1. 告白(2010)
《ネタバレ》 中島監督の新作とあって、久しぶりに映画館に行きました。 画像の美しさ、音楽の選択のセンスはさすがだと思いましたが、ストーリーがつりあわないため演出だけが浮いてしまいました。 これまでの作品と異なって、娯楽としてのカタルシスを作るために、リアリティに乏しい悪役を作ったような気がします。だから全然気持ちが乗れませんでした。まあ、マザコンが自滅した時点で復讐は完了したのであって、ボスキャラは相手とすべきかもよくわからなかったし・・・ 安全地帯にいながら悪の限りを尽くす相手を弱い立場のものが立ち向かうという形はいいのですが、ちょっと漫画チックになってしまって残念でした。次回に期待します。 [映画館(邦画)] 5点(2010-07-02 00:35:43) |
2. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 コメディだからなのか、登場人物を紹介するパートで緊張感がなさすぎで軽薄な描き方に不快感はありました。ギャグも古臭くて笑えません。トラブルに対する対処にプロの仕事のすごさを見ることはできましたが、どこかで見たようなシーンが多かったような気がします。 TVの2時間ドラマなら十分すぎますが映画ではちょっと物足りないです。 [地上波(邦画)] 5点(2010-02-14 16:50:46) |
3. 落語娘
《ネタバレ》 美味しんぼって漫画に女の寿司職人が出てくる話がありました。 当初は男の真似をして張り合っていた彼女が、周りに教えられて女性ならではの特性で勝負するようになったという内容だったかと思います。 当時、その話に妙に納得してしまったので、この映画も同じような話かと思ったのですが・・・ 津川雅彦演じる師匠の存在感がすごすぎてタイトルと話がちょっとずれていたような 気がしました。ミムラ演じる新弟子は傍観者に過ぎなかったように見えてしまいました。 それから、ラストが忙しすぎてみんな良い人でしたと無理やり爽やかに終わらせるのも どうかと思いました。5点献上。 [ビデオ(邦画)] 5点(2010-02-14 16:30:50) |
4. 男はつらいよ 噂の寅次郎
《ネタバレ》 アイドル出演と寅さんが結局振られるお約束の形を楽しむのが正しい寅さんの見方だと 勝手に思っています。思わせぶりに「好きよ」なんて言われたら誰でも天に昇る気持ちになってしまいます。「俺も言われてみたいよ」などと思いながら、ひょっとして寅さんはうまくいかないかと淡い期待をしながら見るのが楽しかったです。 [地上波(邦画)] 6点(2010-01-02 16:33:36) |
5. サマータイムマシン・ブルース
《ネタバレ》 タイムマシンを本当にくだらないことに使っているところにほのぼの感があります。 悪用しますよね。普通は。比較的プロットもしっかりしており伏線の回収もうまく言っていると思います。ただ、舞台的な演技がちょっと暑苦しくて、出演者に感情移入ができないのが残念。それは、おそらく、さびしいことに自分が歳をとりすぎたということかもしれません。 [地上波(邦画)] 5点(2009-12-07 22:30:42) |
6. おくりびと
《ネタバレ》 極論を言うと葬儀という儀式は死者というよりは残された人のためにあるものだと思っています。 本作は残される人々を通じて生きることを描いています。生きることへの執着を見せるよりは淡々と死を見せることで残された人々がどのように受けとめるかということなんでしょうね。ある人の人生をたどるという作品はありますが、かなり新鮮な視点だと思いました。 序盤では納棺師が他人の死を外側から眺めている一方で、生の象徴として食べ物がしつこいぐらい登場します。次第に自分に身近なところに死が近づいてきて、最後には生き別れの父の死に向き合うことになります。傍観者に過ぎなかった大悟たちを当事者にするためには、どうしてもご都合主義にならざるを得なかったのですが必要な展開だったと思います。広末涼子の演技が気持ち悪かったことや土手でのチェロがややくどかったのですが、山形の美しい風景もあって爽やかな映画でした。 [地上波(邦画)] 8点(2009-10-03 21:55:12) |
7. 20世紀少年
《ネタバレ》 話はすごく分かりやすい。でも、いろいろ詰め込もうとしてひとつひとつの描写が雑な印象が強かった。カルトVS世界の救世主の戦いというところで、現実味に乏しいので説得力のある展開が必要なんですよね。変な設定を強引に納得させるためにはSFやファンタジーに持っていくという手もあるかもしれないけど、一応は現実世界を舞台にしているので馬鹿馬鹿しいと思われてしまったらおしまいなのでは。 それにしても、この映画の続編を見続けるための原動力は何なんでしょうか? 「ともだち」は誰かという謎解き?「ともだち」一派との戦いへのカタルシスを求めて? 私はどちらも得ることができませんでした。 原点である1970年代の描写が甘かった結果として、誰が犯人でも正直興味が湧きません。2000年前後のともだちは既に気味の悪いカルトとして育っていますが、彼らと戦う必然性も伝わってこないのです。 [地上波(邦画)] 3点(2009-08-31 22:20:44) |
8. ホワイトアウト(2000)
《ネタバレ》 歳がばれるのであれですが、70年代にテレビのアクション物で興奮したクチです。 今見るとかなりイタいかもしれないけど、大都会とか西部警察は当時の洋画と比べてもアクションはそれほど遜色なかったと思っています。(子供だったからすぐ興奮したのかもしれないんですが) 時代が過ぎる中でどのあたりかわからない(たぶん80年代のどこか)のですが、ハリウッドがインフレになったせいなのか、自分が歳をとったせいか日本のアクションは刺激が感じられなくなってしまいました。 それなら見なきゃいいんですが、つい見ていつもがっかりしてます。本作は雪山ロケやアクションの撮影でもすごく頑張っているのに、頑張っているなというところに神経がいくあたりが脚本にもアクションにも力がなかったのでしょう。 それから松嶋奈々子はダムにいなくてもストーリーに影響がないし、むしろ遠隔地にでもいてもらった方があっさりして良かったと思うんですが。ラストなんかあれは失笑物でした。 [地上波(邦画)] 4点(2009-08-10 22:43:27) |
9. 千と千尋の神隠し
《ネタバレ》 宮崎アニメのブランドと当時の大ヒットを思い出し、相性が悪い監督なのに懲りずに鑑賞してしまいました。結果は残念なものに終わりました。おそらく環境破壊のことを訴えているであろう暗示的で説教臭いメッセージは誰をターゲットにしているのか理解できませんでした。 舞台はノスタルジックなテーマパーク巡りであり大人の子供心に訴えているんでしょうけど、奇麗事を並べられて「お前らいい加減にしろ」と一方的に怒られて納得いかずに憮然として帰ってきた気分。問題は解決していない。でも主人公はなぜか清清しそう。そこも分からない。 [地上波(邦画)] 5点(2009-06-10 22:44:52) |
10. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 変わったタイトルに惹かれて見てみたのですが、よく出来た話だと思います。 完全に河崎=瑛太として見てましたから、後半は引き込まれました。 絶対に分からない見せ方でずるいけど、それでもいいかと思わせる謎ときでした。 でも、悲壮感がただ漂うだけで、爽やかな青春映画で終わらせて欲しかったところです。 動物虐待はダメ。また、それが人殺しにまでつながる経過というか感覚が理解できなかった。それから、アヒルは神様に見逃してもらえたのか。暗示的でもあったけど、ラストはちょっと無理やりすぎた。 [地上波(邦画)] 6点(2009-03-15 16:18:24) |
11. ミッドナイトイーグル
《ネタバレ》 テレビで見たのですが、翌週に放映する「ザロック」と設定は似ているような気が。 でも、敵もあいまいで動機がよく分からない。 踏み込みたくないなら、安易に政治的な色をつけなければいいのではないでしょうか。 ラストがハッピーエンドではなく、とってつけたようなお涙頂戴なのもダメ。 ハリウッドと比べると気の毒ですが、アクションシーンも寂しい気がしました。 [地上波(邦画)] 4点(2009-03-07 23:20:13) |
12. L change the WorLd
《ネタバレ》 Lがジャッキーチェンばりのアクションをしたり、ネットカフェ難民になったり、自転車で逃げたり、背筋を伸ばしたときにポキポキ音を鳴らしたり・・・笑えるシーンは満載。「L CHANGE THE WORLD」というよりは「WELCOME TO THE L WORLD」という趣。でもストーリーがしょぼいのでお金を払っていたら怒っただろうなと思う映画。 [地上波(邦画)] 3点(2009-02-01 14:19:30)(笑:1票) |
13. メゾン・ド・ヒミコ
《ネタバレ》 ゲイの老人ホームの話をテーマに持ってくるのはかなり個性的で面白いと思う。 暗くなりがちな老人ホームだけど、明るく振舞っている人が多いイメージのゲイを おくことで逆に物悲しさが浮き出ています。 でもこれといった筋書きがないので退屈だった。無意味にエロいし、柴咲コウの演技もいつもと同じでちょっと食傷気味だった。5点献上。 [地上波(邦画)] 5点(2009-01-03 17:36:43) |
