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ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

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61.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 
始めはあのノリについていけないかも;と思いましたが…面白いじゃないですか~。基調は異なるもののイマジネーション溢れる世界観は『ビッグ・フィッシュ』不幸版みたいな感じです。一途な松子が転落の一途をたどるというのに、まるで次々とアトラクションに乗っているような描写が楽しい。〝人に何をされたかではなく人に何をしたか〟思えば松子は子供の頃から愛する最初の異性の対象である父親のご機嫌とり。いつも病弱な妹ばかりの父親と病院帰りに楽しい一時を過ごすというのはノーマルな話ですが、私はああいうのにめっちゃくちゃ弱いんです。結局、松子の根底にあった囚われは父親の愛情不足ですし。それでも松子を肯定的に描く事によってボロボロの人生でも何だかとっても愛しく思えてくる。それから挿入歌も素晴らしい。「feeling good」(トンボがどうのって英語の歌。大好きなんです。)も効果的。屈伸運動や睡眠薬〝ぶぁ~〟、光GENJIへのファンレターに懸賞小説でも応募するかのような原稿の束を送るとこなんか笑えます。中谷美紀さんの声も素敵。・・・ただ、敢えて苦言を呈すれば、人生の終焉を迎えた転換期だからか、さすがに中谷さんの汚い太ったおばさんに無理があるからか、まだまだ終わって欲しくないと思っていたからか、私には最後の方は着地点が分らず迷走したように感じてしまいました。少々論点がズレますが、わざわざ中学生に撲殺されることにするなんて後味が悪いですし…(原作では大学生中心だった。別に大学生なら良いと言う訳ではありませんが;)。元教師を皮肉ったのか、犯罪の低年齢化という時事問題を盛り込んだのか分りませんが、あまりに悲惨な一生をとことん面白おかしく描いたのだから最期まで一貫して楽しくして欲しかったです。う~ん、でもやっぱり面白いっ!
[映画館(邦画)] 8点(2006-06-19 18:23:04)(良:1票)
62.  いらっしゃいませ、患者さま。
現在取沙汰される医療問題にメスを入れるような風刺作品かと思いきや〝病院に行くとこんな事思うよなぁ〟というようなレベルの普通のコメディでした。病院という場所は人のお見舞いでだって行きたくない場所。じゃあ楽しく来てもらうにはどうしたら良いか?を完全コメディで解決!お色気中心に実践ってのが何ともバカバカしい。バリウムなんて飲みたくない!食事をとりたくない!薬を待っている時間が長いぞっ~!などという誰しも一度は思ったことがあるだろう問題を次々に解決?って実際にこんな病院あったら血圧上がって別の病気を併発しそうです。そして現実問題一番不安なのは手術が全て医者の手にかかっていること。これが本当に恐ろしい。公開手術なんてとんでも方法はともかくとして、第三者の機関に経過を見ていてもらいたいのは事実。そんな病院に対する不安や不満を笑い飛ばしてしまおう…って事かもしれないけれど、私は笑いきれませんでした…。この病院、男は良いですけど女性には逆効果かもしれませんよね。女性の場合は〝ホスト看護士〟とか〝イケメン医者〟とか雇うんでしょうか。小日向さん演じる患者だけ死と隣り合わせで深刻な感じがして本作に似つかわしくないように思えましたし。それにしても渡部篤郎さんはおどおどしてて脱力気味で、頼りになるんだかならないんだか分らなくて笑顔が恐い役が良く似合います。・・・ところで流れ作業よりも酷い診察をしているのに休む間もないくらい大勢の患者が来ていて、経営が成り立たないってどういうこと?
