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パセリセージさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 519
性別 男性
自己紹介 60代のおっさん

好きな言葉

期待はあらゆる苦悩のもと(シェークスピア)

人間には不幸か、貧乏か、病気が必要だ。でないと人間はすぐに思いあがる(ツルゲーネフ)

座右の銘にするのはどっちだ

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1.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 
もし、レイア役がキャリー・フィッシャーでなくジョディ・フォスターだったらSWシリーズは全く別のものになっていただろう。もし、キャリー・フィッシャーがレイアのイメージを壊すような役を他の作品で演じ続けていたらSWシリーズの世界観や作品イメージを変えざるを得なかっただろう。この役はこの役者、この役者はこの役。そのファンと映画界の期待に応え続けた名優に惜しみない賛辞を贈りたい。ありがとうキャリー・フィッシャー。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2019-07-21 16:41:37)(良:3票)
2.  アラバマ物語 《ネタバレ》 
ロバート・デュバルがどこで出てくるのかが気になって一気に見てしまった。その点ではハラハラ、ドキドキさせられた。まさか、主人公を襲う集団の一員では、いや、法廷での陪審員の目立たない男か、あるいは、もう出てきたが見失ったか。緊張感は最高潮に。そして、遂に登場。な、何と、ミスター・ブーだった。見事などんでん返し。ブーは絶対に太った中年の男だという先入観で凝り固まっていたようだ。うーん、心地よい敗北感みたいな余韻。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-07-19 16:50:33)
3.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
幕府がキリシタンを弾圧したのには当然に理由がある。一番の理由は西洋の侵略を恐れてのことだろう。当時のカトリック教会は異教徒の奴隷貿易を認めていた。彼らにとって信徒以外は人ではなかったのだ。多くの日本人が奴隷として連れ去られた記録もある。そのような宗教を日本で広められることに幕府が危機感を持つのは理解できないことではない。現在でも、イスラムに関係する紛争やテロが多発して宗教が純粋な信仰の問題だけでなくなっている。そう考えると、この映画で繰り広げられる悲劇は、決して日本側だけが引き起こしたのではないことが理解できる。しかし、少なくともこの映画の信徒らにとっては内なる信仰の問題であることには変わりがない。もう一つ。キチジローの弱さは、違う意味の強さに結びつく柔軟性につながっていることだ。信念や意地を捨てることが生き残るための方策であることを示している。生き延びたキチジローは勝者であるという側面も感じる。原作読後に感じた宗教の意義への問いかけと味わい深い余韻は鑑賞後に同じように感じた。
[DVD(字幕)] 10点(2019-01-10 21:46:49)
4.  シャイアン 《ネタバレ》 
ジョン・フォードが描く先住民(インディアン)視点の映画、という意識を持つと肩透かしです。結局は白人目線ではないのか、という印象でしょう。散々悪役にして名作を撮っておきながら最後ぐらい懺悔を感じさせろ、という批判も頷ける。まあ、そういう先入観を抜きにすればこれは傑作です。まず、世の中はこうやって戦争が起こるという真実を描いている。関係者のちょっとした勘違いや思い込み、マスメディアのフェイクニュースの暴走、何でもいいから敵を殺したい人、現場を知らない上層部。アメリカに限らず世界中の戦争はこうやって起こったんだろうな。そして、味方の中にも色々な連中がいる。決して一枚岩ではない。命令に冷酷に従う者に人間的な恩情のある者、個人的な感情に流される者。んで持って、結局これは映画ですよ、エンターテイメントにしないといけない、という視線。まあ、これは監督の制約でしょうね。そういうことを考えると味わい深いスペクタクル巨編。シャイアンの誇り高い生死感は白人監督としては良く描けていた。多分あっただろう、気持ちはわかるが少しはヒットさせろ、という会社の上層部の顔を思い浮かべながら撮ったにしては良いんじゃないか。ワイアット・アープやドク・ホリディの描き方もいいね。何もわからねえアホどもは相手したくはないが、絡んできたら痛い目に合わせないと示しがつかない。やれやれ、俺も歳をとったなぁ。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2019-01-03 17:38:58)
