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1.  ゴジラ×メカゴジラ 《ネタバレ》 
男やもめにしっかり娘。今度はホームドラマベースで進めていくのかとみせてやはり怪獣やっつけ隊がメインな本作 同監督の前作に続きまたしても戦う女性が主人公。思えば前作がウルトラマンの例えば恐怖の宇宙線やウルトラセブンの闇に光る目のような、 子供が主人公の一エピソードを多少取り入れたのみにとどめてホームドラマ感は薄かったのに対し 今回は明確にホームドラマパートを用意して、精神のすり減るような日々を送る主人公をサポートさせている。 ほとんど終盤までゴジラにこんなドラマいるかぁー?などと正直全然乗れていなかったのだが最後のカットで遅ればせながら本作の正体が掴めたと思った これはゴジラ映画じゃないんだ。途中で釈由美子演じるヤシロがまるで子供に語り掛けるように機龍に呼びかけるシーンがあって ??なぜ突然そんな看護師っぽい語りかけを?無骨なハードウェア相手に?と違和感があったが、生まれる前に母もろとも死んでしまった サラの弟ないし妹の魂を機龍に投影させてそういう流れになったわけか。こうなるとやっぱり比重はホームドラマよなあ ゴジラはやられ役でしたね。完全に機龍の映画。最終的にゴジラは倒せず逃がしたのに勝利宣言する面々。まだ話の途中だとはいえ楽観的に過ぎる スポーツじゃないんだから・・・お上ってこうだよねーという皮肉なんだろうなさすがに 譲歩して機龍の第一話と考えるんなら、現時点でそんなに話が盛り上がらなくても次に期待、という運びにはなるかな。でも次も心配だなあ 随分戦った後に機龍の性能を見せてやる!とか今更言い始めたり、機龍投入への総理の決断の中途半端な引っ張りシーンなど流れが今一しっくりこず、気持ちが悪かった 着ぐるみのゴジラは可愛いし、メカゴジラもアイボみたいで可愛かった
[インターネット(邦画)] 5点(2024-05-21 19:12:40)
2.  ゴジラ×メガギラス G消滅作戦 《ネタバレ》 
シリーズものとしての一本で、仕事として課せられた一定の条件を無難にこなす中にプロの経験を生かして仕上げた娯楽作品というルック。 ゴジラとメガギラスの戦いはさながらヒーローの出ないウルトラ作品ことウルトラQの第1話ゴメスをたおせ!を見てるようだった ほとんど平成以降のウルトラマンのようなVFXなうえにGグラスパーという怪獣やっつけ隊がメインのドラマであり、エヴァの葛城ミサトを より実戦的にしたような女性が隊長という、過去の作品のオマージュにすることで創作を容易たらしめんとした設定。ゆえに、色々とアニメっぽい また、ゴジラの白熱光も、まるで光の国からぼくらのためにきたぞわれらの…の光線技のようなエフェクト加減で フィニッシュ技にそれをもってくるのはウルトラすぎるやろと思わずにいられなかった 最初の個体のゴジラが生き残ったパラレルワールドということなら、オキシジェンデストロイヤーを使わないで芹沢博士は生き続けたのか? 悪魔の兵器足りうる発明者・芹沢の苦悩と同様のことを今回の主要兵器「ディメンション・タイド」(通称:ブラックホール砲)でやってしまうのは さすがに気が退けるのだろうがゴジラという作品の成り立ちである以上そこに全く触れないわけにはいかず、ほんの少し触れるに留めている 伊武雅刀演ずる特G対本部長の不義に対して「そのせいでどれだけ犠牲者が出たんですか!」とかいって殴った桐子なんだけれど たしかブラックホール砲試射実験で時空がゆがみ、過去の巨大昆虫メガニューラを招き それが結果的に死者を多数出し渋谷を水没させてしまったという問題があったはずなのだが、その点どう考えているのかな にもかかわらず実戦で二回も使ったよね。時空のゆがみからバケモンがまたぞろ出てきてさらに大混乱になる「ミスト」のようなエンディングを期待してしまったではないか 電話切られたらそこにチェス盤があったり工藤が怪我したら病室にその時お話に必要な(お見舞いにいかにも来なさそうな)面子が集まっていたりとかなり制作都合が目立つなぁ 着ぐるみのゴジラはカワイイ
[インターネット(邦画)] 5点(2024-05-20 15:15:53)
3.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