[DVD(邦画)] 5点(2006-05-31 18:14:34)
63.  妻よ薔薇のやうに 《ネタバレ》 
「タクシーに乗ろう…」「歩こう…」などの何気ない会話から夫婦に生じた僅かなズレが感じられます。亀裂が生じるのは大きな出来事よりも小さい出来事の積み重ねの方がはるかに多いのかもしれません。再びいくら一緒の時を過ごしても修復することはありえない夫婦関係がシビアに描かれています。芸術性の高い立派な妻と痒いところに手が届くような愛人のお雪の対照的な女性像が男女の仲を端的に、父親と母親の対比が人間性を明確に示しています。父親は完全にダメ男ですが母性本能をくすぐられるのかこういう男に女性は意外に弱いですよね。男は男で貧乏してでも一緒にいられればそれで良いと言うお雪のような女に弱いです。世間的および倫理的に考えれば本妻のもとに残るのが道理ですが、妻と愛人だけでなく父親を愛する三人目の女、娘の君子の一歩離れた視点から見せることにより、愛人のもとへ帰るのが妥当な選択と思えてしまう結末。君子の最後の台詞〝お母さんの負け〟が悲しく胸に響きます。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-29 18:13:40)(良:1票)
64.  コーヒー&シガレッツ
人と会って話をする時、大きく分類すると三つのシチュエーションがある。〝立ち話〟〝お茶する〟〝食事する〟だ。その中で〝お茶する〟というのは〝食事する〟ほど込み入った話をする訳でなかったり、相手の名前すらあやふやな関係だったりするが、〝立ち話〟ではなんだという時に折衷案のように存在している微妙にしてどこか心地良いシチュエーションである。本作にもそんな心地良さがある。そして煙草やコーヒーが癖になって、もう一本もう一杯とおかわりするように話が続いていくが、同じ話の続きは見せてくれない。一つの話をあれ以上引っ張ってしまうと〝食事〟になってしまうからだ。コーヒーと煙草はそんな〝お茶する〟時間の代表であり、話の一つが英国らしく紅茶とビスケットだったようにそれ自体に深い意味がある訳ではないのだと思う。さしずめ日本の場合、らしさを出せば日本茶&煎餅か梅干といったところだろう。…何だかにわかにお年寄りっぽくなってしまうのだが。何にしてもゆっくりとした時の流れの中で観たい作品だ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-26 17:26:42)
65.  の・ようなもの
で、結局何なの?というような内容だし、冒頭のカップルとのやりとりや結婚式のシーンは良く分らないし、所々出てくる小ネタも笑えるほどじゃないけれど、見ていてどこか心地良い作品です。お金はない、将来への不安はある、そのうえ落語は下手ときているのに、真打目指して日々面白おかしくやっている志ん魚のとぼけた味わいが良いですね。この作品はちゃんと観るのではなくTVつけておいて、他の事しながら雰囲気を感じたいというタイプです。画面の向こうで別の世界の平和な日常が営まれているようでどこか落ち着きます。シントト、シントト…。
[地上波(邦画)] 7点(2006-05-17 18:15:56)
66.  ルパン三世 カリオストロの城
本当ならもっと高得点をつけたいところなんですが・・・、この作品とは何とも出会いが悪かったのです。ルパンに狂っていた頃、立て続けにルパン作品を鑑賞。本作も何の予備知識もなしに(宮崎駿監督ということも知らず、というより宮崎監督の存在すら知らずに)観たところ…どうも他のルパンと毛色が違う。これはルパンじゃないでしょうと思ってしまったのです。その後「もののけ姫」が大フィーバーした折に初めて色々知りました;。どっかで聞きかじった話ですが、宮崎監督はルパンに何を盗ませるかを考えるのに苦心したそうです。確かに近年のルパンを観ていると頑張って一体何盗んでんだか訳分らない事があります。世の中で一番盗み難くて、一番価値のあるものに〝人の心〟を選んだのはさすがですね。・・・でもやっぱりこのルパンでは私の心は盗まれないのです。ルパンはもっとハードボイルドなんだっ!とっつぁんがあんな台詞吐くわけないっ!うーん、いつか観直した時に盗まれるといいのですが・・・。ということで一先ず6点で。
