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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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41.  バイオハザードII アポカリプス
前作のレビューでも書いたように全くのゲーム音痴なのだが、ジル・バレンタインってのも他のレビューを読むかぎりゲームのキャラらしく、しかも似てるの?まあ似てる似てないは置いといて、いかにもゲームの中に出てきそうなキレイな顔だなあと思った。で、意味無くセクシーコスチュームにしているところがグー(これもどうやらゲームと同じなんですね)。真っ赤なドレスに対抗するような真っ青な衣装がダブルヒロインの猛活躍を予感させるのだが、「魅力的な脇役」以上の存在にはならずガッカリ。ゲームでの役回りはどうなのか知らないけど、もんっのすごく勿体無いです。前作の建物内での抗争がいかにもRPG風だったが、今回も町中のカメラを使ってパソコン上に町全体を映し出し、主人公たちにあるミッションを課すことでRPGの面白さを最大限に発揮させている。でもホラーじゃなくてアクションなんだけど、全く怖くないというのはどうなんでしょ。
[DVD(字幕)] 5点(2008-09-02 13:38:28)(良:1票)
42.  バイオハザード(2001) 《ネタバレ》 
ゲームは全く知りません(あらゆるゲームに無知です)。だからなのかどうかは知らないけど、思った以上に楽しめた。地下の研究施設を図解で見せて登場人物たちのいる場所を示すくだりは「ゲーム」へのオマージュでしょうか(特に無くたって支障は無いように思ったので)。ホラーよりもアクションに重きを置き、ひたすらかっこよくゾンビどもを殺しまくる。ミラの赤いドレスが最初、ものすごく浮いてたんだけど、ドレスに不似合いなバトルが繰り広げられるごとに赤いドレスが様になってゆく。ウイルスによって死んだ後に細胞が活性化されるとか取って付けたようなこと言ってたけど、だったらその活性化された肉を食い合えよ!とか一瞬思ったけどあくまで一瞬で、怒涛の展開が要らぬ説明によるこじ付けを取っ払う。ゾンビよりも怖い研究施設の防御システムがより楽しませてくれるが、怪物は蛇足。でも続編に繋げるためにも必要なものだったんですね。
[DVD(字幕)] 5点(2008-09-01 14:29:49)(良:1票)
43.  氷の微笑2
前作の悪女なのかそれともそう思われてるだけの実はか弱い女なのかわからないという設定とは違い、あきらかな悪女として描かれる続編はそれだけで損をしてしまっている。そんな劣勢の中でシナリオはそこそこ頑張っている。シャロン・ストーンの容姿はギリギリセーフ、というか実年齢から考えればこれもよく頑張ってる。ただ、ここにきてまだシャロン・ストーンのお色気を画的に前面に押し出してくるのはちとキツイ。ネタばらしもちとくどいかな。
[DVD(字幕)] 4点(2008-08-05 12:16:17)
44.  恋は邪魔者
これ観たのが某レンタル屋で新作か準新作かって時なのでずいぶん前になるのだが、『メリーに首ったけ』『キューティ・ブロンド』などに続くプリティ・ピンク・シリーズと銘打った作品で、このシリーズはたいていヨメさんのリクエストで借りているんだけど、あんまり印象に残っていない。他のシリーズ作品と比べると毛色が違う。おバカさが無い。レニーがとにかく可愛くないなあと思って観ていたのはよく覚えていて、でも『キューティ・ブロンド』でもそうなのだが、観ているうちにだんだんその可愛くなさが味になってくるんだけど、ちょっとキャラが作りこみすぎた感があって苦手かも。ミュージカルのようなオーバーアクトは作品の世界に合ってたし、サスペンス映画なみの凝ったカラクリもそれなりに楽しかったが、こういうところに凝るとどうしても作品としての印象が薄れてしまうのがもったいない。
[DVD(字幕)] 5点(2008-08-04 16:06:42)
45.  O侯爵夫人 《ネタバレ》 
