201. 追跡(1947)
《ネタバレ》 ジャンルとしては血筋ドロドロ系というか、家族内(主人公はよそ者)の確執や怨念をじわじわと描き続ける。また、記憶探求系の視点を入れているのは、この年代の、ましてウエスタンでは珍しいのではないかと思う。ただ、肝心の真相自体が、引っ張るだけ引っ張った上で、大したことないのだな・・・(敵役の検事があれだけ主人公をつけ狙う理由も不明)。とはいえ、展開は定番や予想を次々に外してくるので、見ていて楽しめはします。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-06 00:41:27) |
202. バニラ・スカイ
かなり説明が不親切でもあったオリジナルに比べ、ハリウッドらしく丁寧な進行の意図は感じられる。ただ、こういう作品だと、最後にいかに世界を裏返すかということと、その上でいかにつじつまを合わせるかということが問われるのだが、その辺はどうも息切れしてしまっている。尺が長い割に、話が行ったり来たりで沈滞しがちになっているのも難点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-10-05 00:41:34) |
203. メン・イン・ブラック
馬鹿馬鹿しくてテンポも良いのはいいのだが、肝心の敵の設定がしょぼくて中途半端なため、終末に近づくにつれてどんどんテンションが落ちている。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-10-03 23:32:55) |
204. 愛しのローズマリー
古典的なテーマなのだから、作り込みをしっかりしないと映画としてはつまらないと思うが、例えば、催眠術にかかった後での世界の見え方の違いとか、ほかの人と自分の感覚の違いによるギャップなど、おいしい視覚ネタを含んでいるはずなのに、それが全然生かされていない。なので、最後も安直にしか映らない。制作者が考えているはずの「心の美しさ」とは何なのかが見えてこないのもマイナス。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2022-10-02 00:56:13) |
205. ブルークラッシュ
主人公が馬鹿すぎなのが最大の難点。種目を問わず、スポーツというものは、頭が悪くてはトップには立てないのではないだろうか。大体、本番前日までろくすっぽ練習もせずに色恋沙汰に悩んでいるようなプレイヤーが勝てるわけないでしょうが(本当に勝ったとしたら、大会のレベル自体がその程度だったということ)。ついでに、ホテルのメイドとしてのモラルの低さも重大なマイナス。点数は波の映像のみに対して。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2022-10-01 00:24:03)(良:1票) |
206. セキュリティ
《ネタバレ》 歴戦の元海兵隊隊員が、警備員に雇われてショッピングモール(というかちょっと大きめのスーパー程度)にいたら、証人保護プログラム下の少女が逃げ込んできて、包囲するマフィアとの闘いが始まる。この何と魅力的な設定!舞台はそのモールのみ!で、その開始点から浮気せずにモール内の闘いのみで走り切る潔さには好感が持てます。ただし、それなら、モール内の商品や部品を活用するとか、知恵で相手の裏をかくとか、いくつか見せ場はあるものの、もっとネタが欲しいところでした。最後の方は、ジャングルとかでやってるのと変わらない銃撃戦になっています。なお、アントニオ・バンデラスは、なかなか渋い年のとり方をしていていい感じです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-09-19 01:57:34) |
207. タップ
《ネタバレ》 とにかくタップを見せる!あらゆるシチュエーションで見せる!主人公以外も見せる!という統一された意識が何とも美しい。またその中で、ただタップをさせるというだけではなくて、主人公のタップの作り方とか(工事現場の勢揃いタップは名シーンだと思います)、ストリートタップとブロードウェイタップの違いとかにも食い込んでいて、制作者のタップへの愛情を感じます。それと比較すると、昔の仲間とどうこうはいらないんじゃないか?と思っていましたが、オーディションで恥をかかされた反動でそっちに走ってしまうくだりで、上手くつながりました。あと、暗めのところに光が差して溜まっているようなスタジオの撮り方も巧いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-18 00:37:08) |
