1. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 記憶を消去しても、否応なく同じ相手に惹かれてしまう、愛の不思議。それは、DNAレベルで相手を欲しているからなのか、それこそが彼らの運命だからなのか。恋愛末期になると、相手の悪いところしか見えなくなりお互いに際限なく傷つけ合うが、そんな彼ら(僕ら)にも、奇跡のようにキラキラした瞬間はあったのだ。この映画のラストは、厳密にはハッピーエンドではない。また彼らは同じように傷つけ合い、別れてしまうかもしれないからだ。しかし、それでも、そんな愛の奇跡を(僕らは)忘れてはならないのだ。 [映画館(字幕)] 9点(2013-04-13 19:57:59) |
2. エクソシスト3(1990)
《ネタバレ》 前作(『エクソシスト2』)の不出来さに怒った原作者のウィリアム・ピーター・ブラッティが、「それなら俺が監督しちゃる!」と演出を申し出た、『エクソシスト』の正統な続編。リーガン事件から15年後、双子座殺人事件を追うキンダーマン警部(ジョージ・C・スコット)が、悪魔祓いの果てに殉死した筈のカラス神父(ジェイソン・ミラー)と再会する。精神科病棟に隔離されていたカラス神父は、自身の肉体に憑依した悪魔に操られるまま、凄惨な殺人を続けていた…。キリスト教圏の人が観たら、失神しそうなほど罰当たりな描写が満載。〈天国行き列車〉の駅構内での死者たちと天使の楽団、首を切り落とされたマリア像、天井を這い回る分裂病の老婆、巨大鋏での首切断、と一度観たら忘れられない映像の数々で、ブラッティの面目躍如といったところ。本作が気に入った方は、『トゥインクル・トゥインクル・キラーカーン』もオススメ。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-12 22:06:44) |
3. エクスペンダブルズ2
《ネタバレ》 前作でオールドファンの心を鷲掴みにしたスタローンがまたやってくれました!今回はヴァン・ダムとチャック・ノリスが参戦。更に、前作ではほんのワンシーン出演だったシュワちゃんとウィリスが共闘し、「アイル・ビィ・バック」「お前は戻りすぎだ!」なんて楽しい応酬をしてくれます。「溶鉱炉で溶かすぞ、ターミネーター」とか、「ボクシングを習った方がいい」など、笑える台詞が盛り沢山。アクションもてんこ盛りで、ド派手な銃撃戦から一対一のガチンコ対決まで万遍なく披露。80年代のアクション映画ファンは120%満足するだろう。次回はメル・ギブソンとセガールでも呼んでくれ。追記:ちなみにチャック・ノリスは日本ではただのB級アクション俳優くらいにしか認知されていないが、米国では絶大な人気を誇り、「チャック・ノリス・ファクト」なるジョークのネタにもなっている(「ファクト」の噂の真偽をスタローンに問われるシーンがある。スタローン「コブラに噛まれて死んだと聞いたが?」→ノリス「5日間もだえ苦しんで死んだ、コブラが」)。ノリスはブルース・リーの親友であり、スティーヴ・マックィーンの推薦で俳優になった経緯があり、その影響力の高さが窺われる。再追記:既に『3』の製作が決定しており、ニコラス・ケイジとウェズリー・スナイプスの出演が有力視されているようだ。 [映画館(字幕)] 7点(2012-10-23 12:44:43)(良:1票) |
4. エンジェル ウォーズ
《ネタバレ》 『300』のザック・スナイダー監督らしい映像には魅力を感じるが、肝心のストーリーがただの〈妄想〉であるのはやはり問題だろう。いくらド派手なアクションが展開しようと、妄想だと思ったら、全く緊迫感を感じない。しかも、何の脈絡もなくステージがどんどん変わっていくので、登場人物に感情移入することもできず、観客はただただぽかんと口を開けて観ているしかない。ゲーム世代には受けるのだろうが、映画として観るのはちょっと厳しい。キュートでパワフルな〈エンジェル〉たちに免じてこの点数。 [DVD(字幕)] 6点(2012-04-24 17:42:05) |
5. X-MEN:ファースト・ジェネレーション
《ネタバレ》 シリーズ最高傑作の評判は伊達じゃない。荒唐無稽だったこれまでのシリーズから心機一転、ホロコーストやキューバ危機という歴史的事実を背景に、ミュータントたちの戦いをリアルに描いている。一見さんでも楽しめる作品だが、旧作を観ていれば、プロフェッサーXとマグニートーとの関係をより深く理解でき、感動が倍加するのは間違いない(プロフェッサーXのハゲネタがウケる)。かつては仲間であった彼らがどうして訣別することになったのか、二人の心理描写が繊細に描かれており、ただのアメコミ映画では終わらせない奥深さがある。 [映画館(字幕)] 8点(2011-10-08 00:37:38) |
6. エルム街の悪夢(2010)
《ネタバレ》 プラチナム・デューンズのリメイクホラー作品は当たり外れがあるものの、いつも期待して観ている。最近のホラー映画の中では、おちゃらけに走ることなく、真面目に怖がらせようとしてくれるからだ(スプラッター描写も気合が入っている)。今回の『エルム街の悪夢』も、オリジナルを超えるような出来ではないものの、現代版リメイクとしては決して悪くはない。やはりロバート・イングランドのフレディがあまりにも強烈なキャラクターだったので、今回のロリコン親父はリアルにキモくて評判が悪いのもよく分かる。だがまるっきりオリジナルと同じものを作るわけにはいかないだろうし、これくらいのキャラ変更は致し方ないだろう。最初はパッとしないな、と思っていたヒロインもだんだん可愛く見えてきて、ラストの決戦時のロリータ服なんか、フレディじゃなくても惚れてしまう(汗) [DVD(吹替)] 5点(2010-11-17 10:38:41) |
7. エクソシスト
《ネタバレ》 あまり知られていないことだが、原作者のウィリアム・ピーター・ブラッティは、本作の後、『エクソシスト3(レギオン)』と『トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン』という2作の続編を撮っている。前者はリーガン事件の後、「双子座殺人事件」を追うキンダーマン警部の姿が描かれており、後者は、リーガンに「宇宙で死ぬ」と予言され精神を病んだ宇宙飛行士の「奇蹟」が描かれている。実はこの3作を観ることではじめて、『エクソシスト』の全貌が分かる仕掛けになっているのだ。もしレンタル店で続編2作を見つけたら是が非でも観るべき。ちなみに『エクソシスト』撮影時、メリン神父役のマックス・フォン・シドーはまだ40代だったが、70歳くらいに見える(劇中の台詞でも「彼は高齢だ」とある)ので、未だに当時と変わらぬ姿で現役を続ける彼にはいつも驚かされる。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2010-11-06 17:04:40) |
8. エクスペンダブルズ
《ネタバレ》 ビバ!80年代!なオールドスクールのアクション映画。スタローンの鶴の一声で集ったアクションスターの面々に熱くならない奴はいないだろう。ブルース兄とシュワちゃんは完全に友情出演、ミッキー・ロークも何しに出てきたんだかよく分からない(が、多分スライと個人的に仲良しなんだろうね)。現在のB級アクション界を邁進するジェイソン・ステイサム、世界最速のカンフーアクター、ジェット・リー、そして『ロッキー4』のドラゴことドルフ・ラングレン!わーお!それぞれにきちんと見せ場を用意しており、自虐ネタで笑いを取ったりと、意外と細かな気配りができるスタローン。銃のリロードも意外なほど速く、「頑張って練習しました!」感が何とも微笑ましい(マッチョな男が小さいハンドガンを撃つ様は何気に格好良い)。『ランボー/最後の戦場』から悲壮感をごっそり抜いて、バカ・アクションに徹した潔い作りに胸が熱くなる。続編にも期待! [映画館(字幕)] 7点(2010-10-30 00:12:37) |
9. エリン・ブロコビッチ
ジュリア・ロバーツってどうにも苦手な女優だ。何が悪いってわけじゃないんだけれど、いまいち好きになれない。そんな人にこそ見てほしい。自分もジュリア・ロバーツなんて全然好きじゃないのに、エリン・ブロコビッチのことは応援してしまった。ヌードになるわけでも難病になるわけでもないのに、その有り余るバイタリティのみでアカデミー主演女優賞を獲得した演技は本物だと思う。一見の価値あり。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-09-16 21:59:41) |
10. エスター
《ネタバレ》 リメイク流行りの昨今、オリジナルで勝負した製作者側の姿勢がまず素晴らしい。オカルト系かと思わせ、子供版『ゆりかごを揺らす手』のようなサイコ・サスペンス仕立ての本作、実は彼女は××だった!という衝撃のオチも許容範囲内で、宇宙人や悪魔じゃなくてホッとしました、というレビュアーさんの意見に賛成です。ハラハラドキドキしたい方には一見の価値あり。 [DVD(吹替)] 6点(2010-03-10 08:50:53) |
11. NYPD15分署
『リプレイスメント・キラー』に欠けていたのは、チョウ・ユンファの笑顔だが、本作では、殺伐としたバイオレンスの合間に、きちんと表情豊かでややオーバーアクションのユンファを堪能できる。彼の鬼気迫る演技は、ハリウッドでも充分通用することを証明してみせたが、あまり作品に恵まれないのが残念でならない(早くジョン・ウー作品に帰ってきてほしい)。日本では劇団ひとりの方が知名度高いもんな~。 [DVD(吹替)] 6点(2009-10-20 19:31:16) |
12. エルム街の悪夢3/惨劇の館
シリーズを全部観ているわけではないのだが、1作目を除けば最も面白い。フレディのキャラクター性を前面に押し出し、ダークファンタジーの様相を呈している。第1作で生き残ったナンシーのその後が描かれており、これぞ正当な続編(そして完結編)として上手く作り込まれている。それというのも、脚本フランク・ダラボン、監督チャック・ラッセルという『ブロブ』コンビの功績が大きい。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-24 08:29:47) |
13. エルム街の悪夢(1984)
《ネタバレ》 久し振りの鑑賞だが、やはり80年代ホラーの代表格といえよう。朴訥としたジェイソンに比べ、フレディ・クルーガーの茶目っ気(自分の身体を引き裂いてへらへら笑っているところの変態性なんか最高)は評価に値する。無論、夢の中の殺人鬼というアイディアも秀逸。思ったより血の量が多いのも良かった(ジョニー・デップが殺される時の出血量は凄い)。この頃のホラーは後味も悪くなくサクッと観られるのがポイント。 [DVD(字幕)] 7点(2009-02-18 10:44:32) |
14. L.A.コンフィデンシャル
《ネタバレ》 オープニングで手際よく三人の刑事を紹介し、個性的な彼らがやがて手を結び、一つの事件に立ち向かっていく様をスリリングに描いていく。ムード満点の美術と衣装、実力派の俳優陣が重厚な雰囲気を盛り上げる。中でも、出色はケビン・スペイシー。まさかの途中退場には唖然としたが、それにより彼の印象がより強まった。この年は『タイタニック』にお株を奪われたが、こちらに軍配を上げる映画ファンも多いのではないか?90年代を代表する傑作ハードボイルド。 [DVD(吹替)] 9点(2008-06-27 15:26:31) |
15. エイリアンVS. プレデター
プレデターに惚れました。 [映画館(字幕)] 7点(2008-02-21 23:41:24) |
16. エイリアン4
『エイリアン』シリーズは『3』で事実上完結しているので、今回は番外篇というか、外伝といった感じ。そもそも前作から200年も経っているのに、未だにエイリアンを生物兵器に利用しようとしていること自体おかしい。いい加減他のこと考えろよ、と言いたい。ただ、『デリカテッセン』や『ロスト・チルドレン』のジュネ監督のカラーは健在で、彼のファンとしては納得の出来(ただの雇われ監督に終わっていない)。シガーニー・ウィーバーと並ぶと身長差が歴然のウィノナ・ライダーが可愛かった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-20 13:23:12) |
17. エイリアン3/完全版
《ネタバレ》 単に未公開シーンを加えた全長版ではなく、細かい箇所にもかなりの改変・再編集が加えられ、よりドラマ部分が強調されることとなった。劇場版も好きだったが、今回この完全版を観て、その完成度の高さに驚いた。「自己犠牲」という宗教臭いテーマを持ち込むことで、人間の強さと弱さを同時に描いている(中盤のエイリアン捕獲とその後の解放シーンが印象的)。これぞ『セブン』へと続くデヴィッド・フィンチャー監督の真骨頂。シリーズ中最も評価の低い『3』だが、完全版を観れば、これぞ完結篇に相応しい作品だと納得するはず。 [DVD(字幕)] 9点(2008-02-20 12:55:49) |
18. エイリアン2/完全版
本物の興奮を味わえる。これぞシリーズ最高傑作! [DVD(字幕)] 10点(2008-02-19 10:09:42) |
19. エイリアン/ディレクターズ・カット
《ネタバレ》 映像がとにかく美しい。新たにリマスターされたことで、後続のシリーズよりも画質が鮮明になっている。どのショットもひとつの画として完璧な仕上がり。ケインの腹をチェストバスターが食い破るシーンはいつ観てもおぞましい。楽しい団欒のひと時から、恐怖が形をなして襲ってくる。リアルタイムで観たら、どれほどショッキングだったことか。また、これまでは単なる被害者か添え物的な扱いをされていた女性が、率先して外敵と戦い、恐怖に打ち勝つという展開も、当時は非常に画期的なことだった。この映画が後の作品に与えた影響は計り知れない。今観ても全く古さを感じさせない、SFホラーの金字塔。 [DVD(字幕)] 10点(2008-02-19 07:35:19) |
20. AVP2 エイリアンズVS. プレデター
《ネタバレ》 「僕の町にエイリアンとプレデターが現れたら…」なんて中坊の妄想を大真面目に映像化。よくこんな続編にGOサインが出たものだ…しかしまあ、そこはB級愛で乗り切りましょう。個人的には面白かったです。女子供が容赦なく殺されていくところが妙に悪趣味。役者がみな無名なのも逆に良かった(誰が生き残るか予測しづらい)。傑作ではないが、こういう趣味的な作品があってもいいと思う。 [映画館(字幕)] 6点(2007-12-29 07:17:01) |