1954年のゴジラが戦争被害(具体的には東京大空襲・けして獣害や天変地異の類ではない)の再来を描くことで その記憶もまだ生々しい観客(怪獣というこの世に存在しないものに対する感情をどうとればいいかまだわからなそうな)に 恐怖を否が応でも植え付ける試みをしているのに呼応するように 今回は焦点を主に「死ぬことができなかった復員兵の戦後」に絞ることでまた違った戦争の暗い側面をゴジラに表象させてきた。 といっても行われている厄災描写はこれまでのシリーズと大差はなく、東京を暴れまわるのもなんら新しい試みは感じられず実はもう結構飽き飽きしているのだが、 海戦のVFXは巡洋艦の砲撃の描写が男心をくすぐり、かっこいい。それだけでも一見の価値あり。 ただしオブジェクトが破壊されるたびに異様に煙ってよく見えなくなるのは予算の都合か、見た目が派手になるからそうしたか 他がいいだけに気にはなった。 ゴジラがやはり象徴的過ぎてほとんど神か悪魔かといった風で生物に思えないのは仕方ないのだろうか。 逆に大戸島でのゴジラはほぼジュラシックワールドで、ぐっと恐竜に寄せてきているためか、映像的にはよくできているがこれまた新鮮味はなかった。 それでもVFXはこれまでのゴジラでは抜きんでて良い出来に見える。 もっともよかった点は監督が己のできることをよく理解していて、その土俵に立って映画を撮ったというところか。 最後の脱出オチ。いくらなんでも脱出装置があることを説明しない理由がないだろと突っ込むより先に、 説明受けてないのは我々観客だけだったことを知らされ、ニヤリとさせられた。うまく感情をコントロールされた感があって、すいやせんといったところだ。 だからか、彼女が最後に生きていたことが判明しても、それはそれでファンタジーだし、ということで気持ちをコントロールされたように思える。 でも生きていた典子はゴジラの再生細胞の力によるものだとしたら、ゾンビみたいな感じかな? 好みでいえば、その救いは不要かなとは思うが。希望に満ちることが戦争の終結ということなら、監督の好きに作っていい作品だから。ということである。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-05-03 22:09:47)
4.  大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE 《ネタバレ》 
ウルトラマンの乱戦って全然面白くないね。一対一か一対二がせいぜいってところかな。 一対多の中でも特に、ヒーロー側が多勢でリンチしてるような絵面はなんかカッコワルイ。 宮本武蔵と吉岡一門の伝説の一対多の決闘を攻守入れ替えたみたいな。 怪獣軍団も操れるとなると、ベリアルも多勢といえるか。もっといえば天災レベルの存在か。 相手を天災だとみるなら一致団結して対処するのが当然、もはや勝ち負け云々ではないということか。 殴り合いはジャッキーチェンみたいな大怪我すれすれの、なんなら本当に事故ってるくらいの体当たりでギリギリエンターテインメントとして鑑賞に堪えられるところを、 ウルトラのはCG合成など使用されているし、おそらくワイヤ-アクションのオマージュ的なもので、吹っ飛びながら手足バタバタさせたりオーバーに作ってちょっと緩んで見えたりもする。 ウルトラ戦士は宙が飛べるのでリアクションがふわっとしていて重さを感じない。同じく宙を飛ぶスーパーマンの体重の乗った着地と比べてしまうとVTOLみたいで安っぽい。 CGエフェクトはきれいにまとまりすぎていて予算を食いつぶしてアレしかできなかった昭和の光学合成ほどのインパクトもない。 アクションシーンの連続はただ与えられた映像を追うしかなく、テンポ重視なので咀嚼する暇が与えられない。 何が起きてるか因果関係もよくわからないので見ているほうは諦めが入る。 たとえばベリアルがウルトラ戦士の光線を掌ごときではじき反してしまうが、バリア張るとかしてほしい。なんで掌に当たった瞬間で爆発しないんだって思う。 オーラ的なもので防いでるんだろうと補完してあげるほかないのだが、たんにドラゴンボールの物まねに見える。 昭和のウルトラと比べて手数が増えた分、一撃一撃の扱いが軽い。ひとつひとつの攻撃がどうでもよくなってくる。ドラゴンボールの真似っこを観たいわけじゃないので。 ストーリーはもとより進まず、冗長で退屈に感じてしまう。 背景も描いてるんだか描いていないんだかデザインされてるように思えない適当な、なんでもいいじゃんって背景。つまんない。 プロットもちょっと。。北斗の拳のデビルリバースとフォックスの関係がベリアルとザラブのそれ。 シャバに出てくる感じはそれより古いキン肉マン七人の悪魔超人編でもやっていた、使い古しの設定で見飽きてる。もっと考えてほしい。 ウルトラセブンの例外もあるが、やっぱりウルトラは登場キャラクターの造形を愛すべきシリーズなんだなあとつくづく思った。 昭和のレオまでの造形は今でもかっこいい。平成以降デザインのウルトラは、大人になってから生まれた造形なせいか刺さらない。 一部声の出演の交代に批判も出ているのかなと思わないでもないが、ウルトラマンの声の中曽根さんは公開時すでに逝去され、 エースの納谷さんも体調を崩されて俳優業を引退なされていた。自然の流れで人間体であるハヤタと北斗が声を担当している。 新規巻き直しということで新たな方を起用するなら、「この宇宙では最初からそういう話し方のウルトラマンなんだ」ということで割り切ることは可能だ…。
