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1.  マッドマックス:フュリオサ 《ネタバレ》 
フュリオサがなかなか子役からアニャ・テイラー・ジョイにならない。序盤が思った以上に長く、ドラマ重視の展開にやや戸惑う。物語の主軸はディメンタスへの復讐劇であり、やたらとしゃべりまくるディメンタスのキャラもあって、途中まではディメンタスが主役なのでは、と思ってしまうくらいだった。しかも、イモータン・ジョーの「妻」候補として砦に連れていかれたフュリオサが、いかに武闘派幹部になっていくかという話は端折ってる部分も多く、なんか知らないあいだにアニャ・テイラー・ジョイになって出世していた。グリーンランドの場所を唯一知っているフュリオサを、あっさりディメンタスが手放すのも違和感。なぜ、この少女を殺さずに手元においていたのか。このへんの話の整合性の弱さも気になる。  それでも、ディメンタスがガスタウンを牛耳って二大勢力の対決にフュリオサが巻き込まれていく中盤以降はこれぞマッドマックスという移動→アクション→移動のつるべ打ちでとにかく凄い。IMAX専用の撮影ではないということでしたが、普通はスピード感が落ちてしまう遠景からのアクション描写が斬新で、これはやっぱり大画面で見て大正解。空から、左右から、下からと攻撃されるウォータンクをめぐる目まぐるしい動きも、見事に整理されて「気持ちいい」レベルに。トラックやクレーン、さらに塔などの建築物がガラガラと崩れ去る場面も、遠景なのにスピード感も迫力も十分過ぎる。ジョージ・ミラーの冴え渡るアクション演出を堪能できます。  ただ、終盤いよいよディメンタスとイモータン・ジョーの全面戦争、そのなかでどうやって復讐を果たすのか、という場面でまたも肩透かし。「戦争」に興奮するなんて時代遅れだぞ、というメッセージなのかと思うほど。ディメンタスの大演説も今ひとつエモーションをかき立てられず、最後の顛末は現実離れしすぎ。あの実をあそこで使ってしまうということは、フュリオサはついに砦に自分の居場所を決めたのかな、と思った次のカットでは、砦からの脱出へ、という流れもチグハグ。  総じて大満足ではあったのですが、シンプルだった『マッドマックス2』や『怒りのデスロード』と比べると、場面の変化が多く、登場人物の行動原理が掴みづらい。そして、過去作が120分以内におさまってきたのに、今作ではついに約2時間半の長尺に。『マッドマックス』シリーズの一作として見るといろいろ気になってしまうのでありました。
[映画館(字幕)] 7点(2024-06-04 18:19:14)
2.  マエストロ:その音楽と愛と 《ネタバレ》 
偉大な指揮者で作曲家、『ウエスト・サイド・ストーリー』の音楽でも知られるレナード・バーンスタインとその妻フェリシアの関係を描いた伝記作品。バーンスタインの音楽での創造性や軌跡を描いた作品として見ると期待外れかも。基本的には夫婦ものとして見た方がいいのだろう。予備知識がないと驚くのは、バーンスタインは「バイセクシャル」らしく、フェリシアのほかに男性の恋人もいること。ただ、「三角関係」的な描き方でもなく、あくまで焦点は夫婦の関係にある。この夫婦を演じたブラッドリー・クーパーとキャリー・マリガンが見事な演技を披露している。「マエストロ」と称される音楽家で奔放かつ身勝手なバーンスタインも、ブラッドリー・クーパーのおかげで、嫌みにならないチャーミングな人として描かれていたし、フェリシアが俳優としてのキャリアと家族とそして何よりも夫との関係に振り回されるなかで見せる、一本芯が通った美しさはさすがのキャリー・マリガン。  映画は二人のやりとりが中心ですが、音楽映画としてもバーンスタインが5分あまり髪を振り乱し汗まみれで指揮棒を振るマーラーの演奏シーンは圧巻。これだけでも見る価値があるし、エンドクレジットのおまけで二度美味しい。