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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  DC がんばれ!スーパーペット 《ネタバレ》 
 これタイトルやポスターじゃ全然判らないのだけれど中身は『ジャスティス・リーグ』準拠なのね。メインになるのは動物たちなのだけどジャスティス・リーグの面々が全員登場するわ。   主人公スーパードッグはスーパーマンの飼い犬でクリプトン星が爆発する際に赤ん坊のカル=エルと共に脱出して、って。映像や音楽がリチャード・ドナー版『スーパーマン』リスペクトでうるうるしちゃった。ちなみにバットマンもティム・バートン版『バットマン』リスペクトでうるうるよ。ただしバットマンの性格というかキャラは『レゴバットマン ザ・ムービー』に近いわね。陽気なスーパーマンに対してバットマンは陰気っぷりがトレードマークみたいねぇ・・・(スナイダーが描くとスーパーマンも陰気になるけど)   スーパードッグとスーパーパワーを手にいれた保護施設の動物たちが悪に立ち向かってゆく、までのシチュエーションがちょっと長いかしら。基本はドタバタなカートゥーンの世界、でもスーパードッグがクラークとロイスの仲に嫉妬したりレックス・ルーサーのペットだったモルモットが陰謀を巡らせたりスーパーマンが誘拐されたりスーパードッグもスーパーパワーを失ってしまったりスーパーパワーを手に入れた側の動物たちとの確執があったり動物たちがその力を使いこなせるようになるまでに時間がかかったりとドラマも多いのでテンポが悪くなる箇所があるのよね。もう少しタイトな作りでも良かったかな。   一方でジャスティス・リーグはそんなには活躍シーンが多くないのでそこを期待されちゃうと困るからこそのジャスティス・リーグ隠しかしら。スーパーマンとバットマン、極端な性格付けの2人に比べたら他はみんなマトモね。ワンダーウーマンはひたすらカッコよく描かれてるし。みんな捕まっちゃうのだけど。  あとグリーンランタンが登場するけど以前ライアン・レイノルズが演じたグリーンランタンとは違うグリーンランタンね(この映画では女の子だし)。調べたらジェシカ・クルーズ、8代目グリーンランタンですって。彼女の物語が見たいわ。   海外アニメーション映画では動物がメインになってる作品がいっぱいあるけど(人間よりも多いかしら?)DCコミックという既存の有名キャラがいっぱいな世界を題材にしてる分、親しみやすい、とっつきやすいカンジだったわね。  続編があるのならば動物たちがジャスティス・リーグと一緒に活躍する物語がいいわ。それぞれに収まり処を得たワケだし。
[映画館(吹替)] 7点(2022-09-15 15:17:05)
2.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 
 リンチ版の方が好き。   っていうか、意外とリンチ版とイメージそんなに変わらないのよね。大人しい、お上品なリメイクといった風情。だったらリンチ版の方が楽しいわよ。決して楽しいとは思えない、のっぺりとした砂漠を背景とした権力と血統と謀略の物語、だったら悪趣味とかグロとかぶっ飛んでるとかクセやアクが強いとかいう要素で彩った方がまだ見られるじゃない、端正にマジメに映像化しました、ってそれ必ずしも長所にはならないわ。   シャラメくんはいいと思うわ。マクラクランとはまた違った美形で大スクリーン映えするのよね。んでも、それを際立たせるだけの背景、センス・オブ・ワンダーはリンチ版という見本があるだけにハンパというか明らかに物足りないわ。ハルコンネンの一派の小物感はどうした事かしらねぇ。なんかニューヨークの路地裏で麻薬売ってそうな人達程度にしか見えないわよ?   IMAXで見てこその映像美!とか言ってるけど、現状の最大スペックであろうIMAXレーザーGTテクノロジーで見たけど、映像美!ってほどのモンでもないわ。上下に広い戦闘シーン、これトリミングされてるバージョンはどんな見え方になっちゃってるのかしら?って心配しちゃう事はあったけど。IMAXでも2種類の画角(1:2.35が基準で一部映像がGT版1:1.43、通常IMAX1:1.90)、通常上映の画角(1:2.35固定)と少なくとも3バージョンあるワケで、ヴィルヌーヴ、画角に拘りないんか?