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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1631
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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221.  浅田家! 《ネタバレ》 
いや~やっぱ震災の映画はダメだぁね…あと10年はしないと無理な気がする…  正直、根本的な部分の話の内容にはそれほどハマった訳ではないのです。必要以上に随分とノンビリとはしているものの、これもひとりの人間の成長物語ではある…とは思うのですケド、個人的にやはり私、こーいうごくボンヤリした人よりはバカでもナンでもいーのでただ熱い(熱苦しい)・熱血漢な人の方が単純に好みなのですよね(彼は彼で熱いハートを持っている、とは思うのですが)。なのでグッと来たのはどーしたって震災絡みのエピソードばっかではありましたすね。  まあでも、二宮クンはこの主人公には確かにかなりハマってたと思いますし、諸々が実話なコトを含めても観た価値はあった=元気を貰えたとも確実に感じるトコロではあります。全然フツーにオススメ出来る・オススメしたい部類の映画でもありますですね。機会があれば是非。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2022-02-21 21:11:28)
222.  牛首村 《ネタバレ》 
シリーズ三作目にして、因習蔓延る肝心な「村」の設定面を含め、全体的な内容・大まかな流れは最も破綻無く(無難に)仕上がっており、普通に最後までそこそこ面白く観れた…とも感じた。多少のツッコミどころは無くはないもののホラーとしてはまま許容範囲かと(=あまりに隅々まで整合性が取れているとゆーのもホラーとしては逆に妙味が無い、とも思うし)。まあゆーて、高度にユニークだとか、ショック描写にパンチが効きまくってるとか或いはスゴく「怖かった」とかいう訳では更々ないのだケド、例えばキャストの面々とか、まず主演のKōki,ちゃんはスラっと長身な抜群のスタイルで見映えが好かったし演技も決して悪くはなかったし、男のコも素敵な若手を2人も揃えていたり、こーいう期待の若者さん達のキャリアの取っ掛かりになるならこの手のホラーも決して無意味な作品とは言えないのではないだろうか。甘めだがこの評価で。  ひとつだけ(敢えて)難癖を付けるとしたら、ホラー描写におけるヴィジュアル面、かねえ…『牛首村』とゆーのは、それこそ実際の『牛の首』という怪談にインスパイアされたモノなのでしょうケドも、作中でもこの「牛の首」は結構ふんだんに小道具として登場してくるのですよね。ただ、この首とゆーのは作中の設定としてもあくまで「つくりもの」で、だから終始「つくりもの」としてしか登場しない、そーするとやはり今どきどーしたってドンキホーテで売ってる例のヤツを何故か皆で被ってる…という様にしか見えなくて、結局あんまし怖いという感じにはなってなかった様に思いました。例えば1箇所だけでもそーではない生々しい・禍々しいモノとして出て来る場面があったりするとまた少しアクセントがついたかなあ、と。他にも本作、お話の中ではパラノーマルだという霊的存在の類(お婆ちゃんの妹?とか、終盤の双子軍団とか)を、あまり工夫無くソレを演じる俳優さんをただ撮ってただバーン!と出してくるシーンが多い…とも思えて、ソレってやっぱ結局あまり超常現象的に見えない(=だから怖くない)とも思うのですね。もうちょっと丁寧に見せ方や視覚効果的な面を工夫して欲しい…とは少しだけ苦言を呈したくなってしまいました。
[映画館(邦画)] 5点(2022-02-18 21:49:49)(良:1票)
223.  MOTHER マザー(2020) 《ネタバレ》 
ムム…かなり高度に救いの無い、胸糞の悪い映画なのは確かですね。加えて、終盤はまだしも序盤~中盤はかなり「分かり難い」映画である様にも思えます。中でもやはり、長澤まさみの母親てのが何をどう考えているのかは非常に分かり難いです(最終的には母と子の関係性はある程度「シンプルな」モノに帰着する、とは言え)。特に、決して子供より「男」の方を重視している訳でもない様に(序盤はともかく)段々と見えてゆく一方で、阿部サダヲにだけは最初から最後までかなり入れ込んでいる様に見える部分とか(まあ~荒巻全紀に抱かれた後で、ふと考えを変じてスマホのメッセージを見る…というあたり、そーいうコトなのかなあ~とも思うのですケド)。  翻って、男の子の方は比較的には分かり易い、なので共感・感情移入もし易いと言えますかね。子供が親に依存する、なんて当たり前じゃあないですか。だから逆に、あの親についていったら君は幸せになれないよ、とゆーのを子供に伝えて決断を迫る、とゆーのは、それが例え事実であったとしてもあまりに残酷すぎる(=子供に対する負担が大きすぎる)なんて思ったりしましたね(じゃあどーするのが正しいんだ!と訊かれたら、黙るしかない…とゆーのは情けないトコロではありますが)。
[DVD(邦画)] 6点(2022-02-16 22:04:18)
224.  ちょっと思い出しただけ 《ネタバレ》 
昼間からタクシーに乗れる様な(+乗り回さなければならない様な)身分ではないので、タクシーに乗るとしたら深夜だけ、それも基本、仕事の所為です。まあでも、思えばあの家までの時間って意外と心地好かったりするのですわコレが。仕事の方が大わらわだからこそ、その中で自分が何もしてないのに(物事が)前に進むとゆーのが最早ちょっと喜ばしいとゆーか、会話も全く無いワケではない様な(=喋りたければ喋れる)ごく適度な情報のインプットの中、帰って寝るだけの前に逆に少し落ち着けるとでもゆーか、私あの時間て実はかなり好きなのでして。今作、こんな私みたいな(深夜)タクシー好きにはこれまたうってつけの映画だったかも知れません(とは言え、作中のタクシー・シーンは必ずしも「心地好い」というモノばかりではなかった気もしますケド)。  1年おきに1日ずつ、しかも時を遡ってゆくという仕掛けですが、アイデアそのものは最近でもワリとよく見かける方の細工かも知れないですかね(『ラスト5イヤーズ』とか『弥生、三月 君を愛した30年』とかにも似通ったモノは見て取れる)。ただ、まずはその話の運び方・遡り方とゆーのは諸々の小物の使い方がワリと巧みでまま分かり易かったですし(ココには今般のコロナ状況も反映されているのですが、ソコで「マスク」がかなり有効なアイテムに見えていました)またサブキャラの小エピソード・小ネタの数々も十二分に面白みがあり、かつメインの筋に対して出しゃばり過ぎないトコロがとても適切だったと思いました(この部分、地味に俳優も豪華でそれも好かったですね)。  ただメインストーリーは、率直に比較的「ライト」なモノに感じられましたね。それこそ「ちょっと」思い出す様なモノであるダケ、とでも言いますか。でもその分、全体の雰囲気自体はごくまろやかで淡い(これまた)心地好いモノでしたし、それこそソレは主題歌の雰囲気そのものでもあったのかと思います(つまりはこの空気感・「世界観」こそが今作のコンセプトなのだ、とでもゆーか)。結論、普遍的恋愛事象としての共感のし易さも含め、恋愛映画としてはごく手堅い仕上りかと。
[映画館(邦画)] 6点(2022-02-13 19:14:22)
225.  大怪獣のあとしまつ 《ネタバレ》 
「令和のデビルマン」というパワーワードは伊達ではありませんでした。確かに、ココまでの酷評を喰らっている主因とゆーのは宣伝その他でワザワザ高めた各方面の「期待」を悉く裏切った…という面が強力なのでしょーケドも、ソレを差っ引いてもほぼ全編に渡ってかなり高度にまるで面白くない!という映画です。また現時点、ココまでの言われブリは逆に下らなすぎて面白いのカモ?(ネタになるのカモ?)というモチベーションで観に行ってる人も多いかと思うのですが、個人的には正直ソレもあまりお勧めは出来ないですね。  どーしてこーなってしまったのでしょーね?速報では、とにかく「あとしまつ」側の話がしょーも無さすぎ・どーでも好すぎで全編下らないコメディで塗り潰されている…と聞いていたのですが、実際に観てみると実はそーでもなくて、ワリと「あとしまつ」側の話のシリアスめな雰囲気が全編通して保たれている…とも感じたのですよ。ただ、ゆーて確かにソッチ側の話の「中身」自体は実に下らないし薄っぺらいし、かつ「リアリティ」とかに関してはマジで皆無なのでシリアスさってのも完全に「嘘っぱち」な…という点で、まずはも~白けるしかない感じではありますし一方で見かけはシリアスなままだからコメディの雰囲気にも更々為ってなくて尚更ギャグが笑えない…という様にも感じましたかね。  あとは…コメディに徹し切れていないという意味では、本編中のギャグとゆーのは前述の中途半端にシリアスな流れの中にワリと唐突に&無造作に&脈絡無く「そっと」置いていかれる(=そーいう方向性を敢えて指向している)様に見えて、その点からも例えばフリオチ・ボケツッコミ・或いは笑かす「間」、とかいったオーソドックスな笑いのテクニックを殆ど使えていない様にも見えました。そーすると必然、笑えるかどーかはもうボケ質の「センス」(=ワードセンスとか)に全て掛かってきてしまう様にも思えるのですケド、その部分がコレもマジで超絶低レベルだった…とゆーコトにも思えますね(ウ○コだの○ンコだの)。まあ、そーいうオーソドックスではないシュールな笑いが監督の持ち味なのかも知れませんが、だとしたら率直に才能枯れてるよーにも思われますね。  ※以下余談 私の採点方針ですが、基本的に「ほぼ褒めるトコロが無い」映画が3点になります(→余程内容に「怒り」を覚えている場合を除いて)。翻って本作、実は内容「以外」は別に全然クオリティ低くもない(セット衣装美術その他大小道具、CG含む映像面、特撮、或いは役者の出来・ポテンシャル、等)と思うのでして、だから本来は「4点」が適正かとも思うのです。ただ、本作に関しては内容があまりにも面白くなさすぎる…ので1点引きました(別に2点引いてもイイのですが、いったんココまでで)。
[映画館(邦画)] 3点(2022-02-12 20:08:21)(良:1票)
226.  PSYCHO= サイコ・イコール<OV> 《ネタバレ》 