[DVD(邦画)] 3点(2023-04-08 14:29:57)
5.  麻雀放浪記 《ネタバレ》 
少年のころ、初めてこの映画を見た。麻雀をほんの少し知ってて、単語としての「リュウハ」やチューレンの形など知らなくともかなり面白い映画だった。 令和になって折しも麻雀ブームが到来し、今また鑑賞してみて、評価はさらに上がった。 いきなり冒頭のクレジットで驚いた。特撮:成田亨!ウルトラマンの美術監督としてのイメージ一色な成田亨氏が関わっていたのか。 敗戦後の焼野原の東京をカメラが新撮。ミニチュアセットの出来はもちろんいいのだが、カラーだったらもっとチャチに見えてしまったかもしれない。 ノスタルジー効果だけでなく予算にも優しいナイスなモノクロの選択に思える。 有名な勝鬨橋をバックに坊や哲とオックスクラブのママが歩きながら会話するシーンは勝鬨橋のミニチュア映像にクロマキー合成するために、その場歩きをしながらの演技だったらしい。 いわれて見れば若干ぎこちないが、そういう工夫は好きだし、面白いポイントになってくる。演者さんは大変だったろうけど、良き思い出になってることだろう。 やりすぎなぐらい敗戦直後のGHQ統治下における風景が見られるが、間違いなくブラックジョークだろうと思う。 誰もギブミーチョコレートとDDT散布のシーンをひとくくりにまとめて捌いてしまうなどというふざけたシーンを冗談じゃなくやりたがるはずがない。 むしろ滑稽なシーンに仕立てているよう見せて実のところそのまんま滑稽で哀れな歴史だったという皮肉がこめられているのかもしれない。 出目徳が死の間際にツモ和了った九蓮宝燈は非常に和了りが難しい、和了ったら死ぬとまで言われている幻の役満。 麻雀好きならそれを知らぬ者はなく、「だからか!」と思わず声を出してしまうシーンだ。 出目徳の遺体の、一度見たら忘れられないシーン。二回目以降の鑑賞では、決戦の朝(?)出発時に妻が水たまりに砂を入れているところを見ると、「これが明朝・・・」とわかっているのでジワジワくる。 結局水たまり埋まってねーじゃん!とも思うのだが。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2023-03-26 13:15:01)
6.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
テイストとして庵野監督の過去作をベースにリメイクした感じではあるものの、基本的な筋は初代ウルトラマンと一緒なので難しいことは少なく、子供でも十分に理解できる内容。 巨大フジ隊員。怪獣扱いされたチーム女性隊員のリメイクはウルトラQの1/8計画の再来ともいえるメフィラス星人回のひとつの見せ場ではあるが、「そこか」と思うようなピックアップで意表を突かれた。 しかもただの再現にとどまらない。人間が巨大化するという物理的にはありえない事象をなるべく科学文明の世界観で成立させるために、物語の根幹であるウルトラマンの超大能力をも含めた人類未到達のテクノロジーを登場させた。 茶番にさせない工夫が構成に繋がっている。モノづくりに於ける連続的な発想の面白さがある。非公開の裏設定としないところが子供にもわかりやすいところといえる。 それによって今回登場の怪獣は超獣だし、メフィラスはヤプールみたいで、いわゆる後期とラベルの貼られたウルトラシリーズのほうにも挨拶さながらにオマージュを捧げているとみた。 リメイク=オマージュに見えるのは奇妙な話だが、作り手が変わっての経年リメイクだと単純な焼き直しには見えない利点がある。 ウルトラ以外のヒーローものへのオマージュもそこかしこにあった。 他方で後の世代から見るとマニアでも知らないようなゾーフィの扱いとか本当解説付きじゃないと批判につながりかねない冒険もしていて、 自分の好き嫌いでいえば、マニアックじゃないほうが好きだ。だから、本作はちょっとウルトラとかヒーローとかの予備知識が鑑賞の補強でもあり邪魔にもなって鼻についてしまった。 隊員がウルトラマンの人間体の正体を知り、協力し合う関係性は時代の流れか。平成末期のウルトラマンメビウスでもそうだったが、当世孤独のライトヒーローはもう許されないようだ。 自分はリメイクという行為そのものがあまり好きではない。でも、本作はいい作品だと思う。 あらためてスタッフの力はすごいなと思った。 八つ裂き後輪でゼットンに攻撃してる図が「えいえいおこった?」にしか見えない。というか絶対狙ってる。
[インターネット(邦画)] 6点(2022-12-04 10:55:19)
7.  手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 《ネタバレ》 
これより以前に、邦画の大作「釈迦」を観ていた。お話はそれとはまったく違っていたが、重く、あまり面白くは感じなかった。 シッダールタの半生そのものが、辛い気持ちに覆われているからだろうか。 本作はチャプラという奴隷の身分から脱却したい男子の武芸による立身出世が主な部分となるが、謎の生命体タッタという 手塚治虫の有名なアニメ「ふしぎなメルモ」の動物変身のような動きをする乗り移りをみせる、歳をとらない少年がでてきたりして 奇想天外な設定ではあったが、ストーリーのほうは誠に平板なもので成り上がりのチャプラがどこから足元をすくわれるかも 最初からわかりきっているような感じであった。原作に忠実ではなかったそうだが、ファミリーで楽しむような展開でもなかったので、 どういった層をターゲットにしてるのだろうかと余計なことを考えてしまった。 戦争ものと「破戒」の混ざったような、昭和な雰囲気の映画。 読解力が足りないんだろうけれど、開幕の「有名な」うさぎの自己犠牲エピソードがそのあとどう繋がっているのか、わからなかった。 作画が、ちょい怪しい。地味なところの修繕が甘いところがあり、動くところはオーバーアクションでくどかったりする。いいところはいいんですが。 一部声の演技に難アリといわれていますが、邦画の演技ってこの程度の下振れは普通かなと思ってます。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-07-15 02:36:51)
8.  宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち<TVM> 《ネタバレ》 
「テレフィーチャー」という、一般には耳慣れないが所謂テレビ映画として制作された「宇宙戦艦ヤマト・テレビシリーズ」の続編 夏休みの真っ只中、正に映画を放送するような時間帯で長編テレビアニメ特番としてヤマトの新作はお目見えした(後に、劇場公開もされた)。 ヤマト大好きっ子である自分は、テレビスポットCMで新作の放映を知り、最高に待ち遠しい夏休みを迎えた  まずは、「新たなる旅立ち」というタイトルに思った事。後に制作される映画「ヤマトよ永遠に」とのセットで考えれば前日譚として理解できるネーミングではあるが そんなことは露知らずの小学生にはどう映ったか。  (以下「ヤマトよ永遠に」のネタバレにまで踏み込みますのでそちらをまだご覧になってない方はご注意ください)  実質として新たなる旅立ちというタイトルは、メタの意味合いのほうが強い 一度自ら区切りをつけたはずのヤマトという知的財産に再び命を与えて(本作にとどまらず、この先も連作して)商業展開というと、なんだか聞こえがよくないが それを歓迎したのも私のような続きを見たがるファンである。もう一度、強いヤマトが観たかった。ただそれだけで十分だった  ヤマトを語る際まず筆頭にあがるのは、やっぱり音楽が最高ということ。新たなる~でも勿論それは健在。印象的な楽曲が作品のグレードを幾段も底上げしている 暗黒星団帝国のテーマとでもいうのだろうか。何度も何度もかかって、もう一生忘れられない。それと、艦載機コスモタイガーの楽曲は以後、定番化する名曲  続いて意匠。まるで未知との遭遇からゲスト参加したようなシャンデリアっぽいけどキラキラかっこよくて黒い敵巨大旗艦プレアデスは 重厚なのでキービジュアルのようにほぼ一枚絵で済まし、それが作画の安定に貢献している(さらば以降のヤマトでは巨大物の描写でわりとスタンダード)(一部背景動画的に描写されたりもしてはいる) のちに浮遊要塞と改名されるキラキラネオンの自動惑星ゴルバも、セルでは止めをスライドさせるか、動いても消灯させて作画の負担を軽減している 敵キャラクターは暗黒星団帝国人(また、帝国なんだね)。全員坊さんのように頭髪がなく、衣装も非常にさっぱりしていて、捉え方によっては貧弱デザイン極まる 小さい頃にはそれらは一切気にならなかったが、今考えるとドル箱ヤマトにしては製作期間(=予算)の都合を感じないでもない。(でも、プレアデスもゴルバもめちゃくちゃ好き) メルダースという司令官がクールな立ち回りで、好きだった。でも、死んでくれとも思った  「さらば~」の敵・彗星帝国(ガトランティス)が遊牧騎馬民族・元寇の置き換えだとするなら、暗黒星団帝国はなんだろう。 