1261. 目撃(1997)
全体的に地味な感は拭えないが、演技巧者揃いのキャスト陣が質を高めている。特にイーストウッドとエド・ハリスの掛け合いは、何気ない会話のシーンでありながら深い印象を残した。ジーン・ハックマンの悪徳大統領ぶりも、思わず憎しみを込めて見てしまうほど良かった。 7点(2003-10-21 01:10:25)(良:1票) |
1262. アステロイド/最終衝撃(TVM)
あくまでテレビ映画なので、当然ながら通常の大作レベルのクオリティはないが、マイケル・ビーンが主役ということもあって楽しみどころはある映画に仕上がっている。これといった特色はないが、ストレートな展開は良い意味でB級っぽさが際立っていて個人的には楽しめた。 5点(2003-10-21 01:06:18) |
1263. ザ・ファン
様々なストーカー行為が知れ渡った現在においては、この映画のストーリーに関してはさほど目新しいものはなくもはやありきたりともいえるもの。もう見るべきものは、ロバート・デ・ニーロの演技のみとも言えるが、それでも恐怖感をもって見せる彼の異常ぶりは流石。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-10-21 00:58:39) |
1264. エイリアン
この映画をまともに観るのは何年ぶりだろうか。 いや、実際は、かつて淀川長治氏の日曜洋画劇場で放映された吹替え版を何度が観た程度で、字幕版をしっかりと観るのはこれが初めてだったのかもしれない。(しかも今回はBlu-ray特典のディレクターズカット版) もちろん、エイリアンがどういう場面でどういう登場を見せるかということは把握しており、ストーリーの顛末も当然知っているのだが、それでも次の瞬間にもエイリアンが襲いくるというシーンでは、恐怖の余り目を背けがちになってしまった。 リドリー・スコットが生み出したこのSFモンスター映画の醍醐味は、何を置いてもやはりその「恐怖」だと思う。 宇宙船という完全に閉鎖された空間に突如として付加された恐怖。 それは、モンスターそのものに対する恐怖というよりは、それから逃げられないという恐怖の真髄だ。 そこにある思惑により隠された真意による不信感が巧みに混じり合い、映画史上かつてない恐怖感を生み出したのだと思う。 今回どうしてもこの映画を再見したかった最大の理由は、今作の前日譚として公開されたばかりの「プロメテウス」を観るため。 改めて今作を見返してみると、エイリアンそのものの出生をはじめ、その発端となるシーンのあらゆる「謎」が気になる。よくもまあリドリー・スコットは、このあからさまな「伏線」を30年も放っておいたなと思う。 そして、30年前の映画にも関わらず、映し出される映像世界のスタイリッシュさに舌を巻く。本編開始前の“20世紀フォックス”のタイトルロゴの古めかしさに「そんなに昔の映画なのか?」と違和感を感じるほどに。 P.S.あたり前だが、シガニー・ウィーバーが若い!終盤の“半ケツ”が、その瑞々しさを極めて分かりやすく表現している。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2003-10-21 00:45:25)(笑:1票) |
1265. マイケル
もはやトラヴォルタの十八番ともいえる人を食ったふてぶてしい演技が板についた映画だったと思う。珍妙な天使のキャラクターはトラヴォルタでしかありえないと思えるほど、ハマっていた。ストーリー的にはつかみ所のない感じだったが、印象には残る映画だった。 [映画館(字幕)] 4点(2003-10-21 00:35:32) |
1266. エグゼクティブ・デシジョン
《ネタバレ》 カート・ラッセル&スティーブン・セガールの二大スターの「競演」というプロモーションに乗せられて、映画を見始めた束の間、スティーブン・セガールが死ぬ……。 二大スターの競演を叫んでおきながら、この映画のセガールは、なんと映画の序盤で航空機から吹き飛んで、文字通り消えてしまうのだ。あの「無敵」のセガールが大した見せ場もないまま、退場してしまう展開には映画ファンならずとも呆然としてしまう。 そのまま、カート・ラッセルのワンマン映画に転じて終わってしまうようなら、アンフェアなプロモーションで観客を欺いた"クソ映画”と言われても仕方が無いところ。 だが、この映画はそうではなく、セガールが居なくなってからの展開がとても面白い。 テロリストにハイジャックされた旅客機を奪還すべく、非戦闘員のカート・ラッセルとセガール隊長を失った特殊部隊メンバー、コンピューター技術者、そして旅客機のCAが、あの手この手と策を巡らす。 潜入していることすらもテロリストにバレないように隠密的に危機に対峙していく展開が、終始緊迫感を引き出してくれる。 