って考えちゃうとちょっとガッカリね。   毎度の、リズム打ち込んで重低音ずーっと鳴らして申し訳程度のメロディをトッピングしたようなジマーの音楽は苦手。うるさい。今回はもう過剰に音楽鳴らしておくことでダラダラした映画の間を持たせようとしてるような印象ね。  そう、じっくりドラマを描く事で重厚さを与えようとしてるわ。でもダラダラしてるばかり。その上で「僕たちの戦いはこれからだ!」で終了だもの。はぁ?あんだけ勿体つけといてそんなとこで終わり?って程度のところで終わるわね。リンチ版見てたらそんなに勿体つけなくてもどうなるか判ってるわよ!ってツッコミたくなるわね。   ヴィルヌーヴは好きな方なのだけど、コレは微妙だわねぇ。予算かかったスタッフめちゃくちゃ大勢な大作で好き勝手はできないんでしょうけれど、優等生的な映画作りを求められました、みたいなのってつまんないわ。冒険映画だけど映画自体が冒険してる感はあまりなかったわね。
[映画館(字幕)] 5点(2021-10-16 23:47:46)(良:1票)
3.  TENET テネット 《ネタバレ》 
 ノーランって映像で説明するの、下手じゃない?   クライマックス、何やってんのかちっとも伝わってこないのは難解なんじゃなくてヘタクソだからだと思うのよ。爆発までの間にブツを奪還しましょう、ってのはさ、順行組と逆行組とで論理的に説明可能だと思うのよ。でもグチャグチャ。ブツを手に入れるシークエンスなんか、アレ、ちゃんと流れ判った?  パラドックス関係なんか、もうメチャクチャよ、あれ。「細かいコトは気にすんな」って状態。  大体、物語を伝えるのは映像以外の部分に頼りまくってるでしょ。大量の、それこそ喋り続け状態なセリフの応酬と不安を煽るやかましい音楽で説明してます、って状態。映像はひたすらハデな、これ見よがしな部分にばかり注力されてるワケで。   で、コレ、200億円とかかけて2時間半に渡って見せられるDV映画ってのがアタシの抱いた印象なのね。いかにDV野郎を退治するか、ってハナシ。そこに監督好みのセカイ系だのSFだのドンパチだの盛り込んでみせました、そんだけ。  だけどアタシにはあのDV野郎が監督の分身のように思えたわ。作品世界を完全にコントロールしないと気が済まない、ホンモノ使わないと満足しない、世界を支配してこそ、そんな自分の投影。人類の滅亡を描こうとしたら人類を本当に滅亡させないとリアリティ出ないとか、そういうキケンな思考(あるいは志向、または嗜好)を自嘲的に、自戒を込めて映像化してるのかしら?みたいな。  だけどDV映画としては徹底的にドラマがつまんないわ。っていうかキャラがみんなつまんない。誰にも殆どノレないのよ。せめてヒロインがいかに息子を愛しているかくらいは映像として見せて欲しいワケよ。もう全部セリフでの説明で、息子そのものはチラチラと映る程度。それにDV野郎のヒロインに対する現在形の加虐シーンはあっても、それ以前にヒロインが憎悪していた点に関してはやっぱりセリフでの説明に終始するのよね。  お腹の傷はサスペンスの要素になるかと思いきや、水戸黄門の印籠みたいなポジションだし、DV野郎が手に入れた自殺カプセルは意味を成さなかったし、あちこち隙間がスカスカしてるわ。   ハデな映像と大量のセリフとやかましい音楽とSEが緩急なく連なった2時間半、それはノーランの強迫観念の発露みたいなものなんじゃないかしら。   あと、日本でたった2カ所なIMAX GTテクノロジーで見たのだけど全編フルサイズだと思ってたら半分くらいだったわね。ちょっと肩透かし。コレ!って見せ場以外はシーン頭の説明的映像が上下(空と地面、天井と床)広々、っていう、なんとなくカタにハマった不器用な使い方だったのがちょっと微笑ましかったわ。
[映画館(字幕)] 5点(2020-09-19 22:45:49)(笑:1票) (良:2票)
4.  デッド・ドント・ダイ 《ネタバレ》 