一説によれば松本零士作品世界における連携で、銀河鉄道999の機械化母星を敵の下敷きにしたらしい。頭が人で体が機械のサイボーグ。なるほどね (次作「ヤマトよ永遠に」にてそれらは露見するが、「新たなる~」の時点では全くの謎だった。「~永遠に」がとんでもないシナリオだったので、設定に齟齬が生じている気がしなくもない)  一部内容が尺の都合でカットされていて、セリフの辻褄が合わない。ビデオ等媒体化してもそれが復活することはなかった。コンテでアフレコはしたが作画されていない可能性あり  ラスト付近に流れる島倉千代子さんの挿入歌は、いささか全体の雰囲気と合わず、私はあまり好みではなかったかな これら物語途中にかかる歌謡は次作「永遠に」などにも継承されるが、元々プロデューサーのもつ音楽業界とのコネクションを半ば強引にねじ込んだと私は受け止める  シナリオは正直物足りない。デスラーが恋慕で目が眩み、付き従ってきた部下をあたら死なすなど、かなり難点がある。自爆という決着もいただけない それでも娯楽の少ない、弱っちい小学生の夏休みの夜を最高に盛り上げてくれて、私にとっては映画「さらば宇宙戦艦ヤマト~愛の戦士たち~」の次に好きな長編ヤマト作品。
[地上波(邦画)] 7点(2021-09-09 02:37:17)
9.  新・兵隊やくざ 火線 《ネタバレ》 
昔、休日の昼間にテレビで観た記憶。軍隊物で卑怯で暴力的な上官に虐められながら反骨している小太りの中年男が主役の映画。 なんとなく勝新の兵隊やくざというタイトルと設定的なところに該当する気がして第一作を鑑賞するも、自分の記憶にある展開がない。 かつて自分が観たのは、肥溜めに沈められて虐待され、恋人を目の前で寝取られて失意の中、逆襲する際にお返しとばかりに 上官の腹心を肥溜めに沈めてから連行しつつ殴り込み、最後は上官の女にさせられていたかつての恋人がとどめに小銃を上官に撃ち込んで復讐を遂げていた。 兵隊やくざでないならなんなのかと思って、軍隊モノ、肥溜め、虐待のようなキーワードで探してアタリをつけた「陸軍残虐物語」というのも見てみたが、違った。 そんな回り道をしながらそれと思しきタイトルにたどり着いたるはシリーズ最終作となった本作。シリーズでカラーはこれしかない。 確かに、白黒ではなかった気がする。地上波放映という観点で考えればおのずとわかりそうなものだが。 だが、本作は当初はソフト化されておらず、観ること叶わず。ようやく近年になってDVD化され、鑑賞できました。 記憶はほとんどあっていたけれど、最初に肥溜めに沈められるという虐待は、なかった。アレ?お返しじゃなくてオリジナルの嫌がらせだったんだっけ? そんなことで少しモヤモヤしてしまったが、確認作業は面白かった。中国大陸が舞台で肥溜めに憎い同胞を沈める展開だと「人間の條件」はどうしても脳裏をよぎる。 一作目と同じ監督さんで、鑑賞後感も同じ。しかしこの内容でシリーズを何本も続けるってロングランしがちな任侠モノだと勘違いした人が見に来たのかしら。
[DVD(邦画)] 5点(2021-02-13 22:23:55)
10.  ヤマトよ永遠に 《ネタバレ》 
「テレビシリーズ・宇宙戦艦ヤマト2」~「テレフィーチャー・宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち」とシリーズが続いてきての満を持した感のある新劇場版が本作。 なんでもやれた劇場版第2作「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」での出来事を、なかったことにして再出発した宇宙戦艦ヤマトシリーズに対しては 当時から改悪だ、金儲けのご都合主義だと不満を口にするものもなかったわけではない。が、そこは大好きなヤマトの新作だから、それでも心惹かれたファンはまだまだ多かった。 自分の場合まだ子供だったからか、新展開に深刻な不満は感じなかった。「さらば~」と比べてヤマト2のラストの展開にはヌルさを感じたが、 後に続いた「新たなる旅立ち」がワクワクできたので、こっちはこっちで楽しもうという気持ちにあっさりと気持ちを切り替えられた。歴史は一つじゃない。フィクションなんだから、と。 そして、この映画は、画がきれいで、音楽が極上でした。素晴らしい。子供だったからそこまで画は気にしてなかったけれど、 音楽は子供でも病みつきになるほど良かった。ただし、ちょっと不気味で怖かったけれど。あと、歌が多いのも気にはなった。 歌がかかるとドラマが止まる気がしたからだ。子供には、そういう大人の作り手の「大物歌手を起用して、パァーッとやってみたい」はまだ理解できなかった。 ただし、エンディング間際にかかる布施明の歌だけは、全てが終わった後の余韻の部分だったため非常に心に響く名曲となった。 