主人公のカート・ラッセルばかりが活躍するのではなく、それぞれのキャラクターが立っていることにも脚本の巧さをを感じる。 そして、そのキャラクターたちのキャスティングが良い。 残された特殊部隊のリーダーにジョン・レグイザモ、コンピューター技術者にオリバー・プラット、他にも「ターミネーター2」のジョー・モートンや悪役俳優のJ・Tウォルシュを脇に配し、90年代のアメリカ映画をよく観ている人には地味に嬉しい配役だったりする。 それに加えて、主人公を終始サポートするCA役には、この映画の5年後に「チョコレート」でアカデミー賞を獲得するハル・ベリーがキャスティングされ、利発で勇敢なヒロインを好演している。 更には、テレビ映画「名探偵ポワロシリーズ」のポワロ役で馴染み深い英国人俳優デビッド・スーシェが、テロリストグループのリーダーに扮し、印象的な悪役ぶりを披露してくれている。 改めて観返すと、やっぱり相当に面白味に溢れたアクション大作だなと痛感した。 アクション映画は一回観れば充分なんてよく言われがちだが、良い映画はやはり何度観ても良いし、面白さがより深まってくる。 主人公とヒロインのお決まりのラストシーンなんて、ベタ過ぎて逆に最高。 [映画館(字幕)] 9点(2003-10-20 21:01:27) |
1267. ロング・キス・グッドナイト
アクション映画としての迫力はあったけど、後に残るような爽快感はなかった。ストーリーも奇抜ではあるんだけど、わりに描き方に工夫が足りなかったため、驚きが少なかった。見所がないことはないんだけど、なんだか中途半端な印象が残る。 [映画館(字幕)] 5点(2003-10-20 20:45:10)(良:1票) |
1268. 美女と野獣(1991)
昨今のディズニー映画は映像の精巧さばかりを追い求めていて内容に不満を感じるものが多いが、今作は、近年のディズニー映画の中ではやはり秀逸な作品だった。おとぎ話的な雰囲気から、一気にディズニーでしか描けないラブストーリーへと昇華させていく展開は実にファンタジック。 正月休みの最終日、自宅で親族との新年会を終えた後、膝の上の愛娘(4歳)と一緒に随分と久しぶりに今作を観た。 愛娘は途中、主人公が悪役を中心とした村人たちに迫害を受けるシーンを観た途端に号泣していた。 そして、ハッピーエンドでは明らかな多幸感に包まれていた。 子どもの感受性豊かな様は素晴らしいと思う。それをちゃんと引き出すディズニー映画はやはり素晴らしいと思う。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2003-10-20 20:40:54) |
1269. プリティ・リーグ
戦争中に発足した女子プロ野球という設定自体が、とてもエンターテイメント性とドラマ性に溢れたものだけに、面白い映画になることは間違いなかったと思う。曲のある監督を演じたトム・ハンクスの演技が非常に良くて、女性だらけのキャスト陣の中で核となる存在感を見せてくれた。 8点(2003-10-17 14:39:54) |
1270. ボディ・ターゲット
この映画には特に顕著に表れているが、こういうありきたりさがヴァン・ダム映画の持ち味とも言える。面白くないと言えばそれまでであるが、それでも今尚、この人の映画が作られ続けているのは、どこか捨てきれない彼の人気の根強さゆえであろう。 [地上波(吹替)] 4点(2003-10-17 14:18:55) |
1271. プレデター
「姿が見えない」というプレデターのキャラクター性と、それでも倒してしまうシュワルツェネッガーの超人性が、娯楽映画としてバランスよくかみ合っていた。シュワルツェネッガー映画の中では異色とも言える作品だが、人気の高さがクオリティーの良さを物語っている。 7点(2003-10-17 14:14:11) |
1272. バッドボーイズ(1995)
アクション大作として人気が高く、続編も公開される今作であるが、個人的にはそれほどの面白さを感じなかった。ウィル・スミスとマーティン・ローレンスの掛け合いは愉快な部分もあるが、かみ合っているという感じはなかった。アクションシーンにも目を引くほどの派手さはなく、全体的に中途半端な仕上がりに終始していた。 4点(2003-10-17 14:04:24)(良:1票) |
1273. 星の王子ニューヨークへ行く
5人一役という離れ業を見ても分かるように、エディ・マーフィーの絶好調ぶりが見て取れる映画だった。彼のこの手のコメディ映画が作られなくなって久しいが、やはり流行り廃りということだろうか。 [地上波(吹替)] 6点(2003-10-17 14:00:38) |
1274. ミセス・ダウト
ロビン・ウィリアムスのコミカルな演技は一見の価値はあるかもしれないけど、映画全体としては、あまりにバタバタしすぎて落ち着かなかった。テンポも良くなく、鑑賞中に心地よさがなかった。 4点(2003-10-17 13:46:10) |
