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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2598
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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21.  あしたのジョー(1980)
この劇場版自体が、自分が生まれる前の作品なので、当然「あしたのジョー」をリアルタイムに知る世代ではない。テレビアニメも見たことが無かった。 ただ、アニメのスペシャル番組などにおいて、散々放送されているので、矢吹丈の最大のライバルの名が「力石徹」だということも、彼の最期がどういうものかも、「知識」として当然知っていた。  この劇場版は、テレビシリーズの再編集版に過ぎず、そこに「あしたのジョー」という伝説的なアニメーションのすべてが凝縮されているとは到底思えないが、それでも、ようやく力石徹の「最期」をちゃんと見られたことは、意義があったと思う。  来年、ついに「あしたのジョー」が実写化される。 それを前にして、原作漫画を中古で買って読み、この映画を観てみた。 原作のファンである人からも、そうでない人からも、実写化そのものについて、配役について、賛否は尽きないだろう。  が、個人的には「期待」の方が大きい。
[DVD(邦画)] 6点(2010-12-28 16:16:26)
22.  相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
「相棒」というテレビシリーズは、不思議な魅力を持っていると思う。  本来は某キー局制作の2時間ドラマ臭がプンプンする刑事ドラマだったにも関わらず、地味というか地道というか根強い人気が続き、10年間にも渡る人気シリーズになってしまった。 描かれるストーリーも、徐々に「謎」が洗練されていき、一定のクオリティーを保つミステリーシリーズとしても育っていったと思う。  テレビシリーズの深いファンではないので、本当に時々放映されている回を見たことがある程度だが、最初は”失笑”せずにいられなかった水谷豊のキレッぷりも、今では”お約束”となり、アレが無いと少々物足りなさも感じる。  この「劇場版」も全く観たくないなんてことはなかったのだけれど、まあ所詮テレビドラマの雰囲気の枠を出ない作品だろうと、特に期待もしていなかった。 そして、実際その予測は外れていはいなかった。  良い意味でも悪い意味でも”豪華な「相棒」”という印象。 1本の映画として完成度が高いとはとても言えないが、普段のテレビシリーズでは見られないであろう大々的なロケーションと豪華キャスト陣は、ファンを存分に喜ばせるスケール感を伴っていたと思う。  人気のテレビシリーズが、予定調湾ごとく映画化される現状には辟易しているが、「映画」にすることで面白味が膨らむ作品は確実にあるだろうし、一概に否定はできないだろうなとは思う。  同シリーズ「劇場版Ⅱ」にも、密かに期待している。
[地上波(邦画)] 6点(2010-12-21 14:12:20)
23.  歩いても 歩いても
暑い夏の日、亡くなった長男を弔うために家族が集まる。 どこにでもいる普通の家族の、何でもない一日。  自分自身も毎年経験していることだけれど、離れて暮らす家族が会する場というものは、実のところとても独特な空気を持っていると思う。 いつも一緒に暮らしているわけではないので、実際問題各々のことをそれほど把握しているわけではない。 にも関わらず、「家族」という微妙な関係性に縛られているから、特に改まることを許されず、努めて親密に振る舞わなければならない。 それは、互いの関係が良いとか、悪いとかに関わらず、そういうものだ。  だからこそ、表面的な会話の裏に見え隠れするそれぞれの思いにドラマが生まれる。 そのドラマ性を決して表立たせるわけではなく、あくまで個々が抱えた「感情」として描き出す。 それぞれの感情をもっと膨らませて、言動としてぶちまけたなら、荒々しい“波”のある映画になったかもしれない。 しかし、それを敢えてせず、作品全体を水面に落ちた一滴が生む波紋のように仕上げたことが、この映画の最大の魅力であり、是枝監督の流石の巧さだと思う。   歩いても、歩いても、人生が完璧に満ち足りるなんてことは、ないのかもしれない。 それは、息子を亡くした老いた母親にとっても、父親を亡くした少年にとっても、誰にとっても同じことなのだろう。 哀しいことだけれど、そういう何かしらの“物足りなさ”を抱えて生きていくことこそ、本当の意味で人間が人間らしく生きるということのような気がする。