[ビデオ(邦画)] 6点(2006-05-12 21:05:54)
67.  関の彌太ッぺ(1963) 《ネタバレ》 
お小夜が彌太郎だと気づく言葉もラストシーンも素晴らしいけれど、やっぱり彌太ッぺでしょう!まさに男の中の男だ。知り合ったばかりなのに、妹には身寄りがあるからと孤児となったお小夜に五十両もの大金をポンと置いてく気風の良さ。恩があるからと助けてしまう義理人情の厚さ。自身の立場をわきまえ自ら十年前の旅人だと現れず、森介とかたをつけ再び迷惑がかかるからと名も名乗らずにお小夜のもとを後にする切ない思いやりと強さ。彌太郎には男のルールがあり、それを頑なに守っている。真のヒーローは哀しみを一身に背負って素性を明かさずに去っていくのだっ!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-03 15:10:24)(良:1票)
68.  溺れる魚 《ネタバレ》 
よくよく考えてみれば殺伐とした事件ではなかったのに、終わってみれば大量の死人が出ています。漫画的なギャグ作品なので別に後味が悪いという訳ではないのですが、野際陽子さんなんで銃をぶっ放したのでしょう?それも含めて、トッカンの前傾姿勢で待機や決して和洋折衷?ではない大食い等々の随所に散りばめられた小ネタとセンスが合わないと全く面白くないでしょうね。ヤクザのあだ名やフロッピーなどは遊んでいる臭いがしてちょっとやり過ぎかなと思ってしまいます。個人的には堤作品の中ではTVドラマ版の「ケイゾク」ぐらいが好みです。でもでも宍戸錠関連のネタはけっこう好きだったりします。それから仲間由紀恵さんがかわいいので点数は少し上乗せしてあります。
[ビデオ(邦画)] 6点(2006-04-19 18:10:51)
69.  最後の恋、初めての恋 《ネタバレ》 
大きな障壁にぶつかった時、極端に分けると自身を憐れんで前進できなくなる者と、出来る限りの中で最善を尽くす者の二通りいると思います。後者の道が正しいのは分っているけれど精神的に強くないとなかなか難しいです。前者であった早瀬が後者であったミンに触れる事により生きる力を取り戻していく姿が静かにですが、確かに描かれています。そして二人が想いを寄せ合い永遠を見つけるという物語ですが、この死によって成り立つ永遠の愛に哀しさを覚えます。写真の記録は二人の時間の凍結を表しているようであり、早瀬とミンの仲睦まじい様子が場面を切り取ったように描かれるのは、死が切迫する中で一分一秒の時を大切に重ねる姿を鮮やかにしています。病床のミンのもとに置き去りにした早瀬のスーツやミンの植えた美しく咲き誇る花が、それぞれの象徴的役割を果たしているのもさり気ない演出で好感度が高いです。 それにしても心優しくて清楚な知的美人で、そのうえ儚いときたら惚れるなと言う方が無理です。シュー・ジンレイですか~、全く存じない女優さんですけど綺麗ですね~。渡部篤郎さんも好きな俳優さんなのでちょっぴり点数はオマケしてます。
[DVD(字幕)] 8点(2006-04-14 20:44:45)
70.  赤ひげ 《ネタバレ》 
とにもかくにも、力強く傲慢にならずそして何より包み込むように優しい赤ひげの人物描写が素晴らしい。冒頭で酷い所だという津川の話しを聞かされ、いかつい風貌の赤ひげから偏屈な人物を連想し懐疑的になる。だが、駄々っ子のようにする保本を頭ごなしに叱ったりするのではなく気持ちをちゃんと察する赤ひげの姿を見せられ興味が湧いてくる。この展開により観客と保本の視点は同一化され赤ひげの人柄に保本と共に触れていくことになる。人物観察を始めると様々な面が描出され徐々に好感を持てるようになってくる。お偉いさんの診療シーンで医者として折り紙つきの腕であることが判明し、法外な治療費の請求で弱きを助け強きを挫く彼の人物像が決定付けられる。その上、己の力を過信せず医術の及ばなさを嘆き、行為を下劣だと認め恥じている姿に潔さを感じマイナス面の存在に親近感が湧く。でも決して赤ひげが絶対という事ではなく、嫌気が差した津川も悪い人物として描かれている訳ではない。それが赤ひげが極めて特異な人物であるという事を証明しているようである。だがやはり、貧しい者のために小石川養生所で日夜全力を尽くす、名誉や金に無縁な赤ひげこそ医者の、いや人間の鑑だっ!