 これだけ映画の雰囲気と現実世界の空気がマッチした状態で見た映画というのも珍しく。東京アラートが発令されている中、六本木ヒルズは屋外こそそれなりの人通りがあるものの、シネコンの中は閑散としていて、この映画を上映しているキャパ520余の最大スクリーンには観客が10人ほど。ディストピア感漂よう東京で出会うゾンビ映画、その寂寥感を堪能してしまったわ。   ジャームッシュってことで、わりとオシャレ系なオフビートなカンジのゾンビものが見られるのかしら?(くらいにしかイメージできない程度にしかジャームッシュ映画見てない)と思ってたのだけど、フツーにB級ゾンビ映画で、メタとかオマージュとか映画ネタとか散りばめた中学生臭さが漂っていて、オタク感ハンパない、みたいなシロモノ。そういうところ、楽しんじゃったけどね。  ゾンビって存在にメタファー盛り込みながら結局はそれをモロに説明しちゃうあたりの真っ直ぐっぷりというか、不粋さがむしろ潔いと思ったけれど、それをアタマでは理解していても、じゃあ自分はここに描かれたゾンビ達とは違う、って言えるのか?っていうと、無理ね。つまり、そういうことでしょ?って映画。   田舎町に漂う寂れた空気に、コミュニケーションが希薄になってゆく感覚が重なって、更にそれを見ている状況が重なって、そういう映画体験もまためぐりあわせなのね、としみじみ感じたわ。もう人類は元には戻れないのかもしれない、それはリアルだものね。だから新型コロナ流行以前にこれを見ていたら、それはまた全く違った感想になったかもしれなくて。
[映画館(字幕)] 7点(2020-06-08 20:38:00)
5.  デス・ウィッシュ 《ネタバレ》 
 これねぇ、単純な復讐モノの娯楽映画として作れば良かったのよね。もうなーんにも考えてない、悪いヤツを父ちゃんがボコりますよ、ってそれだけで閉じた世界にしちゃえば面白い映画だったと思うの。   冒頭、アメリカの銃社会に警鐘を鳴らすような作品?と思わせちゃうわけよ。シカゴでの銃での死傷者がどうこう、増加してどうこうって説明するわけね。  で、その上で、映画は「自分の大切な人は自分で守るしかないので、家に銃を常備して、銃を手に取り、その時に備えましょう」みたいなハナシになっちゃうワケ。ウラで全米ライフル協会がバックアップしてる?とか思ってしまうような作品ね。   武力にはもっと大きな武力で対抗しましょう、武力による正義が暴力に対する抑止力になるのです、みたいなニオイがしてしまって、あー、コレはダメって。  SNSの時代なので、当然、主人公の粛清行為に対する反応が描かれるのだけど、法を無視した個人による制裁の否定に持ってゆくことがないの。一応賛否両論的な描写はあっても、最終的には肯定しちゃってるわよね、アレ。  悪者世界だけで閉じちゃってるんじゃなくて、そういう社会との接点を描いた以上は、そこに社会性を織り込まなければいけないんじゃない? 行為に対する責任は描かれるべきで、そこは娯楽映画だから、って逃げちゃうのは問題でしょうよ。   しかも被害者側と加害者やチンピラ側とで人種や階層の線引きしてるっていうね。こういう人達って、こういう連中よね、っていうイメージをハッキリキッチリさせてるわけ。  そして最後はまるで主人公の活躍によって犯罪率が減少したような印象を与える、っていう。  「力による正義」なんてものが通用するなんて本当は信じてないでしょうに。   こんなもん、トランプ政権下でのプロパガンダって思われても仕方ない感じ。何やってんだか、馬鹿アメリカ映画界。
[映画館(字幕)] 3点(2018-11-01 19:26:24)(笑:1票)
6.  テッド2 《ネタバレ》 
 前作面白かったですし、マーク・ウォールバーグ映画(ウォールバーグではなくウォールバーグ映画ね)もアマンダも好きですし。その上、更に好きなあの人もチョイ役で出てきて見ていてびっくり嬉し笑い。だけど今回はなんかしっくりきません。  前作では『フラッシュ・ゴードン』というかなりアレな映画を崇拝していたのに今回はコミコンであまりにフツーに『スター・トレック』や『スター・ウォーズ』出しちゃうあたりの凡庸さゆえ?(『フィフス・エレメント』ネタは微妙なカンジで良かったですが)  それともクマのぬいぐるみが喋って歩いて、だけど中身は下品なオッサンというネタ自体が本来は一発芸状態で、続編を作る事の意味はあまり感じられないから?   いや、それよりヘンにマトモな映画にしようとしてるあたりがどうもねぇ。クマのぬいぐるみの人権の有無ってギャグをマジに語って人種差別問題を反映させるのって、アリなのか?っていう(つーかあのオッサン、そもそも前作のプロローグ部分でクスリで検挙されてませんでした? あの時点で人権があるのか、ただの所有物なのかが問題になっていていいハズなのですが)。  大体、裁判映画として見てしまうとあまりに物足りません。アマンダは新人弁護士として成長してみせていいハズですが、そういうところは見られませんし、モーガン・フリーマンがさすがの貫録を見せるとはいえ、彼がいれば全て丸く収まるっていう水戸黄門の印籠みたいな存在じゃ、闘争の物語にもなりゃしません。   個人的にはヘンにドラマを語るよりも時代を反映させる程度にして、あとはおバカキャラものとして、バディものとして、笑えるエピソードを重ねてくれればそれでいいんじゃないの?と思うんですけどねぇ。   テッドも日本に来ればゆるキャラとして自治体がお気軽に住民登録してくれるのにねぇ。
[映画館(字幕)] 6点(2015-09-25 21:57:29)
7.  デス・レース2000年 《ネタバレ》 
 もちろんチープだし演技とかカメラポジションとか繋ぎとかダメダメなのですが(意外に出番の多いスタローンの大根っぷりときたら!)、にしても見るべきところは沢山あって。   知識の浅い私には「近未来、人々が残虐なゲームを喜んで見る」という映画はこれと同年の『ローラーボール』あたりまでしか遡れませんが、ここら辺が元祖なのでしょうか。後年のリチャード・バックマン(スティーブン・キング)の『ランニングマン』『死のロングウォーク』と前者の映画化『バトルランナー』、『バトルロワイアル』、リメイク版、そして『ハンガーゲーム』と実のところ、ちっとも進化してません。やってる事は基本、このコーマン製B級映画と同じ。  命を賭して戦う人々は独裁的な政治によって抑圧された人民の象徴。解放への抵抗の物語。   レース参加がたったの5台(その上ハリボテ)というのが安さ爆発、でもレーサーとナビゲーター一人一人を描くのはこのくらいが適当かもしれません。それにレースシーンは主観映像が存分に使われていて、リメイク版よりもスピード感があります。   「流血!オッパイ!インモラル!」というしょーもない(中学生臭い)皮を被ってる映画ではありますが(それでも子供や老人を殺しそうに見せつつ殺さないあたりがこの映画の良心でしょうか)、70年代独特の混沌とした空気が充満していて、チープさの中から死の匂いと闘争の意志が滲みだしているような感じがしました。  この映画もまた一つの時代を映す鏡。   それにしても作り物丸出しの安っぽい残酷シーンの方がリアルなものよりかえってグロに思えるのは何故でしょうねぇ? その色彩や造形の毒々しさゆえかな。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-07 21:33:08)
8.  テッド 《ネタバレ》 
 若い人中心に満席の初日の渋谷のシネコン、日本人向けに「くまモン」や「星一徹」に置き換えられた字幕で笑う人は皆無、むしろその字幕に困惑しているような空気すら伝わってきました。  以前にも書きましたが、映画を見てそれまで知らなかった事、判らなかった事に興味を持つというのはとても大切だと思うのですね。それは映画の愉しみの中の大きな要素の1つだと経験上感じます。  この映画の字幕はその機会を潰してしまっています。この映画のみで閉じてしまおうとして、逆に誰も得をしないものになっている感じ。今はネットで情報が手軽に手に入る時代なのだから、余計なお節介は不要なんじゃないかと思うのですが。   さて、映画本編について。これはテッドが語る「自分の責任」についての教訓話のように思えるのですが、実際は「そうかぁ?」って感じで。主人公は結局両方を手に入れる訳じゃないですか。最終的に彼女はとても聞き分けのいい都合のいい存在で。  だからむしろコレってオタクの夢と理想を描いた映画なんじゃないかって。親友がいて、彼女がいて、好きな事ができて、って。  この「気持ち良さ」にピンと来る人はもしかすると少ないかもしれません。でも、この映画にとってとても重要な要素となる『フラッシュゴードン』のダサカッコよさを理解できる人間にとって、これは甘美なまでに気持ちイイ映画。  