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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
ゼロ戦の設計者・堀越二郎が実名で出ていますが、 「風立ちぬ」の著者・堀辰雄の人生と著作をフュージョンさせたフィクションでした。  宮崎氏が描きたかったのは、飛行機の設計だけに執着した男の話。 道徳的な教訓や反戦的な思索を込めた作品では無い。 だから、時代背景として描出される大正後期から終戦までの出来事 ~関東大震災、失業者が溢れる不況、銀行破綻、特高警察のマークなど~ はあくまで背景として流すだけで、主人公はそこに関わらない。 戦争描写も同様で、物資不足や空襲は描かれない。 思い切った省略が為されている。 「お国のために」という意識が堀越二郎に皆無だったとは思わないが、 そこも外されている 後半、病身の奥さんとの遣り取りが美談風に描かれる。 この辺りが堀辰雄からの引用。 でも、あえて較べるなら、主人公の頭の中は飛行機7、奥さん3くらいに思えた。 これらは意図した演出だろう。 空への憧れ、という一点だけを見つめた男を浮き彫りにするための演出です。  艦上戦闘機の設計に「機関銃さえ無ければ可能な案」が浮かぶ。 兵器を設計しながら、思考は「美しく飛ぶ飛行機」を模索する。 本人の目的と、製造されるモノの目的が合一しない。 最終的にゼロ戦は「機能美」を獲得した機体になった。 彼が夢で見たゼロの編隊飛行はとても美しい。 でも、その夢の中でも「最後はズタズタでした」と語る主人公。 「ズタズタ」とは撃墜や敗戦だけでは無く、「棺桶」として使用されたことも含まれるのだろう。 これらのギャップや矛盾が本作がテーマだったと思う。 時代のうねりの中で、 嗜好だけを貫いた者がどのような感慨を覚えたのかを描きたかったのだと思います。  そして、本作の主人公は宮崎氏にオーバーラップします。 この人ほど「空を飛ぶ機械」への憧れを描き続けた作家はいない。 ファルコ、ギガント、メーヴェ、ガンシップ、オーニソプター、アルバトロス、等々。 デッキブラシなんてのもあったけど(笑)。 長い付き合いの中で多くの飛翔を堪能して来ました。 彼は飛行機の操縦も設計も出来なかったが、描き、動かすことを自己実現の手段とした。 手法こそ違え、本作の主人公そのものではないか。 「空を飛ぶ機械」は美しく描きたいが、アニメになったら大半は戦闘シーン。 流麗に飛ばしたくとも、人殺しのシーンが最もイキイキする。 これも矛盾です。 個人の嗜好と有用性は、矛盾を孕んで進むものなのだと思います。  本作は分かりにくい映画でしょう。 それは、強引な取捨による個人の一側面描写に起因しています。 敢えて禁止用語を使いますが、ヒコーキキチガイを描いた映画でした。 同時に、監督の想いを綴った私小説ならぬ私映画でした。 そこに込められた想いに呼応できないと、ぼやけた見え方になると思います。 彼は「ズタズタ」になったとしても、彼の嗜好でアニメを作り続けたのでしょう。 広告に使われていたフレーズ「生きねば」とは、それしか出来ない者の覚悟だったと解釈します。 私は感動しました。  (2018/12/15更新 初投稿時、文字数制限で割愛していた部分を補足しました)
[映画館(邦画)] 9点(2018-12-15 00:31:53)(良:6票)
2.  GANTZ:O 《ネタバレ》 
原作で最も盛り上がったシークエンスだった(と私が思っている)大阪・道頓堀の妖怪編。そのCGアニメ化でほぼ原作通りの流れ。特に期待せずに見始めたけど、うん、楽しめました。なんだか安心して観ている自分がいて、それは恐らく実写版で痛い目に遭ったからなのでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-03-31 23:06:35)
3.  葛城事件 《ネタバレ》 