ロメールのコスプレ劇はコスプレ劇なのに歴史大作でも文芸作品でもなく、いかにもロメールな、優しい語り口の小品といった感じの映画でした。この「小品」が侮れない。お?!と思わせるオープニングから物語に引き込み、なんてことのないお話の中にどこにでもある些細な喜びや悲しみを観る者にしっかり提示し、けして退屈させず、そうこうしながら物語を堪能させる。怒り心頭の父親が大泣きするところは笑った。いつもきりりとしたお父さんが「むああああ」って、お父さん泣きすぎ(笑)。でもちょっとジーンとしたりもして。号泣するお父さんの横で小芝居を続けてるお母さんがまた笑っちゃう。でもこれもやっぱりジーンときた。ああ、ジーンとしながら笑っちゃう、幸福感が充満したようなこの感じがたまらん。エンディングも好き。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-01 17:10:23)
46.  パッション(1919) 《ネタバレ》 
その美貌を武器にしながらもなんともあっけらかんとした帽子屋の女の子が仕事そっちのけで恋人とイチャイチャしてるかと思ったら、お金持ちのえらいさんからも惚れられちゃって二股三股も当たり前な奔放ぶりが映される。その娘のまわりで男たちがドタバタコメディを見せてくれる。と、思ったら女の子は娼婦をさせられて、、といっても女の子もまさに天職を得たり!てな具合でトントンお話が進み、ついにはルイ15世の公妾にまで上り詰めるというかの有名なデュ・バリー夫人の物語でした。デュ・バリーの名は公妾となるために必要な爵位を得るためにカタチだけ結婚した相手の名前なので後半までデュ・バリー夫人の物語だとは判らなかったんです。ましてやデュ・バリー夫人のイメージってあんまり良いものでもなかったけど、この作品ではなんとも可愛らしい。で、コメディ要素を多く含んではいるものの歴史大作としての豪華さもじゅうぶん兼ね備えている。衣装やセットの豪華さもさることながらお話自体も史実がそうであったようにフランス革命が描かれ、主人公デュ・バリー夫人がギロチンに処されるところまで描いてしまう。はたまたその描写の凄まじくもコメディタッチなところは強烈な印象を残す。『カリガリ博士』が同じ年に作られているが、作風を全く異にしながらもドイツ映画がこの時期、黄金期にあったことを証明している。暴動シーンのスペクタクルを見るに、後にハリウッドに招かれることも至極当然の結果だといえる。
[映画館(字幕)] 8点(2008-07-11 17:28:00)
47.  王は踊る
宮廷の者たちが挙って王の寵愛を受けようと必死になるのは寵愛そのものよりも恩恵を受けたいという下心があるからこそだと思うが、この作品の主人公である音楽家は純粋に王(ルイ14世)を愛し王に愛されようとする。そしてそこまで想われるに相応しい威厳と才能に恵まれた人物としてルイ14世が眩しく描かれる。芸術との深い関わりと愛はジェラール・コルビオ監督の前作『カストラート』にも通じており、時代物のスケールの大きさと重厚感はこの監督の得意とするところ。ただ、実在の人物を描くときにありがちなのだがどうしても余分に思えるエピソードが入ってしまう。この作品の場合、描かれる年月が長いゆえに余計に入りやすい。さらにかいつまんでいるので人物造形に深みのない主要人物がちらほら。ルイと母との政権争い、芸術と娯楽と宗教の対立、モリエールへの裏切り、細かなエピソードに絡む女たち。本筋以外の描く対象が多すぎる。
[ビデオ(字幕)] 5点(2008-07-09 14:10:12)
48.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 
「1」も面白かったし「2」はさらに楽しめたので「3」への期待はそこそこに膨らんでいたのですが、大枠では期待は裏切られませんでした。とくにボーンは常に姿を現さず(見せず)に、しかし全てを見ているという、世界各国の背景を活かしながらのロングショットがこの「3」でも健在で(駅のシーン)見ている間にも期待値はどんどん上がってゆく。シリーズ通して多用される「何かを見る目を一瞬映しすぐあとに見られるターゲットなり次の行動なりを映すという短いカットの応酬もキマリまくり。ただ、カーアクションや格闘シーンの短いカットの応酬と揺れる画像もまた「2」よりも数段パワーアップしており、これはちょっとやり過ぎに感じた。ぶっちゃけ怒涛のアクションシーンなのに見てる途中から飽きてきた始末。それでもそんなマイナスを吹っ飛ばしてくれたのがエンディングのかっこよさ。海に浮かぶ体の影。テレビで伝えられる行方不明。それを聞いて笑顔になる女の顔。そして浮かぶ影が・・。もうわかってるんです。どうなるかは。わかりきったシーンをじっと待ってるこちらをじゅうぶんにじらせてそのシーンに持っていくその長すぎず短すぎない完璧な間の使い方が最高。拍手しそうになりました。
[映画館(字幕)] 6点(2008-07-03 13:04:34)
49.  カリガリ博士
ドイツ表現主義映画のハシリであり極北。天才博士にして連続殺人鬼というキャラはラングの『ドクトル・マブゼ』に継承され、実行犯の眠り男の描写と光と影による恐怖演出はムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』に継承される。この頃のドイツ映画は物語が洗練されていてとても楽しめるものが多く、これも例に漏れずで回想形式によるドキドキ感とラストの驚きのどんでん返しは当時の観客をとんでもなく驚愕させたんじゃないだろうか。ただ、その一方でどんでん返しのオチが懲りすぎているようにも感じてしまったのは、おそらく幻想的な映像でじゅうぶん興奮しているところにえらく現実的なオチを持ってきていることに対する不満だと思う。不安を背景全てで表現する前衛的なセットと、モノクロにもかかわらずカラフルさを感じるセットの色が強烈なインパクトを持っていて、それだけでも十二分に楽しめる映画。
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-19 13:45:07)(良:1票)
50.  スコルピオンの恋まじない
もう見るからにおじいちゃんになっちゃって役柄的にもかなりムリがあるのは一目瞭然なんだけど、観ているうちにそんなことどうでもよくなっちゃう。たしかにもう少し若い役者で演ってくれたら冒頭でこのような戸惑いを覚えることなくスムースに作品の世界に入ってゆけたかもしれないけど、あくまで入り方だけで、入ってしまえば関係ない。むしろ全編溢れる自虐トークをここまで嫌悪感を抱かず安心して見ていられるのはアレンだからこそ。もともとお得意の自虐ネタも熟練の技の域に達した感がある。アレンの早口、セリフの間、表情、どれもが完璧。この人は一流のコメディアンなのだと再認識。王道のシナリオも安心感を増す。これは楽しい。
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-18 14:47:53)
51.  愛しのローズマリー
自分が好きならそれでいい。人がなんと言おうと。そんな純粋で当たり前で今さらなハッピーエンドを空々しくやってのけられるのは今やファレリー兄弟くらいしかいない。そこに落とすにはそれまでのドラマはちょっとずれてるようで、何人かの方が書いておられるように外見に対する差別が前提としてあるので不快感のほうが勝ってしまう人もいるようです。私も不快感とまではいかないまでも解せんなという思いはありました。だいたい心が美しいってどういうことよ。でも、これはファレリー兄弟の映画ということを忘れてはならない。動物虐待、身体障害者差別をギャグにしてしまう明け透けな兄弟だから、このデブとかブスという身体的特徴による差別を堂々とギャグにしてしまうのは明らかな確信犯。だからそこを突っ込むよりもむしろ差別をあけっぴろげにしながらハートウォーミングに仕上げてしまうというファレリー兄弟の悪魔的視点とそれをあくまで「おバカ」で包んでしまうクレバーさを賞賛しよう。5点だけど。個人的にはもうちょいと下品に仕上げてくれてもよかったと思ってる。
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-17 16:11:55)
52.  ヴァンダの部屋
ペドロ・コスタ初体験。のせいもあるかもしれないけど、こんな映画観たことない。根底の部分において今まで観た映画とは別次元にある。作品の舞台となるスラム街が何故取り壊されるのかはどうでもいいとして(開発の過程で壊されてるんだろうけど)、ギリギリまで立ち退かず、また立ち退いても行く当てのない人たちの日常を切り取っている作品の中で、「何を言いたい」ではなく、ただひたすら切り取ったものを見せているという感じ。こんなにも何も語らないドキュメンタリーを観たことがない。多くは家々が壊される映像と音、ヴァンダという名の女性をメインにとらえた会話、そしてヴァンダも含めた住民のドラッグまみれの日常の描写が占める。朝、昼、晩と順繰りに映される日常に家々が徐々に壊されるという変化以外何も起こらない。たしかに美しい画が時折飛び込んでくる。