ぜひよい音響の環境で楽しんでください。  一方でいくつか疑問点も。一つは、画面のアスペクト比。4:3くらいで昔のテレビ画面みたいなのはなぜ。演奏シーンなどはスクリーンいっぱいで見たいと思うのだけど、人物ドラマが中心だよというメッセージなのかな。それから、バーンスタインの男性の恋人との関係性。フェリシア視線のバーンスタイン像であるからしかたがないのだけれど、男性の恋人たちは存在感もなく、人間性もよくわからない。そのため、とくに後半はすでに有力者であるレナードが、気に入った若者に「手を出している」感じになってしまうのがなんとも。これ、異性だったら間違いなく感じ悪いし、同性だったらいいというわけでもない。この作品はバイセクシャルとしてのセクシュアリティに焦点を当てたわけではないのだろうけど、それにしても、恋人たちの考えてることとか(最初のデヴィッドくらいかな、丁寧だったのは)全然見えてこないのはちょっと・・・。最後に、バーンスタインの鼻のメイク。あれはやりすぎでは。本物に似せてるのだろうけど、ああいう特殊メイクなしでも、十分に「レナード・バーンスタイン」を表現できていたと思うのだけれど。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-27 23:29:10)
3.  マトリックス レザレクションズ 《ネタバレ》 
第1作目のころ、「いま生きている世界は偽りの世界だ。覚醒せよ」という話にいまいち乗れなかった。というか90年代映画って某スリラーや某暴力系まで「見えている世界と本当の世界は違う」的なモチーフがあふれてたような気がして、そのなかでは本作はあまりに「中二病」的でダサくみえてしまったのでした。そこから20年あまり経って、正直いまのほうが本作にとっては難しい時代なはず。なぜって、このモチーフはまるまる「陰謀論」の世界観でもあって、それが現実の政治やら生活にも影響を及ぼしている昨今、本作が描く「覚醒」や「革命」も文字通りに感情移入するのは難しくなってしまったから。ただ、そんな難しい時代にあえて本作を問うことに、ラナ・ウォシャウシキー監督自身がどういう意図をもってるのか、軽い興味はあった。  で、見た結論としては、残念な結果に落ち着いてました。それは、物語上は「覚醒」を求めながらも、どこかで「なんちゃって」というメタ視点を留保し続けることで「本気になるなよ、これは作り話だよ」という構造にしてしまったことです。世界観への没頭力やら物語の推進力は大幅に後退し、2時間半を持たせるのはかなり辛かった。序盤のグダグダした展開はコミカルにテンポよくすることができたと思うし、モーフィアスとスミスというオリジナル・キャストの変更は、物語上の理由付けも中途半端で製作上の理由だろうというのが見え見えだった。前作以降のアクション描写、スペクタクル描写の進展についていけておらず、あまりに「進歩」がないのはあえてのレトロ趣味かと思えてしまうほど。いろいろ足りない部分を謎かけっぽい会話でなんとか補っても、物語に没入できないメタ構造がそれを邪魔する・・・。  ただ、それでもある意味、元祖陰謀論のような本作シリーズに自ら落とし前を付けた部分はあったと思うし、そうするしかなかったんじゃないのかな、という風にも思います。決して無意味な商業映画ではなく、トランプやコロナを経験したあとの2020年代という時代を象徴した一作だったのかもしれない、というふうに思います。それが「いい映画」だったかどうかは別として。
[インターネット(字幕)] 5点(2022-10-16 09:03:44)(良:1票)
4.  マーダー・ミステリー 《ネタバレ》 