昔、あの映画のダサカッコよさにインスパイアされて小説書いたくらいな私(300枚書いたところでネタが尽きて挫折しましたが)、主人公とテッドにシンクロ率120%、なのでそのダメっぷりも含めて限りなく愛おしいという。   少なくともぬいぐるみのクマちゃんに生命が宿っちゃうステキなファンタジーではなくて、でも下品なぬいぐるみが巻き起こすドタバタコメディともちょっと違って、『宇宙人ポール』や『スコット・ピルグリム』に通じる、かなり濃いめのオタクが同病相哀れむ感じでオタクに向けた自慰的映画であったという点で、作品的にはどうかと思う反面、意外なまでの濃さにオタク歓喜!みたいな状態で。   「もう別にダメでもいいんじゃない?」なんて言ってる映画な気がしないでもないんですが、楽しかったから別にいいや。
[映画館(字幕)] 8点(2013-01-23 23:12:38)
9.  デイブレイカー 《ネタバレ》 
ただ血を欲するだけじゃなくて、紫外線浴びると燃えたり、耳が尖ったり羽が生えたりってモンスターとしてのバンパイアがそのまま日常社会を作ってます、って状態はコメディなんじゃないの?みたいな感じがして。マジメにやってるフリして笑わせようとしてるんじゃないか?って。でも、これは今の人間社会の暗喩なのではないだろうか、例えば今から500年くらい前の人々が今の人間を見たら、まるでモンスターのように見える、その生活は客観視した時に決して褒められるものではないのではないだろうか、みたいな事を考えました。だけど、そんな読みをいちいちかき消すスプラッターホラーの波。血が噴き出したり破裂したり首がちぎれたり、大騒ぎ。この物語のまま、スプラッターの要素を一切抜きにして、ゴシックホラーの雰囲気を反映させたアンチユートピアSFとして描いたならば、どれだけ自分にとって魅力的な作品になっていただろうか、と。クライマックスのあのご都合主義な設定(先のご都合主義の上に更に被せる形という)は実のところ、未来に繋がる希望ある解決法ではなくて更なる新たな感染、新たな火種でしかないと思う訳ですが、次なる立場の逆転による殺戮の連鎖というテーマを語っているのか、犠牲の上に成り立つ脳天気な希望として描いているのか、単に血みどろクライマックスを見せたいのか。あそこまでやってしまうと悪趣味方向に針が振れてテーマがボヤけてしまう感じ。元々そういう映画なんですよ、って事なのかもしれませんが。つーか、予告編だけじゃこういう映画だって判りませんがな。名のあるスターが何人も出てる訳ですし。危ないなぁ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-11-30 21:47:32)
10.  Disney'sクリスマス・キャロル
立体CGアニメ映画『ポーラー・エクスプレス』であれだけの完成度を見せたゼメキスですから、もはや手馴れたものです。立体映像をどう見せれば効果的なのかを知り尽くしていて、数多の立体映画とは次元の違う、立体ならではの計算され尽くした映像を提供してくれます。デザインも申し分なく、この古典の物語をキッチリと完成された世界として仕立て上げています。だけど、他のゼメキス作品同様、なんかひと味足らないんですよね。たとえば色気がありません。って、セクシーなお姉さんを出せっていうんでなくって、遊び、ゆとり、茶目っ気、そんな余裕が足らない気がするんですよね。もう、ガチガチに組み立てられてる感じなの。で、一方でCGのモーションに関しては、ここまで来たのならば、キャラが他者からの干渉を受けた場合の関節の動きをもっと自然にできません?って贅沢な注文もしたくなります。特に動体上のCGキャラは、この映画においても大変堅く、重力の変化に自然に動じたりしないのですよね。それはモーションキャプチャーでは拾いきれない部分、そういうディティールへの徹底的な拘りまでは到達しないのもゼメキス的なのかな。あと、意外にもかなり恐いので、小さいお子様は鑑賞注意。まあ、とは言え安心して見られる、ディズニー&ゼメキスの信頼ブランド優等生映画ではございました。
[映画館(吹替)] 7点(2009-11-17 17:43:31)
11.  ディファイアンス 《ネタバレ》 