大きな不満点を挙げると、作り手が作品ごとに刷新されているせいもあるし、反響などが芳しくなかったのか大人の都合でかは知らないがシリーズとの整合性の取れない部分が多々あり、気になった。 前作に登場し、活躍した名前のある乗組員が出なかったり、ヤマトのデザインが変わったり、自動惑星だったゴルバが浮遊要塞に格下げになって更に紙装甲に変わっていたり デスラーがでないのはまだいいとして、サーシャが制作サイドの都合で急成長したのも、生贄にするために強制的に大人にされたみたいで不満だ。古にそういう神話でもあるのだろうか? 観終わって子供心に思ったことは「さらば~」ほどの盛り上がりは感じなかったが、なんでもできた別宇宙の「さらば~」との単純比較はできない。ということだった。 しかし、面白かったか?と問われると、音楽が良かった。とか、殺戮シーンが怖かった。とか、ストーリー以外に対する賛辞はそれなりに挙がるのだが、 シンプルな返答のできない、そんな自分にとって最後に映画館で鑑賞した宇宙戦艦ヤマトであった。
[映画館(邦画)] 6点(2020-11-16 01:41:01)(良:1票)
11.  さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 《ネタバレ》 
当時の実感としては『まだまだ子供向けでしかなかったまんが映画、という先入観の中で意外にも大人でも楽しめそうな娯楽映画のヒット作』だったという印象 公開当時は幼い子供だったが、小学校の男性教諭がこの映画を見に行って「感動した」とクラスに紹介したのが見に行くきっかけにもなった よく特攻の賛美だと槍玉にあげられがちな本作ではあるが、鑑賞時、その歪さを冷静に分析できるような雰囲気ではなかった ハラハラドキドキとか感動で涙してる時にはそういう不都合なファクトは自然と何処かに追いやって楽しめるものである 本当に楽しんでる時にはそういうことが可能だし、なにか雑音を感じてる時はそこまで楽しめてないっていう事なんだろう 自分は幼少で観たので、感情よりも理を優先する大人になってから観ないで幸せだったし、針の穴を通すような事例でもあるだろう しかし同世代で以前は本作を絶賛していた人たちも、特攻に疑問を感じたり、より刺激的な作品を鑑賞してぬるく思ったりして後年批判的な感想を洩らすことが多い 後から考証が捗って符に落ちて傑作化するような作品でない限り、二度目以降はそりゃ前ほど楽しめないのも当たり前とは思うのだが なんにせよ受け止め方は自由である。特攻賛美だからと叩く人には「そうだよね~」と同意してあげたいね だからといって自分の評価はまったくブレることはなく、満点をつけてても裏切り者とか思わないでもらいたいね 絵がいい。音楽がいい。倒しても倒しても隠し玉が現れる絶望感。英霊が像になって現れ、みんなで一緒に体当たり~ 面白かった。そして同じやり方は二度と自分に感銘を与えない。一生に一度しか楽しめない流れを、この映画で体験した 死んだ沖田艦長が幻となって語りだすのはスターウォーズのジェダイが参考元かな。語るその内容は問題視されてるけど ありゃ、本当の沖田じゃないからね。ジェダイのそれとは違う。古代が作った沖田像だよ 死んでしまって何になる。古代は沖田の像を借りた自分自身に促されるようにそれに向き合うしかなかった 登場人物の動き方としてはそれで整理できる。作品全体としての事実として結局特攻だろといわれたら、まあそうだね、としか
[映画館(邦画)] 10点(2020-08-29 12:27:35)(良:1票)
12.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
有名な作品なのでおおよそのあらすじというか、科学考証のされてなさがとんでもないところを最初から受け入れ態勢で鑑賞した なんだろう。既視感がある。というかこっちの方が先に作られた映画だが、ストーリーの骨子は黒部の太陽と同じだな。プロジェクトXなんだよ ただ、本作を有名たらしめた大仕掛けである地球公転軌道の移動はどんでん返しだと思っていたのが ほとんど序盤でそれもただの子供の、のびのびとした発想をそのまま用いたというのはいささか拍子抜けだった 「そんなことできるはずがない」という現代人と、「人間は何でも可能である」というイケイケだった昭和の人類との違いを感じる 怪獣は、海外では全カットだったそうで。円谷のお約束で無理に入れたんですってね。サービス精神で、まあいいんじゃないかな。この映画にはふさわしい。 渡世感ない池部良は初めてお目にかかったでござるよ 久保明演ずる金井さんの記憶喪失が、物語上どんな役割を持っていたのかわからなかった。恐怖のあまり?マタンゴのような怪奇的現象かしら?
