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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1251
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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581.  人狼ゲーム ビーストサイド 《ネタバレ》 
前作を見たので基本設定は完全に受入れ済であり、この世界がこうなっている理由については全く疑問を持たずに見た。どうせ二番煎じだろうという予感があったので、物語的によほど面白いものを見せてもらわなければ済まないところだったが、結果としては視点の変更や若干の強化策にもかかわらず、基本的には前回の単純な延長のように見えた。 ただし前作における場の空気のようなものは継承されており、また若い役者の熱演が目を引くのも同じで、これが全体的な充実感をもたらしているのは間違いない。無意味に人が死んでいくだけの映画ではなく、人の生命の重量感を観客にぶつける映画になっている。前作に引き続いて見ていると、自分の生命をむき出しにして対峙する登場人物が愛しく思えるようになって来た。 ラストでは、原作とは全く別の方向性をもって外部世界に歩み出す主人公が映されていたが、自分としてはここで「犯人殺る」というよりも、「目指せロケンローラー」というメッセージを最後に主人公が得たのだと考えたい。それはかつての盟友の怨念ではなく、宗像美海の生命そのものを主人公が背負ったという意味になるのではないか。  ところでキャストに関して、個人的には宗像美海役が、ほわんとして自然体ながらやるときはやる、という感じを出していたのが非常にいい。緊迫感のある中でも「なんでかな?」といったような何気ない物言いが笑いを誘う。また「南極料理人」(2009)のわがまま娘だった小野花梨さんが、役者としては最年少ながらきっちり存在感を出していたのはよかった。この人だけ設定年齢より役者の実年齢が下である。ちなみに最年長は小曽根正則役の俳優であって、全体として9歳も年齢幅があるが全員が高校3年生をやっている。
[DVD(邦画)] 8点(2016-04-29 08:34:05)
582.  渇き。(2014) 《ネタバレ》 
オープニングがマンガじみたハードボイルド調で、昔の刑事ドラマのような大都会に沈む夕陽の映像も出ていたが、その大都会が新宿副都心などではなく、さいたま新都心というのは微妙な滑稽さを出していたかも知れない(現地感がないので想像)。本編では相手構わず喧嘩を売りながら暴走する主人公が痛快で、劇中世界が異常なだけでなく本人からしてかなり非道な輩に見える。しかし鑑賞者の倫理基準の隙間をくぐるような展開のため、善悪がどうとか言わずにとりあえず面白がって見ているか、という気にはなる。妻夫木聡のぶっ飛び方が非常にいい。 しかし最後は雪山の場面でクールダウンさせられてしまい、また観客の感情移入先を元担任の方に振り替えたような形で終わるため、結局は一般人の常識的な世界に回帰したような印象もあった。考えてみれば劇中人物の全員が異常だったのではなく、元担任のほかに高校の同級生(橋本愛)など、意外にまともな面を見せる人間もいたのだが、それが異常な劇中世界に見えたのは、主人公の目で歪められた世界がそのまま映像化されていたせいかも知れない。こういう異常な人間につき合っていると自分も変になってしまうということだ。 現実世界でも未成年者がヤクとかウリとかいうものに関わる機会は多くなっているのだろうが、だからといってそれが当たり前でも普通でもないわけである。やはり善良な市民としては、煽情的な報道や下劣な映画などに惑わされることなく、一般常識をしっかり持って平和な社会を維持するよう努めなければならない。そういうメッセージをこの映画が発していたかどうか不明だが、自分としては勝手にそのように受け取った。非常に陳腐な感想だが。  ところで主人公の娘は本当に死んだということでよかったのか。劇中では2つの時間系列が並行していたこともあり、どこに出るのか出ないのかわからないバケモノのような印象を生んでいた。死んでも殺してもしつこくまた出て来そうで、貞子とか「富江」のように扱えばホラーシリーズ化するのではないか(富江のイメージに近い)。この人物だけはそもそも人間扱いする気にならなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-29 08:34:01)
583.  リスナー 《ネタバレ》 