[DVD(邦画)] 9点(2009-06-20 10:10:55)(良:1票)
24.  アフタースクール
前作「運命じゃない人」で、衝撃のスパイラルムービーを見せつけた内田けんじ監督の最新作。またもや、人の思惑と思惑がストーリーの“裏側”で入り交じる展開が見事だった。  何も考えていなさそうなやつが、実は秘めている企みの妙。確信犯的なストーリー以上に、人間が常に秘めている表には出さない感情と真相に、面白味を感じた。 今作では、大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人と、それぞれに味わいを持った性格俳優がメインを張っていることも、「人間の深層(真相)」という部分で、深みを持たせる要因となっている。  日本には今、エンターテイメント映画のジャンルで、良作を連発できる映画監督は少ない。 肯定的な意味で、“同じような映画”を連発する監督が少ないのだと思う。 内田けんじ監督には、今後も、積極的に観客を騙し続ける映画を量産していってほしいものだ。
[映画館(邦画)] 8点(2008-07-13 12:04:45)(良:1票)
25.  アヒルと鴨のコインロッカー 《ネタバレ》 
ふとこういう色々な意味で驚きに溢れた良い作品にめぐりあうから、映画はやめられない。  進学のため越してきた普通の大学生が、突然隣人に「本屋を襲わないか?」と誘われる。 なぜ、隣の隣のブータン人のために本屋を襲わなければならなかったのか?……なぜ、ディランを歌うのか?……なぜ、「じゃあ河童の方」の河なのか?、さりげなく散りばめられた伏線が結びつき、紡ぎ出された「真実」に、突如として感情が揺さぶられた。  伊坂幸太郎の原作は未読で、「映像化不可能」と言われいた文体がどういうものなのかは、この映画化作品を見た後だからこそ、殊更に気になる。  こういう映画は、感想の言葉を並べれば並べる程、蛇足になってしまう。  ボブ・ディランの「Blowin' in the Wind」によって繋がった出会いは、きっと神様が「彼」に差し伸べた「救い」だったのだろう。
[DVD(邦画)] 9点(2008-06-21 16:55:53)(良:1票)
26.  アンフェア the movie
昨年放送されたテレビシリーズは、テレビドラマとしては異色ともいえるハードボイルドと、テレビ放映の特性を巧みに利用したサスペンスフルな展開に夢中にさせられた。 がしかし、(予想の範疇ではあったのだけれど)続編を一本の映画作品として仕立て上げるには、容量不足というか、お粗末な結果に終わってしまった。  「アンフェアなのは誰か?」ということを徹底して描き、最終的に一番意外性のある“犯人”を導き出したテレビシリーズはテレビドラマの枠としては、緊張感と緊迫感に優れ、満足感が大きかった。 そういうある程度のクオリティを備えたストーリーだけに、人気に乗じてその後のストーリーを付け加えていくということにそもそも無理がある。 今更テレビシリーズからのレギュラーを含めた主要キャラクター内の誰かが裏切り者だと言われても、まるで説得力がなく、故に緊迫感も薄れるというもの。  それでも、上質なストーリーが用意されていれば問題はないのだが、肝心のそれも“チープ”という範囲を抜け切れないまま展開していく。豪華なキャストを用意しているわりには、テレビシリーズほどそれぞれのキャラクター性を生かしきれておらず、描写自体に「尻切れ感」を多々感じた。そういう演出的な稚拙さのせいか、それぞれにスキルの高いはずの俳優たちもどこか気が抜けた感じに見える。  そして最終的には“お決まり”のパターン……。内容が伴っていれば、それもビシッと決まって発展性のある「余韻」を残すのだろうが、もはや「もういいや」という印象は否めない。  テレビでの人気作を“とりあえず”映画化して儲けようとするのは、某キー局の浅はかなところだ。ということを分かっていながら、初日から観に行っていては世話ない……。  追伸。加藤ローサはかわいかったのに……。