1275. ピノキオ(1940)
子供の頃は何気なく観ていたけど、考えてみればもう60年以上も前の映画で、その時代にこれほどのアニメーションを作り上げたことにまず感慨深さを感じる。古き時代のディズニー映画は、確実に大人が見るということもあるせいか、実に芸術性が高い。技術的には、確かに近年の作品の方が映像が綺麗で見やすいけど、映画作品としての深みを感じるものが少ない。思うに、アニメーションを作る上で重要なことは、より実写に近い滑らかさを出すことではないと思う。アニメーションである以上、アニメらしい動き、滑らかさを出すこと求めるべきではないかと思う。 8点(2003-10-17 00:48:22) |
1276. リトル・マーメイド(1989)
「人魚姫」の話があまりに有名なだけに、オリジナリティはどうしても薄れる。今や大人気のキャラクターであるアリエルは確かに可愛いけど、全体的に雰囲気が軽いので、人魚姫の悲哀さがなく物語りに重みがない。近年のディズニー映画に通じて言えることだが、今風の音楽や演出にかたより気味なので映画として濃密さに乏しい感じがする。 [ビデオ(字幕)] 7点(2003-10-17 00:38:30) |
1277. 王さまの剣
すっとぼけた魔法使いのレクチャーを受けて、しがない少年が伝説の王になるというストーリーが実に魅力的だった。幾種かの小動物の生活を体験することで人間的に成長していく展開がとてもファンタジックで楽しい。憎まれ口をたたくフクロウや魔法使いのライバルの魔女と脇のキャラクター性も秀逸で味わい深い。あまり有名ではないけど、ディズニー映画の隠れた名作であることは間違いない。 9点(2003-10-17 00:30:03) |
1278. コマンドー
シュワちゃん映画というジャンルを作るなら、その基本となるのはこの作品だと思う。監督の作風、映像センスなどは一切関係なく、シュワルツェネッガーの存在のみで押しまくるこのスタイルこそシュワちゃん映画の基本要素である。生身の人間でありながら、常軌を逸したその超人ぶりはもはや突っ込むことさえナンセンスに思わせる。 [地上波(吹替)] 4点(2003-10-17 00:23:23) |
1279. デンバーに死す時
派手さはないけど、なかなか渋い味わいを感じる映画だった。主演のアンディ・ガルシアの印象は薄いが、クリストファー・ウォーケン、クリストファー・ロイド、スティーブ・ブシェミと脇を固める個性派俳優の演技はインパクトがあった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2003-10-17 00:18:39) |
1280. ザ・ロック
「お、やってる」と、BSやら動画配信サービスやらの番組表で見つけて、「あのシーンだけ観てみよう」と観始めて、結局最初から最後まで存分に楽しんで観てしまう映画。 それが、「ザ・ロック」。 “ブロックバスター映画”と呼ばれる作品は多々あれど、今作ほど“俳優の演技”を楽しむべきブロックバスター映画もない。 ゴテゴテのアクション超大作でありながらも、コテコテのアクションスターをキャスティングせず、“演技のできる”名優を揃えたことが、今作が傑作となった最たる所以であろう。 アクションスターには不運であったと思うが、今作の成功は、アクション大作に必ずしもアクションスターが必要ではないという定義を確立してしまったと言える。 事実、今作以降、アカデミー賞受賞クラスのトップ俳優たちがこぞってアクション大作に主演するようになった。 前年に「リービング・ラスベガス」でアカデミー賞を受賞したばかりのニコラス・ケイジを起用した製作者ジェリー・ブラッカイマーの判断は正しく、ある意味アクション映画史における“発明”だったと思う。 スターダムにのし上がったばかりのニコラス・ケイジを主人公に据え、ショーン・コネリー、エド・ハリスという押しも押されぬ名優を主人公と同格以上のキャラクターとして配したこの映画の“布陣”は、真の意味で豪華だ。 そして、観返すほどに際立ってくるのが、ショーン・コネリー扮する“伝説的元諜報員”のキャラクター性である。 「女王陛下の〜」という彼の台詞からも明らかだが、この役柄は間違いなく年老いた“ジェームズ・ボンド”に他ならない。 勿論、“公式”ではなく、製作陣の遊び心による裏設定に過ぎないだろうが、今作を「007」の後日談と捉えると、益々楽しい。 高揚感を煽る分かりやすいメインテーマにノリながら、ショーン・コネリーの渋味と、エド・ハリスの哀愁と、ニコラス・ケイジの変顔(褒めている)を楽しむべき、最高のアクション映画である。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2003-10-16 11:48:02) |