14. 叫
《ネタバレ》 自分を思い出してくれた吉岡は許すけど殺戮を続ける赤い服の女、許されていても大事な人を実は殺していた吉岡。赤い服の女に誘われて人を殺した者もやり方だけを導かれているだけで何も残らない虚しさがあります。また、古典的な怪談のようなテイストもあって不思議な感じのする映画でした。 ただ面白かったかというとかなり微妙。ホラーなのに全く怖くないのが致命的な感じがしました。最後になって一気に畳み掛けてくるのですが、暗示的な表現を残してあまりすっきりしないのもマイナス。 [地上波(邦画)] 5点(2009-01-03 13:47:53) |
15. サイレントヒル
《ネタバレ》 ゲームが原作なのでアクション的な色合いが強い。ホラーとしては今ひとつであった。 まず、30年ぐらい前に魔女狩りがあったとか、警察も含めて街ぐるみで隠しているという 設定にリアリティがなさ過ぎる。孤立させた環境を生み出すために必要な設定なんだろうけど、無理があって説得力がない。次に怖いとグロいは別物だと思うけど、グロ画像で怖がらせようとしているのは表現力に乏しい。 サイレントヒルを訪れる理由にも乏しく、最後になって全てを少女がネタバレするストーリーも破綻していると思った。 [地上波(字幕)] 3点(2008-12-31 13:01:38) |
16. 椿三十郎(2007)
《ネタバレ》 オリジナルは既見。全く同じ脚本で作るとどうしても オリジナルとの比較になってしまう。 特に役者の技量の比較という形で。 織田裕二は三船敏郎のモノマネをしているようで仰々しく滑稽になってしまった。 それからトヨエツはこの役にはあまり向いていないような気がした。 キャラが今ひとつでも面白かった。脚本がいいから最低限楽しめます。 [地上波(邦画)] 6点(2008-12-28 23:44:45) |
17. 犯人に告ぐ
《ネタバレ》 テレビで失敗した刑事が汚名返上のためにテレビを利用するというのが面白いです。 前半に散りばめだれた過去の失敗を経緯とした嫌な出来事の数々が 後半で犯人を追い詰めるとともに一気に終結に向かっていくというサイドストーリーの使い方がよかったと思います。 踏みつけた周りと立場が逆転していくところにカタルシスがあります。 メインストーリーは普通の青年である犯人の追跡であり、強敵と対決するという形 でないので、そこに期待を置くとちょっと物足りなくなるかもしれませんね。 映画としてどうかというとかなり地味ですが、なかなか楽しめました。 [地上波(邦画)] 7点(2008-11-20 22:30:22)(良:1票) |
18. スウィングガールズ
《ネタバレ》 よくあるテーマを扱っているので無難にできるはずなのに、これはひどすぎました。 彼女たちがなぜ音楽に取り組んだかが全く分からないのです。音楽は決して安易なものではありません。それなのに、本当に下手だった彼女たちが突然にうまくなっているのです。 映画としてみせる時間の長い短いではなく、うまくなった結論を描きたいのであれば、彼女たちの真剣さが描かれないといけないのではないでしょうか。 突然ゴールについてしまう安易さに唐突感においていかれてしまうのです。そう、本来は、夢中になって取り組むところを真面目に描くべきなのに、そこをギャグで飛ばそうとしているところにテーマに対する不誠実さいうかバカにし切った態度がでている気がしてならないのです。 下手だけど楽しかった青春モノと見せかけて安易な成功をくっつけてしまっただけで、どちらにもなることができなかったと思います。初めて0点をつけたくなってしまいました。 [地上波(邦画)] 0点(2008-11-11 22:35:02)(良:2票) |
19. ナイト・オン・ザ・プラネット
《ネタバレ》 世界の町での普通の人々の会話が中心に展開されている。 というか会話だけで話を進めていく。 それにはタクシーの中を選んだのはなかなかセンスがあると思いました。 それにその話も人生の味わいが溢れていますね。 [ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-26 15:02:47) |
20. ハウルの動く城
《ネタバレ》 キャラクターや設定は魅力的でした。魔法使いの話というのは夢のある話を作ることができるので、前半はどうなるかわくわくしてたのですが・・・後半の城にいる人たちの行動は全く意味不明で終わり方も消化不良でした。もったいないですね。オズの魔法使いのようにもっと明確な目的を持ったストーリーになっていればよかったのですが、場当たり的な話の展開にがっかりしました。 [地上波(邦画)] 4点(2008-10-05 11:07:16) |