だと思います。最後の、この車を売っていたらあと何人…は状況に煽られた激情から口が回ったような印象で、自分は大多数の方と感じ方が違うようです。結果として、シンドラーは1,000名を越えるユダヤ人をナチスから救ったことになりますが、偉大な人という感想はないですね。自分を窮地へ追い込まない範囲で示す良心と勇気、その基になる常識的な平衡感覚は持っていた、ということでしょう。スピルバーグも彼を功労者ではあるが英雄扱いしていないと思います。大事なところは情に流されずにドキュメンタリータッチを貫いていて、その視点は秀逸だと思います。この映画が言いたかったことは、シンドラーが救った1,100人に対して虐殺された総数は6,000,000人という事実です。絶対的に桁が違うのです。二次大戦後、半世紀が過ぎた段階で改めてこの数字を世に知らしめたことには意義を感じました。スピルバーグの賞狙いという批判は、かなり曇ったレンズを通して観ている人の意見のように思います。まぁ、感じ方は十人十色で良いのですが…。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-24 21:05:31)
51.  ジャンパー
有りそうで、過去には無かった設定。自分は楽しみました。そりゃあ、あんな能力を持ったら銀行を狙うでしょう。自分も速攻で金庫を漁ってサラリーマンなんか辞めますよ。当たり前です。性犯罪方向へ行かなかっただけでも良かったんじゃないですか。もう少し頭が良かったら無敵になっちまうので、あの程度が頃合です。続編へ向けて、成長の余地を残したという見方もあるけれど、お決まりの行儀良い成長なんかして欲しくないですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-17 14:30:21)
52.  ジキル&ハイド
正確には知らないけど原作は「二重人格もの」の始祖的な位置づけのはず。でも、他の方も指摘されてますが、二重に見えなかったですね。1.5くらいがいいところでしょう。主人公を第三者目線のジュリア・ロバーツに持ってきたのは試みとしてはアリですが、これも中途半端でした。彼女がジキルよりもハイドの方に惹かれているように思えたので、そのあたりが掘り下げられれば深いテーマが表現できたかもしれなかったけどね…。収穫(?)は人格入れ替わりシーン。なぜ人格と共に髪や髭が瞬時に伸び縮みするのか疑問だったんだけど、それには120点で回答してましたね。でも、髪と髭の突込みをかわす為にあれをやってるとしたら、ちょっと笑っちゃいます。二重人格どころの話しじゃなくって、完全にモンスターだもんね。そうか、書いていて気づいたけど、これはモンスター映画だったんだ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-17 14:21:38)
53.  ジャック・サマースビー 《ネタバレ》 
昔の名前に戻るより死ぬことを選ぶって…。そこが理解に至らない。普通に考えたら、自分の素性を明かし、その罪を償い、イチからやり直すという選択がスタンダードだし、最も良かったと思える。あんなに愛され、子供も生まれたばかり。いくらでも今後の人生に希望を見い出せたはずだ。過去を全て抹消したいという「逃げ」が美化されているようで、納得しにくい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-08 01:09:45)(良:1票)
54.  シューテム・アップ
B級映画の見本。難しいことを言わないのなら、ここまでやるのが映画でしょう! やや肌が疲れ気味のモニカ姉さんの色っぽさもB級テイストに良くマッチしてますね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-15 04:26:24)
55.  ジェシー・ジェームズの暗殺 《ネタバレ》 
偶像と直接接触することによって幻滅を味わったとき、人はいかに対処するか? 類型するなら①対象がそれらしくなかったことをに怒る ②過度の思い入れを修正する ③崇拝の対象を変更する、という具合だと思う。実際には、いきなり幻滅する訳ではなく、じわーっと違和感が侵食してきてから態度を決めることになるのだろう。ボブは偶像のジェシー・ジェームズと現実とのギャップに、比較的早い段階で整理を付けていたようだ。①もあったようだが、すぐ②に移行したように思えた。さらに、一度自分の中の偶像を壊した後に、現実のジェシー・ジェームズと対等の付き合い方を模索し始めた矢先に官憲との板ばさみで暗殺に至ったように見受けた。その本意ではない殺人がダメージとなり、彼は人生を壊してしまった。結局、心の中に相当なスペースを占めていた対象は、そう簡単には消えてくれない。整理が付かないうちに無理に決着を付けた結果が後のボブの人生で、それは悲劇と言えなくもない。映画としてしっかりテーマをもった作品ではあるが、ジェシー・ジェームズという人物の背景が分からないと思いっきり退屈する作りになっている。許せないほど眠かった。この点数は眠気の復讐。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2009-03-26 21:49:06)