208. 沈黙の断崖
《ネタバレ》 すでに「沈黙の要塞」という迷作があるにも関わらず、性懲りもなく環境問題に取り組んでしまうセガール・・・ただ、「要塞」に比べればまだ頑張って作り込もうとする気配だけはありますが、そのため全体の雰囲気は何かチマチマすることになりました。一番の突っ込みどころ(気に入りポイントとも言う)は、ほとんど手がかりなしの状態からいきなりヒロインの過去を全部当ててしまう、推理面でも超人のセガールです。二番目は、まだ何もばれてないのに、いきなり全力疾走して自らニセエージェントであることをばらしてしまう2人組です。ただし、ヒロインの生活感あるほのかな色気はなかなかいい感じでした。 [DVD(字幕)] 3点(2022-09-17 00:25:11) |
209. 無法の王者 ジェシイ・ジェイムス
タイトルどおりのジェシー・ジェームズの作品です。ただし邦題に反して、「無法の王者」というほどの冷酷さは描かれません。元ネタの「地獄への道」では、鉄道会社に理不尽な目に遭わされたのが背景となっているという視点でしたが、こちらは南北戦争(の中の北軍の理不尽さ)が主人公の悪行を後押しした、という構成です。ただしこの作品、時系列とか視点がたびたびあっちこっちに飛ぶので、見ていてかなり見づらいです。何でわざわざそうするのか謎です。他方で、ヒロインが魅力的なのは、元作品に勝っています。主人公とはちょっと上手くいきすぎというか、都合よすぎという気もしますが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-09-16 22:23:31) |
210. 沈黙の要塞
環境問題とイヌイットを入れてやろう!と真面目に思ってしまった時点で失敗。サシのアクションが少なくて爆薬に頼りまくっているのは、疲れてたんでしょうか?●しかし一番可哀想なのは、こういう作品に曲を提供してしまったばっかりにラジー賞ノミネートという経歴を刻んでしまったスコーピオンズでしょうね、やっぱり。 [DVD(字幕)] 2点(2022-09-15 00:17:00) |
211. ドライビング Miss デイジー
《ネタバレ》 いろんなところで笑ってしまった後で、いつしかそれが涙に変わっていくという卑怯な映画。派手な映像や凝った設定がなくても、人の心の動きや変化が的確に表現できて、それが見ている側に伝わったら、感動は生まれるのです。文盲の問題や黒人差別の問題など、ベタな演出をしたらいくらでもできたと思いますが、この話の中心的主題はそんなところではないし、あえてそれをせずにこのレベルに達したのは素晴らしい。人物については、デイジーおばあちゃんは救いがたいほど頑固なのに妙に憎めないし、ホークの方も、単に有能なだけではなく、言動は結構俗っぽいところが面白い。最後、ボケたデイジーがホークの手を握るところでいつもぐっときます(2人の身体が接するのは、この場面だけなんですよね)。 [映画館(字幕)] 8点(2022-09-11 14:00:37)(良:1票) |
212. MOOG モーグ
モーグ・シンセサイザーの開発者、ロバート・モーグ博士についてのドキュメンタリーです。前半は、見る側の理解などあまり考えてなさそうなオタクな雰囲気(映画自体の)がなかなかいい感じです。ただやっぱり、意味が理解できない部分が多々存在しますが・・・。後半では、待ってましたのミュージシャンが次々登場します。リック・ウェイクマンの登場時間長めなのは嬉しい。しかし、かつては中世の貴族風のいでたちで謎めいた雰囲気だったような気もしますが、実はべらんめえ口調(?)で早口に喋りまくりなのにびっくりします。キース・エマーソンのステージ演奏風景もそこそこ長めです。しかし、モーグを活用したミュージシャンってもっといろいろいそうなようにも思いますが、その辺の拡がりも欲しかったところでした。70分は短いですね。 [DVD(字幕)] 5点(2022-09-08 01:30:28) |
213. 折れた槍
父親と4兄弟のあれこれというお話で、上3人と末弟が対立している(母親も違う)という構図。しかし、一番の問題は、上3人がまったく機能していないというか、画面上も物語上も邪魔な存在にしかなっていないという点である。これであれば、長男のウィドマーク1人でどう見ても事足りているし、むしろ1人で伸び伸び芝居をさせた方がよっぽどよかったと思うが。それに、スペンサー・トレイシーまで担ぎ出していながら、肝心の親父も全然魅力的でないのも問題。よって、法廷シーン以降も、なんでそうなるのかさっぱり分からない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-09-07 20:09:51) |