まあ、細かいことを言ってはいけない作品なのは間違いない。自分としてもお気楽作品をNetflixでサーフィンして巡りあった一本。時間も90分ちょいと長すぎず。お節介でセレブ願望ありのジェニファー・アニストンと妻の尻に引かれるテキトーな警官アダム・サンドラーの夫婦は、それぞれ18番な役どころなので、二人の掛け合いは楽しいし、最初の殺人のときの不謹慎ギャグなどつい笑ってしまった箇所もいくつかある。南仏〜モナコをめぐる観光気分も悪くない。忽那汐里さんがハリウッドで元気にしてる姿を見るのもいい。とはいえ、肝心のプロットがダメ過ぎる。中盤以降のどんでん返しの連続は、犯人が誰かなんてどうでもよくなるという意味で明らかに逆効果だし、中途半端なカーチェイス(しかも中年女性がF1ドライバーを追うという無茶な展開)がこの映画に必要なのかもわからない。ある意味、自分のように90年代に『フレンズ』とかアダム・サンドラーのコメディ映画が好きだった方限定で、何の期待もせずに見れば、それなりに楽しい時間は過ごせるか・・・。それ以外の人は手を出さない方がいい気がする。
[インターネット(字幕)] 4点(2019-09-14 03:12:52)(良:1票)
5.  マンチェスター・バイ・ザ・シー 《ネタバレ》 
本当に「心にしみる映画」を見た。ゆったりとした時間の流れも、マンチェスター・バイ・ザ・シーの寒々としているのにほのかに暖かみを感じる光景も本当にすばらしい。ケイシー・アフレックは、オスカー受賞も納得のハマり役。むしろ、今後これ以上の役柄に彼が出会えるのか心配になるくらい。対するパトリック役のルーカス・ヘッジスのいかにもアメリカンな、大人ぶってるけど子どもな感じも、このときの彼にしかできないハマり役だろう。悲劇的な話なのに、2人の掛け合いには良質のコメディセンスも感じられて、画面に暖かみが漂います。時間軸を巧みに入れ替えているのに、技巧臭くならない脚本。みんな必死に生きようともがいてるのに、それが逆にかみ合っていかない感じ。劇中の人物たちは壮絶な経験をするわけですが、映画を見て、彼らから伝わってくるのは、むしろ極限の人間の選択ではなく、誰もが生きる平凡な人生そのものへの向き合い方。「答え」がでなくても、それでも「生きていく」ということを丁寧に、しっとりと描いた良作。あえて難点をいえば、予告編。予告編は「過去に何があったのか」というちょっとサスペンス風味だったけど、何があったのか自体は中盤で明らかになってしまいます。むしろ、主題は、人間の人生にとっても、大事なのはターニングポイントになる出来事ではなく、「その後」をどう生きるのか。人生にとってはるかに大切なことを語ってくれる映画です。
[インターネット(字幕)] 9点(2019-02-26 18:09:28)
6.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
面白かった。サブプライム・ローン問題についての最低限の知識と関心があれば、ついて行ける作りにはなってる。これをみれば、そもそもリーマンショックに結びついた金融バブル自体が、「今日ある繁栄は明日も続くはずだ」「みんなで言ってるんだから、そうに違いない」という非科学的な思い込みが、「事実」から目を反らして問題を先送りする制度をつくり出した結果であるというのが、本当によくわかる。そして、その「事実」に気づくのは、どこか現実世界になじめない人びとだったというのも面白い。とくに、スティーヴ・カレル演じる、善悪の判断にはこだわるのに空気を読まない偏執狂的モラリスト、マークのキャラ造形はお見事で、初登場シーンでは「絶対友達にはなれない」と思ったのに、最後にはその人間らしい表情に心を打たれてしまうのだから、映画って面白い(クリスチャン・ベイルのマイケルは僕には現実離れしすぎていたけど)。あと、金髪美女や国際的スター(笑)に金融問題を解説させるなどの面白い仕掛けも、重く難しくなりすぎない工夫として評価できる。でも、この映画の本当にすばらしいところは、現実問題に直接対峙しない、癒着と腐敗で凝り固まった金融業界を批判しながらも、主人公たちの「成功」が数百万単位の人たちの「破滅」を意味するという「大不況」の恐ろしさをしっかりと描いているところ。