61. ブルーバレンタイン
《ネタバレ》 二組の男女のストーリーが平行して語られていると思ってたら、片方は5年前の話だった!恥ずかしい話だが正直言って中盤まで、いや終盤近くまで気づかなかったよ。わかってみるといろんなことがぱぁっと繋がってくる。出会ったばかりの頃のディーンと現在のディーンの対比が際立っていてその不器用さに切なくなる。しかし、最後にモーテルに持ってきていたCDが若い頃のあの曲だと分かったときに、本質的には変わっていないんだと思えた。好み30/50、演出10/15、脚本11/15、演技8/10、技術6/10、合計65/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-15 23:01:06) |
62. ビューティフル・マインド
天才とはこういうものなのか。常人には理解できないような、アメフトの動きや鳩の動きといったものにまでそれを支配する行動理論を見つけようとする。幻覚に悩まされ統合失調症と診断されるがあんなにも幻覚が確かに感じられるものなのだろうか。常人には理解できない部分が大半を占めるが、それでも、名を挙げてから万年筆をもらう場面は、ぐっときた。ああ、多くの人に評価される業績を上げたんだなあと、感慨深かった。追記:先日モデルとなったジョン・ナッシュが事故で急逝した。まだ生きていることにもびっくりしたが、多くの功績を残した偉大な天才がこういう事故で亡くなったことが残念でならない。冥福を祈るとともに再来といわれるような人物の登場を祈ります。好み40/50、演出9/15、脚本8/15、演技8/10、技術8/10、合計73/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2017-03-15 22:57:42) |
63. ブラッド・ダイヤモンド
家族を救うため必死なソロモンとダイヤ密輸に暗躍する死の商人アーチャーの奇妙なコンビだが、不思議とどちらも応援したくなる。アーチャーがダイヤを欲しがった本当の理由は何なのだろうか?本当にアフリカを抜け出したかっただけなのだろうか?まだ別の理由がありそうな気がするが描かれなかったので想像するしかない。貴重な資源を巡るアフリカの悲しみやそれに振る舞わされる住民、食い物にしようとする欧米の思惑などが全編を悲しみで覆い尽くしている。どんなにいい結末でも、心が晴れるようなことはないと感じさせる映画であった。好み35/50、演出12/15、脚本12/15、演技9/10、技術6/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-02 23:17:35)(良:1票) |
64. ボビー・フィッシャーを探して
天才ボビーフィッシャーの再来を夢見る周囲とは対照的に、冷静で野球も大好きな少年ジョシュ。むしろ野球をやっているときの方が楽しそうでさえある。大会では勝った喜びよりも負けた相手への気遣いで顔を曇らせる優しいジョシュが、葛藤を乗り越えてと言うよりは何とか心の折り合いを付けながら、それでも好きなチェスはやめないという幼いながらも揺れる心にジーンとくる。好み35/50、演出11/15、脚本9/15、演技7/10、技術9/10、合計71/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-02 23:14:13) |
65. シンドラーのリスト
自分の工場に必要と言うことで迫害を受けているユダヤ人を大量に採用するのだが,私財をなげうち事業そっちのけでユダヤ人に入れ込んでいく過程が不明瞭だ。ゲットー解体の際の赤い服の少女が象徴的に描かれているが、もともと楽天的で社交的な事業家シンドラーが変化していく過程、心境をもっと感じたかった。もちろん素晴らしい映画であることに異論は無い。映画の出来とは関係ないが、ついシンドラーと比較してしまうのが元リトアニア公使の杉原千畝だ。本国の命令に反してまでも公使権限の及ぶぎりぎりまでビザを書き続け結果的に6千人とも言われる戦争難民を救っている。よく杉原のことを「日本のシンドラー」という言われ方をしているが、僕に言わせればシンドラーこそ「ポーランドの杉原」だ!好み40/50、演出12/15、脚本8/15、演技6/10、技術8/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-02 23:07:15) |
66. 大統領の陰謀
ウォーターゲート事件って名前は知っていたけど内容は知らなかったよ。でもこういう硬骨なジャーナリズムが一部でも残っていることにアメリカの良心を感じる。この二人が居たからこそあれだけ大きな政界の闇が明るみに出たのだろう。ワシントンポストの上層部(特に編集主幹)のとる方針も大きかったのだろうが、最終的には2人と報道の自由を守るという決断で2人を後押しする、いい役どころであった。編集主幹を演じた役者がオスカー獲得というのもうなずける。好み40/50、演出11/15、脚本8/15、演技8/10、技術6/10、合計73/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 23:02:48) |
67. ハンニバル・ライジング
レクター博士のルーツが分かる作品だが、やはりこのレクターハンニバルシリーズの魅力は、天才レクター博士の完璧なまでの天才っぷりにあると思う。若く未熟なレクターなんて見たくないっ!せっかく若く魅力的な日本人、レディムラサキが出てくるのはうれしいが、女優が中国人なのは残念だし、鎧甲に対する儀式などあまり日本風でないなあと感じたり。レクター博士には、妹の敵討ちなんてかっこいいこと言わずに、自分の興味の赴くまま猟奇路線を突っ走ってほしいものだ。好み30/50、演出10/15、脚本10/15、演技7/10、技術8/10、合計65/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 23:01:58) |
68. アラバマ物語
ノスタルジーに満ちたアメリカ南部の牧歌的物語かと思って観てたらどっこい、法廷ものだったんだね。差別の色濃く残る南部で黒人の弁護をするなんて当時としてはあり得ないことだったのだろう。それに対して敢然と立ち向かい、冷静な弁護をするアティカスだが、なんでもアメリカでは現在に至ってもこのアティカスというキャラクターがアメリカの良心を体現したヒーローの代名詞となっており、人気なのだそうだ。なんという自己矛盾を抱えた国であることか、びっくりしてしまう。心の奥底に未だ差別という感情を宿しておきながら一方ではアメリカの良心を信じることができてしまうなんて。こういう奥深さというか多様性がアメリカの良さであり、強さなのか。好み35/50、演出11/15、脚本13/15、演技8/10、技術6/10、合計73/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 23:00:22) |
69. デトロイト・ロック・シティ
敬虔なクリスチャンからしてみれば(そうでなくても?)KISSは姿形も音楽も悪魔のように見えてしまっても不思議ではない。そんな母親にせっかく手に入れたKISSのチケットを燃やされてしまう。映画的に最後はコンサートを見られるだろう結末はなんとなく分かってはいるもののどうやってそれを達成するのか。四者四様の努力(努力じゃないやつもいるが)が面白い。若者らしいハチャメチャな考え方、行動、決断が新鮮に見えて来るってことは僕もオヤジになってきたってことかな。好み35/50、演出12/15、脚本10/15、演技6/10、技術7/10、合計70/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 22:55:25) |
70. A.I.
母親に対して永遠の愛を持つよう設定しておきながら、自分の子供が帰ってくるととたんに疎ましく思いついには捨ててしまう人間のエゴ。不思議なことにこの作品に出てくる人間には全く愛着が持てない。人間よりも情緒的理解に劣る?はずの様々なロボット達の方が、(最後に出てくる未来のロボットも含めて)断然人間らしさを感じることができ、応援したくなる。前半はデイビッドに感情移入しすぎてつい泣いてしまったが、後半の展開はかなり予想とは異なっており、さすがキューブリックが原案に絡んでいると言うだけあるストーリーだった。「さすが」とは言ったがそれは別に褒めているわけではなく、もう少し分かりやすい展開でも良かったのではないかな、と思う。それでも最後には母親の愛に包まれることができて、デイビッドの幸せそうな顔を見たらなんとなく安心して映画を見終えることができた。好み40/50、演出10/15、脚本8/15、演技8/10、技術8/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2014-03-03 22:54:27) |
71. フォレスト・ガンプ/一期一会
過去の有名な映像とうまく合成した場面を多用した面白い趣向の映画だが、そんなにうまくいくかよ!というご都合主義に対する反感の方が先に立ってしまう。有名人達との交流は無くとも、何事にも一途に真摯に取り組むフォレストの描写だけで同じ感動は作り出せるのでは無かろうか。と、大好きな「ショーシャンク」が同年のアカデミー賞を軒並みこの作品に奪われているのでどうしても色眼鏡で観てしまうが、まあ悪くない作品だと思うよ。好み35/50、演出14/15、脚本9/15、演技9/10、技術7/10、合計74/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2013-07-09 23:05:45) |
72. エンド・オブ・ホワイトハウス
《ネタバレ》 いろいろ突っ込みどころはあるものの、素直に楽しめた(予想以上に)。やっと繋がった奥さんとの電話で、トラブルに巻き込まれているのが分かっているにもかかわらず当たり障りのない会話に終始する様が、声高に心配する会話よりお互いの信頼感や愛情を上手に表現していて印象に残った。あと、ホワイトハウスを知悉しているはずの大統領の息子がもう少しストーリーに絡んでくるのを期待してたのにあっさり退場とはあっさり過ぎるよ。せっかく面白い設定だと思ったのに。アクションシーンは、カメラワークが揺れすぎていて映画館で観てるとほんとに酔いそうだった。やりすぎ!好み40/50、演出10/15、脚本8/15、演技7/10、技術6/10、合計71/100→7/10点 [映画館(字幕)] 7点(2013-07-09 23:02:35) |
73. ゲーム・プラン
ストーリー自体は過去に何度も作られている父子関係の再構築ものであり、目新しさは何もない。しかし、よくできたユーモアをアメリカ人の大好きなアメフトに絡めながら上手に作ってあるコメディーだ。気軽に観ることのできる佳作である。冒頭で、ワイドオープンに関わらず無視されたレシーバーに最後の試合で決勝パスを送るなど、伏線の回収もソツがない。本作品でただ一人幸せになれなかった(思い通り行かなかった)代理人のオバサンが、些細なことにも金の渦巻くNFLを象徴していて滑稽さが際立っていて面白かった。好み35/50、演出11/15、脚本10/15、演技7/10、技術8/10、合計71/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2013-05-15 23:47:26) |
74. エクスペンダブルズ2
映画の出来を云々言うのはナンセンスである。まさにこの顔ぶれをノリに任せて気楽に鑑賞するのが正しい観方であろう。相変わらずカメオ出演が豪華であり、チャック・ノリス・ファクトが本人の口から聞けたり、シュワちゃんが溶鉱炉で溶かすぞと脅されたりと、見てるだけでニヤリとしてくる。それぞれの登場のしかたが何の脈絡もなくても全く気にならない。それどころかその唐突さが逆にこの映画らしく割り切れてて好感が持てる。ストーリーなどは前作よりも分かりやすく、展開にも無理が少ない。続編もあるようだが、この路線を何のためらいもなく突っ走って欲しい。好み40/50、演出8/15、脚本7/15、演技6/10、技術6/10、合計67/100→7/10点 [映画館(字幕)] 7点(2012-11-21 23:13:09) |
75. インヴィンシブル/栄光へのタッチダウン
70年代のフィラデルフィアといえば「ロッキー」しか頭に浮かばないロッキーファンの筆者にとって、この映画でロッキーのアパート風の建物が出てくる時点で条件反射で目に涙が浮かんできます。映画観ててもロッキーのことがちらついて頭から離れません(笑)。ヴィンスのポジションが劇中で明確に示されてませんが、主にスペシャルチームでリターナーへのタックルを求められていたようです。アメリカ人には特に説明は不要なのかもしれませんがこういった分かりにくさが日本未公開の理由かもしれません。最終的には好プレーでチームに貢献する結末は予想通りですが、元妻から愛想をつかされていく描写や、相手にされてなかったチーム内で信頼を獲得していく描写がもっとあれば、より良いドラマになったような気がします。好み35/50、演出8/15、脚本10/15、演技8/10、技術7/10、合計68/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2012-11-21 23:07:00) |
76. マダガスカル3
美しいアニメーションとテンポの良い展開で安心の子供向け作品だ。フランス系カナダ人が動物のいないサーカスをヒットさせていることなどにチクリと皮肉ったり子どもには分からないような笑いも盛り込まれており、大人が見ても楽しめる内容でもある。それにしても相変わらずペンギンズがかっこよくて面白い。ペンギンズ主役のスピンオフアニメが作られているのも良く分かる。この作品を見てますますペンギンズファンになってしまったよ。好み30/50、演出12/15、脚本10/15、演技7/10、技術9/10、合計68/100→7/10点 [映画館(吹替)] 7点(2012-08-19 23:56:29) |
77. ゴッドファーザー
ゴッドファーザーの存在感の大きさが画面を通してひしひしと伝わってくる。それは老い衰えたあとも変わることはない。また、最初甘やかされた末っ子というイメージだったマイケルが裏の世界に足を踏み入れて以降の変化、つまり態度だけでなく顔つきや目つきの変化が際立っており、ある意味恐ろしくさえ感じた。名優たちの迫力の演技を楽しめる映画である反面、ストーリー展開は冗長な感が否めなかった。好み30/50、演出11/15、脚本9/15、演技9/10、技術8/10、合計67/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-19 23:51:30) |
78. ファンダンゴ
徴兵、仕事、結婚など大学卒業とともに訪れる仲間との別れ、その間際に繰り広げられる卒業旅行とも言えるバカ騒ぎ。正直、こういうバカのできる仲間って羨ましくて仕方ない。喧嘩もするだろうし、顔も見たくないと思うこともあるかもしれない。本作でもノリノリで出発したはいいが途中からはとても和やかな道行きとはなっていない。でもいろいろやったあと、昔みんなで埋めたシャンパンを掘り出して乾杯するころには、仲間と一緒に過ごした学生時代を振り返り、言葉はなくとも同じ思いを抱いていたに違いない。年代は違うものの、スタンド・バイ・ミーに通じる羨ましさを感じさせてくれる作品であった。好み35/50、演出10/15、脚本9/15、演技8/10、技術9/10、合計71/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-20 22:23:41) |
79. ペーパー・ムーン
古い歌にも出てくるペーパームーンって何のことか分からなかったけど、向こうではカーニバルなんかで定番の写真背景なんだね。アディが本来親しい人一緒に撮るはずのペーパームーンに一人で腰掛けてるシーンは胸にこみ上げるものがある。ラストシーンでもこの写真が使われており、まさにタイトルがしっくりはまっている。ボーイッシュで機転の利くアディが子どもながらも、女の子らしい心理をもうまく表現しており、アカデミー助演女優賞を最年少で受賞したというのもうなづける。ロードムービーとして、定番的な作りになっており、ラストも想像の範囲内だが、トータルとしてバランスの取れたいい映画となっている。好み30/50、演出13/15、脚本10/15、演技8/10、技術7/10、合計68/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-20 22:22:00) |
80. 9|11 N.Y.同時多発テロ衝撃の真実
《ネタバレ》 1機目の突入を唯一カメラで捉えた彼らは、偶然とは言いながらもまさに歴史の目撃者となった。さらに幸運が重なったのはもともとの取材対象が消防隊であったことだろう。そのまま消防隊に随行し、事件発生から救助隊の現着、2機目の激突、ビルの崩壊と立て続けに起きた出来事をもっとも間近で記録した映像に違いない。ニュース映像などでたいていの映像は見た気になっていたがニュースでは流されなかった映像も多く、粉塵の中に飲み込まれる映像など想像を絶するような事象を追体験させてくれる。また、新人を含めた消防士たちの人間関係や信頼感を丁寧に描き出していることも、彼らへの感情移入を生みだし全体に緊張感を与えることに成功している。テロへの思いは人それぞれあるだろうが、あの日あの現場で何が起きていたのか、一度は観ておくべきドキュメンタリーであると断言する。好み35/50、演出13/15、脚本12/15、演技5/10、技術7/10、合計72/100→7/10点 [DVD(字幕)] 7点(2012-06-20 22:18:45) |