[ビデオ(邦画)] 9点(2006-04-03 17:49:10)
71.  新選組(1969) 《ネタバレ》 
新選組の推移を追っていくので、やや人物描写が希薄な感じがして藤堂平助などはいなくとも良かった感じがしますが、二時間という短い尺の中で収めるのは難しいので致し方ない事でしょう。そう言う意味では盛者必衰、仲間の死や時代の移り変わりにより近藤勇が苦悩を抱えていく様はよく描かれていたと思います。土方が主役の小説やドラマが多い中、近藤を軸にしている事により真面目で武士道精神あふれる一本気な勇と、鼻にかかるような人物に描かれがちな山南が心優しい人物に描かれていたのは珍しくて良かったです。大河ドラマ「新選組!」の三谷幸喜さんはもしかして本作を参考にしたのではないでしょうかね。似ているキャラクターや設定、場面がけっこうありました。特に親子そろって芹沢鴨を演じた三國連太郎さんと佐藤浩市さんは驚くほど似ています。今まであまり似ているとは思わなかったのですが、やっぱり親子なんですねぇ。山南と河合の死の順番が逆だったり、沖田がまさかの戦死を遂げたりと新説や解釈の違い云々ではなく、ただただ史実と異なる部分があるのは歴史劇としてはどうかと思いますけど、丁寧に作られています。コンパクトにまとめられているので、本作を観るにあたって新選組の経緯を少しは知っていた方がより良いでしょうね。
[ビデオ(邦画)] 7点(2006-03-23 18:23:51)
72.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
「用心棒」に引き続き化物級の働きで事件解決してしまう〝何ちゃら三十郎もうすぐ四十郎だがな〟。やはり三船敏郎が素晴らしいというか凄過ぎて圧倒されます。今回はその三十郎と、頭は足りないが真っ直ぐな若侍とのコントラストも室戸半兵衛との一騎討ちも見所ですが、私は奥方との関係が何とも好きですね。まるで正反対の人間である二人が、お互い一目置いていると言いますか認め合っている様子が随所に表われています。奥方は三十郎のような鋭い切れ味はなく抜き身の三十郎を〝よく切れる刀〟と称し鞘に収め最高の刀にし召抱えたいと考える。そして危ないほどにギラギラしている三十郎には奥方のような品格が備わっていず、立派過ぎる奥方の前では居心地が悪く借りてきた猫のようになる。このキャラクターの造形と対比はシンプルですが、対極にあるからこそ互いに持ち得ない魅力に惹かれ合うという普遍的な事を面白おかしくも美しく描いています。奥方たちが合図は赤い椿だ白い椿だと緊張感のかけらも無い呑気な議論をしている間、三十郎がイライラを隠せず仮名をなぞるシーンなど笑えます。しかし何と言っても奥方のため三十郎が踏み台になる場面が秀逸ですね。
[ビデオ(邦画)] 9点(2006-03-13 18:45:22)(良:1票)
73.  銀河鉄道の夜(1985) 《ネタバレ》 
宮沢賢治の作品を映像化するのはかなり困難だと思います。特に名作『銀河鉄道の夜』は難しい。たとえCG全盛の時代になっても『指輪物語』のように何百億かけたからといって出来る訳ではありません。(タイプの違いでありどちらが良いという事ではありませんので、あしからず。)それだけ幻想的な世界であり、それぞれが頭の中でイメージしているものが違うと思います。そんな中、本作はアニメにする事によって無理なく映像化しているのではないでしょうか。ちょっと暗くて怖い雰囲気が漂うのも賢治の世界に合っていて良いです。死者の列車や真の幸福を見つけるという内容は、真面目な仏教家であった賢治らしく彼の作品の中でも哲学的ですけれど、押し付けがましい感じはないのですんなり入れます。また人間ではなく猫にしたのも入り易かった要因だと思います。賢治の作品には擬人化された動物たちが多々登場しますから違和感がないです。ただそれだけに原作を未読の方がご覧になると、原作の主人公も猫なんだと勘違いしてしまう恐れもありますね。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-03-07 17:56:27)(良:1票)