ナチスに追われるユダヤ人の集団を通し、戦争によって翻弄されてゆく人々の姿を描いています。そして同時に国家や民族、宗教の対立はおろか、共同体や家族の間でさえ諍いは絶えず、理解しあい、平等の下に暮らしてゆくのは大変に困難であるという映画でもあり、そこから戦争を起こす事の根源的な要因、それを回避するために必要な心を突き詰めようとしているのかな?と思いました。美しい森の中で、絶望と生への執着に足掻く人々の姿が印象的な映画です。しかし、中盤は流れを失い、エピソードが羅列される状態になってまとまりに欠け(ついでに近くの席の女性が5分くらい延々携帯メールを打ち始め、集中力ぷっつり切れちゃって。お願いですから上映中は携帯の電源を切って下さい、メールしないで下さい、それが無理ならDVD出るの待って家で見て下さい)、更にクライマックスでハリウッド娯楽映画風な展開と「え?それで終わっちゃうの?」という潔すぎな幕。それまで描いた重さに比べて、なんてスッキリ爽快なエンディング・・・。重さ苦さ、メッセージまでをも忘れ去らせてしまうようなケリの付け方に、むむぅ・・・と頭をヒネりながら映画館を後にしたのでした。あと、いくらアメリカ映画だとは言え、今から68年前のベラルーシの人間が「オーマイゴッド!」とか「ファック!」とか言うのってアリなの? それにしても、音楽とか集団の描き方とか戦闘描写とか、一体いつになったら世界の映画作家はスピルバーグの『シンドラーのリスト』と『プライベート・ライアン』の呪縛から解き放たれるのでしょう?
[映画館(字幕)] 6点(2009-02-14 20:27:18)
12.  ティンカー・ベル 《ネタバレ》 
ウットリするような美術や景観、美しく響いてくるケルティックサウンド。そこだけで見たらとってもステキな映画なんですけど、でも、演出とかメッセージとか、かなり退屈。八方美人的に他民族な妖精ワールドを描いておりますが、その多面性のワリには描かれる価値観があまりに狭く、産業革命以降の保守派みたいで困ったモンです。妖精達、キツキツじゃん、夢も希望もありゃしないじゃん、みたいなツッコミはナシですかねぇ? システムの上に成り立つ社会として描かれる妖精ワールドはこの世の鏡、だけど、こういう世界くらい、近代西洋思想から離れた、夢を紡ぐ世界であって欲しいと思うのですけどねぇ。どのキャラも、いろんな制約に縛られまくってて世知辛いったらありゃしないわ・・・
[映画館(吹替)] 6点(2008-12-29 21:34:50)(笑:1票) (良:2票)
13.  デス・レース(2008) 《ネタバレ》 
今日、いちばん安く見られる映画はドレだ?って探して行き当たったのがコレ(サービスデー1000円+往復交通費300円)。コーマン&アンダーソンくん・・・、どうせバカみたいな中学生臭のする映画なんだろうねぇ、となーんも期待せずに見に行きましたが、面白かったです。もちろんバカで。『バトルランナー』(もちろんキングの原作でなくてバカ映画化の方)クルマ版って感じでヒネリなし、ツッコミどころは満載だけれども(所長、そんな大事なトレーラーならあの罠はオフっておきなよ・・・)、オリジナルに比べるとブラックな笑いもシニカルさもなく、あー、日曜洋画劇場あたりでよくやってるマンネリなプリズンアクションものを見せられるのかいなぁ、ってカンジではありましたが、さくさく進んでダレ場ナシ、ずーっとハイテンションなまま映画が進んでゆくので、いいんじゃない?みたいな。少しでも高尚なモノを望んでしまうと大失敗、ってシロモノではありますが。爆走!衝突!爆発!ちょっとしたお色気程度の映像もおっぱい!おしり!って全て中学生レベルの視点で微笑ましさすら感じます。惜しむべきはカット割りが細かすぎてスピード感が逆にスポイルされていた点ですね。こういうのは爆走状態を主観映像で見せてこそだと思うのですが。それにしても、オープニングの背景説明が現時点でかなり現実化しつつあるのが恐ろしかぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2008-12-14 21:48:32)(良:3票)
14.  テラビシアにかける橋 《ネタバレ》 