5.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
何でしょうかこの邦題は。歴代ワースト10に入るほどの悲惨な邦題だ。原題は「サリー」ですよ。少なくとも「奇跡の機長サリー」でしょう。いや、「川着水を選んだ機長サリー」かな。まあ、それはともかくとして、人の仕事にケチをつけて粗探しをする連中の醜さがよく描かれている。どこの世界にもいますよね、こういう批判しかしない連中。結果論や第三者的な立場からなら何でも言えますよ。瞬時の判断が生死を分けるような緊迫した現場の状況で、最善の方策を見事に成し遂げた機長を中心とした搭乗員は素晴らしかった。この状況で一人の死者も出なかったのだから。奇跡のような救出劇がハドソン川で起こっていたのだな。これ事実ですよね。うーん、まあ、結構良い邦題かな。
[DVD(字幕)] 10点(2018-07-01 16:23:19)(良:1票)
6.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
その昔、ブルース・リーの遺作「死亡遊戯」をしてラスト10分の映画だとする評価に納得したことを思い出した。SWシリーズに流れる冒険活劇のエンターテイメント要素が薄いこの作品にあって、そこに不満を持つ頭の固いオールドファンであっても、ラストに用意された「新たなる希望」へ繋がる10分間には思わず魂がくすぐられたに違いない。そう、そういう意味ではこの作品もラスト10分間の映画と評されても私はあえて反発はしない。あの映画史を変えたエピソードⅣに感激しSWマニアになった者であっても、その感激の中身は決して同じではないのだ。ましてや映画人となるほどの感性を持った者は独自のSW感を持ち、幸運にも夢の監督に抜擢されれば、最大限自分の世界を追求するだろう。例えるなら、これはという美味しいお酒に巡り合っても、1合で満足する者もいれば一升でも足りない者がいるように(何か違う)。と、とにかく監督のギャレス・エドワーズの感激の質はこういうものだ。まあ、シリーズの主流作品監督ではなくとも、盲腸みたいなはぐれ作品でも満足だというように(これも違う)。とにかく、そういうことなのだ(どういうこと?)。
[映画館(字幕)] 10点(2017-04-13 22:38:24)(良:1票)
7.  荒野の七人 《ネタバレ》 
七人の侍をベースにした西部劇、と言えばかなり好印象の傑作になるのだが、いかんせん、かなりの人が黒澤のオリジナルを見て比較しながら鑑賞しているのではないだろうか。かく言う私も、いちいち比較しまくっていて。どうも、これは意識しなくても条件反射みたいなものだからご容赦を。三船の役は誰だ、とかロバート・ボーンはどの侍がモデルか、とかいちいち細かい所が気になって、挙句は、農民が裏切る所はオリジナルには無い、農民を訓練している場面が無いなどと思う始末。と言うわけで、結構出来は良いのだが、印象が良く無いというのが率直な感想です。しかし、まあ、偉大な黒澤をリスペクトしている姿勢は印象が良い。(どっちなんだ)
[DVD(字幕)] 8点(2016-10-21 18:36:31)
8.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 
まあ、エピソードⅣを公開初日に劇場で鑑賞した者として、これは何なんだと言いたい。ルーカスのあの熱い情熱が、随所に張り巡らされた細やかな感性が、完璧な構想が泣いている。ところで、エイブラムス監督が会社の上層部(背後にルーカスの存在があるかも)から示された条件を見たんですが、気になった条項がありまして。例えば、フェミニスト団体とか小うるさい連中から批判が出ないように配役はマイノリティーに配慮すること、エピソードⅣを尊敬していることを示すためストーリーは極力同じものとすること、新しいキャラクターを作ってもいいがオリジナルのものより少しダサくすること、SWのシリーズらしく今までのスターやキャラクターを随所で出すこと、ハリソン・フォードは歳なのでハン・ソロだけは死ぬ設定でもいい、間違ってもエピソードⅣを超える傑作にはしないこと。うーん、エイブラムス君、完璧な出来上がりではないか。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2016-07-08 19:02:43)(笑:2票) (良:1票)