74.  男はつらいよ 《ネタバレ》 
近年やっと寅さんの面白さが分るようになってきました。良いですよねぇ寅さん。いつだって笑かしてくれるのにホロリともさせてくれて、最後には何だか幸せな気分になれる。惚れっぽくて我侭でヤクザなテキ屋でも寅さん最後にはいつも他人の幸せを考えている。泣かせてくれるじゃありませんか~。渥美清さん、素晴らしいです。失礼ながらお世辞にも二枚目とは言えない風体で、あんな型破りなキャラクターなのに感情移入して魅了されてしまうのですから。他の役者さんではきっと無理ですよ。そして登場人物たちが皆良いです。さくらもおいちゃんもおばちゃんも博も、そしてタコ社長も御前様もみんな味があって素敵ですね。おいちゃんは森川信さんが一番好き。森川さんがすると何て事もないセリフや動作が可笑しくなってしまうから不思議。もう名人の域です。おばちゃんもかき氷こさえる姿なんて、まるで本当にそれを生業としている方のようです。かなりバラバラに二十数本ほど観たのですが(まだ半分!)、やはり初期作品が好きですね。後半は渥美さんの芝居が巧くなり過ぎていてお年もとっておられるので悲しさが強く、ちょっと寂しいのです。それに前半は何と言っても寅さんの恋愛が現役バリバリですから。という事で、記念すべき第一作のレビューではなく総評のようになってしまった事、末筆ながら深く深くお詫び申しあげます。………ところで博の父ちゃんの名前、なんて読むんだったかな?
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-02-28 17:25:29)
75.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
シェイクスピアの『マクベス』を翻案した本作ですが、見事に日本風にアレンジされています。野心や強欲から身を滅ぼしてしまう愚かな人間。物の怪に唆された訳でもない、ただ心の底にある願望が実現すると言われただけで足を踏み外してしまう様が恐いほど鮮明に描かれています。そんな人間の心理を演じる役者さんが素晴らしいですね。三船敏郎はもちろん、それほど乗り気でない武時に対して、山田五十鈴さん演じる浅茅が無表情で冷酷に指示する姿が不気味です。『マクベス』の「女から生まれた人間に殺されない」というのは省き、最後の壮絶な絶命シーンにしたのは、舞台では到底できない映画ならではの演出ですね。矢の雨の中、目をひん剥いて逃げ回る三船敏郎の強烈さは見物です。冒頭ではまるで昔話を始めるかのように、終りでは無常観が余韻となるように写る城跡も雰囲気を醸し出します。ただ惜しむらくは何を言っているのか聞きづらい事。やや人物関係が入り組んでいるので、誰と戦をしているのか一回観ただけでは良く分りませんでした。
[ビデオ(邦画)] 9点(2006-02-21 18:25:01)
76.  ナイト・オン・ザ・プラネット
正直言いますと自分でも何が良いのかよく分らないのですが、けっこう好きなんですよ。じわじわとくる感じで、たまに見返したくなってしまうのです。ジム・ジャームッシュの作品の中では気に入っている方ですね。それぞれの話が違ったかたちで個性的で面白いです。ガムをクチャクチャ噛むウィノナ・ライダーもなかなか可愛かったですし。個人的にはニューヨークの話が気に入っています。ヨーヨーを降ろした後、森に迷い込んだかのようにニューヨークの街並みを走っていくヘルムートが印象的です。あんなタクシーに乗るのは御免ですけどね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-16 18:25:09)
77.  ケイゾク/特別篇 PHANTOM ~死を契約する呪いの木~<TVM> 《ネタバレ》 