予告編でネタバレしていて、そこから予想される世界を上回る事はない残念な映画でした。予告編がああいう形であった以上、ヒロインが死んじゃう、じゃあ、そこから先にどれだけのものを見せてくれるの?というところがポイントだった訳ですけど・・・。彼女が死んでしまうという事に対しての、少年の葛藤は判るのですが、彼女が唐突に消滅してしまったような感じで、彼女が生きた証、遺したものっていうのが映画からささっと消えてしまうのが、なんだか冷たい映画だなぁ、と。そりゃ、テラビシアは少年の心に刻まれ、それを次の女王に継承してゆく、っていうのは描かれますけど、じゃ、そのテラビシアにヒロインの心がどれだけ反映されてたのよ?彼女の生き様がどれだけそこにあるのよ?って言うと、これがちっともだったりして。喪失感ばかりが強いような。いじめっ娘上級生や家庭環境のドラマは投げっ放しだし、いらないカットが多いなぁ、と思うとゴダールかよ!みたいな飛躍の激しいモンタージュが唐突に登場したりするし、役者や設定など、素材がとってもいいだけに、なんだか勿体ない、惜しい映画。映画の途中までは結構ワクワクできたんですけどねぇ。『チャリチョコ』では紫色になっちゃってたアナソフィア・ロブの今後には期待。
[映画館(字幕)] 6点(2008-02-10 21:26:32)
15.  DOA/デッド・オア・アライブ(2006)
こんな『チャーリーズ・エンジェル』と『マッスルヒート』と『ストリートファイター』と木曜洋画劇場の『セクシーブロンド軍団』モノが怒涛の如くヘナヘナ~と腰砕けしながら押し寄せるような映画に望む事なんて「いかにバカか、いかにゆる~い娯楽を提供して貰えるか」って事だけなワケでございまして、そういった意味では本当に素晴らしい映画です。もう映画館の座席に座って心の中で「ぎゃ~!最高!」って感じでウケまくっておりました。ゲーム『DOA』シリーズの映画化として見てしまうと、いくらなんでもそりゃないでしょう、トホホ・・・ってなる事請け合いですが(ご丁寧に『DOAX』ネタまで入ってますけど)。一応ゲームを知ってる人向けに書いておくと、ヒトミとこころは出てきません。レイファンやジャン・リーあたりはめっちゃ脇役です。似てるのはザックとバースで、他のキャラは、どこをどう目を凝らしても元キャラには見えません。あやねやエレナ様、ハヤテに至っては悪夢のようです。その上、物語はハンパに元ネタに忠実だったりするのがタチ悪いです。でも、どう見ても霞のレイヤーにしか見えないデヴォン姉さんも、これはこれでステキですし(一応白、ピンク、青のコスがちゃんと出てきます)、アクションもCGも映像も意外なくらいに頑張ってます。適度にゆる~くて適度に楽しいアクションシーンが連続するのもまったり心地良し。一応日本人なハズの人達が「かすぅみぃ」「はやーて」って発音してるのはどうかと思いましたけど。アメリカじゃビデオスルーになってしまったくらいの映画ですから、良識派の方にはボロクソに貶して頂いた方がいっそ清々しいって感じですが、キワモノB級映画好きにはフルコースのご馳走映画。ただ、木曜洋画劇場で放映する際には(他の枠では考えられません・・・)『セクシーコスプレ美女軍団 燃えよ!怒りのダイナマイトボディアタック!!』みたいなタイトルにした方がよろしいかと。
[映画館(字幕)] 9点(2007-02-10 18:01:19)
16.  ディック&ジェーン 復讐は最高! 《ネタバレ》 
どうもジム・キャリーの「物語の進行には関係のない芸の見せ場」はジーン・ケリーの「ボクの踊りを見て見て!」に似て、ちょいとジャマくさかったり。デキるサラリーマン役にしちゃあ、リアクションがウザいですよ、って感じ。さて、私がこの映画でいちばん気になったのは、強盗行為に対してのエピソードの回収をしてない部分。いかがわしい店とかコーヒーショップとかはマジで強盗しちゃってるワケで、モロに犯罪者夫婦になってるんですよね。それに対して物語として罰を与えるとまでは行かなくても、ちゃんと後腐れのないオチを与えておいて欲しかったです。クライマックスのややこしい作戦は、あんまりスッキリとせず、もう少し痛快なオチを用意して欲しかったな、と思いました。ジム・キャリーのマンネリな感じよりも、ティア・レオーニの多彩ぶりが楽しめる映画でした。
[DVD(字幕)] 5点(2006-10-03 00:32:02)
17.  デンジャラス・ビューティー2 《ネタバレ》 
