Menu
 > レビュワー
 > 青観 さんの口コミ一覧。16ページ目
青観さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1963
性別 男性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354
>> カレンダー表示
>> 通常表示
301.  あ、春
何となく不思議な感じが漂う。良く言えば家族とは何か?て映画であり、そういう意味では色々と考えさせられたり、しかし、悪く言えば相米慎二監督にしては、普通すぎる。作品全体に力強さが感じられない。タイトルにある「春」の空気とでも言うべきか?は感じられる。家族の再生がテーマなのだろうけど、どの登場人物も人が良すぎる。はっきり言えばお人よしの塊、集団なのである。地味な内容なことは承知の上で、私の好きな相米慎二作品とは違う違和感、上手く言えないのだが、何か違う気がしてならない。個性的な人間、登場人物それぞれの面白さなどはそれなりに伝わるし、つまらない映画でもない。ただやはり何かが違う。その何かはおそらく相米慎二監督自身も感じていたように思えてならない。確かこの作品は相米慎二監督の最後から二つ目の作品である。この映画の中で描かれている「家族」「人間の死」といったものを見て、ひょっして、既にこの時から相米慎二監督は自分が重い病に冒されていたのではないかと?何となくそんな気がしてしまうのは私だけだろうか?
[ビデオ(邦画)] 6点(2010-05-01 17:50:05)
302.  冷飯とおさんとちゃん
中村錦之助と木暮実千代の二人の会話が何とも可笑しくて笑える一番最初の話がやはり一番面白かった。更に小沢昭一もやはりその場にいるだけで何故か面白い。この最初の話をもっと見たい気がする反面、その後の二つ目の話は何だか妙に湿っぽくてあまり好きにはなれない。最後の話は役者で見るという意味では大好きな三木のり平が見られるだけでも見て良かったと思えるし、トータル的な事を考えると如何にも山本周五郎原作らしい善意に満ちた話、人情的ドラマとして3時間近いこのオムニバス形式もさほど長さと言うものを感じずに見られたし、そして、やはり主演の中村錦之助はどんな役でも難なく演じている。改めて映画スターとしての中村錦之助を見る事が出来て良かったと思う。最初の話だけでも良かったのにという不満が残るので7点てことにして、8点は付けられないものの、なかなか見所のある作品にはなっている。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-29 22:25:07)(良:2票)
303.  マルサの女2 《ネタバレ》 
確かに1作目のような見終わった後の爽快感は無い。むしろそれ以上に後味の悪さの方が上である。しかし、これこそが現実なんだ!結局は泣き寝入りすることになってしまうというその正しい者よりも悪人の方が勝つなんて、どう考えたって間違っているし、絶対におかしい。けれど、そんなおかしなことが起こり得るのが世の中の実態であるということを伊丹十三監督は描きたかったに違いない。少なくとも私にはそう思えてならないのである。世の中の全ての矛盾に対する怒り、許せない者、あってはならない現実、それを有りのままに見せ付けられることになる。正しく間違いだらけの世の中の象徴のような映画である。
[DVD(邦画)] 7点(2010-04-26 23:11:44)
304.  クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁 《ネタバレ》 
前に一度書いたけど、書き直します。予想通りの平均点の悪さだけど、実はこの映画、公開当時、映画館で3回も観てるぐらい私は大好きです。その理由として、相変わらずしんちゃんが笑わせてくれる。ただ笑わせるだけでなく、泣かせてくれる。未来に行く事になったしんちゃんが花嫁のタミコさんを助け出してからの台詞が泣ける。この作品、作者の白井先生が亡くなった後の最終の作品だけに、しんちゃんが「オラは絶対に死なない。」と発する台詞に込められた想いが感じられ泣けて仕方ない。例え作者の白井先生は亡くなったとしても、白井先生が残した。言いたかった事、しんちゃんの眼を通して伝えたい事、その全てはこれから先もずっと生き残っていく。この作品の中で見せるしんちゃんといつもの春日部防衛隊の仲間たちの未来の姿が凄いリアルで面白い。勿論、野原ひろし、みさえの2人が見せるしんちゃんに対する愛情、野原ひろしが言う「子供にくたばれなんて言う親、何処にもいないだろ。親は子供に生き抜けって言うもんだろ!」の台詞が感動的な上に力強いメッセージとして、しんちゃん映画らしい素晴らしいシーンとして、このシーンだけでも私はこの作品も評価したくなる。しんちゃんが愛される理由が分かるシーン、台詞として、タミコさんが「一緒にいて、あんなに楽しい人はいないの」と言う台詞もしんちゃん映画が愛される理由の一つだと思う。しんちゃんの未来の姿がしんちゃんの大好きなアクション仮面にそっくりというのもこの作品はしんちゃんに対する愛が感じられる。色んな意味でこの作品も私は大好きです。2020年12月11日訂正
[映画館(邦画)] 9点(2010-04-25 22:43:26)
305.  暴れん坊兄弟
これまた一つ面白い時代劇を発見!沢島忠監督らしいテンポの良さ、所々で笑える要素がちりばめられている所などは如何にも沢島忠監督らしい。東千代之介と中村賀津雄の二人が面白い。そこに絡んでくる他の人達とのやりとりも面白い。またこの作品、東映時代劇全盛期の頃の華やかさ、女優陣の顔ぶれもこれまた見所の一つで、中でも丘さとみ、やはりここでも可愛い。そして、中村錦之助、ここでは脇役だけど相変わらず良いとこ取りって感じの、殿様役もかっこいい。
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-04-24 21:09:37)
306.  刑事物語 《ネタバレ》 
武田鉄矢って、こうなんて言えば良いのか?どこから見ても冴えない男の哀愁が漂わせていて、改めて良い役者であることが解る。男は顔じゃないぜ!いくら顔が良かろうが、女たらしで二枚目気取りな男よりもこの武田鉄矢の片山刑事のように三枚目でも、人情に厚く、まるでどこか男はつらいよの寅さんに通じるものこそが男であると言いたくなるほど、格好良い。あの売春で歩道される少女への土下座、あれなんか女の人から見れば、バカじゃないの!てなるかもしれないけど、男からしたらあれが男の哀しさであり、刹那さであって、男の男にしか理解出来ないであろうバカ正直さがたまらなく好きだし、泣かせるではないか!マドンナ的存在の女性が出てくる辺りも寅さん映画のようです。それにしてもこのシリーズ、初めて見たけど、ここまで男らしくて格好良い武田鉄矢を私は初めて見たような気がする。そういう意味でもこれは武田鉄矢というこの俳優の良さを知る上で最高のシリーズの始まりであるように思う。武田鉄矢以外の俳優にしても西田敏行、田中邦衛に高倉健って、おう!なんて贅沢なキャスティング!色んな意味で正にこれぞ邦画の楽しさがつまった愛すべきシリーズ第1作!果たして傑作か?と言われるとけして、傑作であるとは思えないものの、こういう三枚目でバカ正直な熱い男が主人公の作品は私は好きである。これを機会にこのシリーズの残りの作品も全部観たくなってきた。最後にもう少しだけ言わせてくれ!世の女性達に!「男は顔じゃない」「性格である」
[DVD(邦画)] 8点(2010-04-14 21:44:53)(良:2票)
307.  地球防衛軍 《ネタバレ》 
何と盆踊りのシーンでスタートしたかと思えば、早い展開で次から次へと怪獣映画ならではのシーンが沢山、出てきて、いやはや、その展開の早さに驚かされる。驚かされると言えば眼の前に怪獣が迫ってきてるのに入浴なんぞしている白川由美の江津子に、早く着替えて逃げなさいと私も言いたい。一言言いたいと言えばうわぁ、なんてチープな感じのまるでどこから見ても「ゴレンジャー」としか思えないミステリアンをはじめとする人達のあのかっこを見てると、懐かしさなあ!「ゴレンジャー」更に更にミステリアンが物凄く女好きなのが良い。色んな意味で突っ込み所満載でいて、それでいて、だれることもなく、楽しめる映画になっている点を評価しての、この点数!出来としてはけして、傑作だとは思わないけれど、昨今のCGばかりに気を取られ、中身の無い駄目ハリウッドSF大作なんかよりは何倍も楽しめる。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-04-13 22:03:59)
308.  秋立ちぬ
成瀬巳喜男監督が子供映画をというのは珍しい。子供が出てくるというものは成瀬映画には他にも沢山、ある。しかし、子供の視線から大人を見つめて描くというものはあまりないように感じられる。そんな中でもどこか成瀬映画ならではの空気、張り詰めた中にも子供が健気にしている場面などを見ると、ドロドロしすぎてなくて、子供映画としての空気というものが見えて、そういう意味では安心して見ていられる。物凄いドラマが展開されるかというと、そういうものを期待してしまうと物足りないし、私もそういうものを求めてしまうのがこの監督の映画においての期待であったりもする。安心して見られる反面で他の成瀬映画の傑作の多くに比べてしまうと物足りない気もしなくもないが、子供を描かせても成瀬巳喜男監督は巧みに見せてしまう上手さというものを感じられるそんな映画になっている。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-04-11 12:00:14)
309.  キューポラのある街 《ネタバレ》 
まず最初に私は吉永小百合が苦手である。この映画での吉永小百合演じるジュンたけど、確かにこれを観ると吉永小百合ファンがこの映画だけでも増えたに違いないでろうということを思わずにはいられなくなる。そのぐらい魅力的に描かれている。しかし、それでも私にはこの映画は確かに名作かもしれないけれど、好きか?と聞かれると困る。見ていて何とも辛い映画である。北朝鮮に対する見方、捉え方が余りにも客観的であり、理想とする社会主義的な雰囲気、そういうものが何とも辛く、辛いと言えばあの少年達の中の一人、北朝鮮人の少年が日本人である母親に対して抱く感情、むきだしの演技においても凄く見ていて辛い。そんな辛いシーンが多い中で健気な少女を難なくこなして見せている吉永小百合、これは明らかに吉永小百合のための映画だと思うし、吉永小百合ファンにとっての彼女の全ての出演映画の代表作であり、主演映画の中でも最高の映画であるだろう!それを否定する気持ちは一切、無い。それでもこの点数が限度なのは、しつこいようだけど、辛い場面の画き方、日本と北朝鮮との差別的な画き方が好きになれない。時代を読み取る力を持っている映画として日本映画史上に残る名作であるとは思うけど、色んな意味で引っ掛るそんな映画である。よって厳しいかもしれないが、この点数が精一杯です。
[DVD(邦画)] 6点(2010-04-05 22:51:24)
310.  座頭市と用心棒
確かに色んな部分で問題点、不満もある。しかし、それよりも日本映画史上に残ること間違いない二人の時代劇スターである「座頭市」と「用心棒」を一つの映画の中で戦わせてしまおうなんて発想が凄い。それも全ては勝新太郎と三船敏郎という今は亡き昭和を代表する映画スターの二人だからこそ可能なのである。岡本喜八監督が全ての映画ファン、それも邦画ファンへに向けてのプレゼントであると思えば多少の無理難題や欠点も大目に見てやろうではないか!と私は思う。それに黒澤明監督への岡本喜八監督からの尊敬のようなものも感じられる。そういったものを全て受け入れて見たい。そう思うことでこの映画に対する評価は違ってくると私は思う。何度も言うように勝新太郎と三船敏郎の存在感、この二人が同じ映画の中で対決するなんて発想は普通では思いつかないし、例え、思いついても普通は気を使い過ぎて撮ろうなんて考えないであろうものだが、それを一つの映画として、二人の俳優は勿論のこと、脇を固める俳優全てに対してもきちんとした役を与え、疎かに描こうとせずに見せてくれる岡本喜八監督の素晴らしさ、欠点が全く無いかと言うと嘘になるだろうし、それでもやはりこんな素晴らしい企画を実現させて見せてくれた岡本喜八監督に一言「ありがとう」と言いたい。勝新太郎と三船敏郎の二人を見て、改めて現在の日本映画のスター不足と時代劇としての凄みの無さを思い知らされることになる。日本は本当に惜しい俳優を二人も失ってしまったものです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-04-03 23:09:06)
311.  思えば遠くへ来たもんだ
武田鉄矢主演の熱血教師が主人公の映画で、田舎臭さが漂う映画作りが田舎で生まれ、田舎で生活している私にとっては良い意味で田舎の良さというものが感じられて、それだけでも観て良かったと思えるし、話としての面白さは特別に凄く面白いというようなものはない。しかし、監督が「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」のシナリオを書いている朝間義隆というだけあって、安心して見ていられる。この安心感はやはり「寅さんシリーズ」で長年、培ってきたからであろうし、そういうものが感じられ、武田鉄矢にしても金八先生みたいにやたら説教臭くというものが無く、そういう意味でも同じ武田鉄矢なら金八先生よりもこの映画の青田喜三郎を選ぶ。それとこの映画、大山のぶ代が出てきて、何だか昔の「ドラえもん」だと(今のドラえもんも私は好きだけど)いう懐かしさやら、色んな意味で懐かしさを感じたり、出来としては良い映画だとは思えないし、何度も言うように凄い映画でもないけれど、今のやたら銃をぶっぱなしたり、凄い特殊技術で人を殺して見せたりするハリウッドの長大作に見られる。そういうものが無いのも良い。最後にもう少し!「刑事物語」も未見の私としては是非、一度観てみたい。武田鉄矢には田舎がよく似合う。以上!
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-03-07 11:56:29)(良:1票)
312.  喜劇 女売り出します
やっと、見つけたあ!これ、ずっと前から見たかった映画の一つで、森繁久彌、やはりこの俳優が動く。しゃべる。もう、何だかそれだけでも見ていて楽しい。そんな森繁久彌ともう一人、市原悦子、この二人が経営するストリップ劇場、そこに集まってくる連中との何てことのない、会話、その中には人間の欲やら、哀しさ、空しさがきちんと描かれている。人間らしく生きるということ、それをストレートに描くこの森崎東監督の演出を見ると、この監督が喜劇の監督としての上手さ、松竹映画的な笑い、それは「男はつらいよ」の脚本を手掛けたり、後に「釣りバカ日誌」も書いてたり、監督するというその話の持っていき方、人情映画としての上手さがこの映画を見ていると感じられる。脇を固める俳優陣も芸達者で個性的なメンバーが揃っていて、それだけでも十分に楽しめる。そして、やはり森繁久彌、日本映画は改めてこれほどの偉大なる名喜劇役者に対して、亡くなってから国民栄誉賞とは、渥美清同様、何故生きているうちに与えないんだ?て思う次第でありまして、良い俳優を失ったこと、その大きさを感じずにはいられない。最後にもう少しだけ言わせて欲しい。森崎東監督って、もっと評価されても良い監督であると声に出して言いたい。
[ビデオ(邦画)] 8点(2010-02-17 21:44:34)
313.  虹をつかむ男(1996)
寅さんシリーズも終わって、釣りバカシリーズも遂に終わってしまって凄く寂しく感じる中で、初めて観るこのシリーズの第1作を観て、改めて渥美清という存在の大きさを感じずにはいられない。出演者の顔ぶれを見ると、渥美清が居ないというだけで、寅さんシリーズの常連さん、さくら(倍賞千恵子)に博(前田吟)に満男(吉岡秀隆)においちゃん(下条正巳)に、おばちゃんに(三崎千恵子)、寅さんシリーズ幻の作品となってしまった作品に出ていた筈の西田敏行だったり、寅さんシリーズでマドンナを演じたこともあり、幻の49作目のマドンナであった田中裕子やら、その他、松竹映画、山田洋次監督作品にも何度も出ている俳優がいたりと、見ていて寅さんが、居ないことの寂しさばかりが先に立ってしまう。映画好きな山田洋次監督の映画への愛情、寅さんファンに向けての、そして、何よりもこの映画が封切られる前に亡くなってしまった渥美清へのオマージュが感じられるという意味では見ていて、何だか複雑ながらも山田洋次監督って、やっぱり優しい。渥美清はもうこの世に居なくても映画の中で渥美清の姿を見せているという優しさ、それは画面を通して、出演者の顔付きからも見られるという意味でも見て良かった。出来ることなら映画館で見たかったと映画館へ行かなかったことを悔やむ。それにてもこれだけ寅さんファンを意識しているような、意識するなという方が絶対無理な顔ぶれと人情ものであるだけに渥美清が居ないことの空しさ、作品的にも大して面白味のある映画じゃない。寅さんシリーズ程に笑って泣けるわけでもないし、不満の方が多い。見終わった後、あれだけ長い間、車寅次郎という日本を代表する名人物を演じつづけてきた渥美清という俳優の偉大さを改めて思い知らされると共に、渥美清がまだ元気でいたらと思うとそれでけで何だか泣けてきて仕方ない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2010-02-14 19:25:16)(良:1票)
314.  人間の條件 第六部 曠野の彷徨 《ネタバレ》 
さあ、いよいよ、これでラストとなるこの第6部は梶の美千子への想いが今まで以上に悲しく描かれている。何としてでも俺は生きる。前に向って歩く。そして、必ず美千子の元へ無事なまま戻るという才気溢れる仲代達矢の演技の前には戦争は何て惨酷、人と人との間を切り裂く。仲間の死を眼の前にして、気が狂って仲間を死に追いやった奴は生かしてはおけないというものがモノクロの映像からどんどんと見えてきて恐ろしい。またこの最終作品の中で高峰秀子の避難民中の女の今、ここで戦争はやめてと叫ぶシーンにおいても、強烈なほどのメッセージが含まれている。そんな彼女の叫びを聞いて、降伏する日本兵、戦争からは何も生まれないという監督が一番、描きたかったことであるように感じ、ラストの雪の中、美千子に饅頭を渡したいが為に歩きつづける梶の姿、最後、美千子に会うことが出来ないまま倒れた梶、そうとは知らないであろう美千子の笑い声、全てが何とも惨酷で、悲しい結末に戦争なんてものさえ無ければ人は誰をも憎むことなく、幸せでいられるのにという気持ちが湧いてくる。見ていて楽しい映画なんかではないし、むしろ、腹が立ってばかりだが、それでもこの映画の6作品全てを今、何かあれば直ぐに戦争だ!やられたらやり返してやる。とそういう考え方しか出来ない人達にこそ特に見て欲しい作品である。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-14 11:29:41)(良:2票)
315.  人間の條件 第五部 死の脱出
いよいよ、ここまで来たかってぐらい、とにかく見ていて疲れるし、ひたすら重苦しくてやりきれなくなるけれど、戦争が人間を人間でなくしようとするというものがここでも見られて、とにかくこの重苦しさ、梶にとっての軍隊とは、戦争とは?作品全体に今まで以上に死というものが付きまとう。もう、既に皆さんがコメントしている通りであるからして、これ以上述べることはないが、ここまで見てきたからにはどんな結末になろうとも、覚悟の上で観なくてはならないと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-13 15:17:20)
316.  人間の條件 第四部 戦雲篇 《ネタバレ》 
梶のラストの叫びこそがこの映画の中で監督が一番、訴えたいことではないだろうか!人間なんてラララララ~♪て歌があるけれど、人間は時として自分さえも見失い、そして、鬼と化す。例え上司であれど、場合によっては構わずに殺すという狂気、「俺は鬼になる」「絶対に生き抜いてみせる。」「その為ならどんなことにも耐えてみせる。そして、鬼になる」この梶のラストの台詞は第1部と第2部の中で梶が中国人の捕虜達を助けることが出来なかった。自分の情けなさによって、命を助けることが出来なかったことへの苦悩の表れである。中国人に「お前は鬼だ」と言われたその通りに鬼と化した梶(仲代達矢)の才気、演技がとにかく恐ろしい。戦争はこうまでして、一人の人間を変えてしまうのか?戦争シーンの一切、音楽を流さずにひたすら延々と描く描写、モノクロの画面から伝わってくる重苦しさ、それは今時のCGなんかでは絶対に伝えられない恐怖、その全てが描かれていて、とにかく回を重ねる度に怒りと恐怖に心が震える。果たして梶はこの先、最後まで生き残ることが出来るのか?美千子との再会が果たして出来るのか?色んなことが頭の中でめぐりめぐって、毎度ながら観ていてもやりきれない重さがあるけれど、ここまで見た以上、最後まで絶対に見なくては気が済まない。梶が無事に美千子と再会し、昔の幸せを取り戻せることを心から祈るばかりです。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-06 17:04:10)
317.  人間の條件 第三部 望郷篇 《ネタバレ》 
人間が人間でなくなる。梶の心の叫び、仲間の一人、小原の自殺、その原因を認めようともしない吉田、吉田を庇う他の奴ら、皆がとにかく憎たらしい。私なら吉田なんか死んで当然、絶対に助けたりしない。梶の奥さんとの一夜のエピソードや小原のエピソードなどが何とも悲しい。軍隊が人間を人間でなく、まるで機械のように変えてしまう怖さ、相変わらず見てるだけでやりきれなくなる思いでいっぱいです。 梶が病院に担ぎこまれた後の軍隊にはない生活がまるで天国のようだとばかり時折笑顔を見せる梶と若き看護婦さんの二人の姿も印象的!梶の「会いたい人には会えるんだ」というラストの台詞を信じたい。梶が再び美千子と会える事を信じ、祈りつつ、次の作品も見たい。そう思わずにはいられない終わり方に希望を感じ、そして、そう願わずにはいられない。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-06 09:52:51)
318.  人間の條件 第二部 激怒篇 《ネタバレ》 
前作に引き続き、2日連続の観賞となった第2部はこれまた見ていて腹が立つ。同じ日本人として、これほど腹の立つことはない。梶(仲代達矢)の言葉に耳も傾けない三島雅夫の黒木署長に中国人捕虜との喧嘩の末に負傷したことは中国人捕虜達が脱走しようとした事を止めたからだと嘘を言う小沢栄太郎に脱走を企てることを吹き込み、陣(石浜朗)を罠に嵌めて殺させた三井弘次にも腹が立ち、出来ることなら奴等三人こそ処刑されるべきだと言いたくなるぐらい許せない思いでいっぱいになる。この三人を更に上回る許せない奴がいる。それは安部徹の渡合である。こいつが自分の名誉のことしか考えず、脱走兵とされた七人を処刑しようとする。ここで2人が先に首を斬られ殺される。そこで処刑の立会人を命じられた梶が命を張ってこれ以上は殺させないとはむかうシーンでのそれを見て他の中国人全員、宮口精二の王亨立の掛け声と共に立ち向かうシーンに感動せずにはいられないと共にもう少し早ければ2人の命も助けることが出来たのにという梶の表情が何とも切なくて、やりきれなくなる。梶と美千子の心の葛藤も1部以上に苦しみを感じさせる仕上がりになっていて、とにかく切なくて悲しくて、高を殺された悲しみ、恨みを梶にぶつける有馬稲子の演技もこの映画の全て、中国人から日本人への強烈なメッセージとして観ることが出来る。全てにおいて、とにかく重くてやれきれない映画であるが、けして、眼を背けてはならない真実、人間としてのあるべき姿を考えさせられる映画として見応え十分!この後の話も絶対に見なくてはという気持ちになってきた。
[DVD(邦画)] 8点(2010-01-27 21:06:18)
319.  人間の條件 第一部 純愛篇 《ネタバレ》 
これは人間の持っている狂気、更に惨酷さ、悲しさがきちんと描かれているということをまずは評価しなくてはならない。誰だって自分が一番、可愛いはず。人の命令に従うことの苦しさ、同じ人間なのに、ただ国籍が違う(日本人と中国人)てだけで人間を人間とも思わずに犬扱いする連中、それがあの中国人捕虜の前で犬を投げ捨てる場面によく現れている。日本人が中国人に対してここまで酷い態度を取ることのやりきれなさがひしひしと伝わってきて、同じ日本人として、何とも心が痛む。それは見ている私だけでなく、この映画の主人公、仲代達矢演じる青年、梶も同じである。日本人の下で働かされている中国人を同じ人間として平等に扱おうとする梶、それとは対照的な三島雅夫と小沢栄太郎がとにかく憎たらしくてならない。ここまで日本人が嫌な人間に見えてくる映画が、しかも、同じ日本人監督の手によってきちんと描かれている。約束を守らないで中国人の老人の顔をムチでぶったり、踏みつけて殺す小沢栄太郎、しかも、それをまるで悪いのは中国人の方であると言わんばかりの三島雅夫、とても人間とは思えないぐらいである。そういう事をこれが真実であると、真実から眼をそらさずに描くことで人間の狂気、非人間的な者への怒りをリアリティを持って包み隠さずに見せてくれているこの映画こそ、日本人なら、いや、同じ人間なら一度は観るべきであり、人間としての條件というタイトルに相応しい力作である。中国人を男も女も日本人が演じているという意味でもこの映画の持つ存在の意味は大きく、中でも淡島千景のあの異常なほどの色気、かっこ良さからは眼をそむけることなど出来ない。まだこの最初の第1部しか見てないけれど、これは全部見なくてはとても、気がおさまらない。この後、どのような展開が待ち構えていようとも、真実は真実だと受け入れて観る必要がある。
[DVD(邦画)] 8点(2010-01-26 21:23:09)
320.  空の大怪獣ラドン
流石に五十年以上も前の作品だけに昨今のCG全盛の大作のような迫力はない。しかし、ミニチュアのセットの素晴らしさはけして、CGなんかでは表現出来ないものがこの映画にはある。ラドンが出てくるまでのちょっした緊張感、空を飛ぶラドン、巨大生物であるラドンの遭遇シーンに手作り映画としての恐ろしさが感じられる。やはり映画は素晴らしいセット、人間の手によって作られた怪物としての醍醐味、確かに今の映画よりは映像美では劣るかもしれないけど、それ以外の所は全てで上回っている。最初の「ゴジラ」と同じ監督によるカラー映画としての怪獣映画である今作、カラーである為に白黒映画で感じられたような恐ろしさは無い分、劣るけれど、これはこれでよく出来ている。少なくとも平成の「ゴジラ」シリーズよりは圧倒的に上だし、面白い。
[ビデオ(邦画)] 7点(2010-01-24 22:05:50)(良:1票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS