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クルシマさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 53
性別 男性
年齢 40歳
自己紹介 国、年代、ジャンルを問わず、いろいろな映画を観ていくつもりです。

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1.  カリスマ 《ネタバレ》 
僕たちは絶えず何を生かし何を殺すか選択しながら生きているのだと思う。それは当然のこととして受け入れられていて、その選択自体を拒否することは許されない、かのように見える。役所広司はそのことにぼんやりとした違和感を覚えていたのではないだろうか。だから、序盤の人質事件において、何もすることができなかった。しかし役所は、森での出来事を通して、何を生かし何を殺すかが問題なのではないことを悟る。そもそも、そのような問題が成立してしまうのは、何かが生き何かが死ぬということが法則とか力関係のもたらす結果として捉えられているからではないか。ならば、法則とか力関係といったものを度外視してしまったらどうなるか。そこに残るのは、何かが生き何かが死ぬという表面的な事実のみである。そのように世界を認識することによって、役所は、何を生かし何を殺すかという選択から解放され、世界をあるがままに受け止めることができるようになったのだと思う。全ての物事があるがままでいい。たとえそれがどんなことであったとしても。だからこそ役所は、終盤の人質事件に迷うことなく対処することができたのだろう。ただ、そんな境地に達することは現実的には不可能だし、それは想像を絶する世界である。だから僕たちは、大金を出したり、爆破しようとするなりして、恣意的に選択されたカリスマに追随するしかない。そこには必然的に対立が生じる。そのことをラストの戦火が表していたのではないだろうか。この映画ははっきりとした解答を提示しているわけではない。しかし僕は、その潜在性において一縷の希望を見出すことができた。
[DVD(邦画)] 10点(2007-08-22 21:25:36)(良:1票)
2.  どついたるねん
赤井英和の荒削りな演技がそのまま映画の力強さとなって、最初から最後まで飽きずに観ることができた。冒頭から大笑いしてしまうくらいギャグが多いのも個人的には嬉しかった。そして、あの唐突なラストには思いがけず目頭が熱くなった。
[DVD(邦画)] 9点(2009-01-03 19:53:30)
3.  歩いても 歩いても
それぞれの登場人物の描写が丁寧で、最初から混乱することなく人間関係を把握できるところがすごい。直接画面に映ることのない長男にすら存在感が与えられているし。何気ない会話でつながれていく画面の間にも小さな綻びが見え隠れし、やがてはそれが決定的なものとなっていく。各人が違う事情を抱えていて当たり前なのに、どうしてこういう場では「普通」であることを演じてしまうのだろう。そんなことを考えさせられた。
[映画館(邦画)] 9点(2008-08-25 20:51:48)
4.  人のセックスを笑うな
ストーリーはあってないようなものだったけど、美しい映像を堪能できてよかった。フレーミングや原色の使い方がうまいと感じた。俳優の演技と有機的に結びついた長廻しもすばらしい。何よりも驚いたのが、こういった手法を用いていながら、殺伐とした印象を与えることなく、かわいい感じの映画に仕上げていることだ。北野武や黒沢清にはちょっとできない芸当なんじゃないだろうか。井口監督はしっかりと自分のカラーを打ち出せていると思う。
[DVD(邦画)] 9点(2008-07-31 21:56:26)
5.  人間の約束
とにかく救いのない映画だった。誰が悪いというわけではない。そこにあるのは「人間の約束」と疲弊した家族の表情だけだ。この映画が作られて20年経った今でも状況はさほど変わっていないように思われる。それは、単に社会問題として片付けてしまえる問題ではなく、人間とは何かという根本的な問題にまで深く関わってくるからではないか。非情に強いメッセージ性を持った傑作である。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-22 20:17:45)
6.  田園に死す
ノスタルジアにつきまとう記憶の美化によって隠蔽された事実を暴き、真剣に過去と向き合おうとしても、過去が記憶という曖昧なものによってしか現れてこない以上、過去を否定することは、記憶によって形成された自己を否定することになってしまうのではないか。そんなことを考えさせられた。独特の色使いが良い。『書を捨てよ町に出よう』のときよりずっと洗練された感じがする。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-18 10:52:12)
7.  竜馬暗殺 《ネタバレ》 
倒幕を掲げながらも色情にかまけたり、口論から殺し合いを始めたかと思えばふとしたきっかけで中断してしまったり、野放図な展開が良い。これは、原田芳雄扮する竜馬の気負いのなさに拠る所が大きいのはもちろんだが、映画のスタイルもそういった雰囲気を醸し出すのに一役買っていたように思う。白黒の粗い映像とか、走って行く人物を手持ちカメラで追ったりするなど、ドキュメンタリー的な要素を取り入れることによって躍動感を生み出し、それぞれの登場人物の様子が活き活きと描いている。時代劇というと、少なくとも僕が今までに観た中では、ある種の様式的な美しさが強調されてきたように思える。活劇という形を取りながらも、そうした潮流を撥ね除けてみせた点で、この映画はとても新鮮に感じられた。30年以上も前に作られた映画を新鮮だと言うのもおかしな話ではあるが。
[DVD(邦画)] 9点(2007-08-08 02:02:16)
8.  どこまでもいこう
子どもたちが駆けていくシーンがとても印象に残った。子どもたちの自然な演技に加え、樹木が風に吹かれてざわめき立つシーンや、画面の外を意識させるような演出が、少し技巧的な感じはするものの、映画を魅力的なものにしているのだろうと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2009-01-06 18:27:16)