9.  マネー・ショート 華麗なる大逆転 《ネタバレ》 
金融の詳しい仕組みがわからなくても、「空売り」の意味だけでも理解すればけっこう内容に入っていける。株などの金融商品は、安いときに買い値上りしたら売って利益を得るのが一般的だが、空売りはこの逆をする取引だ。値下がりすると思われるような商品を、まず借り受けて売ってしまう。そして、実際に値が下がったら買い戻して、その差額の利益を得るのだ。バブルで実態をはるかに超えて高い値となっている商品は、バブルが弾ければ必ず下がる。そう見込んだ、あのリーマンショック前の金融ブローカー達の欲とモラルの葛藤が描かれている。だが、ただ儲かればいいというものではない。そのことで被る国家的損害は膨大で、その穴埋めには、国民の税金が投入されるのだ。欲に駆られた連中の放蕩三昧の尻拭いを、善良な国民が知らないうちにさせられる。儲けたはずの当事者達が苦悩する姿に、資本主義の矛盾と限界が重なる。結果を知って観るほろ苦さや、反省を促す過剰と思われる演出も、確かにそうだったという歴史の裏付けがあるから不自然さがない。バブルを経験した日本では、余計にそう感じる。
[映画館(字幕)] 8点(2016-03-29 23:06:50)
10.  ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 
米ソの冷戦の危険度はかなり高かったという認識を持っている。というのも、小学生の頃だったがキューバ危機のときに「米ソによる核戦争が起こりそうだ」という普通の大人たちの会話を聞いていたからだ。その記憶が蘇って、実話ということも加わり、歴史の一こまがリアルに迫ってきた。アベルを演じるマーク・ライランスが秀逸である。ふと、彼はこういう人で何も演技していないのでは、と思いたくなるほどに自然な動きだ。そのアデルが少しずつドノバンを信頼していく演技が泣かせる。どういう立場であれ、どのような関係であれ、相手は信頼できるのか、自分を信じてくれたのか、そこに人と人の結びつきの全てがかかっているのかも知れない。この前半の法廷劇から、後半は敵国の本音を探りながらのスリリングな交渉劇が展開される。ポイントは、こちらと相手の双方が望む結果をいかに作り上げるかなのだろう。勝者と敗者が出来たり、誰も満足しない結果であれば、結局は禍根を残して最終的な解決にはならない。外交交渉とはこう有るべきなのかも知れない。ドノバンがアメリカに戻ってきてからのシーンが余分に感じた。エンドロールに使うぐらいであれば満点にしたんだが。まあ、でも円熟のスピルバーグを感じた。
[映画館(字幕)] 9点(2016-01-16 18:22:31)
11.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
前半はサスペンス風の心理劇が展開される。この夫婦に何があったのか、主人公の夫も行方不明の妻も、そして妻の両親さえも何かを隠しているがそれは何なのか。それに加え、マスコミの過熱報道に歪められていく真実と、悲劇のヒーローが一夜にして悪役になるような気まぐれな視聴者の暴走が描かれる。そして、真実が徐々に明かされてからの後半は、うって変わって夫対妻の心理戦が描かれていく。マスコミを通じて、いかに視聴者を味方に付けるかの戦いである。正攻法の夫に反則を繰り返す妻、そういう展開で結局は引き分けか。いや、妻の完勝かも知れない。いやはや恐ろしい映画である。が、しかし、我々はこういう世界に住んでいるのである。警察の捜査も影響をうけるのであれば、真実がどうであるかなど、あまり意味を持たないのかも知れない。世間がどう思うかが重要になってくる。実際、ちょっとしたことでネットで炎上する芸能人や袋叩きにあう有名人が後を絶たないではないか。この原作もアメリカで起こった実際の事件に基づいている。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2015-12-31 16:04:53)
12.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
まず、宇宙空間にいるという前提にこだわっているのが良い。ここは、無重力なのだ、という映像を追求している、という気概が伝わってくる。体が重力を感じていないように、更に、周りの小物やその他付属物が無重力で浮いていることを自然そうに見せている。涙の水滴や傷からでる血が浮いている映像は感心した。こうした中で閉塞感と絶望感を追求して、少しずつ希望を持たせて、最後の開放感に持っていく手法は、やはりハリウッドの熟練した技を感じた。主人公のセクシーさをさりげなく描いているのも、個人的にははまった。最後、実際は、無重力状態に長い間いては、あんなに簡単に立ち上がれないようだが、そこはそこで映画ですから。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-28 22:21:26)