キッカリ60分しかない作品(OV)なのに、QP-CRAZYの『アルカイダ』を丸々1曲流しながら『アンダルシアの犬』+『恐怖の足跡』を結構隅々まで見ドコロ流用・切り貼りし尽くしたオープニングがなんと5分弱もある…という時点で、率直に「あ、これヤバいヤツかも?」と思ってしまいましたね。とりわけ、『アンダルシアの犬』はまだ分からなくもない(件の「目」のシーンの再現が本作のウリらしいので)のだケド、『恐怖の足跡』の方はそもそも何故にココで引用されてたのでしょーか?(全くそーいう系統のホラーじゃねーじゃんか)  そして観てると案の定とゆーか、本編も50分弱の時点で終わってもーて、残り10分強がまたなんと超絶スローなエンドロール(今度は犬神サアカス團のを2曲も続けてフルで流しやがりましたよ)だってゆーね。だから本編は実質45分ですし、それでも尚ショックシーンも精々合計20分くらいなモンです。結論、ここまで来るとちょっと(いやかなり)悪意すら感じるというヤツですね(もう詐欺まがいと言いますか)。  内容?内容は、コレもまあどーでも好いですよ。グロ以外は特に完っ全にどーでも好いですが、肝心のソレにしたって最たる見ドコロの2つ、目玉をカミソリで切り裂くのは重ねて『アンダルシアの犬』のパクリ、足首切り落とすのは『オーディション』のパクリだし。そしてそもそもカップル監禁して拷問する…てシチュエーションだって白石晃士の『グロテスク』のパクリで(と思いましたが、よく見ると今作と『グロテスク』はどちらも2009年1月公開のドンピシャなのでパクリとは言えんのですかね)目新しいモノはナニもありません。久し振りにかなり酷い作品でした(まあ、見えてる地雷も同然でしたケドね)。
[DVD(邦画)] 1点(2022-02-08 21:34:14)
227.  さがす 《ネタバレ》 
監督と言えば当然、かの問題作『岬の兄妹』しか観たコトなかったのですケド、アレはま~極度に強烈な映画でしたので、そのパーソナリティとゆーのは(1作観ただけでも)ビンビンに伝わってきましたのですよね。すなわち、社会の暗部や人間が秘める闇、だとかいったごくダークなモノを、ソレこそ取り繕うコトも無くダークでネガティブなままにフルスイングで叩きつけてくるかの様な…と言いますか。でも、その中にも実はごく善なる人間性も描き込もうとはしてる…のカモ…と(仄か乍らに)感じ取れたのも確かなのであって、だから今作、個人的にはかなり期待してたのですね(特にその後者の方に)。そして、まずはその期待した側面に関しても今作は実に好い出来だった…とは、とにかく最初に何より伝えておきたいのです(その面、かなり奥ゆかしいのも確かですケドも)。監督のファンならたぶん必見!というヤツかと思いますね。  ただ、意外なコトに本作は(前述どおりの種々の人間性の描き込みもしっかりとされてゆく中で)全体としてはハード系ヒューマンドラマとゆーよりはかなり純然たるサスペンスとして仕上げられているのでして、そしてその面の出来がまた実に意外なまでに頗る高かった…と言えるのですね。なので、お話の内容についてはレビューで言えるコトが(実は)あまりないのです(=ダマって観て!としか)。と言っても、犯罪当事者の計画が(当初から)ごく精密に考え抜かれていた…というヤツではなくて、その実行過程には行き当たりばったりや偶然も大いに孕むのですが、それでいて終盤の展開運びは明快で鮮やか、かつ抜群のキレの好さを誇っており、率直にとても素晴らしかったです。シンプルに事件ものが好き!という方にも大いにオススメですね(近年の邦画では屈指というレベルで)。
[映画館(邦画)] 8点(2022-02-03 22:48:57)(良:1票)
228.  千利休 本覺坊遺文 《ネタバレ》 
原作未読。成上りの絶対権力者と、その「意のままに為らぬ者」たる求道者…という、一見そこまで難しくもない様な(難しくもなく反発し合うだろう)秀吉と利休の関係性を描くコトが本義かとも思える作品だが、中で利休自身はごく納得して死を賜った、という様にも見える。全体を通しても描き出されている(と思われる)のは、死地に赴く者への手向けとしての茶、というか、死に通じるモノとしての「茶道」観、というか、だから利休が自身の死によって自分の茶道が(少なくとも何らかの)完成に至る、と考えていた様にも見えるというか、これは確かにその部分についてはまま難解な映画だ、と言えるかと思いますね(分かった風なコトを言っても私多分ほぼ理解できてない)。  利休自身は厳密には武家の出自ではない様ですが、戦国乱世を生き抜き、またそれを制した天下人とも臆することなく渡り合った…というのですから、その精神性は間違いなく「武士」でもあったと言えるのではないでしょうか。その意味では(=前述どおり利休を「死」を纏った存在として描く、という意味でも)利休役に三船敏郎を配したとゆーのは、個人的には実に優れた判断だった…と率直に感じます(凄い迫力・存在感でした)。かなり繊細で奥ゆかしい映画だとは思うですが、中々に味わい深い作品でもありました。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-03 21:55:04)
229.  花束みたいな恋をした 《ネタバレ》 
韓英恵が言う様に「若い時の恋愛と、結婚って違う」という、その変化の過程を描いている映画である(最終的には結婚なんかには辿り着かずに終わっちゃうお話だケド)。だからある種、これもまた人の成長を描く映画だとも言えるのかと。   趣味・好み・つまり「価値観」が似ているとゆーのは、人間関係を築く取っ掛かりとしては非常に分かり易くて効果的な要素だとは思う。しかし、ソレが恋人を選ぶ重要なポイントだった…とゆーのは、例え部分的にはそーであっても(=ある部分の価値観がドンピシャでも)他人同士なんて価値観が異なってるモノの方が絶対に多いのだから、その時点でも若干その「継続性」の面には危うさがあるとも思うし、そもそもソレがポイントになる時点でカップルの各々としては「自分の価値観が結構大事」という人たちなんだろう、とも思えるのだよね。人間関係ってやっぱり「妥協」が何より大切だと思ってるので、その意味でもまた危ういなあ、ともね。  若干、女のコの方がよりチャランポランに見える、という人も多いのかも知れないのですケド、どーでしょうかね。