公式サイトによると「東京芸術大学大学院映像研究科映画専攻のプロデュース領域主導の企画」とのことで、監督は同専攻の監督領域の学生が担当している(みな若い)。題名は横浜にあるFM局(架空)の放送を聞く人々という意味で、これを条件にした各20分程度の短編5本+プロローグからなるオムニバスになっている。  【プロローグ】「曽根由希江のハート&ハート」という架空のラジオ番組にアニメーションをつけたもの。ラジオに関わる世界の広がりや、リスナーの脳内に生成されるイメージを映像化した感じで、これが「みるラジオ」というコンセプトに最も近い。かつ最も普通に面白い。ただ中間部にも出るので、何でこれが「プロローグ」なのかわからない。 【Unlucky】最も感動的。ラジオの音声が何気に状況を説明している。ボーカルの人物は「農作業しながら…」というのを自嘲気味に言っていたが、ここで初めて人の世界の広がりが実感できたということではないか。彼らはこれからその中へ還っていくのだろう。 【電波に生きる】最も頭が飛んでいる。話としてわからなくはないがあっちの方へ行きすぎで、これでは半分以上人間でなくなっている。思い込みの激しい女子も頭の中がどうなっているのか不明。人は絶対わかりあえないという意味か(監督コメントでは違うことを書いているが)。 【残されたモノ】最もストレートに見える。これだけが東京芸大でなく「韓国国立映画アカデミー」出身の韓国人監督で、ほかキャスト2人が韓国人。大地震という発想は“日本には地震がある(韓国にはない)”という向こうの常識?に基づくものと思われる。全部日本のせいだと言われても困るが。 【RADIO GIRLS】最も意味不明、公式サイトの解説そのままには受け取れない。女子高生の太ももが見どころとのことで映像的には華があるが、出来事の意味付けが非常に弱いので困る。主人公はこの後とりあえず自宅に帰るだろうと思っていいか。 【ブエルボ アルスール】ラストにふさわしいエピソードのようだが最も難解で、これも解説のとおり受け取るのは難しい。とりあえず自分は老プロデューサーの域に達していないとは思った。撮影は氷川丸の船内だったのか。  以上、よくわからないのもあるが全体として好印象だった。やたらに実験的とかいうわけでもなく、ちゃんと一般のお客に見せるためのものに見える。ぜひ今後ともいいものを作っていただきたい。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-22 23:44:30)
584.  琥珀色のキラキラ 《ネタバレ》 
まずは題名が意味不明だが、たまたま主人公にとってはこの色で、この時期の記憶が色づけされて残ったのだということか。また終わり方が唐突なのも困るが、これは映画の内容がハッピーエンドとかどうとかいう小さくまとまった物語ではなく、その後も続く人生の一部を切り出しただけのものと示してみせたのかも知れない。 そういう前提でいえば、いいことばかりでもない人生の中で、いわば珠玉のように輝いている記憶をそのまま映画にしたようなものと思えばいいのだろうか。その割に最後は一言で済ませてしまっており、これは本人としてはそれなりに寂しい結果だったろうと思うが、代わりに自分が少し大人になったということかも知れない。少女の後姿は甲斐甲斐しく健気で、意外に突き抜けたような清々しい終わり方だったのはよかった。 ただし排泄物をなめてみるのが家族愛の証、ということまで主張しているとすると、さすがに自分としてはそのまま受け入れることはできない(子どもならまだしも中年男のものなど想像するのも嫌だ)。どうも観客が嫌悪を催す領域に微妙に踏み込んだ感のある映画だった。狙ってやっていたのだろうが。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:22)
585.  ブタがいた教室 《ネタバレ》 
自分が見た限り、生命の問題を考えるというより教育のあり方に関する問題提起のように感じられる。児童に自分の頭で考えさせるという目的は達していたようだが、一方で担任教員の指導方法に問題があることもしっかり描写されており、必ずしもこれが理想の教育というつもりはないらしい。また年少者にシビアな体験をさせて特定の観念をすり込もうとする洗脳まがいの手法ということでもなく、むしろ徹底的なディベートを経て何らかの結論を導こうとする、いわば民主主義の学習のように思われた。 児童の議論の中で、テーマを考えるための材料は一応出揃っていたようである。担任教員は無責任にウンウンうなずくだけで腹立たしく思われたが、それがこの場に求められる正しい態度だったらしい。後半になると、当面の課題解決に向けて児童の意見が2つに集約された形だったが、その2つに限ってみれば感情問題を優先するものと、あえて理性的対処を主張するものの2派を形成していたようである。説得材料として「卒業」などという観念(笑)を創作する児童もいたりして、子どももそれなりに考えていることを示していたようだった。  ただし民主主義の学習の場として明らかに不適切なのは、最初に飼育を決定したのが実質的に担任教員だったにも関わらず、これを児童が自分らで決めたことのようにすり替えていたことである。後半になるともう児童が自分らの責任と思い込まされて泣きながら議論していたのが痛々しい。 これはわが国にあるムラ社会の全体主義であり、自由意思に基づかない集団の構成員にまとめて責任を負わせるやり方である。こういうことを今でも学校教育の中で平然とやっているとすれば非常に危険であり、いつの日か自分らの決定と思い込まされたまま戦争に駆り出されて死んでいく国民を育成しているようなものである(…ちょっと左派風に表現してみた)。この点では全く納得できない映画だった。  以上、全体としてけっこう真面目に作り込んだ印象はあるが、こういう微妙な映画に正数の点を付けてしまって点数分だけ肯定的と取られるのが嫌なため、ここは採点放棄ということで0点にしておく。 なお余談として、理性派の筆頭である松原菜野花さんの母親役で出ていた大沢逸美という人は久しぶりに見た(むかし少し好きだった)。イメージがかなり違うが、ふとした表情の変化に昔の面影が感じられると言えなくもない。
[DVD(邦画)] 0点(2016-04-22 23:44:19)
586.  アウターマン 《ネタバレ》 
この監督のバカ特撮路線の延長上のように見えるが、今回は主人公が男のため「地球防衛少女」「…ガールズ」「…未亡人」のような華がないのは不満である(ヒロイン役と少年役はいる)。 題名は架空のTVシリーズ名だが、実質的にはいわゆるウルトラシリーズを扱った映画であり、主なターゲットは40~50代男子ということになるか。ヲタク度が高く小ネタが満載でいちいちコメントする気にもならないが、「モタモタすんな!」は正にその通りであって爆笑した。また故郷を失った宇宙人に対し、地球に住んではどうかと呼びかけた場面は正直感動的だった(「侵略者を撃て」のほかに「他人の星」を連想)。  ところで「日本バカ映画の巨匠」という割に、今回は変に真面目でどこがバカ映画かわからない。 とりあえず劇中の出来事を観察すると、まず子どもの頃に正義の味方に憧れた人々も、今は当然ながら世間の不正義には失望している。特に原発事故がらみ?のことで政府は不信感を持たれていたようだが、少なくとも防衛当局に対しては、事に当たってその責務を果たすことが強く求められていたようである。 劇中でも現実世界でも古典的な“正義”の観念は滅んでしまって久しいが、だからといって“正義の味方”的な行動様式が失われていいわけはない。人間誰しも守りたい人がいるはずで、その延長上にみんなを助けたいという意識も生じうるわけだが、この映画では特に、自分を信頼してくれる者に報いたいという思いが出発点になっていたようである。 一方で、劇中では「自分たちが住んでいる星への愛」はあって当然、という趣旨の発言もあったが、これを国家レベルで考えれば今でも一定の反発を食うだろう。しかし故郷への思いは震災復興の原動力にもなっていたはずで、一概に悪と決めつけられるものではない。みんなを助けたいという思いを互いに持ち合わなければと、少なくとも劇中の宇宙人は訴えていたように感じられた。 だいたい以上のような認識がストーリーの背景にあったように見えたが、特に新奇なところがあるわけでもなく、むしろ現代にふさわしいヒーローのスタンダードを示したものとも思われた。  なお最後に勝った宇宙人を無責任に称賛していた群衆は、その時々の雰囲気で態度を反転させる有権者一般の姿にも見える。これが皮肉だとすれば、政治家でも政府機関でもなくわれわれが受け止めなければならないものと考える。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-19 00:33:43)
587.  女子ーズ 《ネタバレ》 
こんな映画を見てたまるかとずっと思っていたが、結局見てしまった。 見れば笑えるところは結構あるが、ドラマ的にはほとんど空虚である。大事な時に来ないのは女子だからというより仕事があれば来られないのは当然で、触れ込みと違って女子の3/5程度は普通に真面目だということである。ちなみに本筋と関係ないが、建築デザインを含めた美術館の存在が都市の文化的な創造性を喚起した事例というのが一応報告されているので、設計に関する劇中の結論が絶対正しいともいえない。 またキャストとしては各種の美形女優を揃えた形だが、自分的には誰にも愛着がないので当初の期待感はほとんどなかった。しかし見た後の感想として、この中では何といっても有村架純の可愛さが際立っている。個別エピソードとしても、グリーンが役者魂を見せたところが最もよかった。初めてこの女優に好意的になれて感動した。 そういうことで、こんな映画が好きだといってたまるかという気持ちはあるが、否定しきれないところもあるのでそれなりの点数をつけておく。 なおこの映画で新たに学んだのは「まつエク」という言葉だった。エクステというもの自体に縁がないので、さらにその応用編というのは難しい。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-19 00:33:39)(良:1票)
588.  かぐらめ 《ネタバレ》 
冒頭で「都留市制60周年 協賛映画」と表示されるからにはご当地映画だろうが、そのわりに地元PRの意図はほとんど感じられない。それ自体はいいことだと思うが、あまりに欲がなさすぎのようで、さすがにもう少し都留市というのがどういうところか見えるようにした方がよかったのではと言いたくなる。 ストーリーとしては納得できない部分が非常に多く、また素人ながら神事というものの扱いが本当にこれでいいのかという疑問もあって、素直にいい映画だったとは全くいえないのが残念である。しかし生真面目な印象があることも間違いなく、見る人によって共感できる部分も多いだろうとは想像する。エンディングの雰囲気(テーマ曲)はかなりよかった。 キャスティングとしてもいい役者を揃えたようで、決して見どころのない映画ではないだろう。主演の武田梨奈という人はこれまで知らなかったが(「ワカコ酒」という言葉だけ知っていた)感じのいい女優で、この映画では笑顔があまり見えなかったのは惜しいかも知れない。ちなみにご当地映画としても、もう少し楽しい場面があってよかった気がする(うちの地元の映画で、あまりにシリアスな内容だけのため怒ったことがある)。 なお疑問点として、陽子という人が神楽の後に一人で去ったのはどういう意味だったのか。これで本当に父娘のもとから消えてしまったのならこの人が哀れであり、またこの先にあるべき家族の再生というようなことを見通す上でも不足が生じる気がする。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-12 20:02:10)
589.  死臭 つぐのひ異譚 《ネタバレ》 
前田希美さんが出ているのでとりあえず見た。 最初の方で映画の趣旨説明が出ていたが、読むと人間世界の因果というより場所の問題だと解されるので、以後はずっとそういうつもりで見ていた。 撮影場所は静岡県熱海市(廃校?)と群馬県桐生市(マンション周辺)、及び東京都内だったようだが、このうち都内の撮影場所で、女子中学生が電話を取った場所や女子高生が襲われた場所から4km前後の位置に、現実世界で心霊スポットとして有名なマンションがある。そこは建物の構造が特異なほか、地名に「宮」の字がつくのに意味があるとかいう指摘があったりして、その方面に関心がある人々にはよく知られている。 別に制作側がそんなことを意識していたと思うわけでもないが、しかし個人的にはそういう先入観があるために、女子高生が襲われた場所が神社の前だったというのが何やら意味ありげに見えた。あわせて映像面などから来る劇中世界の雰囲気もあって、悪しき因縁のある街というイメージを十分に受け取ることができた。 一方で、人より場所の問題だとすれば、殺された恨みがあるとか犯人を殺せば恨みが消えるとか考えても仕方がないということになる。要は、その土地にたまたま住んだ人間に致命的なトラブルが生じる恐れがある(生じない場合もある)のであって、劇中では“ゆきえ”さんを含めて全員が被害者だったのかと思えなくもない。 さすがに終盤の展開などはまともに見ると意味不明だが、それでも全体としては意外にいい印象を残す映画だった。  なお登場人物としては、やはり前田希美さん(女子大生役)の色香に気を引かれてしまう。が、ほかに女子高生と女子中学生も見どころ扱いになっていたようで、主役としての存在感が若干削がれてしまった感じもするのが残念だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-07 19:55:07)
590.  津軽百年食堂 《ネタバレ》 
収益の一部を震災の義援金に充てたとのことで公益性は認められるが、それは後付けの事情であって、この映画自体に被災地支援の目的はない。 基本的には真面目な映画のようだったので、共感できない登場人物や都合のいい展開に耐えながらもじっと見ていたが、県の観光施策とか東北新幹線の延伸はしっかりアピールする割に、ドラマ的には投げやりな印象で感動も何もない。主役の男女二人の関係は当初から曖昧だが、弘前へ帰ってもさほど深化しないままで時間が経過し、ラストに至って強引にルームシェアという言葉で二人を結び付けて終わってしまう。 この男女二人は弘前でそれぞれ別個にソバと桜のストーリーを担っていたが、この2系列は相互の関係がなく、またそもそも桜は題名とも無関係であって、要は「弘前さくらまつり」への誘客目的で話を作ったように見える。さらにエンドロールを見ていると、「発起人」と称する人名が延々と流れてかなり気分が萎えるが、こういうことをすると観客が悪感情を催すのではと危惧する関係者はいなかったのか。 自分が地方人であるからご当地映画は応援したくなる方だが、あまりに恥ずかしげもなく製作上の目論見を前面に出されるとかえって反感を覚える。高尚な文化など縁のない者が偉そうにいうことでもないが、映画製作というのは一応文化的な活動であって観光PRそのものではないだろう。文化的価値を皆が認めてこそ結果的に観光誘客にも結びつく、という順番で考えなければ本当にいいものなどできるはずもない。この点では「みんな!エスパーだよ!」の方がまだましに思われた。 なおこれを見た後で原作も読んだが、特に不快さも不自然さもなく素直に泣ける箇所もあり、登場人物みんなが好きになれるお話だった。  上記以外の点について、まず「津軽そば」が東京のソバと明らかに違うことまではわかったが、実際どういうものか映像だけではわからない。話を聞けば食ってみたい気もするが、そのためにわざわざ行くかというと自分は行かない。 またトヨさん役の早織という人はこの時点で20代前半で、普通にしていれば色気があって魅力的な女優さんだが、この映画では見事にくたびれた未亡人になっていて感心した。原作では独身だったので個人的にはそっちの方がよかったが。
[DVD(邦画)] 2点(2016-04-03 11:47:37)
591.  大失恋。 《ネタバレ》 
8つの物語が同時進行ということで、一つひとつは軽い話だが、多数詰め込んだことでの充実感は出ている。 結構な豪華キャストのため、個々の役者に注目して見ればそれなりに面白い。序盤でこれが西島秀俊だろうかと思った人物が、その後もほとんど目立たずそのまま終わるのかと思っていたら、最後になってやっと出番が用意されていたのはよかった。また鈴木京香ほどの人が簡単に騙されるはずがないと思っていたら、実はちゃんとそれなりの人物だったのはいかにもという感じである。「嘘でしょう!」のところではまだはっきりしなかったが、「行きましょう」と同行を求めたあたりからはそれらしい雰囲気が出ていたようである。 自分としてはかつて山口智子という人が大好きだったので、久しぶりに顔を見ていて切なくなった。この人のエピソードが最もスタンダードな失恋話になっていたのも切ない。また中谷美紀が当時18歳くらいで、この人にしては変に可愛らしいのも見どころだったかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-03 11:47:33)
592.  通学シリーズ 通学途中 《ネタバレ》 
前作「通学電車」と同じ作者の携帯小説である。前作は「通学シリーズ」の1作目、これは4作目に当たるが、「通学」という言葉ばかりが目立って区別しづらい。劇中世界は前作と同じで時間経過もほぼ同じ、登場人物もかなり共通している。ストーリー中で「西高」「北高」「東高」が出るが、学力としてはこの順で高・中・低だったらしく、今回の主人公は西高であって進学校の生徒というのが人物像にも表れている。この辺は原作段階でいろいろバリエーションを出していたということらしい。  前作からの登場人物のうちナナちゃんは当然悪役だが、今回は意外にもユカちゃんがヒロインを迫害する人物になっている。学力面の劣等感丸出しで中傷するとか自分はバカだからといえば免責されると思っているとか何をやっても一目ぼれなら仕方ないと言い訳するなど目に余る勘違いぶりで、ヒロインとは人格レベルにかなり差のある設定になっている。 今回ユカちゃんのやったことは社会的な許容限度を超えていた(犯罪だ)が、それでも周囲の男連中や心優しいヒロインのおかげで全部許されて、最後はしあわせな世界へ導かれるのは著しく都合のいい展開であり、まるで悪の淵から救済されるユカちゃんが真の主役のように思われた。こういう人物を見ると自分などは同情する気も失せるわけだが、もしかすると本来の読者/観客からはこれで一定の共感を得られる人物像なのかも知れない。男は正邪を峻別したがるというだけのことで、女子ならこの悪役とヒロインの間で心が揺れ動くのだろうと想像する。立場や性格が違っても、女の子同士でわかりあえるはずというのが落としどころだったのかも知れない。  ところでヒロインに関しては、外見としては地味でも目の印象が非常に強く、部屋で彼氏と語り合う時の穏やかな表情は心の深みを感じさせる。彼氏の立場になってみれば、この人と心を通じあわせたい、人生を共有していきたい、と思える人物像がちゃんとできているのが感動的で、一緒にいると楽しくて悲しい、という言葉にも非常に共感できるものがあった。 そのような理由で、この種の映画としては異例だが、ヒロインと主演女優のためにここは少し高い点を付けておく。ちなみに個別の場面としては、黙って部屋に入って来て“わっ”と驚かそうとした場面が好きだ。また北極星からアイスにいきなり発想が飛躍するのもよかった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-03-27 00:25:25)
593.  通学シリーズ 通学電車 《ネタバレ》 
原作は女子中高生に好まれるタイプの携帯小説で、投稿サイトで無料で読めるほかコミック版もある。わりと原作に忠実な映画らしく、身内の誰々が死んだというようなありがちな悲劇設定もあるが、それほど深刻でない(深刻に感じない)ので全体としてほのぼの感のある話になっている。同じ人物が同時に別の場所にいたことの理由付けは少し独創的だったかも知れない。 自分は本来のターゲットから思い切り外れているので本気で感動するところは全くないが、嫌悪を催すような話にもなっておらず、悪役1人以外は男女ともみなヒロインに好意的なので安心できる。個別の場面としては、修羅場でのナナちゃんがあまりに悪辣で横暴だったので笑ってしまった。またクラスの不思議ちゃんが「…愛を知ったのね…」と言ってにんまりしていたのも可笑しい。少々のことは笑い飛ばして楽しく見ようとすれば見られなくはない映画だった。 なおヒロイン役の松井愛莉という人は、顔は可愛いのだが長身のため同級生役の中では非常に目立ち、男連中との身長差もほとんどない(男より高い?)が、細身で重量感がないのが幸いである。撮影時点では高校生だったそうで本当に可愛い人だった。
[DVD(邦画)] 4点(2016-03-27 00:25:22)
594.  映画 みんな!エスパーだよ! 《ネタバレ》 
TVシリーズは見ていない。夏帆が出ていないのは残念だが、代わった人がかなりいい感じなのでその点にはこだわらない。 内容的には確かにエロいがエロければ誰でもいいということにはならず(主人公と違って好みの問題がある)、またコメディといいながらそれほど笑えるわけでもないが、クライマックスの「あたしはオカズじゃない…」のところだけは爆笑した。ここで主人公は敵の実力行使を完全に無力化した上で相手に打撃まで与えていたが、しかしこれは単に男子の妄想力の問題であって超能力も何も関係ないではないか(笑)。オチを見る限りは普通に健全な若年男子のお話だったらしく、これは自分としても否定する気にはなれない。また無理に一般化していえば、物的なものを至上とせず、かつそれとは切り離した形で精神面・感性面に価値を見出そうとする点で、文化というものの本質に迫る映画だったといえなくもない。 なおエンドロールを見ると、現地のフィルムコミッションはまあいいとして、豊橋市なり豊川市といった公的機関がこんな映画にあからさまに撮影協力しているのはかなり呆れる。そうまでして地元PRをしたいのなら、自分としても「東三河」「豊橋」「豊川」といった地名を見るたびにこの映画を思い出すようにして協力していきたい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-27 00:25:09)
595.  暗殺教室~卒業編~ 《ネタバレ》 
公開初日の夜に見たが、それほど心待ちにしていたわけでもなく、どうせいつか見るなら早いうちに見ておくという程度のことである。 今回には今回なりの全体構成があるのだろうが、それよりも本来は映画一本に収めるべき内容を前後編に分けて、起・承を前編、転・結を後編にしたような印象が強いため、少なくとも前回のを見ていないと楽しめないと思われる(先日TV放映したらしいが)。今回は殺せんせーと生徒(特に主人公)をめぐるドラマが中心になるので、見て単純に面白いのは前回の方だったということらしい。二宮和也と桐谷美玲の顔出し箇所は一応の見所かも知れない。 ただ今回はドラマの本筋に集中したため、前回は一応名前の出ていた生徒がどこにいるかわからなくなり、人的な広がりがなくなった印象がある。メインの人物以外では理系女子(演・上原実矩)が少し目立つ程度で、後日談に至るともう主人公以外は完全に捨象されてしまう。途中で将来の志望を述べる場面も一応あったのでそれぞれの未来があるということだろうが、特に“律”さんなどはその後どうなったのか気になるところである(最後に出た場面では見る影もない有様だった)。 今回だけでいえば以上のような感じだが、あえて前後編全体として見れば殺せんせーのキャラに一定の愛着がわくので悪い話ではない。また今回は死神の人物像も悪くなかった。そういうことで、前回少し低すぎる点だったのを補正する意味を含めて、今回は若干いい点を付けておく。 ※今回だけでこの点数にはならない。
[映画館(邦画)] 6点(2016-03-26 19:16:10)
596.  心霊病棟 ささやく死体 《ネタバレ》 
昔のTV番組にあった「死者がささやく」と副題が似ているが、話の内容は似ていない。また終盤で精神科医が披露した唐突な主張は、同じ番組の「狂鬼人間」のようだが真似だという証拠はない。 この映画のほかに原作があるが内容はほとんど同じで、低予算C級ホラー映画にしてはユニークな筋立てといえるが、小説としては普通程度と思われる。ほとんど同じものを映像化すれば同じに見えるかというとそうでもなく、小説を読めばわかることが映像的に表現されていないと思われるところがある。一方で謎解きに関しては、重要なヒントを早い時期に映像上で明示してしまい、その段階でかなりの部分が想像できてしまうのはまずいのではないか。また深夜に徘徊していた少女はストーリー上の役割がよくわからず(原作も同様)、これは“同じ場所でも世界が違う”ことを表現するために登場させたのかも知れないが、その目的とすればあまり効果的とは思えない。 全体的にはあまり感心できない映画になっているが、しかし結末が「成仏」だったらしいことだけは悪くない。どうも最近のホラーは救いがないのが喜ばれるようで、登場人物を「成仏」などさせてたまるかという感じのものが多い気がするが、この映画は根本のところで良心的だったのかも知れない。それにしても「成仏」などという言葉を使わずに済ませられなかったのかとは思う。  ところで主演女優は女優であってアイドルではないと思われるので、よくあるアイドルホラーではないらしい。劇中でこの人の脚がきれいなところを強調する場面があったのは、それ自体が悪いこととは全くいえないが、わざわざ服装を変えてまでやるのはストーリー上の違和感があった。また車椅子の少女役は、何ともいえない微妙な表情をこなしていたようで悪くない(言われてみれば父親に似ている気もする)。そのほか深夜の少女役は当時アイドルであって、以上の3人が少し年齢差のついた看板娘ということらしかった。結局はアイドルホラー的な売り方になっていたようだが、それはそれで結構なことである。
[DVD(邦画)] 4点(2016-03-20 18:49:56)
597.  最後の晩餐(2004) 《ネタバレ》 
わざわざ好んで見るものでもないが監督の名前で見た。2006年にスコットランドのホラー映画祭("Dead By Dawn” Scotland's international horror film festival)に出品したとのことで結構評判がよかったらしい。 内容としては造形物やグロ描写にリアリティがなく、その一方で料理は普通に食えそうに見える。また同情したい登場人物が誰もいないこともあって、結果的に人肉嗜食自体にはそれほど嫌悪を覚えず、かえって人を食うに至る過程に一定の説得力を持たせた映画になっている。妙な理屈をつけて正当化しながら実は残虐描写の方で客を呼ぼうとする映画などよりよほどましである。 また登場人物としては、食われ役の三輪ひとみと香港の女優はさすがの美貌だが、一方で後半に登場する初老の刑事がまた強烈な印象で、これはいわゆる怪演の部類と思われる。主人公がこの汚い男まで食ったりしなかったのは当然だが、そのことからすると逆に、食うならやはり美女だという発想そのものは間違っていない気がした。 なおストーリー的には、主人公の同僚2人に対する感情が不明瞭なため、最後に式場でしでかしたことの意味がわからない(「光る通り魔」の真似?)。せっかくなので、もう少し人の心を打つような要素があってもよかったのではと思う。 ただ映像面と音楽はそれなりの印象だったので点数は少し高目につけておく。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-20 18:49:50)
598.  隙間女 劇場版 《ネタバレ》 
アイドル主演のホラー映画など最初から全く期待していないわけだが、この映画では少し珍しい題材を選んだのが悪くない。ただし劇中での取扱いにはかなり無理があった気がする。 まずは物理的に人がいられないような場所に何かいれば不気味だろうが、押入れなども居場所にするのでは、普通にバケモノが隠れているのとどこが違うかわからない。終盤で姉妹が2LDKの話をしていた時に、怖いのは隙間でなく押入れだったかのように言っていたのは開き直ってごまかした印象があった。あるいは、たまたま開いていた戸の隙間から覗いていたなら怖いだろうが、閉まった戸を自分で開けたりするのは反則ではないか。あらかじめできている隙間を狙うのが最低限のルールだろうという気がする。その上に、障子から半身を乗り出したり這ったりするのでは自由度が高すぎて、この題材を選んだそもそもの意味が薄れてしまう。 さらに全体構成の面でも、終盤で主人公が現場に突撃してバケモノと対決し、最後は救いのない終わり方をするというのはC級邦画ホラーの定番のようで、こういうのはもう少し何とかならないものかと思う。かろうじて全体的に、映像や音響面でホラーにふさわしい雰囲気を出していたことに救われている。 ところでこの映画では、20歳過ぎた出演者に無理に女子高生の制服を着せないところがアイドルホラーにしては新鮮といえる。日頃アイドルに関心がないため、主演の菊地あやか(当時AKB48チームA)がどういう人か知らないのだが(現在は既婚で1児の母?)、別のホラー映画で見たときは大して印象に残らなかったのに対し、今回は相応の色気も見せていて好印象だった。隙間から顔が半分見えている宣伝写真が非常にいい(注:暗がりからバケモノが覗くものとは反対に、明るいところから主人公が覗いている写真もある)。 なお似た感じの映画として、「のぞきめ」というのが4月から全国公開されるようなので期待したい(が当分見られない)。
[DVD(邦画)] 4点(2016-03-04 19:51:15)
599.  こっくりさん 劇場版 《ネタバレ》 
アイドル主演のホラー映画など最初から全く期待していないわけだが、結果的にこの映画はそれほど悪くなかった。 特に傑出したものがあるわけでもなく題材からしてありきたりだが、落ち着いた雰囲気で一貫した不安感を出しているのが好ましく、いわば標準的というかプレーンタイプのホラー映画を見た感じだった。劇中では、何か起こりそうに見せておいて結局何も起こらない場面が多かったが、それがかえって緊張感の維持につながっている。またときどき出現するバケモノは、明るいところ(メイキング)で見ると苦笑するようなキツネ面だが、劇中では特殊効果でよく見えないようにしていたのがかえってよかった。ホラーに刺激を求める人々には受けないだろうが、安手ながらも一定水準が確保され、かつ失点がそれほど多くないのが相対的な好印象につながっている。 ただ残念だったのは最後の締め方である。世間的には都合のいい終わり方を嫌う傾向もあるだろうが、別にそれが高級なわけでもなくかえって通俗的に見える。それよりも、例えば終了間際までずっと不安感を引っ張っておいて最後だけすっきり終わる、という方が意外感もあって新鮮だったろうと思うが、まあその辺は趣味の問題だと言われればそれまでである。 ちなみにキャストについて、主演は鈴木まりやという人(当時AKB48チームB)だが個人的には知らない人である(続編もこの人が主演だが監督は違う)。また教員役の片岡明日香という人は「再現ドラマの女王」とのことだがTVを見ないので知らない。魅力的な女優だとは思うが、この人がもう少し色気を出すような形だともっとよかったかもしれない。それも趣味の問題か。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-04 19:51:13)
600.  2ちゃんねるの呪い 劇場版 《ネタバレ》 
アイドル主演のホラー映画など最初から全く期待していないわけだが、基本的に落ち着いた雰囲気なのは悪くない。シリーズ全体のことは知らないが、「鮫島事件」「赤い部屋」といったネット発祥の要素を組み込んだのは企画意図に沿った形と思われる。 ただしストーリーとしては「リング」を思わせる展開で特に新味を感じない。主人公が従事する特殊清掃業務が、ただの飾り物ではなく事件の展開に直接関わる形になっていたのはいいと思ったが、それで生じた結果は必ずしも納得できるものではなく尻すぼみの印象があった。また「2ちゃんねるの…」が前提条件のためかオチが非常にふざけた感じになっており、それまでの登場人物の思いを全て無にしたようなのは気に入らない。劇中の出来事に不自然なところが多いのも、脚本のせいではなく掲示板の投稿だからというように正当化されてしまった感じである。夢オチでもないが騙されたような印象が残るのは同じだった。 なお今回出演のアイドルは、姉役・妹役ともアイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバー(当時)とのことである。姉役はものすごくかわいい場面とあか抜けない場面が混在している気がしたが、妹役の方も終始素朴な顔であまりアイドルらしく見えない。これでファンはどう思ったか知らないが、部外者にとってはまあ自然な感じでかえってよかったかという気もする。
[DVD(邦画)] 4点(2016-03-04 19:51:10)
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