部屋の光の当たらない片隅は「影」というより「闇」と言ったほうが正しく、そのうち全てのものを被ってしまうのではないかと錯覚するくらいに「闇」自身が自己主張しているかのようだ。その恐るべき「闇」があるから明るい場所がなんとも言えない美しさを勝ち得ている。でも、観ているうちに不安になる。この映画、いつ終わるの?と。なぜならいっこうに終わる気配が無いから。結局のところ、唐突に(映画の)終わりは来て安堵したのだが、いったいなんだったんだろう、、、と。何かを「観た」という手応えだけがあって、何を見たのかさっぱり解からない。私はいったい何を観て、何故手応えを感じたのか、、それを理解するにはもっと映画を観なければならないのだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2008-05-12 15:48:40)
53.  2046
ウォン・カーウァイ作品の中でも極めて評価の悪い作品になるようだが、これがけっこう好きなのだ。内容は無視。『花様年華』の続編なんてことも無視。まず豪華女優陣を堪能しましょう。健気なフェイ・ウォンの涙。勝気なチャン・ツィイーの涙。孤独なコン・リーの涙に心打たれましょう。一瞬しか出てこないキュートなドン・ジェを見逃さぬように。架空の世界に登場するカリーナ・ラウとマギー・チャンに魅了されましょう。そしてここにもメインで登場するフェイ・ウォンの、唇のラインが美しい横顔にノックアウトされましょう。中国の女優は素晴らしい。鈴木清順がチャン・ツィイーを起用したのは今の日本にピンで主役を張り、画面に映え、存在感があり、さらに色気がある女優がいないからなのかも。そう思ってしまうくらいに中国の女優は素晴らしい。そんな女優たちが総出演ですから。女優と同時に赤や緑に彩られたクリストファー・ドイルの究極の映像を堪能しましょう。過去の彼の作品と比べてもこれが最も美しい映像だと思います。木村拓哉は無視してください。こき下ろすほど悪いとは思わないのですが、そこに映っている人が「木村拓哉」であるということだけで、我々日本人が持ってしまった既成概念をどうしても拭えないから。
[DVD(字幕)] 7点(2008-04-04 14:36:20)(良:1票)
54.  K-19
出向式でシャンペンが割れないのを見て誰かが「不吉だ」と言う。なんで言うかなぁ。さらに副艦長が艦長にシャンパンが割れなかったことに加えて医師が死んだことについてその不吉さと不吉さに動揺する乗員たちのことを言っている。どうして画面で不吉さを示そうとしないのだろう。実際不吉な事象が描かれるだけで画面には不吉さが全く漂っていない。潜水艦を舞台とした映画にもたらされる緊迫感と被爆というあまりにも恐ろしい事象と前もって実話であることを告げることで得られる迫真性でもってそれなりの骨太なドラマを堪能できはするものの、そういった利点に頼るだけ頼った手抜き演出が目に余る。ミサイル発射後の一時の野外休憩やアメリカ軍ヘリに向かってお尻ペンペンするシーンなどの開放的な画を挟むタイミングはなかなかに良く、また対戦の無い潜水艦ものにしてはまずまずのサスペンスを見せていたと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2008-01-24 11:25:13)
55.  バーティカル・リミット 《ネタバレ》 
いきなりネタバレしてしまうが、生き残ったのが主人公と主人公の妹と主人公と今後結ばれそうな女の3人という恐ろしいまでの予定調和にはあきれるしかないのだが、そこを無視してもかなり無理やりな作品である。時代を戦時としたのはニトロを使いたかっただけなような気がするが、そのニトロの必然性がイマイチ伝わらない(はるか遠方の爆発でかなり崩れてるし、中から目印を氷を突き破って出してるし、これならニトロじゃなくても手榴弾でじゅうぶんなのではと思ってしまう)うえに、ニトロが登場して得られる緊迫感も無い。最悪はCGバレバレのクライミングシーン。アップ多用でごまかしてくれたほうがずっとマシ。アクションシーンはそれなりに楽しめた。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-01-15 16:52:17)
56.  スピオーネ(1928)