ハリウッド映画では、どうして続編になると前作でくっついてたハズのカップルが別れてしまうんでしょう? きっと脚本よりも役者の事情が優先されるんでしょうね。だけどそれであっさり前作を壊しちゃうんだもんなぁ。さて、今回は前作の完全な後日談となっていて、前作頼りな設定と展開なんですけど、これがあーんまり面白くないです。前作のミスコン設定はもう使えませんから、ミスコンで入賞しましたって部分だけを頼りに物語を進めていて、それに刑事モノお得意のバディムービーのスタイルをくっつけてみました、という状態。このバディムービースタイルに新鮮味がないどころか、どうも上手く映画の歯車が回っていない感じで気持ち良く進んでくれません。今回、核となる事件部分が映画を動かしてゆくだけの力を持ってない上に、前作にあったミスコンへの挑戦から晴れの舞台までの流れにあたる存在がなく、結末に急がせないための回り道ばかりが目立ってしまって退屈、という感じ。結局、1作目で完結しちゃってる映画だったんですよね。設定に縛られて無茶できないくらいなら、いっその事「スーパーマン」みたいなふごふご笑いのダサい捜査官とスーパーモデル風捜査官の二面性を前面に押し出したスーパーヒロインものにでもしちゃった方が良かったのにね。
[DVD(字幕)] 4点(2006-06-30 00:19:34)(良:1票)
18.  ティファニーで朝食を 《ネタバレ》 
この映画を、ネコたん中心に見てた人は、きっと私以外にも沢山いるハズ。「うわー、ちゃんと起こしてる・・・飛んだぁ・・・袋覗いてるぅ」って。麗しのネコたん。でも、ネコたん視点で見ると、意外にも映画の姿が見えやすくなってくるという。オードリーの役は、このネコたんに象徴されているんですよね。オードリーにとって男はみんな単に糧を運んでくるネズミ。でも男にしてみればオードリーは捨てネコみたいな存在。奔放に生きてるつもりでも、結局は自分の居場所を見つけられない。そんな迷いネコを、優しく包んでくれる存在が必要だったのですね。あの名無しネコたんこそが、オードリーの本質だったのだぁ、と思う私でした。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-03 12:30:34)(良:3票)
19.  ティム・バートンのコープスブライド 《ネタバレ》 
文句ありません。素晴らしい映像表現にウットリ。死者の花嫁が垣間見せるダークな美しさ、そして彼女が負った悲劇を存分に堪能させて頂きました。「チャーリーとチョコレート工場」で、いまひとつピンと来なかったモノがここにはありました。それは映像の完璧なコントロール。「チャリチョコ」の作り込まれた世界に垣間見えた現実に引き戻されるようなスキマ風、ここにはそれが入り込む余地などありません。アニメーションは1から10まで世界の総てを作ってゆかなければならないのですから。命ある者の世界と死者の世界のトーンが本来のイメージとは逆転している描き方、束縛と開放によって対比されてゆく物語の構造など、見るべきところは沢山あるのですが、何よりティム・バートンのダークな色調が純化されて表現されている映像こそがすべてのキモなのでした。もしかするとティム・バートン本人以上にこのアニメーション監督と美術監督はティム・バートンの色を理解しているのかもしれません。
[映画館(字幕)] 10点(2005-10-26 22:32:33)(良:1票)
20.  テックス 《ネタバレ》 
青春期の苦悩を描いたマット・ディロン主演の映画、という事で「アウトサイダー」を思い出さずにはいられないのですが、これは良くも悪くも良識的な範疇に収まった映画でした。田舎に暮らす兄弟の金もない生活は、荒んで落ちてゆく事を容易に予感させますが、ディズニーブランドゆえのお行儀の良い転落と甘いハッピーエンドが約束されてしまっているような感じ。常に映画に抑制がかかり続けていて、そのために鮮烈なイメージを残すような事はありません。やはり、登場人物に強い個性付けがないと魅力が感じられずにツラいですね。悪い人は、なんとなく中途半端に悪い人、いい人はめちゃめちゃいい人な映画、そこから生まれるのはヌルいファンタジー、って感じでした。何しろ撃たれても強い教訓を残すほどのドラマのうねりがあるワケじゃなくてめでたしめでたしですからねぇ・・・。
[映画館(字幕)] 4点(2004-09-08 02:59:28)
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