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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 823
性別 男性

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41.  カメレオンマン
傑作の多いアレン監督作品の中でも特に抜群に素晴らしい作品。 素晴らしいアイディアと巧妙な映像と映像に合った音楽の三点が素晴らしいハーモニーを奏でている。 カメレオンマンことゼリグの人生と彼への治療を通してユードラとの交流、彼に関わった人のインタヴューをユーモアたっぷりにドキュメントスタイルで描きながらも、その奥には人間の誰もが抱える悩みとファシズムの脅威と人間の愛が描かれている。 「人に好かれるためには皆と同じでなければならない。人に嫌われたくない。孤立が怖い。」というのは社会に生きている以上、誰でもが抱える回避できない悩みなのかもしれない。 しかし、自己主張がなされず、没個性の社会であれば、ファシズムという大きな波に飲みこまれた場合、対抗する手段を持ち得なくなるのではないかという危険性を描いていると思う。 自己主張の大切さを描きつつも、その中でも自説を曲げない頑固さは問題だろうと描いているし、たとえ個性が低俗であったとしても、それであっても一つの個性ではないかと描かれている気がする。 欲を言えば、ドイツからユードラがゼリグを救うシーンやゼリグのドイツから飛行機での脱出シーンやその後の二人などがさらりと描きすぎているとは思うが、予算的なところがあるのだろうな。 映画の中の映画である「チェンジングマン」のミアファロー役がとんでもない美人なのが結構ツボに嵌まる。
[ビデオ(吹替)] 9点(2005-04-04 01:00:52)
42.  インテリア
他の人も言っているように、本当に繊細な映画だと思う。ジョーイ、レナータだけでなく、イヴやアーサー、パール、フリン、彼女らの旦那たちも含めてそれぞれの心境が痛いほど伝わってくる。 特にラストで海辺を見つめる三姉妹は何を想っているのだろうかと考えてしまう。恐らく三人とも母親イヴを想っているのだろう。 完璧なまでに秩序を求めた母親、想い通りにならないと許せない人間だった母親に振り回され続けていたと思う。しかし、それぞれ母に対する想いはだいぶ違うと感じる。特にそれは葬式の際に花を置く仕草で分かるような気がする。 レナータは母イヴに反発し続け、憎しみを拭い切れていない。 ジョーイは母イヴを自分の理想と捉え、母からも期待を受けるも、才能がない自分は母親を裏切ったと思い、母からは軽蔑されていると感じている。そんな母親を憎しみながらも人一倍愛している。 特に母親が買ったと思われる花瓶をパールが壊したときの激怒にイヴへの愛が感じられる。パールとのダンスを断り、最後まで父の再婚を許せなかったのもそうだろう。 フリンは幸か不幸か本当の母親のことを知らないで育つことができ、母からは表面的な愛情を受け、母親に対しては普通に愛情を持っていると感じた。 たぶんイヴはレナータ、ジョーイで思い通りにならない子育てを諦めて、表面的にしかフリンとは付き合っていなかったのではないかと思っている。 それぞれが母親に対して抱えるのは憎しみ、愛憎、愛情ではないか。 彼女らの生き様もそんな母親に対する感情の影響が感じられる。 レナータは才能があるも自分の感情を素直に出すことが出来なくなっている。 母親の反発心からか、母親ほどではないものの心が歪んでいる気がする。 だから旦那のフレドリックの心も離れていったのではないか、病気の影響もあるかもしれないが。 ジョーイは母親に認められたい、何かを成し遂げたいと思いながらも、何もできずにもがいている姿が見受けられる。 フリンは本当の愛情を受けていないので、どこか軽く薄い印象を受ける。だからクスリなんてやっているのではないか。 それだけ母親の存在は大きかったのだろう。あの母親を演じたジェラルディン・ペイジは凄すぎる。夫が自分とは真逆の感情を表に出す女性を選び、自分を否定され、自分の思い通りにはならなかった人生の果てに完全に心が狂ってしまっていた。海に突き進む姿は印象的だった。
9点(2005-02-22 00:08:01)(良:1票)
43.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