[映画館(邦画)] 2点(2007-03-17 17:09:46)
27.  穴(1957)
ストーリーだけを見れば、相当に荒いのだけれど、そういう荒さを押し通して、娯楽作品として完成させる力強さが、当時の映画界と映画人にはあったのだと思う。 だからと言って、その強引さを現在においても用いれば良いかと言えば、そうではなく、その当時の時代の空気と価値観だからこそ生まれた映画の流れだと思う。 まあ何にしても、そういう時代の空気感も含めて、何十年も前の映画が現在も充分に“娯楽”として通じることは、とても素晴らしいことだと思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-09-24 02:22:28)(良:1票)
28.  青い車
いまや「漫画の映画化」というのは、ネタ不足の映画界においてまさにブームで、秀逸な漫画は片っ端から映画化されている。最近の漫画はその作品自体が秀逸で、漫画を読んでいる段階から映画を思わせる作品が多いため、映画化が無理なく成功するパターンが増えてきているように思う。ただ、それでも、映画が原作漫画を超えるということは、ほとんどない。漫画は、それそのもので作品として“完成”しているからだ。 しかし、今作は、間違いなく原作漫画を超えている。 極限まで物語の断片を省いた短編作品である原作において描かれなかった物語を、とてもとても丁寧に補い、完成された物語を紡ぎ出している。 やはり、俳優が素晴らしい。ARATAにしても、宮崎あおいにしても、麻生久美子にしても、田口トモロヲにしても、原作ではなんだか薄くみえるキャラクター像を、生々しく美しい人間像へと昇華させている。 そして、原作の雰囲気を崩さずに、ただ自然に、確実に膨らませてみせた、脚本と演出と音楽に賞賛を送りたい。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-09-15 03:27:29)
29.  APPLESEED アップルシード
まさか感動するとは思わなかった。「攻殻機動隊」「イノセンス」などにどうしても面白味を感じることができないタイプなので、原作・士郎正宗という時点で一歩引いてしまい、映画としての力のみなぎる予告編を観ても、劇場に足を運ぶことができなかった。そのことを非常に後悔させる映画世界に対し、喜びと悔しさが入り混じる。何と言っても、ストーリー展開の潔さが素晴らしい。上記にあげた作品などと違い、あくまでストレートに人間、ロボット、新人類らの葛藤を自然な表現で描いたことが、感情の高ぶりに繋がったと思う。そうでなければ、3Dライブアニメという新しい映像世界に存在する、見慣れないビジュアルを携えたキャラクターたちにこれほど感情移入することは出来なかっただろう。価値観はもちろん様々だが、どう理屈をこねようとも、万人が理解してこその“映画”であり、そのことを充分に理解しているこの作品の価値は高い。 「戦いが終わったら、母になりたい」この映画コピーが、クライマックスにかけて実に心に染みる。 
9点(2004-11-12 17:54:40)(良:1票)
30.  AKIRA(1988)
大友作品自体あまり触れておらず、この手の作品には苦手な感がある僕にとっては、やはりストーリー自体に居心地の悪さと拒絶感を拭いきることはできなかった。正直「だから結局何なの?」と思ってしまう。むしろこれは難解・不理解というよりも趣味の問題であろう。だから物語自体に対するコメントはできないが、その特異なアニメーション世界は、流石に圧倒的なものを感じずにはいられなかった。特に精神世界を表現するビジュアルは、ダイレクトにこちらの脳裏に注ぎ込まれるような錯覚を覚えるほど見事だった。ただし、おそらく英語版に合わせてあると思われる、どうにも一致しないセリフとキャラクターの動きには気持ちの悪い違和感を終始感じた。
5点(2004-05-21 01:36:46)(良:1票)
31.  明るいほうへ 明るいほうへ -童謡詩人 金子みすゞ- <TVM>
今作がテレビ放映された数ヵ月後に同じく童謡詩人金子みすゞを描いた劇場公開版「みすゞ」が公開されたが、観客が受ける感動の大きさとしてはこのテレビ放映作が優れていた。同じ題材を扱いながら明らかに製作費をかけ、丁寧に作られたはずの劇場版がなぜ劣ったのか、その理由はひとつである。金子みすゞを演じた主演女優の差であったと思う。劇場版に主演した田中美里は決して悪くはなかった。しかし今作の主演である松たか子の存在感は際立っていた。これは女優としての実力の差というよりも、適性の問題だと思う。松たか子という女優はこの時代の古き日本女性を演じさせればおおよそ右に出るものはいないだろう。それはテレビ版の「蔵」を見ても明らかだ。それが歌舞伎役者の血によるものかどうかは分からないが、とにかく、今作の松たか子は素晴らしかった。
[地上波(字幕)] 7点(2004-03-27 11:46:30)
32.  アナザヘヴン 《ネタバレ》 
率直な感想としては、何かビミョーな後味の残る映画だった。まず中盤までの猟奇殺人とパラサイト的な題材を合わせたストーリー展開はなかなか引き込まれるところがあった。原田芳雄、柏原崇らキャスト陣はそれぞれ印象的な演技を見せてくれたと思う。しかしながら後半、特にクライマックス前後の展開は陳腐と言わざるを得ない。映画全体の雰囲気からして、多少後味は悪くなってもサスペンスとホラーを反映させたラストの流れを用意してほしかった。前半の緻密さに対し、終盤はあまりに大雑把。端から見れば明らかに常軌を逸している主演コンビの行動もさることながら、どこか白々しい感動とテーマを意識したラストシーンにトーンダウンする。まあそんなことよりも、「飛ぶのかよ!」「その距離で当たるのかよ!」「火だるまかよ!」「置いてくのかよ!」「しかも生きてるのかよ!」と無数の突っ込みどころにほくそ笑むための映画かもしれない。
3点(2004-03-23 03:36:00)(笑:1票)
33.  アザー・ファイナル
2002韓日ワールドカップ決勝戦の同日、ブータンで行われた世界最弱国決定戦の模様を綴ったドキュメンタリー。世界最高のゲームが行われているその日に、世界で一番サッカーが弱い国を決めるというこの企画は一面ブラックなユーモアに見える。しかし、そこで行われたことは紛れもない好ゲームだった。レベルはもちろん横浜で行われたゲームとは雲泥の差であるが、そこにひしめき合うスポーツマンスピリットは、ロナウドやカーンのそれと何の変わりもなく、感動的である。
7点(2004-02-03 19:45:01)
34.  アカルイミライ
黒沢清作品は非常に気になるのだけれど、実際観てみると自分の趣向に合わない。今作も例に漏れず、衣装や映像による秀逸な映画世界そのものには引き付けられたが、肝心のストーリーと人物描写に魅力を感じることができなかった。どうもそれぞれの登場人物の描き方が中途半端に思えてならない。
[映画館(字幕)] 4点(2004-01-30 14:29:15)
35.  あずみ
原作の設定と流れをただなぞっただけの映画作りに落胆したというのが正直な印象だ。個人的には原作自体あまり好きではないのだけれど、それでも原作の持つパワーと真意をまったく反映できていないように感じたことは否めない。せめてこの監督得意とするアクション描写だけは評判通りのインパクトを与えてくれるかと思ったが、それさえも下手なワイヤーアクションやスローモーションを多用しただけに過ぎない陳腐なものだった。カメラワークもただ右往左往するだけで観客を引き込むだけの斬新さはまったく無かったと言える。おそらくろくな演出もなかったらしく、俳優陣の演技もことごとく軽薄である。主演の上戸彩はあずみのキャラクターにはハマっていて、アイドルという肩書きを感じさせない眼光を見せていたが、映画の中でのキャラクター自体が薄かったためもうひとつ目立たない。唯一の救いは「あ、やられちゃったよ」と死んでいく遠藤憲一か…。とにかく、海外からの評価も高い北村龍平であるが、その映画監督としての資質には疑問が残る。
3点(2003-12-08 16:27:35)
36.  アンラッキー・モンキー
相変わらずと言っていい主人公の疾走と共に破錠していく展開は興味深いが、例えば「ポストマン・ブルース」ほどのストーリー的な完成度の高さは無かった。主人公の幻想のまま物語自体もぼやけて終わってしまった感が拭えない。
5点(2003-12-05 23:17:20)
37.  あの夏、いちばん静かな海。
静かな夏に繰り広げられる無言の会話は、すべてラストのタイトルコールに集約される。すべてが終わり、「あの夏、いちばん静かな海。」とタイトルが表れた時の身震いが忘れられない。この映画を観るまでは、映画監督北野武を低く見ていた部分があったが、あの瞬間から彼は日本を代表する映画作家だということを認知した。
[ビデオ(邦画)] 8点(2003-12-05 16:00:51)
38.  Undo “アンドゥー”
岩井俊二の独創的な世界観は秀逸であるが、それ以上に、山口智子の存在感に目を奪われる。精神的に歪み、醜く乱れながらも女優としての美しさに溢れた演技は圧巻である。映画の物語自体は盛り上がりに欠けるが、それでも強烈に胸に残る魅惑的な力がある。
7点(2003-11-25 17:09:03)
39.  ALIVE アライヴ
前半は原作のセリフをそのまま引用し並べているにすぎず、原作以上に漫画的な現実離れした環境は、監督の思惑よりも膨らみがなかったように思う。したがって、原作を熟知している者にとってはやや退屈だった。そこから一転、主人公が異次物と対面してからの展開は、とてもスピーディになり飽きさせることはなかった。特に北村龍平監督の得意中の得意であるアクションシーンは圧巻で、派手なアクションシーンは原作には無いものなので、映画としてのオリジナリティが出ていて良かったと思う。しかしながら、映画全体を総括すると、やはり高橋ツトムの原作が持つ、衝撃的な創造性と鮮烈な凶暴性は描き切るには及んでおらず、原作者のファンとしては満足に至らなかった。
[ビデオ(邦画)] 4点(2003-10-31 11:26:00)(良:1票)
40.  ACRI
「ego ?(イーゴゥ?)」 と、海洋学者を演じる藤竜也が独特の言い回しで食い入るように応える。 このワンシーンを迎えるとついつい真似て声を被せてしまう。 個人的にフェイバリットな映画において、そういうことは多々あると思う。 つまりは、世の中では圧倒的に酷評され、石井竜也という“創造者”にとってかなりマイナス要因の強い分岐点となってしまったこのSF映画が、僕は個人的に大好きだということだ。 何年ぶりかに鑑賞しなおしてみて、そのことを改めて思い知った。  岩井俊二が用意したファンタジックなベース(原作)に乗って、石井竜也というクリエイターの趣向がある意味独善的に繰り広げられている作品であることは間違いない。 はっきり言って、その趣向にそぐわない限り「陳腐」だとしか感じられないことは致し方ないのかもしれない。  決して大衆にはウケないという必然性を備えていることを今はよく理解出来る。 でもだからこそ、生まれて初めて買ったCDが米米CLUBの「君がいるだけで」で、小学校の文集の「尊敬する人」の蘭に「石井竜也」と書いた“信者”にとっては、唯一無二の作品であることも改めて必然だと思った。  前述の藤竜也をはじめとし、俳優として駆け出しの浅野忠信、トレードマークの長髪が若い江口洋介、色々な意味で感慨深い裸体を披露する吉野公佳と、キャストは魅力的だ。 そして、岩井俊二の原作から導き出されたプロットは、充分に理にかなった空想科学であり、そのファンタジックでもある世界観は石井竜也の創造性にとてもよくマッチしていたと思う。  まあこれからも再評価されることなんてないのだろうけれど、石井竜也、岩井俊二、浅野忠信、そして原案にはよしもとばななも携わったらしいこの作品を、「俺が好きと言わずに誰が言うのだ?」と勝手に使命を持ち続けようと思う。 
[CS・衛星(邦画)] 10点(2003-10-20 21:21:39)
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