13.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
クモンガが良かった。蜘蛛に見えないところもあったが、間違ってもギャオスには見えない。羽?そうか、飛んでいたから、ギャオスにも見えるか。でも、二匹のうち、羽が無いのはクモンガにしか見えない。クモンガがムトーと言われると、世間の武藤さんは混乱するだろうな。何の落ち度もない武藤さんなんか怒るぞ。そんでもって、主役のゴジラがなかなか出てこない、のが良い。のかどうか。もっと見たい気もする。エメリッヒ版も良かったが、これは別の意味で良い。第一作の放射能の化身となった恐怖の怪獣であり、二作目以降の正義の味方であり、憎っくき人類の敵を倒すヒーローであるゴジラを全て見せている。口から火炎放射で武藤さんをやっつけるところなんか涙ものだ。正体が不明で不気味な雰囲気が、どっちつかず、つまり悪役なのかヒーローなのかいまいちわからず、良い。良いというのか、それによって次作への期待と本作の余韻が高まっている。とにかくゴジラ復活がうれしい。
[映画館(字幕)] 10点(2014-08-24 22:41:59)
14.  幸せの教室 《ネタバレ》 
おそらく、トム・ハンクスは、ジュリア・ロバーツのファンだ。なぜなら、自分が主役で監督なら、キスをしたり、バイクの後ろに乗せる女優は、自分の好みにするはずだ。意識しなくても、そうなる。背景は、リストラや離婚だが、描いているのは、新たな出会いや明日への希望だ。コミュニケーションの大切さも伝わってくる。物語は町のなかだけで完結して、こじんまりとしているが、その分、ほのぼのとしていて、特別な悲劇や事件もない。幸せは、日常の生活にある。それは、誰にでも手に入れることのできるもの。ちょっと努力をし、少し生活を変えて、新たな一歩を踏み出せば、昨日までと違った明日が、必ず待っているのだ。どちらかと言えばコンプレックスになっていた今までの人生も、誇りを持って他人に語れるし、何故か輝きを増すことにもなる。映画は、そう語っている。それから、もう一つ。おそらく、トム・ハンクスは、「ローマの休日」のファンだ。
[映画館(字幕)] 7点(2012-05-27 22:39:21)(笑:2票)
15.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
映画好きな少年達にとって、8ミリなどのホームビデオは夢に近づけてくれる魔法の道具だ。大好きな監督や俳優の真似をして、感動した作品を模倣している時間こそが、夢中になれる何にも変えがたい時間だ。どんな辛いことも悲しいことも忘れさせてくれるものだ。また、そのときの友人はかけがえのないものになる。軍の秘密や宇宙人が絡んでくれば、益々特別な体験になる。一方、このような少年時代の体験を題材にした作品を観た大人たちは、過去に観た自分達の感傷に浸れる作品のイメージと比べてしまいがちだ。宇宙人は人間を襲ってはいけないとか、たいした冒険をしていないなどと、つい、思ってしまう。しかし、そんな先入観のない少年達にとっては、まさにこの作品こそが、後に、自分達の少年時代と重ね合わせることができる、思い入れの一本になるはずだ。仲間と夢中になったこと、淡い恋、家族の絆、誰にでもかけがえの無い思い出はある。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-22 22:56:09)(良:1票)
16.  宮廷画家ゴヤは見た 《ネタバレ》 
フォアマン監督は、米国への亡命前、祖国チェコの共産党政権時の体験とスペイン異端審問が重なり、映画化を決意したと語っている。映画化の50年前の話である。15世紀頃から始まった異端諮問は、18世紀には減少していたが、教会の権威維持のためロレンソ神父の提案で強化されることになる。もっともらしい理屈で罪も無い人々が投獄される。20世紀に入り、ソ連などの共産党政権が行った反対する勢力への徹底した迫害も、基本的には同じと監督は感じていたのだろう。権力者は、体制の維持のため、ありもしない罪を作り上げていくのだと。しかも、異端諮問の責任者である神父自身は、自分が拷問にあえば簡単に言うことを変え、更に、国家の体制が変われば考え方をもかえてしまうのだ。開放の名の下に進行してきた、希望のナポレオン軍も、結局は同じ圧制を強いる独裁者の軍隊だった。共産党政権の祖国と同じではないか。200年の時を刻んで、何を人類は学んだのかという監督の静かな怒りが聞こえてくる。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-18 23:39:24)(良:1票)