同監督の「その夜の侍」を怖い映画だと評しましたが、コッチの方がさらに怖かったです。似た映画を観たことがあります。「タクシードライバー」。動機が分かりにくい犯罪や凶行が起こった理由を探究する姿勢が類似です。これをテーマにした映画は多くはありません。 夫婦と兄弟の4人家族。この家庭が壊れます。長男は自殺、次男は連続殺人の死刑囚、妻は精神を病んだ状態でした。崩壊への最後の引き金を引いたのは次男の通り魔殺人ですが、そこへ至った経緯が回想的に語られる。どうやら親父に問題があったようです。 この親父、自分勝手だし、時に妻や子に手を上げたりもします。周囲の者のためにやっているように見せながら、実は自身の満足を最優先しているようでした。でも、それが殊更に酷いレベルとは思わなかった。奴が元凶と断罪するのは簡単だけど、誰にも少しは似たような側面があるように思えるのです。ワイドショーを賑わすクソ親父にはもっと酷いのが幾らでもいます。 家族の誰にも「友人」が見当たらなかったこと。コンビニ弁当ばかり食べていて母親の手料理が無かったこと。親父の身勝手以外の原因も背景として語られていました。 死刑を認めない女性活動家が獄中の次男の嫁になる。彼女は次男に寄り添う「家族」になることで死刑を否定しようとする。彼女が何度も口にする「家族」と云う言葉は、本作では皮肉として機能していました。(個人的には、この女がとてもウザかった) 本作の怖さとは家庭を崩壊させる家主に自覚が無いところです。誰の身にも起こる可能性があるところが怖いです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2018-01-13 22:41:38)
4.  海賊とよばれた男 《ネタバレ》 
出光石油創始者のお話です。原作も読んでいますが本作の映画化は上手いと思えなかったです。ストーリーはそれなりになぞっていますけど、芯になる部分がごそっと抜け落ちている印象でした。 抜けているのは主人公の愛国心です。あくまで原作を読んだ個人の感想ですけど、主人公は自身が経営する企業の利益や従業員の暮らしだけではなく、ニッポンの行く末を常に意識して諸々の決断を下していました。特に戦後パートで海外石油メジャーと敵対した際の決断の根拠にはそれが顕著に見られました。だからこそ、社員の命を危険に晒す(現代では考えられないような)業務命令が意義を帯びる。彼はビジネスで(比喩ではない)戦争をやっていた訳です。ところが、本作からはその思想が感じられません。「海賊」と呼ばれるほどに元気が良く、時には無謀な経営者。その域を出ていない。サラリーマン金太郎のレベルです。 愛国心と云う言葉には否定的な姿勢を持つ方が多いと思います。それが行き過ぎると他国を侵略するような戦争を起こすからですね。しかし、本作の主人公を衝き動かしていたのは愛国心以外のものでは無かったと思います。そのまま映画化することにスポンサーからクレームがあったのか、あるいは監督さんの遠慮なのか。原作者は右傾を批判されることも多い方ですが、私は好きな作家のひとりです。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2017-12-09 22:19:54)(良:1票)
5.  がんばれ!!タブチくん!! 《ネタバレ》 
10年ぶりのレビューだ! これ、劇場で観ました。そこそこ笑わせてもらったので悪い点は付けたくないですね。劇場もそれなりに沸いていましたよ。 ○十年ぶりの再見でしたけど、今となっては懐かしい名前がゾロゾロ出てきました。プロ野球選手をプレイ以外の部分で個性的に扱うのは、ご本人に取っては迷惑な話かもしれませんが、プロ野球を見る視点が拡がって悪いことじゃない気がしますね。 余談。大阪の小学生だった私は甲子園の1塁側から田淵幸一を見たことがあります。応援が凄かったです。「ブター!」の連呼と云うか、大合唱。で、凡退すると「アホかー、ブター!」と本作のごとく戦犯扱い。それはそれは気の毒でした。田淵さんのプレイ内容より、甲子園のファンの熱さが強烈な体験として幼い私に刻まれました。
[映画館(邦画)] 5点(2016-10-26 00:41:34)
6.  カラスの親指 《ネタバレ》 