ブラピにそれを指摘されて思わず固まる若者投資家や、自分の予測があたったのに沈痛なマークやマイケルの表情、そして何よりも家を追われる人びとの映像などが、この映画が描いたのは「華麗なる大逆転」なんかじゃなくて、責任をとるべき人たちが取らない(取れない)金融業界の仕組みと、なぜこんなことが起きてしまったのか、という社会派ど真ん中のテーマだってことを物語ってる。いや、単にサブプライム問題だけじゃなく、根拠のないまま希望的観測だけで問題を見過ごしてしまう、いまの時代が背負ってる雰囲気(日本の少子高齢化とか、原発問題とかもそうだ)を描ききった映画だったと思う。だから、コンゲーム的なものを連想させる邦題は本当に最悪です。配給会社は猛省してほしい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-01-22 18:19:44)(良:3票)
7.  マネーボール 《ネタバレ》 
本作自体が、劇中で実践されるマネーボール理論の産物のようにも見える。チームの絆とか、精神力とか、スター性とかではなく、「データ」で野球を変えた弱小チームの物語。だから映画としても、徹底したアンチドラマ、アンチクライマックスの作りで、主人公が自分の気持ちを叫んだり、誰かと熱く抱擁したり、チームが一致団結して困難に立ち向かう、的な描写は皆無です。主人公は、野球をちゃんと見ることはできないし、もう大丈夫かと思って球場にいったら11点差を追いつかれるという「もう、野球と関わるのやめたら?」と思ってしまう経験もして、チームと団結することもないし、監督(フィリップ・シーモア・ホフマン!)とも和解しないし、結局はチームの誰からも(さらにファンからも)感謝されない。唯一評価したのは、金満球団の1つレッドソックスという皮肉。ラストの「パパはおバカ」「本当に自分は野球を楽しんでるのか?」と娘の歌ににじむ涙は、GMという仕事の本質にこだわった男の誇り(だからレッドソックスのオファーは断るわけだし)と、それでも感じてしまう虚しさの両方を描いた名シーンだと思います。そのあたりは、人間の二面性・両義性を描く名人監督ベネット・ミラー&脚本アーロン・ソーキンだからこそできた名人芸でした。そして、本作最大のパラドクスは、この映画の主演・プロデュースが大スター俳優ブラッド・ピットであること。その矛盾をブラピ自身も理解していて、だからこその抑えた名演技だったと思います。この作品で注目されたジョナ・ヒルやクリス・プラットのその後の活躍を見れば、この作品が、ブラピという巨大な矛盾を抱えながらも、出塁率の高い才能あふれる俳優たちで作られた優れたアンサンブルであったこともわかります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-19 12:20:17)(良:2票)
8.  マッドマックス 怒りのデス・ロード 《ネタバレ》 
傑作。文句なし。狂気の世界とアクションが、超緻密な構成を重ねた上で描かれます。演出も奇をてらったわけでもなく、結構正攻法なのに、最終的にできたものは誰も見たことがなかった映像世界。超シンプルなストーリーのなかで続くカーアクションのシークエンスは、もうアイデアの宝庫。砂漠という何もない場所なのに、その風景のすばらしい多様性(特に砂嵐と夜の星空は印象的)、そしてウォーボーイズとか、ハリネズミ車とか、ギター男とか、槍のヤツとか、ポールで攻撃してくるヤツとか、ホントに全く飽きることなく最後まで突っ走る。出てくる登場人物のキャラクターは、度重なるアクションのなかに見事に描きこまれてる。フュリオサのリーダーシップ、ニュークスの悲喜劇、セクシー姉ちゃんたちの変貌にも驚嘆するし、おばちゃん戦士たちの爽快感に癒される。対する敵側もゲスで憎めない。主人公が「輸血袋」な扱いなのは「・・・」ですが、狂言回し的な役目と考えればこれもアリか(ただ、輸血袋なりの見せ場がちゃんとあるのはさすが!)。前三部作も見ていて、正直そこまでハマらなかったのですが、今作はその予想を上回る出来だったと思います。このエネルギーにあふれた作品を、御年70歳のジョージ・ミラー監督が撮ったというのも凄いです。あえていえば、日本版エンディングテーマというやつ・・・。曲自体は悪くなかったけど、普通の2D字幕版であっても、やっぱりオリジナル版と同じものを見せてほしかった。