17.  ヒア アフター 《ネタバレ》 
人は、誰かとパートナーとなったり親友となるためには、相手の性格、考え方、年齢、容姿、人種、宗教などを基準に判断する。一緒に仕事をするにしても、付合うにしてもそうだ。だから、時として、大多数と違う人がいれば、理解しようとしない。少数派の考え、人種、宗教などが仲間はずれにされるのはこのためだ。大多数から理解されない疎外感、孤立感は相当なものだろう。色々な意味で死に取り付かれてしまった3人の孤独な戦いは、マイノリティーの孤立そのものだ。過去の人類の誰もが経験し、現在生きている全ての人が行き着く先である死。しかし、誰も理解してくれない。金儲けの手段としてなら興味を持ってもらえるのが現実なのだ。だから、紆余曲折の末に3人が出会ったとき、一気に光が見えてくる。初めて自分を理解してくれる人とめぐり合えた感動である。まるで、いじめにあって否定されていた自分の性格や容姿を、受け入れてくれるひとが突然現れたように。そして、最後に監督はすばらしい人生賛歌を用意する。どんな運命が待っていようと、何よりも、生きることが大事なのだ。いつかは誰でも死ぬ。だからこそ、今を精いっぱい生きるべきなのだと。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-16 22:38:31)(良:1票)
18.  ゲーム(1997) 《ネタバレ》 
どなたかのレビューで、この監督の本領は「セブン」や「ゲーム」で発揮されているとされていたので、早速、鑑賞することに。冒頭の家族を撮影したフィルムの不気味さでその後の展開が暗示される。セブンにも劣らない壮絶な話が予想される。弟の勧めでゲームに引きずり込まれる主人公。案の定、なぞのゲームで生命の危機が続くことになる。一難さってまた一難。さすが、フィンチャー、芸が細かい。だが、私は途中から不思議な感覚を体験をする。たぶん、ここであの男が出てくるとか、こいつはゲームの仕掛け人かも、といった予感が的中してしまうのだ。まるでデジャブのようだ。物語が終盤に近づくにつれ、その予感は益々当たっていく。どうしたんだろう?ついに、屋上に上り、最大のクライマックスの時に、謎が解けた。あれー、これ観たことある。気づくの遅せーよ、自分。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-10 22:14:19)
19.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
猿の惑星シリーズがヒットした要因は、奇抜な発想やストーリーの良さなどが挙げられるが、何といっても人間社会への警告的なメッセージが観る者に響いたことによると思われる。人間の傲慢さ、利己主義、闘争的本能などを皮肉を込めて批判している点が、娯楽的な面と相まって、ヒットした大きな要因である。その点、この作品には、その良き伝統が引き継がれていない。と言うか、弱い。猿の知能が人間並みになった謎解きと、後半の派手なアクションに終始しているので、観終わって感じるのは、シリーズの示唆に富んだ深い余韻ではなく、なーるほどという納得感になっている点が痛い。とは言え、評価すべき点がない訳ではない。それは、こうしたシリーズ物の新しい方向性を示した点である。アイデア次第では、完結しているようなシリーズでも、続編を作ることができる事を証明した点は、賞賛に値する。単なるリメイクではなく、こうした別の形のリスペクトは、シリーズのファンとしても嬉しいものだ。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-25 22:14:05)(良:2票)
20.  ジャイアンツ
かなり不確かな情報で、今さら確認できないが、当初は、自動車産業の都市の話やベースボールの試合に勝って川に飛び込む熱狂的連中、それに、五人組の歌手グループなどの話が入っていたらしい。しかし、影のスポンサーの某新聞王から横やりが入り、それらのエピソードがボツになって、予定されてた題名も変えられてしまったとの事。当初の題名は何かって?「タイガース」
[DVD(字幕)] 8点(2012-04-24 21:36:28)
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