「あまちゃん」以外の作品であまちゃんが見られるとあって、楽しんで鑑賞しました。今はそういう人、多いのではないかと思います。 多くの方がご指摘の通り、長い作品でした。観ている間は特に退屈もしないけど、観終わった後にとても長かったと感じる。それは尺の長さと云うより、スピード感の欠落が作品の面白味を総体的に減じさせているからだと思いました。 サスペンス&ミステリとしては、疑問符を付けます。最後のネタばらしが長いこともマイナス点ですが、内容に頷けない。心地良く騙された気がしないのですね。それは、どう考えても偶然に任せる部分が多すぎるからです。宝石現金即売のチラシを作ってポスティングしても、あまちゃんがそこへ誘導される可能性がどれほどあるでしょう? 彼女が成金を装った役者に目を付けて仕掛ける確率は? 村上ジョージが一流の詐欺師だとしても、そこまで計算し尽くせるとは思えないのです。一石三鳥・四鳥にはやはり無理がありました。 さて、あまちゃんですが「あまちゃん」を観ていたから楽しめた、というのが正直な感想です。役作りとしては石原さとみの方が面白かったです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-02-06 11:32:47)(良:1票)
7.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
手描きの絵による動画の風情を出し尽くすことを目標としたような映像。鑑賞中より、後からジワジワと効いてくるような味わいがありました。「おとぎ話」の世界を崩さず、それでいてモダンな表現で、とても見応えがありました。 私が知るかぐや姫は、求婚者の失敗を高所から見下ろしつつ老夫婦との別れに涙する不可解な人物でした。絵巻物の平安美人のように表情の無い人です。そこにスッキリした解釈とプロフィールを与えて貰ったというのが率直な印象です。本作の彼女は珍宝に目を輝かせ、甘言の求愛に動揺し、訃報に心を痛めます。それらの表現は細やかでしたが、敢えて言うと常識的な反応だと思います。彼女の内面は「普通の人」なのです。そんな彼女の感情が最も解放されるのが野山を駆け巡っているとき。それは彼女の唯一の自由で、私には自然への讃歌と云うよりも籠の鳥が得た束の間の大空だったと感じられました。 幸せの探究とは極めてパーソナルな価値観の具現であり、特別な存在になるほど周囲との摩擦も増えて達成が難しくなります。彼女は老翁が用意した高貴な姫様コースには反抗したけれど、月世界の頭目には逆らえなかった。地上での記憶を失くすことは「タケノコ」&「かぐや姫」の死と同義で、彼女の自由や幸せ求める闘いは敗北したと記憶されるべきなのでしょう。 親が考える子の幸せと本人が望む幸せのギャップは世代や時代を越えた普遍性を持つのかもしれません。そのギャップをかぐや姫側の視点から描いたという意味で、「竹取(の翁媼の)物語」ではなく「かぐや姫の物語」でした。個人的には月世界の住人も振り切って望む未来を手にして欲しかったのですが、さすがにそれでは違う物語になってしまいます。でも、そう思えたこと自体がテーマだったのかなと云う感想です。 ちなみに、都の邸宅でかぐや姫の付き人をやっているマンガみたいな顔付きの女の子の表情が楽しくて、登場カットごとに心躍りました。
[映画館(邦画)] 7点(2013-12-12 01:37:36)(良:1票)
8.  ガッチャマン 《ネタバレ》 
伝統的なダメダメ邦画SFの腐臭に満ちていました。ちょっと懐かしさを覚えるくらい。理屈が先行してストーリーを為さない腐った脚本を、演出がさらにドロドロにする感じです。酷評の嵐に興味を掻き立てられましたが、観て良かったです。「ガッチャマン」というタイトルで無ければ、平均点がもう少し高いのかもしれません。私がイチバン残念だったのはジュンのコスチューム。なんでパンツなの。
[映画館(邦画)] 1点(2013-08-30 11:05:59)(良:2票)
9.  風立ちぬ(1954) 《ネタバレ》 
結核を病むヒロインが療養先の軽井沢で出会った男性と将来を誓う仲になる。家族を含めた二人の関係とヒロインの心情が文学調に描かれます。母を病気で亡くしている彼女は、父の再婚に激しい嫌悪感を示す。父が母以外の女性を愛することが許せない。自身が結婚を申し込まれた直後ということもあり、男性の気持ちが変わることへ恐れが潜在的にあったことが察せられる。このあたりの描写がとてもデリケートで、ひとつの山場でした。山村聡が演じるヒロインの父が、あの時代(戦前の設定)にしては物分かりが良く、素晴らしい父親像でした。結婚を申し込みに来た男性に説く言葉の説得力と包容力に感心しました。本作のラストシーンで、回復したかに思えたヒロインが突発的な発作で命を落とします。おそらく原作に沿った流れなのでしょうが、唐突に感じました。 某CS局が放送してくれたので、宮崎版の前に鑑賞しました。おかげで、宮崎版のスタンス(本作との共通点と相違点)が良く分かりました。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-07-31 15:53:10)
10.  崖の上のポニョ
先日の大災害が示すように、家々が海に呑み込まれたら本作のような状況では無くなるでしょう。そこの考え方は甘いと思いますが、あくまで後付けの意見です。 「千と千尋」や「ハウル」は面白いと思えなかった。色々なことを考え過ぎ、詰め込み過ぎ、迷走していたと思います。でも、本作は良い出来栄えだと思いました。子供たちが観る映画としてです。 正体不明の変な生きものが友達になって行く過程に、子供たちはみんなワクワクしたんじゃないかと思います。そこを大切した作り方だったと思います。劇場用の長編アニメーションって、元々は子供のために作られていたのですよね。 そんな作品を大人目線でとやかく言いたくはありません。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2013-05-14 00:29:26)(良:2票)
11.  カラカラ 《ネタバレ》 
主人公は61歳のカナダ人男性。離婚し、教員を退職し、大事な友人を失くし、これからの生き方が見えない。そういう人が、セミナーで訪れた沖縄を巡るうちに癒されている自分に気付き、ここに住もうと思い始めるまでを描いています。私も1年ほど前に沖縄へ移住してきたもので、テーマ的にも映像的にも興味深く観ました。 主人公の移住動機がガツンと響かないことに不満が残りました。「移住」に説得力を持たせるためには主人公の過去描写が不可欠ですが、本作は主人公の背景を回想映像などを挟まず本人に台詞で語らせます。そこが映画的にはかなり薄味です。主人公と共に旅する主婦(=工藤夕貴)の家庭問題の方が分かり易くて、そちらの解決の達成感が勝っていました。 沖縄に住む者には見知った場所が次々に映るだけで嬉しいのですが、一般的な沖縄映画らしい色彩も希薄でした。ロケが行われた時期が沖縄的には寒い季節で、陽光を感じない絵が多いのです。観光ムービー的な趣きを排除するための配慮かも知れませんが、南国らしい魅力が見えるに越したことはないという意見です。それが沖縄の絶対的な資産だと思っていますから。 イメージしても実行する人が少ないのが「移住」だと思います。身軽が前提になりますが、本作ではかなり追い込まれた末のアクションという描写でした。「移住」だけ関しては、もう少しハードルが低くてもいいんじゃないの、というのが個人的意見です。私は暖かいというだけでかなり満足しています。
[映画館(邦画)] 4点(2013-02-17 12:28:34)
12.  害虫 《ネタバレ》 
10年前の宮崎あおいもやっぱり可愛いが、ほとんどしゃべらない。最後まで受動的で、積極的に何かをする訳でもない。ひとつだけやったことが自宅への放火だけど、その唐突さには無理があった。彼女を含めて、社会生活に適応できていないような人が何人か出てくるが、特に社会問題を提起しているようにも見えず、ダラダラと時間が経過する。ツマラナイです。楽しくもないし、共感ポイントも無いのでこの点数。蒼井優も演技が下手な時期があったことを知りました。そう言えば、宮崎あおいの映画はたくさん見ているけど、これまで不思議と彼女のプロポーションを意識したことはありませんでした。本作のスラッとした脚線は印象に残りました。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2012-11-04 10:33:05)
13.  風が強く吹いている 《ネタバレ》 
ドラマの作り方があざとくて、少し鼻に付くところもありますが、「走ることの意味」を追い求めている姿勢には感じるところがありました。潔く「答えの出ない問いかけ」と言い切っているところも好感でした。「走る」ことは、誰にでも出来る最も基本的な運動。孤独が基本で、走り続けるとしんどくて、いつでも止まることができる。なにか意味を求めない限り続けることは出来ません。市民ランナーの多くは健康のために走っていると思いますが、フルマラソンに挑戦するような人は、たぶんそれを越える意義を模索しているのだと思います。本作は、その多様な意義を表現しようと個性豊かな選手たちを時間が許す限り掘り下げようとしていました。以前に「バッテリー」という作品のなかで林遣都が走る姿に感心してそのレビューでも褒めていますが、ホントに美しく走ります。実際に速いかどうか別にして、陸上をやっていた自分が見ても理にかなったフォームです。本作の彼のキャスティングはとても意味があったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-07-29 14:39:45)
14.  岳-ガク- 《ネタバレ》 
「山」の素晴らしさや怖さを伝えようとしているのは分かりますが、足の切断はちょっと無理矢理な感じがしました。そんなことより! 婦警のミニの制服が嫌で山岳救助隊を志願したらしいですよ。勿体ない。そんなことより! 中越典子を出演させておいて、まともに顔が写っているのは1カットだけとわ。許せん。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-05-08 02:05:10)
15.  海炭市叙景 《ネタバレ》 
ロケ場所が函館であることはすぐに分かるのですが、あくまで海炭市という架空の街の出来事、というスタンスのようです。「叙景」とは風景の文章化。その映像化は、いわばドキュメンタリーってことなのでしょうか。確かにストーリーらしきものはありません。生きることのつらい部分、重たい部分、荒んだ部分ばかりを抽出します。それにどんな意味があるのかは分からないのですが目が離せない。「不幸」が持つ緊張感とか緊迫感がそうさせるのでしょう。劇中、再開発のための立ち退きを求められる婆さんのエピソードがあります。再開発があるくらいだから、別にこの海灰市は廃れて行くだけの街ではないはずです。でも、登場人物たちは「開発」という言葉とは無縁の場所で生きているように映ります。開発の裏側というか、街の代謝とは関わらない場所というか…。そして、海炭市に限らず、人が生活する場所には必ず「明るい部分とは縁のない人たち」のいることが漠然とイメージされました。この監督の作品は納得できないものが多かったのですが、本作は原作アリということもあってか、筋が通っている方だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2012-04-25 16:00:33)
16.  川の底からこんにちは 《ネタバレ》 
こりゃ凄い作品でした。監督の個性が如実に出ています。まず、前半の煮え切らない会話。グダグダ。だけど可笑しさがこみ上げる。この味付けは秀逸です。その会話にも飽きた頃に「中の下」というテーマが浮上して、ギアを入れ換えて疾走する。「中の下」、つまり自分たちは平均以下と定義する。そのスタンスは正直だけど、「下の下」と言わないところに少しプライドを感じたりもする。「所詮、たいした人間じゃないんだから頑張るしかない」って台詞は別に「中の下」だけの専有ワードでは無い。「開き直り」が発揮する迫力に圧倒され、ちょっと頑張らなきゃと思ってしまいました。満島ひかりは「愛のむきだし」から注目している女優さんですが、絞り出す感じが好きです。全編を通してちょっとブラックな笑いに満ちていて、でも決して寒々しい訳ではなく、言うべきことはしっかり言う。この映画、私には「上の上」です。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-04-04 03:07:37)
17.  がんばっていきまっしょい(1998) 《ネタバレ》 
逆光の海を滑るボートを眺め、そのどこに魅かれたのかは解からないけどボート部入部を決意する主人公。この適当とも思える動機付けがとても印象的でした。人が何か始めるきっかけって、大概はそんなものだと思う。それが「自分にはボートしかない」とまで言い切るほどに入れ込んでしまう。本作はそんな記憶があるか無いかで、随分と視線が変化する作品だと思います。私はただただ、30年以上も昔のことになる自らの部活を思い出しながら観ておりました。自分は陸の上を駆ける競技だったのでボートとは全く無縁ですが、劇中の彼女たちとほぼ同年代だからなのか類似するシチュエーションが多々あって、無条件に共感してしまう。合宿の思い出、故障して満足に練習できない焦り、簡単に辞めろと言う肉親、年度が進むごとに緊張が増す試合、あと一歩で届かなかった目標、などなど。劇中に自分が見えました。部活に打ち込んだ記憶は年齢とともに遠くなっても減衰することはなく、私はこの種の映画には滅法弱い。個人的にとても素晴らしい作品でした。過去を懐かしむことに何の意味があるのかと問われれば、人生ってそんなものでしょ、と答えます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-02-24 02:41:09)(良:2票)
18.  借りぐらしのアリエッティ
鑑賞後、手のひらをうえに向けて「彼ら」をイメージしてしばらく眺めていました。これくらいの大きさだよね…って。一見、無意味に不愉快な樹木希林さん。劇中では嫌悪の対象になっていましたが、世の中のおばさんの代表じゃないですかね。無意識とか気まぐれという範疇に入る悪意を発揮することが、ちょっとした生き甲斐になっている人たち。責められても悪気が無かったと言い訳できる範囲で暗躍し、責めた方を糾弾する人たち。まぁ、おばさんに限ったことじゃないけど、あの類いの気まぐれが「種の絶滅」に繋がるのでしょう。あんなおばさんを絶滅させたい。本編はところどころに宮崎氏の回想が入っていました。丸まった虫は王蟲、さつきと猫バスはアングルまで同じで、スピラーは「コナン」のジムシーにそっくりでした。どうせなら、脚本からすべて若い人に任せてあげた方がよろしいんじゃないですか。
[映画館(邦画)] 7点(2011-12-30 23:29:05)(良:2票)
19.  帰ってきた若大将 《ネタバレ》 
1961年から1971年にかけて製作されたシリーズから10年の時を隔てた後日談的な位置づけの作品。本作自体がすでに30年前の作品ですが、シリーズを全て観た後に鑑賞したことで、自分としてはコンプリートした達成感がありました(笑)。主人公の家族に祖母役の飯田蝶子さんが見えないことが残念だったけど、ちゃんと七回忌という設定で偲ぶシーンを作っていることに好感。その他のレギュラーたちにもう少し見せ場を作ってあげたかったです。ヒロインは坂口良子とアグネス・ラム。アグネス・ラムがブレイクしたのは1970年代だったので、この時すでにブームは過ぎている。それもあってか、水着姿はありませんでしたね。本作の締め方の良いところは、田中邦衛が演じる石山新次郎が自分から進んで坂口良子を加山雄三に譲るシーンです。田中邦衛はほとんど全ての作品で加山雄三に魅かれる女性に横恋慕して必ず失恋していました。その描写がただ痛いだけの狂言回しで、人格などは全くフォローされずに放置状態。それが、やっと普通の人格を与えられたって程度なんですが、それでも嬉しかったです。そういえばこの二人は「椿三十郎」でもいがみ合っていました。このベテランたちの芝居の中に、劇中での20年来の付き合いがそのまま年輪として感じられる余裕と親しみが見え、それが私にはドキュメンタリーでした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-12-09 02:29:38)
20.  カムイの剣 《ネタバレ》 
とても散漫な作品という感想です。私は「999」でりんたろう氏の演出に感銘を受けたのだけど、本作は至って凡作に思えました。キャラの掘り下げ、見せどころの作画、ストーリーの辻褄、などなど。どれもイマイチです。例えば冒険活劇というジャンルで「ラピュタ」を横に置くと本作の弱い部分が明確化します。その比較で言うと、作画が見せる動的快感が圧倒的に希薄です。オーニソプター(4枚羽のアレ)の飛翔感に類するようなシーンや、ラピュタの雷(いかずち)のスペクタクル感がありません。対決シーンで剣を持った者がすれ違い、間を置いてから一方が倒れる。どれだけやり古されてますか。それを透過光の背景で象徴的に見せられてもウザったいだけでした。西部劇への舞台転換は想像を超えていましたが、そこから戊辰戦争に合流すると、驚くと云うより底の浅いシナリオに思えてしまう。これはたぶん原作がそうなっているので仕方のないことでしょうが、伏線として幕末感をもう少し見せないダメでしょう。幕末ファンの意見ですが。 ついでに、エンドロールの渡辺典子の歌でさらに減点。角川さんとしては売り出したくて必死だったようだけど、あれはないよね。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2011-12-02 00:17:40)(笑:1票)
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