[映画館(字幕)] 10点(2015-07-03 16:28:37)
9.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
主人公のマイルを貯めるのが楽しみな気持ち、なんとなくわかる。いつも混雑して長蛇の列ができるカウンターやセキュリティ・チェックを、さっとスマートにカードをかざすだけでスムーズに通り過ぎる。スタッフが自分の名前を呼んでくれる。いや、冷静に考えれば「何でこんな事に」と思うようなことだが、自分の仕事や生活の「スタイル」の結果として積み上がるマイルという数字を眺めるのは、きっと快感なんだろうなと思う。そういう彼を揺さぶる2人の女性がいい。正論をぶつける部下と、同じ価値観を共有する(と思ってた)大人の女性。そこから浮き彫りになっていく、主人公の生活の「空虚」。そういう主人公の仕事がリストラ通告というのもいい。実際には、仕事で直面する人間や社会のもっともドロドロした部分と、空の上の世界とそこから眺める各都市の風景の対比。「空の上(Up in the Air)」の「空虚」に気づいてしまった主人公の今後は明確には示されないが、たぶん同じような生活を送りながら、彼のなかでは何かが決定的に変わっている、そんな生き方を彼は模索していくんだろうと思わせる。大きな展開や感動的なエピソードがなくても十分に楽しめる佳作。この映画の監督が映画公開時はまだ32歳で、しかもあのアイヴァン・ライトマンの息子だったというのに驚き・・・。さらに、この映画の「大人の女性」ヴェラ・ファーミガが、自分と同い年だったというのに、さらに驚愕・・。若い(と言っておきたい)スタッフが作り上げた大人の映画。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2013-09-16 22:59:38)(良:1票)
10.  マイティ・ソー 《ネタバレ》 
国際線の飛行機で鑑賞。なので、迫力不足はいなめず、映画館で見た方よりも点数が低めかも。予備知識ゼロで見たので、アメコミの世界に再現された『ゴッドファーザー』だと思ってみてたら、ソニーが改心してマイケルに支配されたコルレオーネ家をとり戻す、という話でした。別に『ゴッドファーザー』に限らず、ギリシャ悲劇からシェイクスピアまで定番のテーマではあるわけですが・・・。そういう意味では、ケネス・ブラナーという監督のチョイスは面白かったと思います。
[DVD(吹替)] 5点(2011-08-24 11:32:38)
11.  魔法にかけられて
冒頭のアニメ・パートといい、アラン・メンケンが音楽を担当していることといい、ディズニーがこの映画を本気で作っていることはよく伝わってきました。ただ、どうしても、ディズニー・ファンタジーの構造を踏襲しながらも、見事にそれをひっくり返してみせたドリームワークスの『シュレック』と比べてしまう。この作品は、少し自虐的なギャグを入れてみたけど、最後はそれでも「やっぱりディズニーっていいでしょ」っていう展開で、後半はいまいち乗り切れませんでした。ラブコメとして見ても、ロバートとジゼルがお互いに影響しあっていく過程はいいけど、周囲のキャラが、設定上の役割をなぞっただけという感じでいきてこない。うーん、この素材だったら、もっと面白く、ロマンティックで、スリリングにできたんじゃないかと思います。設定の勝利ではあるけれど、それだけ、というのが正直な印象です。