東銀座の東劇にて「旅の仲間」と「二つの塔」のそれぞれのSEE版を通して観てきました。 「劇場公開版」は自分のような原作を読んでいない者には特にファラミアの人物像についてかなり分かりづらい部分があったが、それがかなり解消され、それぞれのキャラクターの背景、内面が深く描かれていたと思う。 自分が特に気に入っているのはエント絡みのストーリー。 自分たちとは関係のない戦いだと高を括っていたら、知らぬ間に自分たちも被害にあって、その戦いに巻きこまれている。この世界の一員として何事に関しても傍観者であってはいけないということが強く感じられた。 また傍観者であってはいけないだけでなく、ファラミアのストーリーを見ていて、自分の利だけで動いてはいけないということも描かれていると思う。 父に認められたい、自分の国を救いたい、そんな自己のためだけでなく、フロドのように自分の命に代えても世界のために小さな身体を犠牲にしながら戦っている姿を見せることによって、自分が出来ることを世界全体を考えて動くべきということを伝えたかったのではないか。 そういった観点からみると、不死の力があるにもかかわらず、自分の命を賭してヘルム峡谷の戦いに参戦したエルフ軍には感動させられる。 また、アラゴルンを通して「決して諦めなければ必ず望みはある」ということも伝えたいのではないか。あのレゴラスや、セオデン王ですら諦めかけているにもかかわらず絶対に諦めない姿に「王としての資質」が感じられた。 何故、彼が諦めないのかはガンダルフが5日目の朝に援軍を連れてきてくれることを知っていたからではなく、個人的にはやはりアルウェンの存在があったからではないかと思ってしまう。 なんとなく不必要に思われるアルウェンとアラゴルンとのラブシーンだが、あのラブシーンによって彼の強さの理由のようなものを感じる。 そしてなんといってもゴラムの造形には驚かされる。 あの二面性は役者ではなくCGだからこそ可能だったとも考えられる。 現指輪所有者のフロドと元指輪所有者のゴラムには当事者でしか分からない想いが感じられる。 そんなゴラムを他人事とは思えないフロドと騙されているに違いないと考えるサムに多少亀裂が生じるも、自分の身を挺してナズグルから救うサムの姿やサムが語る「物語」によって二人の友情が修復され、強化されていく姿にも見応えがある。
9点(2005-02-19 23:57:33)
44.  ロード・オブ・ザ・リング - スペシャル・エクステンデッド・エディション -
東銀座の東劇にて「旅の仲間」と「二つの塔」のそれぞれのSEE版を通して観てきました。 さすがに7時間超を通しで見るのはかなり疲れるけど、満足のいくいわゆる心地よい疲れでした。 「SEE版」と「劇場公開版」ではこんなこと言っては悪いけど雲泥の差があると思う。 劇場公開版は、自分のような原作を読んでいない者にはかなり分かりづらい部分があったが、SEE版ではそれが解消されており、かつそれぞれのキャラクターの内面等が深く感じられる作品になっている。 特にボロミアについては深く掘り下げられていると感じる。 彼には人間らしい優しさ、弱さ、強さ、誇りの高さが感じられた。 メリーとピピンに剣を指導したり、ふざけあう姿や、ガンダルフがバルログに地下に引きずり込まれ、皆が落胆しているときに、アラゴルンが「急ぐから早く立て」という言葉を聞いて、「少しは皆を休ませろ」というシーンには優しさを感じる。 そして、自分の国を立て直したいがために指輪の力に魅せられていく姿とその心を読まれていると感じて何も言えなくなっているガラドリエルとの対面シーンには心の弱さを感じる。 さらに、フロドに自分がしたことを悔いて、恥じて、それに報いるためにも必死にメリーやピピン達を助けようと剣を振るう姿には強さや誇りの高さを感じた。 逆にアラゴルンは、先祖の人間としての弱さを知っており、その弱さを克服している人間だから、やや人間的な面白みには欠ける。 ストーリーに関しては、このミッションがフロドにしか出来ないことを改めて感じた。 身体は小さくても勇敢でタフで、権力というものに興味がなく平和や静けさ、食べることを愛するホビットで特にフロドにしか出来ないことである。 そんなフロドが仲間を疑かったり、信じられなくなったり、仲間内で争いが起きることに耐えられなくなり、一人で旅をしよう決意するのも丁寧に描かれていた。 また、フロドと共に旅をするサムの決意が決してガンダルフに言われたから共に旅をするのではないことも感じられた。強い尊敬心や友情に支えられてのことだろう。 フロドやサムだけでなく、それぞれがそれぞれの使命があり、宿命があるとも感じられる。
9点(2005-02-19 23:41:25)(良:3票)
45.  フォーン・ブース