214. 1917 命をかけた伝令
《ネタバレ》 長回しは大好きなので、当然、見ている間は十分に楽しめました。ただ、ここまで振り切ってしまうと、今度は、回想も視点変換も時系列操作もできないという長回し手法の弱点が、逆に如実に出てきてしまうのですね。加えて、台詞とか演技はほとんど機能していないので、結局は技術先行というか、制作スタッフの側が際立って優秀だったというだけなのでは?という疑問を持ってしまいます。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2022-09-06 01:06:38)(良:1票) |
215. ラッシュアワー
《ネタバレ》 クリス・タッカーがただうるさいだけで、しかもそのトークも面白くないというのが最大の難点。それなら何か別の才能がとか、あるいはそのトークがなぜか解決に役立ってしまうとか、何か人物的なプラス材料はいるはずなのですが、それもありませんでした。ジャッキーに関しては、小道具を駆使したアクションはいろいろ考えているんだろうなあと思わせはしますが、例えば軽い一連の身のこなしでタクシーに乗り込むようなさりげない芸を、もっと見たかったところでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-09-05 01:52:17) |
216. ベリー・バッド・ウェディング
《ネタバレ》 例えば、最初の方の警備員殺害の場面で、コメディにしたいのであれば、別にリアルな殺人描写をする必要はないのだから、誰かが一突きしてあっさり死亡、で場面の目的は達するはず。それをこの作品は、ことさらに警備員に長時間の苦痛を与えて、しかも断末魔の悲鳴までしつこく聞かせ、その間、5人の滑稽な動作を入れて笑いをとろうとしている。この時点で私はこの作品のセンスのなさを確信しましたが、一事が万事その調子でした。アメリカのコメディにはよくありますが、みんなが不必要にぎゃーぎゃーうるさいのも不快。そうまでしないと笑いとれないの? [DVD(字幕)] 2点(2022-08-31 23:44:41) |
217. 大脱出2
悪役は揃ってみんなしょぼいし、かといって脱出側も特に知能や技術や作戦を使っているわけでもないし、施設自体に何か凄い装備が施されているわけでもないし、そして肝心のスタローンにはほとんど出番ないしで、とにかく適当に作った感まる出しでした。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2022-08-30 02:14:37) |
218. クリントンの真実
クリントン大統領がいかに反対派からの攻撃を受け続けてきたか、という趣旨のドキュメンタリーです。その主題はなかなか興味深いのですが、肝心の構成が、ほとんどはいろんな人へのインタビューをただそのまま流しているだけで・・・。何がそこでの論点であってそれはどういう結果になったのかとか、出てくる人が言ってることに裏付けはあるのかとか、その辺まで目配りはしてほしいところでした。まあ、当時見ていた人からすれば、誰がどういう人でどういう立場なのかというようなことは、当然の前提として知っていたのかもしれませんが。 [DVD(字幕)] 4点(2022-08-20 00:11:01) |
219. 希望の街
《ネタバレ》 約30人くらいの登場人物の、三昼夜にわたる出来事を描いた作品。とだけ聞くと、どんだけごちゃごちゃするんだ、と警戒してしまいます。事実、導入部は話が飛びまくっています。ところが、それぞれの登場人物の顔が見えてくるにつれて、まるでジグソーパズルが完成していくかのように、大きな一つのつながった世界ができあがっていきます。この構築力は見事でした。あっちとこっちがここで関係している、みたいなくだりも多々登場しますが、それも設定に溺れることなく、物語の一部をなしています。その丁寧さの中に、制作者がタイトルにこめたメッセージも見えてくる仕掛けになっています。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-08-19 02:52:46) |
220. 燃える平原児
あれこれ複雑な人間関係を置いている割には、脚本上も演出上も何も整理されておらず、もちろんプレスリーに演技力など望むべくもなく。つまり、映像としての再現シーンを羅列しただけで終わってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2022-08-17 23:49:18) |