柴田が事件を解決して真山が止めを刺す、あれがまた見られたのは良かったですが、TVドラマの最終回の予告であったシーンは全く関係ありませんでしたね。率直に言って内容は継続ではなく外伝というイメージです。新キャラクターの遠山が全てを物語っていると思います。初期のケイゾクには笑いの要素こそあれ、割とシリアスで直球勝負ではありませんでした。柴田は別にして他の登場人物たちはちょっと変わり者という程度で、遠山のようなやり過ぎのキャラクターはいず、適度な笑いでした。つまり遠山がどうのこうのという訳ではなく、その度合が朝倉と同じであり、ひいてはTV版との温度差なんですよね。TV版では人間を殺すのは何も悪魔や怪物ではなく普通の人間であり、その闇に迫っていくのがヤバイ感じがして面白かったのです。それなのに朝倉は人知を超えているのです。それから性格は変わらないながらも柴田が記憶を失っている事もあり、ウリである柴田と真山のコンビも今一つでした。なんか文句をばかりになってしまいましたが、それでもケイゾクは好きです。
[地上波(字幕)] 6点(2006-02-06 17:33:05)
78.  ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer
TVドラマシリーズからのファンなのですが、それでも後半は理解不能なところがあるので(特に人物の生死について)、TVドラマ未見の方は訳わからないでしょうね。ケイゾクの話は朝倉の事件が根幹なのだけれども、私はTVドラマの時から一話完結の方が好きで最後の方の朝倉ネタはちょっと長いなと思っていたので、映画は朝倉関連ではない方が良かったですね。まして映画となるとTVドラマを観てない方もいるのですから。ケイゾクの面白さは人間の暗部が起こす事件を、純粋で抜けているけど天才的な頭脳を持つ柴田と、いい加減で脱力気味だけど芯の通った真山のコンビが解決するところにあります。でも朝倉は少しぶっ飛び過ぎているんですよね。ですからやはり新たな七海の事件だけで映画にして欲しかったです。それでもやはりTV版よりも力が入っていますし、狙い過ぎの印象もありますが凝った映像美は斬新であり面白さがあります。それに柴田と真山の夫婦漫才は健在でしたし、中谷美紀さんも渡部篤郎さんも好きなので、二人とあのキャラクターに点数を上乗せします。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-03 10:57:21)(良:1票)
79.  鬼平犯科帳
私、「鬼平犯科帳」TVも小説も好きなんですよ。ストーリーに人間の〝性〟や〝情〟があって〝粋〟ですよね。でもこれは鬼平の世界が持つ雰囲気以外はそれ程楽しめませんでした。映画ではありますが、一時間ドラマの常であるスペシャルになってしまうと時間が間延びしただけで、つまらなくなってしまうのと同じ感じですね。ちなみにマニアックな話ですがTVシリーズでは「一本眉」「むかしの男」「盗法秘伝」「密偵たちの宴」あたりがマイベストです。って、本作とは何の関係もない話ですね、失礼しました。
[ビデオ(字幕)] 6点(2005-12-18 15:09:05)
80.  用心棒 《ネタバレ》 
これぞ娯楽時代劇の傑作!あまりの凄さに幾度も見返してしまいました。駆け引きしつつ困っている弱者を助け、宿場に巣食う悪人どもを一掃してしまうストーリーもさる事ながら、やはり何と言っても三船敏郎でしょう!かっこ良過ぎです。あの物腰、剣さばき、ぶっきらぼうの中にある優しさ、そして後姿!私も似合わないとわかっていながら、何度と肩をいからせてみたことか。もう彼のような俳優は出てこないでしょうね。時代だといえば仕方のない事なのですが、時代劇ファンとしては残念です。・・・ところでもう一人の用心棒、本間先生も良い味出していますね。これは私の想像の域なのですが、本間先生は別にただビビッたりインチキだったから〝昼逃げ〟をしたのではないと思うのです。ちょっと悪党から小遣いをくすねてやろうという気持ちだけで、もともとこんなヤクザの出入りに加勢する気もなけりゃ、まして命を張る気なんて毛頭なかったからなんじゃないでしょうか。だから去り際に振り向いてニンマリと笑顔を見せる。そんな本間先生に一瞬手を上げ挨拶しそのまま御髪を直す三十郎。無言ながらの二人のやりとりが心憎いです。   
[ビデオ(邦画)] 10点(2005-11-11 17:41:11)(良:2票)
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