9.  フリック 《ネタバレ》 
小林政広の監督作品は他にもいくつか観ているが、本作には監督のそれまでのフィルモグラフィの総決算という意味が込められているように感じた。独特の人物描写を保ちつつノワール的な世界観を構築するかと思ったら、後半でメタレベルの視点が導入されたりと、なんだか監督の頭の中を覗き込んでいるような感覚。それでもある種の押し付けがましさを感じないのは、監督が適度に自己抑制しながら映画を作れているからだと思う。何度も繰りかえされるパンニングが浮遊感を醸し出す映像も良かった。
[DVD(邦画)] 8点(2008-08-03 12:10:05)
10.  薔薇の葬列 《ネタバレ》 
ゴダールやアントニオーニ等、同時代の映画作家の二番煎じという感じではあるが、それはそれで結構楽しめた。政治的な内容でありながらも随所で遊んでいる感覚がよかったんだと思う。パゾリーニの『アポロンの地獄』のポスターも単なる記号ってわけじゃなく、ちゃんとした伏線になっていたんだな。
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-04 21:06:23)
11.  豚と軍艦
それぞれの出来事のつながりが把握しづらかったが、映像は圧倒的だった。主人公たちの存在を拡散するかのように画面のあちこちで動き回る人々が、街中に溢れかえった豚の姿に変わったとき、この映画が伝えようとしていることの全てはここに集約されてしまうのではないかと思った。皆が生き残ろうと必死になっているが、そこには何らの秩序もなく、そのことに疑問を感じ立ち止まる者などひとりもいない。人間がとても活き活きと描かれていながらも、どこか皮肉を感じてしまう。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-21 23:11:49)
12.  にっぽん昆虫記 《ネタバレ》 
冒頭のマイマイカブリがラストで山を登って行くとめの姿だとすれば、随分と身も蓋もない映画だなと見終わった後すぐに思った。志を持って生きようとしながらも、欲望に取り込まれ、最終的には生きていればそれでいいというような境地にまで堕ちて行くこと自体は肯定的に捉えていない。しかし、最後のとめの描写には確かにどこか突き抜けた感があり、力強さを感じてしまう。生きるということに対して得体の知れない感情を喚起させる、不思議な映画だった。
[ビデオ(邦画)] 8点(2007-08-08 01:24:28)
13.  復讐するは我にあり
人間の醜悪な部分を徹底的に描いてみせていたと思う。序盤の殺しのシーンで、殺される人たちの最期の抵抗が間抜けに見えたのが気になっていたが、最後まで観て妙に納得してしまった。人々の良心の欠如が巌を殺人鬼に仕立て上げていたように感じられたから。最期に何度も繰り返されるストップ・モーションでは、そのことを僕自身が突きつけてられているようでぞっとした。
[DVD(邦画)] 8点(2007-08-01 01:45:50)
14.  男の顔は履歴書 《ネタバレ》 
とにかく泥臭い。けれども、主人公の弟と在日の少女が撃たれるシーンは素晴らしかった。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-01-22 21:53:08)
15.  二十才の微熱
いつも他人と距離をとりながら生きてるけど、思わず救いの手を差し伸べようとしたら、相手にそれを拒まれ自分が傷つくことになる。それでも他人と関わりながら生きていかなければならない人間の切なさがひしひしと伝わってくる。繊細だけど力強い映画だった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-03 10:53:58)
16.  アフタースクール
物事の見かけをうまく利用してストーリーに揺さぶりをかけるところは、ルビッチの『生きるべきか死ぬべきか』に通じる面白さがある。ただ、演出面で意外な事実が判明するときの衝撃が弱く、頭の中で事の次第を並べ立てていかなければならないので、前作の『運命じゃない人』に比べると観終わった後の爽快感が薄くなったような気もする。
[映画館(邦画)] 7点(2008-06-07 01:02:01)(良:1票)
17.  実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
メッセージ性を前面に押し出した映画は苦手なんだけれども、これは観てよかったと思う。連合赤軍がどうというよりも、その理念が何であれ、権威主義的な組織に身を置くことの恐ろしさを改めて思い知らされた。
[映画館(邦画)] 7点(2008-06-07 00:39:00)
18.  キサラギ
脚本が良い。普通なら説得力を持たない展開であっても、そこからさらに別の出来事につながっていくことによって、隙間をうまく補うことに成功している。『サマータイムマシンブルース』と似たような印象を受けたが、こちらの方が断然好きだ。
[映画館(邦画)] 7点(2007-08-25 14:21:46)
19.  ロスト・イン・トランスレーション 《ネタバレ》 
前半はビル・マーレーとスカーレット・ヨハンソンが部屋の中に独り佇んでいる所が印象的。二人がお互いのことを意識するようになり、脱獄と銘打って街に繰り出す後半は、ウォン・カーウァイの映画みたいに奔放に揺れ動く映像が続く。一時の現実逃避がもたらす高揚感のようなものを描きたかったのかなと思った。二人が肉体関係を持つことなくお互いの生活に戻っていくというのが、現実逃避を美しいものにしているようで良かった。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-21 23:56:14)
20.  KOROSHI 殺し
フィルム・ノワールを期待していたものだから、ちょっと肩透かしを食らった気になってしまう。殺しのシーンはスマートではあるけど、特に凝った演出がなされているというわけではないし、監督の関心はあくまでも中年男の哀愁にあるように思えた。展開が簡単に読めてしまうのはいいとしても、全体的に弛緩した印象を受けた。
[DVD(邦画)] 6点(2008-08-25 20:30:10)
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