[インターネット(邦画)] 5点(2020-08-24 01:58:23)
13.  ガス人間第一号 《ネタバレ》 
ほとんど透明人間のリメイクといえるだろう ガス人間第一号の能力はあまりにもチートでガスの持つ性質を大きく逸脱している 創意工夫が味の特撮作品であるのだが、考証を阻むような科学的説明の乏しさが全体を子供だましに感じさせてしまう。60年前だし、しょうがないか 「変身人間シリーズ」と銘打たれているが、後に円谷プロがブームにあやかって手がける怪奇ものの様相が濃い ガスになっても会話ができるのは実体のない亡霊が語っているのとあまり違わない。怪談めいているのだ 先に述べた通り透明人間のお話とほぼ同じなのだが本家と比べるとガス人間の見せ場は少ない 見えないことが見せ場だった透明人間と比べて光学合成など見せなければならない手間がかかるからかもしれない 悲恋で終わる人間ドラマが地味に良い…といいたいところだが、完全無欠のガス人間のほとんど唯一の弱点は女であり、 その女に冒頭からアシがつく謎の誘導とどうして警戒に引っかかったのかよくわからない犯人の車 導入部分はこうでもしないと捕まりっこないから無理やりヒントを与えているのが見え見えで残念ながらお粗末といわねばならないシナリオです しかし、ガス人間を野放しにすると全く関係ない横領までも全てガス人間のせいにする不埒な輩が出まくるので 必ず抹殺しなければならないとするのはまったくもって、ごもっとも。なんでかそこに妙に感心してしまった
[インターネット(邦画)] 5点(2020-05-25 01:15:20)
14.  柳生一族の陰謀 《ネタバレ》 
萬屋錦之介の代表作といえば、宮本武蔵とコレ。錦之介ほど重要なパーソンはいない。主役だから当然だが、他のキャストが全く想像できない テレビの子連れ狼などで顔はよく知っていたが、活躍されていた頃はただ怖い人というイメージしかなかった しかし、自分も齢を重ねて、映像の錦之介よりも年上になった。さすがにもう、怖気づいてはいられない 歌舞伎のようなセリフ回しを、実録っぽさに一家言ある監督が面食らったそうですが、私はなにも、違和感を感じなかった むしろこのくらいのぶっ飛んだシナリオでは、演技の誇張なくして鑑賞に堪え得るかどうか、疑問である 烏丸少将文麿と、三条大納言実条など、彼らの奇怪な立ち位置は誇張なくして成立しないではないか 主役の錦之介がもし抑えた演技であったなら、監督は彼らにも抑制を強いることになった危惧がある。あくまで素人の勝手な推測に過ぎない戯言であるが とにかく面白かった。根来衆が隠密の集まりの様に見えたのに、証拠隠滅として討伐されたのは些か早計な、と感じないでもない。隠れるの得意だろ?
[DVD(邦画)] 7点(2020-01-18 23:31:38)
15.  カンゾー先生 《ネタバレ》 
肝臓病としか診断しない医者がヤブではなかった 終戦間近、食糧事情の悪化に伴う肝ウイルスの蔓延による国民病によって、日本の敗戦を危惧するアカギフウウの 患者への献身と医学への奉仕と身内の死と、軍部の無理解へのいら立ちと、やがて敗戦を確信するに至り、挫折して原点回帰するドラマ。 昭和は遠くなりにけり。二十世紀末にもなると、なかなか終戦前の画作りも苦労したことだろう。観た感じ、復讐するは我にありよりも美しい絵が少なく感じたのはいた仕方なしか カラッとしたコメディ調で終戦の凄惨さは控え目であったが、監督が大正生まれの方なので、その時代を生きた人の物の見方が反映されていると考えたい
[DVD(邦画)] 5点(2019-12-30 19:01:31)
16.  ファースト・マン 《ネタバレ》 
米国民の多くにとって、期待通りの映画ではなかったそうである。 多くの人はこれから初めて月面に立つ男の物語を見たかったのだが、この映画は、かつて月面に人類史上初めて降り立った男の回顧録であるから。 件について話したがらない船長のインタビューで生まれた伝記という原作を尊重した結果、回顧のような劇映画になってしまったようだ。 それどころかアームストロングの本心にも若干の距離を残して客観視せざるを得ない描写にとどまっているから始末に負えない 演出は悪くない出来だと思うのだが、かくのごとく踏み込めずにいてカタルシスを得られないのは残念だ。 プロジェクトXとまではいかなくともいっそ美談にしてしまったほうがウケは良かったろう。 そうなったらそうなったで、違うバッシングを浴びたろうが。
[インターネット(吹替)] 5点(2019-12-08 22:25:00)
17.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
黒澤明が亡くなった直後、即日的に編成された追悼番組として本作をテレビで鑑賞した 自分にとって初めての黒澤映画であり、至高の作品となった。他にも何本か傑作の黒澤映画を観たが、 本作は娯楽性において黒澤映画の頂点であり、娯楽作品を最も好む私の趣味にマッチするものである。 おぼろげではあったが、伝説的なラストシーンのネタバレは鑑賞前に頂戴していたのは間違いがない。 ただし、本タイトル中のシーンとは記憶が繋がっていなかったため、既視感はあるが劇中に新鮮な驚きをもって体験できたのである。 そこに至るまでのあらゆる出来事がどれもみな、面白かった。素晴らしい映画だ。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2019-12-07 23:46:35)
18.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
たとえ無残に命を奪われても己が信心を守り通す、とても厳しい展開が続く それでも宗教を捨てられない、それに縋らなければ何の希望も見つからない百姓の苦しみを思うと泣けてくる。酷い時代だ なにがあっても主に背く行為は、生きる意味を捨てることになってしまう。割り切ることができない精神性。清廉さをその身なりに関係なく持ち合わせていたのだ 対して布教は常に自問自答している。何もしてくれない神にいつでも歯がゆさを覚えているのに、応えの得られないまま信じろと訴え続ける 踏み絵を命ぜられたときに踏んでいいのか否か、宣教師の二人の意見ですら真っ向から食い違う。 いっそ私利私欲のための布教活動であってくれれば整理もつけやすいのに。それが民の為と思ってやっているから、イライラも募ってくる。仕方ない 映画は、心地よい娯楽に浴するためだけにあるものではないことを再確認した。歴史に埋もれかねなかった隠れキリシタンを学ぶ教材であってもいいんだね 最後は日本の地にキリスト教は根付かないという表層的な結論に力づくで同意させられ、生気を失ったように余生を過ごした憐れな宣教師二人 彼らには教義以上に宣教活動が生きる意味の全てだったにもかからわず、日本に来たばかりにできなくなった。去勢されたも同然だ。いやあ気の毒 外国の映画なのにそれほど違和感のない日本描写であった。が、実質的な当時の幕府の信仰対象というべき東照大権現さまに言及が一切ないのと 何故キリスト教がご禁制になっているのか海外の観客にはわからないのではと思った。それにしても、慎重なうえに暇な江戸幕府だわ 教徒の反乱を未然に防ぐより、適度に蜂起させて一網打尽にする方が勲功もあげられるし武士にとってはそっちの方が虐殺よりよほど気が楽なんじゃないかと思うがね
[インターネット(吹替)] 5点(2019-10-02 04:33:46)
19.  ゴジラの逆襲 《ネタバレ》 
全体的にテンポが緩やかで、じっくりと腰を据えて鑑賞する姿勢を求められる 特撮、とくにミニチュアは素晴らしい。信頼の円谷組だ ゴジラの造形はやや細身で、どことなくシュール。 終盤は足場が狭いのか、ほとんど棒立ち。ジャンボマックスみたいな立ち姿でかわいいが、迫力には欠ける 一方アンギラスは愛嬌があってさほど怖さがない。強くもないので完全に咬ませ犬だ。哀れ・・・ 2大怪獣を当時は大々的に宣伝したろうが、現在情報を遮断してみればタイトルにも名前がないので嬉しい(?)サプライズ登場だ 早回しで怪獣プロレスがチャカポコしていたのは手違いだったのを円谷御大がかえって面白がって採用したそうだが コマ撮りに着ぐるみで寄せる試みとして面白かったのかはわからないが、失敗している ゴジラの大阪行脚はプロレスしていたらいつの間にか街が灰燼となっていて、街の破壊は前作に遠く及ばない。大阪城以外見どころがない 人物パートは、太平洋戦争もののようだった。必要味のない宴会シーンや、還ってきたら結婚という名のついた死の旗のくだりに色濃い また、囚人の移送からの脱走は、ゴジラの影響というよりは、独立した警察の不手際のように見えるし、 その後の惨事につながるカーチェイスは展開としてなかなか酷いものだ。当事者が、他人事のようでいるのもモヤっとする 前作に引き続き、英雄の手でゴジラを(一応)葬っている。とかく放置され気味の後のシリーズを考えれば、比較的潔い・・・かな? 色々残念な作品だったが、特技の苦労を考えると頭が下がる思いがするので、優しくありたい
[インターネット(邦画)] 5点(2019-08-25 20:46:35)
20.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
観る前から、前半がゾンビ映画で後半がそのメイキングということを知っていました (ただし、実際はテレビ番組でしかも生放送でした。微妙に違う情報が入っていました) 普通に面白い映画ですし、単純に撮影は努力賞モノですが 極度にネタバレを厳禁とされるのにはまた別の理由がありそうです もし仮に自分がこの構造に気付かずにアッと言わされたとしましょう そうなったら絶対それについて人と話したくなるし、共感を得るためには薦める相手にも自分と同じくアッと言わせるしかない そういう心理的メカニズムがあってのことです 個人的にはネタバレされても十分面白い映画なので(ただし、マナーとしてどんな映画もネタバレしてはなりません) 構造だけに頼ったただのびっくり箱ではなくてよかったです。ちゃんと面白い映画でした けれど、ネタバレを気にされ過ぎて構えてしまった分、メイキングのその先にもう一段階、 今までにないような仕掛けがあるのではと思っていたのでいささか肩透かしでもありました アッと驚く映画ではありません。特殊構造が生み出す笑いを味わう映画です。 当然のことながら、そこで生まれるハプニングは結局作為的なものであるので そのわちゃわちゃの連続にうんざりされる方もいると思います 映画撮影あるあるを楽しめれば吉でしょう
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2019-08-19 02:02:51)(良:1票)
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