満点を与えようか迷うほどの素晴らしい傑作。 81分間という短い時間ながらぎっしりと中身が濃い、充実した映画。 そして一瞬も気を許せない緊張感。 さらに満足すべきなのは、素晴らしいアイデアと脚本と演出だ。 特にラスト付近のスチュが洗いざらいぶちまける姿は見事だ。 スチュの人生はキーファーとの電話で明らかになっていくが、二人のやり取りを見ているだけでスチュの人生、性格、生き方も見えてくる。 都合良く話を作り上げたり、言い訳やごまかしを多用し、すぐに人のせいにする。 このやり取りを聞いているだけで、スチュの生き方が分かる仕掛けも見事としか言いようがない。 決して悪党とは言えない小悪党を次から次へと裸にする様は素晴らしい。 最初見たときこれがもっと大悪党だったら面白いかと思ったがそれは大間違いだった。 というのもスチュとは映画の特別な存在ではなく、いわば我々自身の姿とも言えるからだ。 衣装や上辺だけを装い、ウソで塗り固めた偽りの人生を生きているのは彼だけではない。 他人に対して傲慢にあたり、利用できる人間だけを利用しようとするのも彼だけではない。 その彼に罪を償わせ、許しを求めさせたのは何故か。それは我々も罪人だからなのかもしれない。 コリンファレルはかなり良い演技をしていたんだが、自分はこの役をトムクルーズにやらせてみたいと思った。 彼がどんな人生を告白するか考えただけで面白そうだ。 大抵の映画なら主人公や警察の機知で犯人役が捕まるというオチが相場なのだが、この映画では犯人がどんなオトコで、何の目的(ほとんど分かるけど)でこんなことをしたのか明らかになっていないが、その点も自分がこの映画が好きなところだ。 なんでもかんでも映画内で明かにするのではなく、少しは観客に想像を掻き立てる映画というのもアリだろう。
9点(2005-01-04 01:46:16)(良:1票)
46.  キャスト・アウェイ
自分の人生に生きがいを失っていると感じている人に見てもらいたい良作。 本作は人々に生きる希望を与え、人生あきらめてはいけないことを教えてくれるような気がした。 チャックが語っていたように、息をし続けていれば、潮がきっと何かを運んでくれる。 人生につらい事があっても生きてさえいれば、きっと何かいいことがあるということを言っているのだろう。 たとえ最愛の女性と気持ちは通じ合っていても別れなければならない状況に陥ったとしても、チャックのように最後の最後まで自分の仕事に対するプロ意識があれば、また新しい出会いに巡り合えるチャンスを得ることもできる。 人生も一種の漂流みたいなものだ。どこにたどり着くかは分からないが、どこかに向かって歩きつづけ、もがきつづけている。  そして愛する人への想いが人を生へ固執させることを改めて教えてくれた。 「島ではずっと一緒にいてくれた…。」フォレストガンプでも似たようなセリフはあったが、こういったセリフは本当に純粋に胸を打つ。 愛する人の支えがあるからこそ、人は頑張れる。 愛する人だけでなく、親友ももちろん重要だろう。 最高の親友であるウィルソンとの別れのシーンも最高だった。 確かに少しオーバーアクションで感動させようとしているのがちょっと分かってしまうが、普通の人間の親友や恋人との別れのシーンよりもある意味で感動的だった。 戻ってきた時の文明や飽食に対する寂しそうな表情も忘れられない。 あの火を起こす苦労に比べ、チャッカマンなんて反則だからなあ。 自殺、文明への依存、食べ物に対する意識など、現代社会に対する警鐘的な要素も見逃せない。 
9点(2004-11-24 01:23:24)
47.  ブルーベルベット 《ネタバレ》 
観た直後に「なんて美しい映画なんだ」と思わずつぶやかざるを得なかった。 まるで絵画のように美しい構図が印象的(リンチは画家でもある)であり、ベルベットの青、ドロシーの部屋の赤といった色彩の見事さに心を奪われ、この世の知られざる「闇」をジェフリーと観客が一体となって覗き見させるような素晴らしい演出に驚愕し、甘美で誘惑的な世界に我々までもが誘(いざな)われる感覚を覚える。 冒頭のシーンも見事な暗示になっている。ジェフリーの父親がぶっ倒れた後に、どんどんとカメラは奥に進み、無数の虫が蠢く姿が映し出されている。一見、穏やかにみえるこの世界のみえない部分では、このような虫が蠢くような世界がある。そんな世界へ今からあなたを連れて行きますよというリンチの招待状のようにみえる。 アメリカのど田舎の街という舞台設定がさらに映画を深めている。木を切り倒すことが街の挨拶のようなのどかな街。このようなのどかで静かな街でさえ、闇の世界へと通じていることを言いたいのだろう。これがロスアンゼルスやニューヨークのような街だったら、当たり前すぎて誰も驚かない。 そして、田舎で暮らしていて世の中のことが何も分かっておらず、全く汚れていない、おぼっちゃまのジェフリーがよい味を出している。好奇心によって、この世の中の裏側、まさに「闇」を覗き見ることから始まり、徐々に「暴力」と「欲望」にまみれた闇のディープな部分まで入り込んでしまう様が克明に描きこまれている。ジェフリーが味わった「暴力的な衝動」に囚われている姿も印象的だ。殴られたドロシーが微かに微笑む唇のドアップをみればジェフリーだけでなく、観ている者でさえも快感と快楽を抱き、「闇」に対する魅力を感じるだろう。 ラストも意味深だ。「愛」の象徴のハチドリは、「闇」の象徴である虫をついばんでいるシーンが描かれている。一見すると「愛」の力が「闇」の世界を打ち破ったようにもみえる明るいラストである。しかし、このハチドリはどことなく機械的というか、偽者っぽくみえる。勝ち取ったようにみえるこの明るい幸せな世界は、実は作り物に過ぎないのではないか。「闇」の世界は引き続きどこかに存在していることを暗示しているようにもみえる。 初見では何が良いのか分からなかった本作であったが、二度、三度とみていくうちに引き込まれていく。媚薬にも似た作品ではないだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2004-11-07 15:55:52)(良:1票)