56.  11:14 《ネタバレ》 
並行して進むいくつもの事件を時間を遡りながら見せるという手法の面白さでそこそこ見させてくれた。退屈はしませんでしたが、それだけの映画と感じたのも事実です。自分は凝り性なので、観賞翌日に各事件の経過と繋がり方の時系列図解を試みました。やってみると、思っていた以上に複雑で断念しましたよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-29 03:27:40)
57.  呪怨 パンデミック
こりゃぁ、中味が無いですね。接触→出現→何故か人のいないところへ逃げる→連れて行かれる、を繰り返してるだけです。加椰子生誕の地を訪ねましたが、そこでも似たようなことの繰り返しでした。びっくりはジェニファー・ビールス。個人的には「フラッシュ・ダンス」以来でとても懐かしかった。歳とったけど昔の面影はありました。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2008-12-31 01:54:45)
58.  13F 《ネタバレ》 
全く予備知識なしで観たのですが、このどんでん返しは良く出来ていると思いました。誰もが一度は自分が今いる世界の虚構性を疑ったことがあると思うんですが、それが上手にネタに使われています。足元から世界がひっくり返る感じですね。仮想世界の人格が上位世界で蘇る理屈が良く分からなかったけど、そこはB級ということで深く考えずにスルーしました。虚構世界の果ての描写に凄く興味があったんだけど、あれは可も無く不可も無くですね。この宇宙の果てもああいう感じかも…。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-29 16:38:21)
59.  ジャスティス(2002・ブルース・ウィリス主演) 《ネタバレ》 
最後まで何が言いたいのか分からず、散漫な印象の映画です。以下、善意に解釈したこの映画の弁護レビューです。 次々に変わる状況は、ハート中尉が最終的に闘う敵に出会うまでの助走に過ぎない。彼は闘って来なかった。その出自ゆえに危険な前線に送られることも無く、それ以前も温室だったことは推して知るべし。そして初めて訪れた闘いの局面…ドイツ軍の厳しい尋問…でも彼は闘う前に降参してしまう。自分の弱さを痛感するハート。収容所では士官としての敬意を払われるが、大佐からはその弱気を見抜かれ、その視線にコンプレックスが膨らんでゆく。さらに、遅れて収容された黒人士官への人種差別に対する擁護で周囲から浮き始め、当の黒人達からさえ底の浅い理想主義者と扱われる。が、殺人をめぐる裁判の場で、容疑者の黒人士官の弁護を担当した契機に、彼は徐々に闘うことに目覚めて行く。終局で、殺人や裁判が脱走計画をフォローする演出であると分かったとき、彼は重大な決断を迫られる。連合軍士官としての責務を果たせば黒人士官を犠牲にする。反対に、黒人士官の冤罪を晴らせば脱走計画を台無しにする。ここに至り、ハートが闘うべきものが明確なかたちを成す。それはハート自身。自分の弱気や日和見や理想主義から脱却し、次のステップを踏むための自分の内面との闘い。兵士としての義務、人としての正義や誇り、正しいことを行うための勇気。そんな複雑な相克の中から彼は一歩を踏み出した。少なくとも彼は自分との闘いには勝利した。弁護終わり。 と言いつつ…もうひとつ弁護しておくなら、原題はそのテーマを表していますが「ジャスティス」なんて的外れな邦題をつけたために印象が散漫になったことは確実です。描かれたのは普遍的な正義じゃない。ハート個人の戦争です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-12-22 20:07:40)
60.  ジェロニモ(1993)
ひとつの民族文化が駆逐される最後の瞬間を追った映画。小さな島国であるこの国も、北海道や沖縄方面で似たようなことはやっている。人類の歴史はこの繰り返し。ジェロニモは売られたケンカを買って頑張ったけど、結局は近代的でシステマチックで量に勝る奴らに軍配があがる。これが歴史の必然と言うのは簡単だけど、どうも割り切れない悔しさに似た感情が残る。経済というものが無く限られた資源に頼っていた大昔は、生きることは他者を滅ぼすことと同義だったのだろうけど、近代国家がそんなことする必要があるのか? 違う解決の仕方は無かったのか? 宗教的な事情が複雑にからむ中東ならいざ知らず、米国はただ征服欲を満足させたという印象。ジェロニモの素朴な眼差しがそれを強調する。文化とは人類の宝であり、大国の都合で抹殺されても良いはずが無い。そんなことを考えさせられる映画でした。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-18 04:10:38)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS