41. 大脱走
何より感じたのは、これが事実だとしたら、ドイツ兵って案外人道的だなあということ。夜中に捕虜があれだけ集まってたら脱走の相談くらいするよなあ、と。収容所も占拠できそうな勢いですし(笑)。しかしそういうものとは別に、非常に明るく、元気が出る映画ということで評価したいと思います。ラストも夢があっていいですね。「夢を忘れるなよ!」と。 7点(2004-01-09 19:57:10) |
42. マトリックス リローデッド
スミス100人切りのシーンに流れる音楽は、「八つ墓村」の32人殺しのシーンに流れる曲にどことなく似ている気がするのですが、単なる偶然でしょうか? 7点(2004-01-08 10:37:43) |
43. メメント
《ネタバレ》 「記憶喪失の疑似体験」という趣旨は雰囲気でよくわかりますが、正確には、「喪失した記憶を取り戻す疑似体験」になっていて、結局自分自身は誰に入り込んでいるのかわからなくなってしまうようなオチでした。観客に「メモ書きは真実」と思わせておいて、それ自身がねじ曲げられている、ということをバラす。という手法は、結局それを誰が思い出しているのか、あの時点で、主人公と一体となっていた自分がいきなり離脱してしまうような気分でした。しかし、ジョー・パントリアーノの胡散臭さが今回もすばらしかったです。 7点(2003-12-27 17:11:37) |
44. 未来世紀ブラジル
この映画の少し後、「ペーパレス」という言葉が登場しましたが、みんなメール文書をプリントアウトしているのを見て、「未来世紀ブラジルかよ」とつぶやいていました。しかしこの世界観はスゴイ。デニーロも数ある出演作の中で、他とは違ったカッコ良さを見せています。ジョナサン・プライスの、監督にまで振り回され困っているようにも見える淡々とした演技がよい。マイケル・ペイリンにももう少し暴れて欲しかったけど。 7点(2003-12-23 17:16:22) |
45. 恋におちて
奥さんにビンタされた後の、なんともいえないデニーロの表情が印象的。全編にわたって、晴れ渡る青空と澄んだ空気が感じられ、すがすがしささえ覚えるのは不思議。最後もそれにふさわしい終わり方になっているのは救いがある。 7点(2003-12-23 17:10:08) |
46. エンゼル・ハート
冷たそうな石畳、室外機、地獄の底に通じているかのようなエレベータ・・・。ともすれば薄っぺらいホラー映画になるところを映像で格調高く見せていた。ミッキー・ロークが徐々に事の重大さに気がついていく演技も展開を盛り上げるのに役立った。引き出しに物を無造作に入れるところや、ゆで卵を剥くシーンは、やっぱり真似しましたね。しかし、サイファーは、デニーロよりももっと敵役がいたのではと思います。 7点(2003-12-21 15:51:37) |
47. 夢(1990)
桃畑や狐の嫁入りなど、せっかく映画史に残るであろう映像美を見せながら、夢のいくつかにベタなメッセージ性を感じずにはいられず、しかもそれを言葉で説明してしまっているのが残念でした。黒澤監督の冗長さについては、ピーターの前歴があるわけですが、細やかな計算をもってしてもどうしても出てしまう彼の癖なのでしょうか。最後の葬式は、映像だけで喜びを表現して欲しかった。笠さんの表情で十分伝わったはずです。赤富士と鬼は続いている夢であるべきです。 7点(2003-12-18 03:08:56) |
48. グラディエーター
《ネタバレ》 それなりに迫力もあり、それなりに面白いストーリーだが、今ひとつ感情移入できない。それがために最後の大観衆の場面でも盛り上がりに欠ける。そういう印象を持ちました。これはそれぞれの登場人物が持つ葛藤と、それに対応する実行動に、微妙なズレがあったからではないでしょうか?暴君コモドゥス自身が闘うことを選んだことにしても、見方によっては自ら死を選んだのではないかとも思えるほどの自殺行為ですし、相手を弱らせる策を講じているくらいだからそうではないらしい。マキシマスはローマ帝国に忠誠を誓ったのか、それとも先帝を愛していただけなのか。などなど、単純な「動機と行動」に対して納得できないところがあったのが原因ではないかと思います。先帝アウレリウスは名君ではあったとは思いますが、あそこまで庶民的だったのでしょうか・・・。 7点(2003-12-17 10:28:42) |
49. ビッグ・リボウスキ
コーエン兄弟の映画からいつも感じるのは、乾燥した空気。この感覚が日本のジトッとした雰囲気との違いを感じさせる。その分ホワイトロシアンがうまそう。しかし軽快に見えてかなり長く感じるのはなぜだろうか。正直疲れる。コーエン兄弟の常連達は見ているだけで相当インパクトがあるだけに、そいつらがニョロニョロ、チョキチョキと立ち回ると、ついていくのがしんどい部分がある。 6点(2004-07-10 23:50:42) |
50. デス・トゥ・スムーチー
ストーリーは面白い。上映時間の短さからもわかるように、編集作業に相当根をつめたようで、テンポもよく小気味いい。ただ各登場人物の描きこみがもうひとつ。特に悪役が複数登場するので、このあたりの区別をもっとしっかりと見せて欲しかったのが残念だ。また、登場人物の心の動きが読みづらい。まずキャスリン・キーナー演ずるノラが、モープスに心を開いていく過程。はじめは穴が空いた番組の顔として、モープスのことをただのつなぎだとしか思っていなかった彼女が、徐々に心を開いていくわけだが、彼の人となりを理解していく過程がほとんど描かれていない。よった勢いで彼に詫びを入れる前に、そうする決心と、勇気を振り絞る状況というものが必要だったはずだ。また、心に鉄の扉を持っている理由はこの時点ではまったくわからない。ひとつのなぞときとして、ここも描きこんで欲しかった。レインボーがモープスにひざをなでられただけで改心してしまうところも拍子抜け。さらに、モープスに裏切られ、親分が殺された最後の手段が、舞台上の殺し、というのも短絡的。スピナーのいとこのアイリッシュマフィアは、名実ともにかなり強力だが、やっていることがチンピラのそれに近い。 6点(2004-05-01 00:09:27)(良:1票) |
51. テルマ&ルイーズ
映画界のターニングポイントで常にマイルストーンをおき続けてきた同監督の映画にしては、見るべきところは少ない気がした。ストーリーや見せ方は、「俺たちに明日はない」や「ミッドナイト・ラン」に酷似しているが、それ以上に感じるのは、「解釈」という点に新鮮味が感じられないところ。崖から飛び降りて「華と散る」美しさとは別のものを見せて欲しかった。せっかく「女性のロード・ムービー」なのだから、違った友情の昇華の仕方もあったのではないか。あのままでは、「レイプの犠牲になった二人」にすぎず、後味が悪い。たとえば、潔くつかまって新たな人生を歩んでいる二人、という切り口など。生き残るにせよ死ぬにせよ、「こうなるのか!」と驚き納得する結末でないと、ただのロード・ムービーといわれても仕方が無いのではないか。 6点(2004-03-15 00:44:11) |
52. 波止場(1954)
神父が最終的には裏切るのだろうと思っていたのですがすっかりハズレてしまいました。このあたりが、宗教観に対するお国柄の違いなのでしょうか。 6点(2004-03-09 23:22:38) |
53. 世界中がアイ・ラヴ・ユー
まあまあ面白かった。しかし映画を見ることで何か大きなものを得ようとか、そういう方にはお勧めできない。みんな幸せになってよかったね、という「合法ドラッグ」のような作品だ。キャストが贅沢なので救われる。 6点(2004-02-28 21:17:47) |
54. レオン/完全版
シチュエーション的にはとても楽しめた。しかしなんか日本映画の匂いがするのはなんでだろうか?ジャン・レノの演技か?ちとクサいような気もする。練習で街の人をうっちゃいかんよ。あれでかなり引いてしまった。 6点(2004-02-27 01:53:15) |
55. イルカの日
まあまあの作品だと思いました。ジョージ・C・スコットのキャスティングは秀逸ですね。個人的にはもう少しテリルの自戒というものを物語の障壁として打ち立ててほしかった気がします。かわいい動物と、動物に好かれたおじさんと、それを脅かす敵、という構図では、どうしてもベタな勧善懲悪に見えてしまうのもしょうがないかなと思いました。諸悪の根源は彼なのですから。 6点(2004-02-15 19:49:15) |
56. ドライビング Miss デイジー
単調だがほのぼのとした春のような映画でした。モーガン・フリーマンは、感情を抑えた、朴訥としたものながら、体中からそれまでの人生の紆余曲折を物語るようなしっかりとした演技だったと思います。 6点(2004-01-31 20:00:54) |
57. メリーに首ったけ
恋多き女だね。個人的には、犬が燃えるシーンが面白かった。モンティ・パイソンの「デニス・ムーア」に出てくる猫のようでした。 6点(2004-01-30 02:15:08) |
58. ビューティフル・マインド
スジも面白いし、ラッセル・クロウの演技も特筆すべきものがあるが、なぜか映画のテンポについていけない。映画の中にいくつかのヤマがあるが、それぞれの頂点に向かうまでの上り坂が急すぎて、置いてけぼりを食ってしまう。これが何度か繰り返されて、それぞれのヤマの感動が相殺されてしまっているように感じるのは惜しい。淡々と終わるのかと思いきや、最後にもっとも言いたいことを感動的に映している。ならばこのクライマックスをもっと効果的に見せる編集があったのではないか?シナリオよりも、編集に物足りなさを感じた。 6点(2004-01-30 02:09:55) |
59. ラスト サムライ
時代考証云々をいいだすと、「戦国自衛隊」を評することができなくなってしまうので(笑)、まあ、どこかの国のおとぎ話として見ましょう。としたら・・・何も語るところがないんだなあ・・・。困った・・・。しかし、真田広之に尽きます。彼だけ凄い!彼だけで映画館で見る価値あった! 6点(2004-01-25 01:35:38) |
60. スコア
いわゆる「小品」的映画といってもよいのではないか。この手の筋書きなら日本では2時間サスペンスで見ることができる。デニーロ・ファンとしてはもはや、「未来世紀ブラジル」でのタトルの「ハイテク版」として、そのマスク姿を拝めるということぐらいしか、劇場で見る価値を感じることができない。なぜこういう風に思ったのか考えてみたのだが、全編若気の至りを漂わせているエドワード・ノートンがあまりにも見た目どおりだったという描き方が、どんでん返しのはずがどんでん返しになっていなかったということがひとつ。せっかく愛らしい演技を見せているのに、このオチはもったいなかった。それから、デニーロの奥さん(恋人?)の存在。ストーリー上ではなかなかその位置づけや抱える問題など読み取れず、これにまつわるシーンは完全に間延びしていたということ。また、マーロン・ブランドはというと、つかみ所のない役柄を好演しているのはわかるが、「ベテランの大打者が代打で出てきてヒットを打ち、出塁後は代走と交代でお役御免」といった位置づけ。クライマックス前に映画から離脱した。これらはすべて、脚本に問題がある。とてもじゃないが、丁寧に作ったとは思いがたい。世界を代表する名優を取り揃えても、脚本が悪ければこんなバラバラな映画ができるのか、と感じた。キャストの熱演をプラス評価として6点。 6点(2004-01-01 04:00:07) |