48.  マルホランド・ドライブ
一切の予備知識なしでチャレンジした若かりし頃、見終った後の愕然とした気持ちを覚えています。「何もかも分からねぇ~、こんなん映画じゃねえゃ!」と吐き捨てた。見終った後に画面に出たキーワードを元に公式HPで映画のカラクリを理解し再チャレンジ。そしてストーリーや仕組みを理解はしたものの「映画としてのアイディアは凄いけど、内容はそれほど大したことはないね。」というのが2回目の感想。そして今日何年かぶりに観ました、これで3回目の鑑賞。「何もかも素晴らしいとしか言いようがない。」人間変わるものですね。DVDにはリンチのインタヴューがあり「映画のなかで全てが語り尽くされている」というのが本当に身に感じた。 前半の妄想には、本当はカミーラを殺したくない、殺しが失敗して欲しいそして自分とやり直してほしい想いが強く込められている。ハリウッドで失敗した憎しみや皮肉、アダム監督への恨みも強く感じられる。観ていてとても辛かった。ダイアンの想いが様々なカタチとなって、一見すると訳が分からないところにも複雑な意味が込められているのを知ると。そして妄想と現実との分岐点シレンシオで聴いた歌と前説で語ったセリフは意義深い。「オーケストラはいない、すべてまやかし。」前半はこの一言に尽きる。オーケストラは前半の登場人物達だろう。「あなたを忘れられずに一人で泣いている。自分に何ができるだろう、あなたを慕って泣きつづける以外には。」という込められた想いが重すぎる。はっきり言って、この映画はミステリーでもなんでもない、一人の女の切ないラヴストーリーと言っていい。青いカギを見付け殺しが成功したことを知ると精神を保てなくなり妄想に乗っ取られたようなカタチで自殺する。妄想に襲われなくても彼女は生きていけなかっただろう、カミーラがいなくては。冒頭のジルバ大会の明るい雰囲気と異なり、夢や希望とともにロスへ来て、夢が破れ、最愛な人に捨てられた絶望と恨み…。最愛の人を殺して自殺するというラスト…。それにしてもナオミワッツの演技は凄すぎる。彼女なしで本作はこれほど素晴らしい作品にはなり得ない、カミーラを見つめる眼の奥に愛情、憎しみが交じり合った複雑な想いが込められていた。点数は9点に留めておくが、まだ自分が完全に理解していないような気がするため。もっともリンチは理解するのではなく、音楽のように感じて欲しいと言っていたけど。
9点(2004-11-03 19:09:07)
49.  ヒート
本当に「男」を感じさせられる映画だ。 面倒な関わりをもたずに常に孤独であることを自らの掟として課しながらも、一方で誰かを求めてしまう。 人間が寂しい生き物だと改めて感じる。 これについてはデニーロだけでなくパチーノも同じだろう。 何度も離婚を繰り返しても破綻することが分かっていても誰かを求めてしまう。 激しい壮絶な銃撃戦もさることながらそういう「人間」の本質を描かれている点が素晴らしいと思う。 本作ではほとんどデニーロとパチーノ同じ人種の人間として描かれていたと思う。 自分の生き方は他人を不幸にしてもどうあっても変えられなく、自分の生き様を貫くことしかできない男達。 二人のプロフェッショナルは、一方は警官で他方は強盗であっても根っこは同じ。 根っこが同じだから、それがラストの握手に現れたような気がした。 それぞれの仲間が死んだが、二人にとって別に恨みも何もない、お互いがお互いのなすべき事をして、それぞれが力を出し切った結果でのこと、検討ハズレかもしれないけどスポーツをした後健闘をたたえあう姿にだぶってみえた。 主演の二人も良かったが、初めてヴァルキルマーが良く思えた。奥さんに見せた最後の笑顔もなかなか良かった。 パチーノは最初の方でちょっと軽い感じがしたが、映画全体のバランスを取っての事かもしれない、それとも表面の軽さと内に秘めた重さの二面性を表したかったのかもしれないけど。 二人のプロを描いた映画だが、疲労感や緊張感が詰まった本当のプロが作った映画とも言える。マイケルマンというもう一人のプロも忘れてはいけない。 出てきたと思ったらあっけなく死んでいく他の俳優陣もリアルで良いと感じた。
9点(2004-10-09 19:49:56)(良:3票)
50.  モンスター(2003) 《ネタバレ》 