『ドクトル・マブゼ』からオカルト要素を取り払い、さらに洗練されたものに仕上げた作品。スパイものの古典というにはあまりに洗練されている。まさかサイレントでジェットコースタームービーを楽しめるとは!そのスピーディな展開には舌を巻く。326号はまさに007の原型。美人スパイとのロマンスあり、カーチェイスあり、敵キャラのカリスマ性あり、オチも唸らせてくれて文句などあろうはずもない傑作。本物の活劇!面白すぎ!!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-01-11 11:58:14)(良:1票)
57.  ドクトル・マブゼ
先に作られた『カリガリ博士』(これもドイツ映画!)の主人公にカリスマ性を与えたようなマブゼ博士。そして『カリガリ博士』が表現主義の中で描かれたのに対し、『ドクトル・マブゼ』は実にリアルな現実世界の中に表現主義的描写を散りばめる。催眠術のシーンやラストの幻影がそれにあたる。なのでよけいに怖い。天才的な犯罪の手口がまたリアル。群集心理を利用して捕まった仲間を射殺するなんてファシズムが押し寄せようとする当時の時代背景を鑑みると空恐ろしい気すらする。そして株価操作も偽札造りもマブゼ博士にとってはトランプ賭博となんら代わらない「お遊び」でしかないというのも妙に信憑性があって怖い。犯罪映画の原点であるだけでなく、メロドラマも取り入れられ見応え十分。長尺も、連続ドラマをまとめて観ているような面白さ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-01-10 14:23:16)
58.  ニーベルンゲン 第II部 クリームヒルトの復讐
ジークフリートからクリームヒルトへと主役が代わった第2部はファンタジーから大スペクタル史劇の様相でもってたたみかけてくる。大群衆を画面狭しと登場させる妥協なき画の連続は圧巻。第1部よりも時間を感じさせないスピーディな展開と、美しさと残酷さに溢れた復讐のストーリーに釘付け。ラングとその妻テア・フォン・ハルボウのコンビが作り上げるラング初期作品は凄まじいまでの傑作ぞろいだが、その後ナチス党員となる妻とナチスから逃れる夫とのコラボレージョンは当時の暗雲とした時代を作品の中に拭いがたい影として残しており、表現主義と相まって独特の雰囲気をもたらしている。その空気は当然「ファンタジー」の第1部よりも「復讐」の第2部のほうが色濃く漂っている。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-01-09 11:49:50)
59.  ニーベルンゲン 第I部 ジークフリート
これを二つにわけて採点評価することにムリがあるような気がするのだけど、ま、ムリヤリ点数つけますが、どうしてもこれ単体だと尻切れ感が・・。1924年以前の他の映画を観ればよくわかるのだけど、いわゆる特撮がずば抜けている。たしかに龍の造形は今観てどうなのかといえばちゃちいのだけど、人が石に変わるシーンなんかは今観ても凄い。そして壮大なお話をここまでわかりやすく見せてしまう手腕はお見事の一言。ラングのサイレント映画は物語に引き込まれてしまう。あぁ美しいクリームヒルトよ、どうしてそんなバカなことを・・。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-01-08 16:58:58)
60.  ブラック・ダリア
たしか『ブラック・ダリア』を観ているはずなのだが本当にそうなのだろうかとマジで疑い出したときに、死体発見前のビルをまたぐ長回し登場にデ・パルマの作品であることには間違いなさそうだと胸を撫で下ろす。とは言うものの、惨殺死体の謎は最後に解き明かされはするものの、その過程はほとんど描かれず、画面はひたすらボクサーあがりの二人の刑事の友情と確執を映し出す。そこになんとも謎めいたワケあり風な美しい女が割って入るのだが、この謎めき具合が事件に絡む女たちを差し置いてピカイチ(主人公が下着姿のその女を見てしまうシーンのなんともいえない謎めき具合!)なもんだから、事件の結末のほうに興味がいかないのだ。だいたい事件の真相にしたって相棒の真相にしたって全部手短な説明で済ませちゃうんだもんなあ。階段での影とか落下シーンとかはあきれるくらいに凡庸なのだが、ここはあいかわらずのヒッチマニアぶりに笑ってあげるところだろう。
[DVD(字幕)] 5点(2007-12-17 14:43:23)(良:1票)
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