確かに彼女は自分が幸せに生きてゆくにはごく「感覚的」に自分が楽しいコトをやってゆけば好いと思っている、その点は(方法論としては)少し浅薄だ、とも思います。ただ男のコの方も、自分が仕事を頑張れば(収入が安定すれば)・或いは結婚というカタチに持ち込めれば多分ナンとかなると思ってる(+ワリとそーとしか思ってない)という点で、コッチも結構テキトーだとも思うのですよね(キョウビ尚更)。だからやはり、彼らは両人とも同じ様にまだまだ成長過程にある二人だ…と見えていて、で、人間ってやっぱり一直線に向上していくワケでもなくて、上がったり下がったりグネグネと波打ちながら徐々に徐々に少しずつ上向いていく…てなモンか、とも。個人的には結局のトコロ、それでもだからその山谷の巡り合わせが生んだ結末…てなコトでしかなかったのではないか、と。まァ~ねェ~~~中で一つ、私が菅田将暉に思いっ切り感情移入してしまった…てのが、仕事がマジでヤバい時って(私の様な映画オタクでさえ)映画観ても全然楽しくない…てなコトも実際あるんだよなァ~という場面すね(ソレを「彼は変わっちゃった」とか思われると、ちと辛い…てなモンで)。  主演2人は、別にルックス的にもとても魅力的な若人だと思いますが、超絶的美男美女というワケでもないごく近寄り難くない感じも大いに纏っている、そのコトは今作が「ごく普通の恋愛」を描こうとしているという点においては非常に適切なキャスティングだったと思います(ただ、有村架純ちゃんは演技力的にもごく等身大なこの役はピッタシだったと思いますが、菅田将暉が全力で演じるにはこの役はちょっと「簡単」だったかも知れませんね)。あと、年代を明確にし、かつソコで流行ったカルチュラルな諸々は全部実際の名前を出している、そのコト自体は、この映画が「刺さる」世代や地域、的な面での普遍性を損ないかねないという意味で(映画としては)若干リスキーな選択だったかな…とも思います。が、私の様なごくターゲットド真ん中のジェネレーションにとってはコレもまたお話を一般的なモノに見せるのには非常に効果的だったとは思います。だから私としては、その点への一種の感謝を込めて、1点足しておくコトと致します。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2022-01-29 18:54:22)
230.  許された子どもたち 《ネタバレ》 
これは、観る人に依って本当に様々な評価・意見・感想が出てくるだろう…という映画ですね。第一に、少なくともその部分についてはまま優れた社会派作品だと言えるものと思います。ただまあ単純に映画としては、少し演技の質がハイ・クオリティというモノでもないごく素朴な感じだったり(或いは部分的には展開運びも少しチープだったり)もあって、やや寓話的とも言える様な「つくりもの」ぽさが雰囲気として滲んでいる…とも思いますが。  本作における最も根本的な問題提起とゆーのはまず、例え「正当な」理由があったとしても、人が人に、或いは社会が人に対して暴力や制裁(それは社会正義を実行する為の「刑罰」を含む)を与えることが果たして正しいのか、というトコロまで遡れるモノかとも思います。全く只の理想論を語るなら、こーいった暴力や制裁は無くて済むなら無い方が好いし、減らしてゆけるなら減らした方が好い、とも言えるのかとは思うのです(例えば「死刑廃止論」とか、或いは今作でも描かれる「疑わしきは罰せず」の原則とかも、根本的にはそーいう話なのではないかと思っています)。とは言え、絶対的な現実の状況として、人が人に対して振るう暴力(=加害者と被害者が発生する状況)とゆーのを今の社会から完全に無くすコトはコレも絶対に無理なのであって、だからそのカウンターパートとしての(社会正義を維持するための)刑罰としての暴力は「正当な理由があれば」許容せざるを得ない、つまり現在の社会は理由があれば人が人を傷つけることを許しているのであって、そしてその理由の「正当さ」の判断がコレも常に「絶対に正しい」という保証もまた無いのだ、というコトだと思うのですね。個人的には、だから「理由があればいじめても(暴力を振るっても・制裁を与えても)善いのか」という今作で為される問いかけとゆーのが、月並な言葉ですがやはりとても深い論点だなと感じました。コレ、私も答え出ないし、今作でも答えは全然描かれてないのですよね(言っちゃあ結構投げっぱなしな映画かも知れんですね)。  ※まあでも、深いとも言いつつ若干は屁理屈の様な議論だとも感じるのです。「絶対に正しい」ワケじゃないからといって、ソレは「正しく」ないのか、とゆーと、ソレは決してそーでもないかな、とも思うのであって。それこそ「凡そ確からしい」正しさを備えるモノとゆーのは、今の社会にも決して全く無いワケではないとも思いますし、そのレベルの正しさでいったんは満足しておけば(=イレギュラーなケースは個々に議論すれば)さほど問題も無いのかなあ…とも思ってますケドね。  前述どおり答えの出ない議論を盛大に喚起するよーな映画だと思いますが、折角思い悩まされたのだから何らか前向きなアンサー・気付き(行動指針)を捻り出せたら好いな…とも思うのです。どーすれば(どーしてゆけば)ある程度十分にこの社会で正しく在り続けられるのでしょーかね?パッと思い浮かんだのは「法に縋る」というコトでしたが、でも、法律的に問題が無いとゆーのと社会的に正しい・正義だとゆーのは全然イコールではない、とスグに思い直しましたし(今作でも例えば、問題の非常に重大な根幹部分である少年審判における主人公側の振舞いとゆーのは、それこそ法的には何の問題も無い行為だとも思うのですよ)、法的に正しければ善いなどとゆーのは、あくまで「正義」を追及していく上ではそもそも非常に不健全な態度だ、とも思いますね(結局「法的に問題が無い」は、実は結構トンデモない言葉だとも思います)。  あとは例えば一種の「非暴力・不服従」とか、つまり社会の仕組みがどーあれ自分個人としては他者を傷つけるという意味での暴力を行使しない(=それによる自分個人への不利益は甘受する)といった指針も目標になり得るかな…などとも思ったのですが、そう腹を括った自分がそのように覚悟するのは善いとして、コレも例えば今作の様に自分に近しい人・家族が何らか「抵抗」せざるを得ない状況に追い込まれたとき、この態度を取り続けることが出来るのか(それが正しいのか)というトコロにはまた論点が残るという様な気もします(取り分け今作の様な場面において、親が子どもをある面で「守らない」とゆーのが本当に正しいのか、と)。そもそもコレを正しいとしたとして、とは言え前述どおり社会における暴力一般が「正しい」のかという議論にはノータッチのままになってしまってるとも思いますし、そもそも仮にでも社会における暴力が「必要」なモノであるなら、ソコから自分だけ勝手にドロップアウトするとゆーのはある種社会的に無責任だ、とすら思えるのですね。
[DVD(邦画)] 8点(2022-01-29 18:47:52)
231.  ずっと独身でいるつもり? 《ネタバレ》 
登場人物においてだって、男の側の面々とゆーのが押し並べてかなりしょーも無い連中で揃えられているコトからしても、まずはごく「女性向け」な映画だと言って間違いはないかと。ただ、そーいったバイアス強めの状況設定を通してであっても、肝心なテーマの表現とゆーの自体は(確かにやや強引・安直ではあるものの)、描き出される「結婚しなければ幸せに為れない訳じゃない」「結婚したからと言って必ず幸せに為れる訳でもない」といったモノについてはまず説得力とゆーのがも~十分だと思うし、更にその中にそっと置いていかれる様な「たとえ結婚しても自立した(ひとりの)人間で在り続けるべき」という価値観とかにだって、コレもまあ十分に共感は出来るかと思われるのですね(私は男のほーですケド)。重ねて、決して巧みだ・スマートだ・粋だとは言わないまでも、やりたいコトとゆーのはある程度チャンと出来ている(伝わる)映画だ、とは思われますです。そんなに悪くはないかと。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-24 21:42:01)
232.  ドライブ・マイ・カー 《ネタバレ》 
まず、かなり長尺な映画だが、一方で(根本的な)話の内容はそんなに大層なモンだったかな?と思ってしまう…てのがごく正直なトコロ。もちろん、主要キャストの演技&文学的な脚本とかの端的な質の高さは在る、でも、その西島秀俊と妻の霧島れいか、そしてこの2人の関係に纏わりついてくる岡田将生にしたってソコまで複雑というワケでもないごく分かり易いキャラにも思えるし、結局は西島秀俊が霧島れいかに終始振り回されっ放し(→そして何だかんだ最後には吹っ切れてゆく)というごくシンプルなお話だ、とも思う。ただ構成自体は、丁寧にタップリと夫妻の関係性を語り込む序盤+ある一つの「演劇」をつくり込んでゆく中盤+西島秀俊のお話の本チャンたる終盤、と3時間をある程度密度を高く維持するだけの要素の物量は備わっていたとも思うし、個人的にはその中盤なんかも後述どおり実はかなり面白く・興味深く観れたのは確かなのですよね(でもだからとゆーか、全然違う映画な筈なのに観終わった感じは監督の『親密さ』を観た時のソレにかなり似通ってた…と思ったりもしますケドね)。もうひとつ確かなのは、本作で一番「ユニーク」なのは間違い無く三浦透子のキャラ(と実際のその演技)だというコトですね。お話的にも特に終盤は非常に重要な役割を果たしていますし、全編通して(実は)彼女のアレコレにより注目して観てゆくべき映画だ、という様な気がしますですね。  中盤の演劇の話が面白かったという部分については、私が個人的に特に興味深かったのは、演出家の西島秀俊と俳優・スタッフとのやり取りとゆーのは、イベントそのものとゆーよりはそのイベントをつくり出す「チーム」をつくってゆく過程の方により近いモノに見えた、という点ですかね。演劇なんか取り分けそーなのかと思いますが、結局ソコが一番本質的な「クリエイト」なのではないかな、と言いますか(モノよりヒト、的な)。その意味では今回の演劇の建付け(メンバーの多国籍さ・ダイバーシティと、だからそれこそ表面的な「言葉」に頼らないという様な手法)も相まって、なんとゆーかむしろその過程からは博愛主義とか或いはコスモポリタニズムにも通じる様な価値観を感じ取れるとゆーか、その意味でもどこか爽やかなモノを感じました。ソコら辺を加味してもう一点足そうかとも思ったのですが、迷いに迷ってこの評点(据え置き)とします。
[映画館(邦画)] 7点(2022-01-08 19:20:16)
233.  蒲田行進曲 《ネタバレ》 
勢いが命!とゆーか、だからまァ~確かにコテコテにおバカな映画ですよね(そもそも、池田屋にはなんであんなバカみたいな梯子段があんのですかね?)。加えて、実に格好の悪い人たちの映画でもあります(地味に往生際もだいぶん悪かったりで)。人気?俳優の腰巾着で、腹ボテの女を厄介払いに押し付けられても文句のひとつも言えやしない…でも、少し考えると、事情はあれどもその女には実際に惚れてはいるのだから(かつ人間的にはその女性は間違いなく人生を共にする価値のある人なのだから)ソコら辺はグッと飲み込んで受け入れる…てのも、銀ちゃんだって恩人は恩人なのだからソコはバカになって恩返しに一肌脱ぐ…てのも、頭がイイとは言えませんケドも実にとても格好好いコトだとも思うのですよね(=これぞ「漢気」)。ただバカなのはまあ困りますケド、イザって時に「バカに為れる」てのは、人間としては最上位に大事なコトだとも(ずっと前から)心に留めているコトではあります。格好付けてる(orアレコレ損得を考え込んでる)暇があったら、飛び出せ!と言われてる様な気もしますですね(今年はそーいう年にしたいですね)。  今作では松坂慶子だけは、徹底的に美しい・格好好い・善なる存在として描かれている様に思います。ルックスのレベルが(なんか)桁違いに高いコトも相まって、ちょっと神々しい…とすら感じるとゆーか。その意味でもまた、どこかお得感のある映画です。
[インターネット(邦画)] 9点(2022-01-01 23:50:06)
234.  偶然と想像 《ネタバレ》 
ごく純粋な会話劇3作によるオムニバスですが、概ねその3話はそれぞれ3パートに分かれる、その中核たる第2パートとゆーのが各々かなり同じ様な特徴を強く備えておるのですね。ココだけ、台詞に感情が入るのを極端に排除しているとゆーか、非常に淡々とした朗読的な台詞読みになっていて第一にはとにかく独特だな、という印象を受けました(ただ思えば『スパイの妻』の東出クンとかも似た様な感じが実は強く出てた…かとも思います)。各々また第1・第3パートはもう少し自然に感情が入った演技に仕上がっているので、ソコも含めてコレは高度に意図的なモノだと思いますね。コレによって、まずは非常に文学的(詩的)で、かつ単なる恋愛事象にまつわる一個人の感情とゆーよりは、ソレがより(監督の)「思想」に近い様な思考・価値観としての表現に見えてくるとゆーか、単純に静かで文芸映画的な雰囲気が心地好かった以上にとても効果的な演出だと思いましたね。    1.魔法(よりもっと不確か):35分 濱口監督の作品には、偶にかなり「アレ」な女性が出てきますよね。元はと言えば『PASSION』の時の占部房子も相っ当にチャランポランな女にも見えましたし、続く『永遠に君を愛す』の河井青葉の逆ギレも中々なモンでした。何より記憶に新しい『寝ても覚めても』の唐田えりかちゃんたるや…おそらくこの人、こーいうのが「好き」なんでしょうね。とゆーのも、そーいう(控えめに言って)「飛んでる」女性てのを総じてごく滑稽に描きつつも、やはり同時に彼女らがごく魅力的に見えてしまう様に(どいつもこいつも)描いちゃってるのですよね(=何故かナンだか憎めない…つーか)。コレは、フツーに考えればポジティブな価値観だとは思うのですし、男としても(=こーいう視点はやや不適切かとも思いますが)ある種「立派」なコトだと思います。とは言え若干ながらソコには、そこはかとなく「妙な」性癖とゆーのを感じ取れる…てな気もしますケドね。  今作はその系統としては、古川琴音ちゃんのキャラ自体はワリとシリアス方面に寄せて仕上げてた様にも思いますが、前述どおりの感情を排除した演出方針の所為もあってナンとゆーか一層「ヤバい」女の子にも見えて、名状しがたい「面白さ」とゆーのは逆に強く感じ取れた…とも思います。「感情」が彼女にそう言わせている・させている、のではなく、彼女のもっとより深く「魂」がそう囁いているかの様な、つーかね。第2パートからの(思いがけずの)緊迫感は中々に見事で一気に観入ってしまいました。そしてその意味からはオーラス、吹っ切れた彼女がふと表情を(ほんの微かに)緩めるラストショットが、個人的に非常に気に入りましたね(観てるコッチもやっと少しだけホッと出来た…とゆーか)。   2.扉は開けたままで:45分 文芸的な、という意味では、間違い無く一番文芸的な作品でしたね。とゆーか、あの小説のあのくだりはコレも監督が執筆したんすかね?だとしたら、何とも(やっぱ)変態な…もとい、素晴らしい才能ですね!コレをあーいう美人に読ませて、ソレを渋川清彦がただ聴いてる…てダケでもはや「勝ったも同然」かとも思いますが、前述どおりごく文学的・朗読的な静かな演技の中にそっと置いていかれる様な2人の感情の微かな発露の奥ゆかしさてのも、実に味わい深かったです。ラスト、あまりに間抜けな「バッド」エンドは個人的には少しだけ好みではありませんでしたが(=単に土下座小僧が「勝った」カタチになってるのが私ちょっと気に食わない…というダケのコトなのは重々分かってますケドさ)まあ3作のオムニバスなら一品くらいはこんくらいビターでも…とも思いますかね。   3.もう一度:40分 コッチは、その建付け自体は3作中で一番コミカルだと言えるとも思いますが(映画館でも結構笑いが起きてた)、ヒューマニズム的な傾向とゆーのも一番強め・かつ分かり易いモノだったかと思います(個人的には一番お気に入り)。伝えなかったことの後悔、忘れてしまったことの寂しさ、それでもふと一歩踏み出そうという勇気…誰しもが確実に共感できるという感情が色々と込められていた様に思います。第3話のこの「偶然」については謂わば「僥倖」と言って好い様なごく喜ばしいモノだったとも思いましたし、同時にソレは夏子が自分の人生を(辛さを乗り越えて)キチンと振り返った・総括したコトが呼び込んだ「必然」だったのかも知れない…とも思いました(少なくとも私は、そう思いたいですね)。
[映画館(邦画)] 8点(2021-12-31 20:39:18)
235.  ハナ子さん 《ネタバレ》 
つい先日亡くなられた落語家・川柳川柳師のそれこそ十八番(とゆーか師は、ほぼこの噺しか演らないという非常に稀有な落語家であった)、史上屈指の傑作(新作)落語『ガーコン』に因れば、戦中に広く歌われた「軍歌」の曲調とゆーのも、戦局に応じてまた変化していった…とのコトである。連戦連勝だった開戦当初は当然の如くに威勢の好かったものが、次第に負けが込んでゆくに連れて段々と重く暗くなってゆき…という次第だ。更にのち、終戦間際は逆に妙に暢気な曲ばかり流れていた…とゆーのも、師の言だったかは定かでないがコレも何処かで聞いたエピソードだったと記憶している。  徹頭徹尾明るく長閑で笑いの絶えない本作であるが、コレは上述における「余裕」を意味するものか、それとも既にして「末期的」様相を呈しておるものか、どちらであろうか。その意味でゆーと、私が常々思案しているとある事柄として、それこそ例えばホラー映画とゆーのが巷で繁盛している…てのは、逆説的にその社会が健全であることを意味しているというひとつの視点である。つまり、現実がホラー映画以上の「恐怖」と化してしまった人とゆーのは、ホラー映画なんか決して観に来たりはしないというコトなのだ。その視点からすればやはり、今作の底抜けの明るさとゆーのは(既に1943年初頭にして)コレも逆説的に当時の世相の暗さ・不健全さを如実に示している様に思えて仕方が無い…のであって、今作も中々、今だにただ楽しく観れるという作品ではないかな…とゆーのが率直なトコロではありますね。  しかし、一方で本作に描き込まれる家族の情景(或いはその「幸福」)というモノには、だからこその切実さ・真実味が確かに籠められている様にもまた思われるのですね。ラストなんかも、ハナ子が実際に泣いているシーンとゆーのはそれこそ検閲によってカットされてしまった…とのコトですが、それでも尚、ハナ子が実は泣いているという「事実」自体は、轟夕起子の演技を通じて確実に我々にもひしひしと伝わってくるのです。ひとつの「時代」を確かに投影した映画としては、本作もまた小さくない価値を立派に備えている、と言えるのではないかと思いますね。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-12-30 18:05:17)
236.  鴛鴦歌合戦 《ネタバレ》 
あくまで軽~いオペレッタですが、中々どーして見所も多いし完成度も諸々高いしで、よくこんなのを1週間で撮っちゃえたモンだな!と率直に思ったのですね。オーラスの殺陣的な立ち回りについてはちょっと雑にも見えましたケド、コレすら全体の軽いコメディのノリには見事に適合している…とも思えて、ココまで来ると多分コレは「偶然」の範疇なのではないかな…とも思いました(コレを狙ってやれたとしたら、もう確実に天才だなと)。  女の子3人が皆お淑やか過ぎずお転婆過ぎず、また実に愛嬌があって(+お歌も達者で)出色の出来でしたね。中でもやはり、お春を演じる市川春代の愛くるしさが実に素晴らしかったと思います。片岡千恵蔵の演技の方はややお手軽感が強くて少~し好みからは外れるのですケド、まあコレも全体の雰囲気にはごくマッチしていた…とも思います。80年越しの今なお、実に手堅い優良娯楽作と言えるでしょう。是非。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-30 18:05:15)
237.  AWAKE(2020) 《ネタバレ》 
映画としては単純にそこそこ以上に面白い+細かいトコロまで比較的好く出来てる方の作品だ、と思いました。ただその総合的なクオリティはそもそも、まずスタイリッシュな画づくりの質がそこそこだったり、そして吉沢亮の演技もまずまずだったり、という要素も多分に在るにせよ、根本的には今作の元ネタが実話、かつソレが正に「小説よりも奇なり」という極めて良質な題材だった、というコトに依るトコロが大きいとも思われます。実際の映画としても、登場人物のキャラクターから事件の顛末のワリと細かい部分までが結構キッチリ事実に則した半ノンフィクションと言って好い様な質感ですし、その意味では「素材そのものの味を楽しもう」という系統の映画だと言えるかも知れません(おそらく本件については各所でドキュメンタリ的な纏め方は既に為されているのかとも思うのですが、やっぱ好いネタだし劇映画にもしとこーぜ!的なノリなのかな…とも)。  その観点からすると(まずもって多少は脚色が加わっているというコトもあるにせよ)、やはり映画に纏める上で若干は分かり易さを高めるべく簡略化(ないしは取捨選択)している箇所がある…という面については賛否両論があるのかも知れないと思いますね。吉沢亮(=AWAKE製作者)側で言うと、実際の対局後には彼からは非常に物議を醸す様な発言があったのも有名なトコロかと思いますし、対する若葉竜也(=棋士)側についてだって、そもそもの実際の電王戦のフォーマット・(将棋界に於ける)位置づけなんかの説明が省略されているが故に彼がこの対局に望む上での諸々の状況・思惑だとか、或いは彼が実際にはどのような準備をして如何なる戦略のもとにあの手を指すコトを決断したのか…という部分もやはり単純化されていた(=少なくとも詳細には説明されなかった)という、少しバカリの口惜しさは感じられましたかね(まあ、ドキュメンタリではなく劇映画としてはコレも十二分に適切な纏め方だとは思うのですケド)。  とは言え(そうは言っても)本作は、肝心なこの事件の本質の部分についてはワリと嘘偽り無く(かつ比較的分かり易く)的確に描き出せていた様には思われるのです。そしてそれ故、この事件が将棋の歴史の上でもかなり大きな意味を持つモノであったということも今作によって再び顕かにされたと言えるかとも思えますし、そーいう事件の顛末を映画という手に取り易いメディアとして後世に残したという意味でも今作にはある種の付加価値があったと思うのですね。色々な意味で決して悪くない、好い方の仕事だったのではないかと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-30 16:22:17)
238.  新宿乱れ街 いくまで待って 《ネタバレ》 
荒井晴彦の脚本家デビュー作なのでしょーかね。その意味では、まずは数年後に彼がモノにする名作『赫い髪の女』ともかなり似た様な話ではあるのだし、特に男女のグズグズとした関係性なんかは正にそんな感じ、とも言えるでしょう。ただ、男の方の人物像は売れない脚本家の卵という、より分かり易いヒモのステレオタイプではあるし、その部分とかは最近の映画だと『劇場』なんかにもかなり似通った感じで、全体としてもある種典型的な話だと言っても好いか、とも思います。  正直、あまり面白く感じなかった…とゆーのが(『赫い髪の女』に比べれば雲泥かと)ゆーてつまりはちょっと典型的すぎる…というコトにも思えますかね。その最大の理由が、舞台が新宿ゴールデン街、というポイントをあまり巧く使えていない(+新宿ゴールデン街でなければ描けないという話にも結局仕上がっていない)という部分にあるかとも思います。あとは加えて単純に、女優さんの魅力(色気その他)とゆーのが少し不足していた…とも感じますね。まあ、コレを観てから『赫い髪の女』を観る、とゆーの自体は中々興味深いコト…かとも思いますケド(映画人の「成長」が間違い無く垣間見れる…から)。
[インターネット(邦画)] 4点(2021-12-02 20:46:33)(良:1票)
239.  アイの歌声を聴かせて 《ネタバレ》 
何とも正攻法とゆーかド直球とゆーか「俺はこーいうのが好きなんだ!(文句あっか!)」と監督が言ってるよーにすら感じたのだ、とでも言いましょうか。お話の内容・映像表現・そしてテーマ的な部分もどれも非常にシンプルで明快、かつ重ねて(無駄に捻ったり裏をかいたりせずに)楷書で書いた様な真っ直ぐさ・分かり易さで、コレはもうキョウビ逆にちょっと新鮮にすら感じられましたです。一方で、奥行き・深みや多面的な部分(或いはSFとしてのリアリティなど)があったかとゆーと、率直にそーいうワケでもないかな…とも思いますがその分、実にただ清々しい映画として楽しむことが出来ました。こーいうある種「真っ向勝負」なヤツは中々どーしてド真ん中に好みですね。結論的には(アニメの「本分」たらんとゆーか)やや若年層向けかな、とも思いますが、大人の方にも結構オススメではあります(童心に帰って楽しむ、というコトのひとつのチャンスかと)。この映画の雰囲気そのまんま、といった感じの土屋太鳳の真っ直ぐな歌声も素晴らしかったと思います。   ※とは言えひとつ思ったのが、個人的な話ですケド今作とあの『竜とそばかすの姫』が私のなかで結果的に同じ評点になってしまった、とゆーのには、少しだけ「なんだかなあ~」とも思ったりするのですよね。「魂は細部に宿る」はコレもひとつの真理だと思っては居るのであって、だからごく細かいトコロまで考えに考え抜いてこだわって工夫して(場合によっては意表を突くように仕掛けたりして)つくる、とゆーのは一義的には絶対に正しいのだろうとも思うのですケド、ただソレで考え過ぎるのもまた確かに考えモノ…なのかも知れないな~とか思ったり。
[映画館(邦画)] 7点(2021-11-20 17:24:17)
240.  まともじゃないのは君も一緒 《ネタバレ》 
「無知の知」とでも言いますか。男の方は当然「普通」とゆーのが何なのかは分かっていないのだケド、少なくとも自分は「普通」じゃないというコトは適切に悟って居るのであって、一方の女の子の方とて実のトコロ「普通」って何なのかコッチもチャンとは分かってない(とゆーか総じて色々分かってない)うえに、更に自分が「普通」なのかもこれまたアヤフヤしてっちゃう……という意味では、序盤は確かに成田凌の様子を笑って観てゆく感じなのですケド、中盤からは清原果耶ちゃんのアレコレの方をよりニヤニヤしながら眺める様になってゆく(逆に成田凌の誠実さ純粋さの方には好印象の方が強まってゆく)というつくりかなあ、と。二人のキャラの実際のトコロにせよ、コメディと人間ドラマを両立させているコトにせよ、かなり楽しく微笑ましく観れる作品なのは確かでしたね。若干ですケド、一本の映画に仕立てるにしては内容自体は少~しボリューム不足かな、とも感じたのですが、あくまで小品として気楽に観るうえでは気にする方が野暮かとも思います。  結局「普通」ってナンなんすかね?今作においては(とゆーか清原果耶ちゃん的には)「普通」て要は「空気が読めること」でしかないよーにも思えましたかね。確かに「読める=読むことが出来る」という意味では、読めるか読めないかで言えば読める方が好いに決まっている、とは思うのです。ただ「読める=実際に空気を読んだうえで、ソレに従って当り障りなく大人な振舞いをする」という意味では、敢えてそーしない方が難易度も価値も高いというコトだって大いにあり得るとも思うのですよ。結論的に私個人としては、空気なんて読めなくても一向に構わん!とすら思いますね(ビジネス的には、敢えて空気を読まない人の方が時として遥かに貴重で頼りになる、とすら思ってますよ)。改めて言われると結構「嫌いな」言葉、かも知れないですね(「普通」にせよ「空気読め」にせよ)。
[DVD(邦画)] 6点(2021-11-10 22:13:31)
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