とても切ない映画としか言いようがない。 5ドル使い切ったら死ぬことを考えていた、そんな絶望と孤独の中に見出した一つの光。 それがセルビーとの愛。絶望の世界が大きく変わった瞬間、あのスケート場の描き方は特に良かった。 誰よりも愛や自分を信じることに飢えていたアイリーンだからこそ、セルビーとの会う約束が生きたいという思いに変わり、人殺しをするきっかけになったのだろう。 恐らくセルビーとの出会いがなければ、あのまま乱暴されて死んでいたはず。 ただ、その光が純粋すぎて、その光を守るために次々と悲劇が繰り返されることになる。 肉体的にも精神的にもボロボロになっていくアイリーンに比べて、セルビーの無邪気さが余計に引き立つ。 自分はモンスターはアイリーンではなくセルビーと思っている。 無垢な笑顔の下に潜む怪物、その怪物がアイリーンを犯罪へと導く、自分が言い出したこととも気づかずに。 中盤セルビーの描き方がイマイチはっきりせずよく分からないなと感じていたが、分からないからこそ逆に何を考えているか分からない、だからその分恐怖を感じた。 ただ、幸せに暮らしたかったその一言がセルビーの考えなんだろうが、怪物は犯罪の共犯にもならずに、当然のようにアイリーンを裏切る。 裏切られてもなお、セルビーを守ろうとする姿にアイリーンの絶望の淵から救ってくれた想い、愛の強さを感じる。 セロンの13キロ増の身体、汚い顔、滑稽な動き、全て頑張っている感じたが、それだけではアカデミー賞は獲れない。 暴力的な男を殺すことに対しては神にも正面から向き合えると言ったが、無実な男を殺す際の演技、そしてバス停での告白、あのシーンはとても素晴らしく胸を打つ。 夢を見ていた少女の現実は、結局はまた夢のような世界でしかなかったか。
9点(2004-09-26 03:25:35)(良:2票)
51.  リディック 《ネタバレ》 
ここだけでなく世間一般でも酷評されている上にピッチブラックもそれほど気に入った作品ではなかったので全く期待してなかったけど非常に満足できる出来に仕上がっていると思う。 ピッチのストーリーは引き継ぎながらも全く違う世界観と凝りに凝った映像と迫力には圧倒される。 特にあの一見、趣味の悪いデザインはこの世界観にまさにピッタリだし、魂の描き方や熱風、ロードマーシャルの動き、熱風ダイブ自殺にも中々のセンスの良さを感じる。 キャラクターも多彩、賞金稼ぎにネクロモンガー、前作の生き残りや勘のいい看守とそれぞれに独特の個性や世界観に合ういやらしさを感じるし、役にあったセンスのイイキャスティングも良かった。 ヴィンディーゼルは全く好きな俳優ではないが、あのゴーグルのおかげで表情の演技をしなくていいのでむしろ良い、外し方には問題があったが。 アンチヒーローと言われている割には悪っぽさを感じられないのがイマイチ、むしろ前作見殺しにしようとしていたノリを消えうせ、イマムを殺されたらそいつを殺しに乗りこむし、自分の危険を省みずにキーラも助けるからむしろヒーロー性しか感じられないのが残念だ。 美女にくっついていくところとかはいいけど野獣とか言いながら、あのイヌをてなづけられるのなら前作でエイリアンをてなづけてくれよ。 ストーリーも悪くない、内部での紛争や陰謀、無茶苦茶な教義が話を一層面白くしてるし、息を入れる隙がないほどテンポも良く練られた脚本も素晴らしい。 ただ、この映画3つの間違いを犯している。 一つは、ジュディデンチを起用していること。確かに重みのある女優だが、彼女がやる必要を感じられない。むしろ一人だけ浮いてしまって完全にミスキャストと言わざるを得ない。せっかくの世界観が壊れかねない。 二つ目は、熱さや寒さ、スピード感を俳優が全く演技していないこと。映像は良いのに俳優が何も感じていないのに、観客は何を感じればいいのか伝わらない。 三つ目は、おすぎを起用していること、言わずもながだが。今ならハッスル小川とか使えば面白いはずだった。 アメリカでは中コケしたし、面白がるターゲットが狭いので続編見たいけど厳しそう。多少ドラゴンボールに近いモノも感じるので、好きな人には是非あの迫力を映画館で楽しんでもらいたい。
9点(2004-08-08 00:37:45)(笑:1票) (良:1票)
52.  ゴッドファーザー PART Ⅱ
Ⅰに引き続き、東劇のデジタルリマスター版を見る。 Ⅰよりか感動は薄い、画面もそれほど綺麗ではなかった感じだった。 Ⅱはパチーノの演技が良かった。 感情がなく表情もあまり変わらない全く何を考えているか分からない冷酷な男を演じている。 唯一表情が大きく変わったのが、フロドが接待用の店をジョニーから聞いたとしゃべり、裏切り者だと確信した瞬間の表情。感情を押さえていた分、マイケルの衝撃が大きかったことを感じた。 フロドも良かったな、優しい小物っぷり、弟に指図される屈辱、人から尊敬されたい想いが伝わってきた。 この映画の特徴はやはり、親父との対比。 親父とマイケルの違いはやはり周囲からの信頼感があるかないかだろう。 人を信頼せずに何でも一人で抱え込んでしまうマイケルに対して親父の包容力と行動力。 立ち退きを迫られた婆さんの頼みまで聞いていたが、恐らくあれがマイケルなら、絶対に相手にはしないはず。 親父は婆さんを通して不動産屋までも取りこむのに成功している。 そんな親父が作ったファミリーを守りたいマイケル。 マイケルにはいい意味でドンの器ではないと感じた、才覚は親父以上なのかもしれないが。 敵を抹殺するだけだと語っていたが、抹殺していたのは敵だけではなく敵ではない兄貴・妻・信頼がおける仲間たちだった。 その果てにあった孤独、ラストのマイケルの視線には何があるのか。あの眼には全てを失った明日しか写らないだろう。 マイケルが語った衝撃の一言が「人は必ず殺せる」、やっぱりマイケルは感情が死んでしまったただの殺人マシーンだ。 減点材料としては、冗長すぎる点、ロスとのやり取り、公聴会とかは確かに必要なシーンだが少し間延びしている感じがするのと緊張感や緊迫感があってもいい所で少しそれらが感じられなかったところが気になった。
9点(2004-07-25 23:07:22)
53.  トレーニング デイ
全編を通して息を抜けないそして張詰める緊張感が素晴らしい。 デンゼルの演技も、アカデミー賞に値する演技だった。 容赦や躊躇もない非情さや、強がったり、情けない部分も出しながらも、イーサンを見つめる表情が何とも言えず良い。 「ヤツの眼はイイ」と語ったようにイーサンのような正義感が溢れた若者を見て、過去の自分と重ねていたような視線が色々なことを物語っていた。 狼を狩るために狼になるしかなかった男…ちょっと切ない。 イーサンも悪党になるかどうかのトレーニングデイを乗り切り、苦悩しながらも腐ることはなかった正義感と精神の強さと熱い男を上手く演じていた。 アカデミーにノミネートされるのは確かに誇りあることだけれどもさすがにこれで助演はないだろう。 正義とは何かという倫理的な問題を含みながらも、テンションが高くテンポ良く全編主役2人だけでストーリーを描ききった創りは見応えがあった。
9点(2004-07-19 21:15:44)
54.  スパイダーマン2
まずオープニングクレジット出来が素晴らしい。 前作の復習が出来るだけでなく劇画風デザインのセンスの良さが光る。 前作での「ヒーローとして生きる決意」を引き継いで、本作では「ヒーローとしての責任の重さ」、「その重さと一人の若者としての葛藤」、「ヒーローの孤独感」の三点が上手く描けていたと感じた。 ヒーローではない時の一人の若者としてのピーターパーカーに対してスポットを当てることにより、家賃を稼ぐために働かなくてはならない等の日々の営みがある「一人の人間」であることを改めて強調している。 普通の人間であることを強調することにより、ヒーローの困難さとその重みがますます感じられ、またヒーローとして生きるためには何かを犠牲にしなくてはならないことに説得感が増す。 しかし、たとえヒーローであっても、人を愛することまでも犠牲にしなくてはならないのかという問いに対しては、苦悩する一人の若者ということを強調することにより、ヒーローでも人を愛してもいいんではないかという答えを出したと思う。 今回、顔を晒しまくったのは、ヒーローの重みは一人で背負えるものではない、周囲の人の支えや愛する人が見守ってくれるから、ヒーローとして頑張れるということを言いたかったのではないだろうか。 それを描いたのが、電車のシーンだろう。ヒーローモノとしては最高のシーンだと思う。 ピーターの表情も良かったが、ぶっ倒れそうなピーターを皆で支えるシーンは、ヒーローはたとえ一人で戦うとしても、一人だけでは出来ない、周囲の人によって支えられるから成り立つことを表しているように感じとれた。確か前作でも橋のシーンで周囲の人に助けてもらっていたはずだ。 他にもピーターには支えてくれる叔母さんがいる。 一度は捨てたはずのヒーローの道を取り戻すきっかけになる叔母さんのセリフは本作のテーマ。あの叔父さんと叔母さん夫婦は本当にピーターにいい影響を与えてくれる。 期待していたんだが「1」に続いて地味なままで終わったハリーは次回では出番がありそうで楽しみ。 エレベーターや腰痛ネタもあり、笑えるシーンや泣けるシーン、爽快なシーン、苦悩するシーンなど様々な感情を味わえる本当に良い作品に仕上がっていると感じた。
9点(2004-07-04 02:38:06)
55.  アダプテーション
「adaptation」には、①適合、適応、順応という意味と②改訂、脚色という意味がある。 まさにこの映画はこの二つを兼ね備えた映画なんだろうと思う。 原作「蘭に魅せられた男」に書かれたストーリーが進行すると同時に、「蘭に魅せられた男」を書くために取材するオーリアンのストーリーも進行する。 そして「蘭に魅せられた男」の脚本を頼まれたカウフマンのストーリーや妄想とともにカウフマンが描く脚本の内容(人類誕生等)も映画の中に描かれている。 この映画は二重、三重、四重へと広がりを見せながら、それぞれが変化、適合しながらストーリーが見事に進行していく点に面白さを感じる。 また、この映画は現実を描いていそうでありながら、全て脚色の世界の中にある点も面白い。 もちろんドナルドなんて兄弟はいないし、「3」も存在しない。 確かチャーリーはハゲてもなければデブでもなかったはずだ。 実在するはずのラロシュも恐らくワニに食われたりもしないだろう。 これらはマッキー(存在するのか?)が言うように全てはラストで観客を唸らせるための脚色にすぎない。 このラストには本当に唸らされる。 冒頭に語っていた「ドラッグ、銃撃、カーチェイスや立派な教訓を学ぶような映画にはしたくない」と語っていたカウフマンの話が見事に伏線になっていてそれがラストに繋がっている。もちろんハリウッド的な映画に皮肉を込めて。 しかし、確かにこの映画では立派な教訓は学べないかもしれないが、「愛することは自由」という愛の大切さや人生への一縷の希望を感じさせた小さな教訓はチャーリーは描いてくれたなあと感じる。 ほかにも「現実はたんたんとしているか」というマッキーの言葉にはドキッとさせられる。 この映画の中に描かれた世界は一応脚色された世界であるが、「映画の中の世界」と「現実の世界」にはそれほどの差があるのかどうか色々考えさせられたところもある。 実在の人物を脚色した映画であるが、ここに描かれた人物と実在の人物もそれほど差は無いのではないかという気がする。オーリアンの孤独、カウフマンの神経質な自己嫌悪など、現実社会に生きる「人間」の鋭い現実を描いている気がしてならない。
9点(2004-06-25 15:26:29)
56.  ミスティック・リバー
殺人事件が絡んでいるので、サスペンスと勘違いして観るとピントがずれるでしょう。 自分の殺した男の息子が自分の娘を殺してしまうという悲劇の連鎖という意味はあるけど犯人なんてどうでもいいのかもしれない。 後味が悪さはあるが、人生の不可思議さ、人間としての弱さ、哀しさ、愚かしさ、業の深さを描いているので安直なハッピィエンドには終われない。 唯一の救いは、ショーンが妻を失いかけているその時、妻が出て行ったのは自分にも原因があったという現実を直視できたことではないのか。 人生の苦しみという現実を直視できない人々が数多く登場する。 ジミーは元妻の死に立ち会えない悲しみをただのレイを殺すことで、娘を失った悲しみをデイブを殺すことで慰めようとしている。 アナベスは夫がやったことに対して、「家族のためにやったこと」と現実逃避をし、セレステが変なことを言ったから責任を転嫁する。 セレステも夫と向き合うことができずに、疑い続け、信じられず、「殺したのは夫かも」と苦しみをジミーに解決してもらおうとしている。 デイブは少年時代の想像を絶する痛みから逃れることが出来ずに、現実とは向き合えずにいる。 ジミ-が最後にデイブを見たのはいつだとショーンに尋ねられた時に、子供時代に連れ去られた時を思い起こすシーンやデイブが夢や青春を失ったと告白するシーンから象徴されるように主題は少年時代に受けた苦しみは決して消えることなく、大人になってもその苦しみから逃れることは出来ずに襲い続け、それは被害者だけでなく、その周りの人々にも大きな影響を与えるということだとは思うが、登場人物を見ると現実を直視できない人間としての弱さを感じずにはいられない、ラストのパレードでの父親がいなくなり深い悲しみを抱えた少年がどういう人生を送るのかと考えずにはいられない。悲しみは続いていく…ミスティックリバーはジミーにとっては罪人の罪を洗い清めてやる死体を沈める河なのかもしれないが、自分にとっては人生こそ不思議な河のようなものかもしれないと感じた。俳優の演技に注目が集まっているが、ショーンペンの娘を失った悲しみを最大限に放出するシーンや喪失感、苛立ちを抱えた演技。ティムロビンスの過去の呪縛から開放されることなく、苦しみと怒りを抱えながら抜け殻のようになってしまった表情や演技は素晴らしいとしか言いようがない。
9点(2004-06-25 14:59:27)(良:3票)
57.  恋愛適齢期
女性監督らしい優しさ、暖かさに溢れ、丁寧にそしてユーモアを交えながらセンスのある恋愛映画に仕上がっている。 特に前半のニコルソンとキートンの二人の会話やメールのやり取りが絶妙で素晴らしい。 小石、タートルネック、心臓病の胸の痛みやメガネなどの使い方もレベルが高くセンスの良さを感じる。 傷つくことの痛みを描きながら、恋には傷つくことを恐れては得られない喜びがある。恋愛に歳は関係ない、何才になっても人間として誰でも感じる感情だという想いが伝わる素晴らしい映画。 二人にとってお互いが自分の分身であり、自分の全てをさらけだしても理解してくれる人だからこそ、キートンはニコルソンを選んだんでしょう。ニコルソンにとっても、63歳にして初めて恋を知る相手であった。出会いから、知り合って、惹かれあい、別れた寂しさ、すれ違い、恋の痛み、痛みを克服する様、自分と向き合い様、真の気持ちに気づいた時には時すでに遅いといったように、恋愛の全てを丁寧に描きすぎているため、多少散漫な印象を受けたのが不満な点だが、恐らく時間をかけてじっくりと脚本を練ったためでしょうか。 自分も最初、キアヌがキートンに惚れるのは無理があるのではと思っていたが、自分の好きな作家というだけでなく、キートンが電話で話している時の笑顔を観て、自分の胸に感じたものを知りたいという動機には納得がいった。年上の女性だとしても、女性の笑顔には惹きつける何かがありますからね。
9点(2004-06-25 14:43:02)
58.  ラブ・アクチュアリー
様々な「愛」が溢れた心温まる素晴らしい映画。普通の恋愛だけでなく、言語を越えた愛やあり得ないシチュエーションの愛、友情や、兄弟愛、親子愛など様々な形の愛が描かれているのが特筆すべき点だろう。 どの愛にも美しかったり、切なかったり、応援したくなるようなものがあったりと、この短時間でよくもここまで良い内容にまとめ上げたなという気がする。この映画のどれかに共感できない人はほとんどいないのではないか。 その中でも、個人的には少年の片思いのストーリーと親友の彼女を見守り続ける男のストーリーには泣けた。 好きな女の子のために必死になれる少年の姿には心打たれたし、それに報いてくれる少女の姿も良かった。 また、親友の彼女のエピソードでは、好きな女性だからこそ素っ気無い態度を取り続けて、それがばれた時にでも、どうすればよいのか分からずにとりあえずカッコつける態度がどの国でも同じなんだなと思う。あの「愛」の伝え方もクールだな。悩みに悩んで相手を困らせないように相手のことを一番に考えた方法だろう。「enough」という言葉に重みと後悔のない潔さを感じる。  本当は10点を付けようか悩んだけど自分の心のどこかでそれをストップさせた。なぜなのか考えてみると、この映画は「なぜ二人は恋に落ちたのか」「なぜ相手を好きになったのか」を描いていないからではないか。ほとんどのエピソードでは既に相手のことが好きであり、「どうやって愛を伝えたか」「どうやって恋(友情)を成就(確認)させたか」「いかにして愛を成就させなかったか」という恋の起承転結のうちの「結」に特化して描かれていた気がする。だからこそ、これほど多くのストーリーを詰めこむことができたのだが、それが小さなマイナス材料にもなっている気がする。特に、首相の恋には何らかの引きがねと障害が欲しかった気がする。ヒューグラントは面白い役柄を演じていたが、あの二人の恋には何も感じるものがなかったのが残念である。身分ゆえの障害、見た目ゆえの障害というのももっと押し出すべきではなかったか。 
[映画館(字幕)] 9点(2004-06-25 14:40:30)(良:2票)
59.  スクール・オブ・ロック
日比谷で観ましたが、観客ダイブとラストには拍手が巻き起こりました。 「LOTR」や「SW」ならよくある話だけど、それほどメジャーでもないこの作品でみられるとは思わなかった。それだけ皆ハマッたといえるのではないでしょうか。  自分もロックは全然詳しくないけど、十分楽しめた口です。 ジャックブラックの好演もさることながら「ロック」への熱い情熱を高く感じられる。  ブラックの役どころが特に良かった。 途中からブラックの子どもたちへの接し方も上からモノを言うというより、同じ目線で語っているように感じられ、演じる曲もザックが原案し、皆で一緒に完成させていく姿に自分も引き込まれた。  一番気に入ったシーンは、突然の曲変更で一番きつかった照明係に演者よりも一番に労をねぎらったようなところですね。 演者だけが光があたるのではなく、それぞれ一見地味な役ところにもクラスの子どもたちを配置し、クラス全体でライブを成功させたというのが伝わってくる。 だから、子どもたち皆活き活きと演じていたような気がする。  ブラックも「ロック」の精神を教えていたつもりが、子どもたちに改めて「ロック」の精神を逆に教わったのではないだろうか。  校長や同居人の「夢」や「大人」について語るサイドストーリーも描かれているのでより深みをましている。
9点(2004-06-25 14:36:32)(良:3票)
60.  ブレイブハート
愛する人と平和に静かに暮らす自由を求めて戦った男たちの情熱を感じる。 友情や裏切り、それぞれの立場の複雑な想いが描かれており、特にブルース親子の二人の立場の関係がストーリーをより面白くしている。 ラストも「自由」のために殉死したウォレスの意思が引き継がれていく想いを感じ、何のために戦い、何のために死んだかがより明確になった。
9点(2004-04-30 16:18:11)
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