[DVD(字幕)] 5点(2009-04-05 23:12:07)
12.  マッチポイント 《ネタバレ》 
ストーリーは、短いシーンのつなぎ合わせでトントン拍子に進んでいくので退屈はしません。贅沢で人がいいイギリス人大富豪一族(+とてもいい味を出している鈍感な刑事たち)と、狡猾なのか運がよいだけなのかよくわからないアイルランド人青年、そして自分の意志をはっきりと示すアメリカ人女性の対比が面白い。富や名声への執着をはっきりと示すわけでもなく、周りの人間の力でどんどん出世していく主人公が、唯一自分の意志をはっきりと見せるのが、ノラとの浮気だったというのもなかなか面白い。しかし、彼は最後には自分のつかんだものを守るために、自分が望んだものを葬る決意をする・・・。彼の自己中心的な考えは気持ちのいいものではないけれど、ラストショットの表情は、幸運な人生がかならずしも幸福な人生とは言い難いということをうまく表現していました。サスペンスとして見ても、指輪のシーンは少し考えれば予想できることだとは思うけど、見事にきまっています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-11-24 08:59:09)(良:1票)
13.  マリー・アントワネット(2006)
ソフィア・コッポラの映画はまあまあ面白いんだけど、決定的な何かが欠けている。『ロスト・イン・トランスレーション』で「日本」との接点をまったく描かなかったように、今作では「男」をまったく描いていない。頼りないルイ16世やら愛人を囲うルイ15世やらプレイボーイの北欧の貴族やら・・・。彼らは、マリーの孤独を際だたせるためだけに存在しているキャラで、それは『ロスト・・』での「日本」の役割とまったく同じだ。ぼくが気に入らないのは、ソフィア自身、それを確信犯でやっているっぽいところ。「日本のことなんてわからないけど、何か?」「男なんてわからないけど、何か?」という開き直った態度の上に彼女の映画は成り立っている。こんなガーリーで自己中な哲学はインディーでやってるぶんには新鮮で楽しいけど、もうそろそろ飽きてきました。
[映画館(字幕)] 4点(2007-02-05 14:50:57)(良:2票)
14.  マーシャル・ロー(1998)
テロの最も怖いところは市民に「恐怖」を植えつけることであることを、ちゃんと描いていることは偉い。「アラブ人刈り」の光景の恐ろしさ、そして、本来は自分たちの味方であるはずの人間をも攻撃してしまうテロ犯という不条理(とその狭間で苦悩するデンゼル)もちゃんと描かれている。でも、話を将軍の暴走というかたちでまとめてしまったのは消化不良。とくにブルース・ウィリスの「I am a law」というセリフには、がっかりした。FBI、軍、テロ犯のそれぞれの理由をちゃんと描いていれば、と思うものの、けっきょくは、デンゼルの正義漢ぶりだけが目立つ映画になってしまったのも、ズウィック監督らしい。まあ、9.11以前の、それも娯楽映画に、それは過剰な要求なんだろうけど。っていうか、いまの状況では、逆に、こんな娯楽映画は作れないか。そういう意味では貴重な作品かも。
[DVD(字幕)] 5点(2005-05-03 08:32:56)(良:1票)
15.  マルコムX
以前見た時は、前半の刑務所に入るまでのシーンが長くて退屈だったのだけれど、いま改めてみると、あの前半(+マルコムの子ども時代の回想シーン)があるから、後半の活動家となってからのマルコムの主張にリアリティが生じたのだと思う。凡百の伝記モノにありがちな、めぼしいエピソードを並べただけのものではなく、マルコムの心理的な変遷がしっかりと描かれていて好印象。少々残念だったのは、メッカにいるときのマルコムXが、なんかはじめて海外旅行した時、やたらフレンドリーに接してくる現地の方々に感動しちゃった、単なるビギナー観光客にみえてしょうがなかったこと。ピラミッドとかスフィンクスとか見たいとか言ってるし・・・。ぼくもはじめて海外旅行した後は、周りの人にそのときの体験をやたら語りたがったものだったなあと、どうでもいいことを思い出した。それまでの重々しい人生観を180度転換させる事件にしては、ちょっと軽い感じがしたかなあ。それだけ、アメリカで黒人として生きるということは厳しいのだということなのかもしれませんが・・・。ラスト、ネルソン・マンデラ氏(ですよね?)まで登場させて、これでもかと突きつけられるメッセージは、スパイク・リーらしい「やりすぎ感」があって個人的には好きです。
8点(2005-02-24 10:10:46)
16.  マスター・アンド・コマンダー
ストーリーにはあまり抑揚がないですが、映画そのものは、異端の監督ピーター・ウィアーが丁寧にしっかりと作り込んでいて好印象。海原をはしるサプライズ号は美しいし、実はダジャレ好きで人間くさい船長オーブリーと船医スティーブンのコンビは魅力的でした。そして、戦闘時には見事な団結心を見せる船員たちが、不安にとりつかれて1人の若い士官候補を追いつめてしまうときにみせる不気味さ。感動的な美談で終わらせるのではなく、サプライズ号を表も裏も抱え込んだ「社会」として描けているのもウィアー監督作っぽくていい。ただ、いくら英語圏でのベストセラーとはいえ、予備知識なしでは冒頭から物語に入るのはちょい厳しいか・・。どうゆう経緯でサプライズ号があそこにいたのか、出航のシーンなどもうまく挿入してほしかったなあ。
7点(2004-08-18 03:26:04)
17.  マッチスティック・メン
予備知識なしに見たのがよかったかな。そういう映画だと思ってなかったんで、ニコラス・ケイジが意識失ってから、しばらくボケッとしてしまった。リドリー・スコットらしく、音楽とか、LA郊外の風景とか、雰囲気が好きな映画でした。ただ、序盤に執拗に潔癖症キャラ描写してたのに、最後のほうでは、どうでもよくなったみたいにロイがふつうにピンピンしてたのは、なんか不自然な感じがしました。
7点(2004-05-12 15:09:53)
18.  マイ・ビッグ・ファット・ウェディング
タイトルから「Greek」を省かないで欲しかったなあ・・・。ここがこの映画の肝なのに。トゥーラの家族、キャラが豊かだし、ギリシャ系ネタも楽しかった。個人的には、ギリシャ語で悪態つきまくるおばあちゃんがツボ。ただ、ストーリーが順風満帆すぎたかも。あれだけのキャラをそろえたんだから、もうちょっと波があってもよかったような。
6点(2004-04-11 03:11:42)
19.  マトリックス
元ネタはいろいろあるんでしょうが、それが一つの世界となってるところは魅力。でも、最初、映画館で見たときには寝てしまい、あまり印象に残らなかった。あのころ、「いま現実だと思ってる世界が実は・・」的なネタはちょっと食傷気味だったんで、アクション描写以外には魅力を感じませんでした。ただ、2回目見てみたら(それもアメリカ滞在中、英語で)作り込まれた世界に引き込まれたから不思議。ただし、キアヌのカンフーはいただけない・・・。
7点(2004-03-12 18:36:48)
20.  マトリックス リローデッド
前半のザイオンのシーンで「なんだこれは??」状態に陥り絶望しかけたところを、カーチェイスとアーキテクトの登場で救われました。『マトリックス』でも薄々感じていたことですが、ウォシャウスキーBrosは、人間ドラマめいた部分を撮らせると鑑賞に堪えられないほどベタベタになってしまって、1作だけならスタイリッシュなアクションってことで気にならなかったけれど、3部作化したことで、それが致命傷になってしまったようです。でもこのシリーズの謎解きめいた部分は好きです。
5点(2004-03-12 18:31:21)
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