121. イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
《ネタバレ》 エニグマを解読してめでたしめでたし、と思いきやそうではなくて、今度はその先に進んで、対策を立てれば解読に気づかれて、もっと大きな壁ができてしまう。また、解読した情報をどう扱うかによって、人の生死まで左右してしまう。その本質の問題に明確に踏み込んだところに、この作品の価値があります。また、戦後は不遇な扱いだった主人公の行く末まで、簡潔に凝縮しながらもきちんと押さえており、しかもそこで3本の時系列が収束する構成が、作品に立体性を与えています。●ベネディクトの演技は、興味対象以外には何の興味も持たないオタクぶりを的確に表現しており、充実しています。キーラ・ナイトレイは、お姫様系の顔立ちが災いして雰囲気から浮いており、ややミスキャスト気味。もっと地味な人にした方がよかったと思う。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-11-04 00:51:37) |
122. 踊るマハラジャ★NYへ行く
《ネタバレ》 マリサ・トメイのノリノリのボリウッドダンスが見られるというだけで、すでに大いなる意義のある作品。ヘザーちゃんの潔いポルノ女優っぷりも楽しい。コメディの部分は、設定上のギャップを押していけば、もっと笑いがとれたのではないか?という気はしますが。せっかくのオチの部分が割とあっさり過ぎている箇所も多く、ちょっともったいない。 [DVD(字幕)] 6点(2016-10-13 02:39:56) |
123. オズ
《ネタバレ》 冒頭部分からいきなり、精神異常児扱い・拘束・強制手術と、前作から続く内容とはとても思えないほどの暗さと陰鬱さ。つまり、寓話性をなくしてしまっているので、いくらそこからオズの国に舞い戻っても、前作の続編とはいえないのです。あと、サブキャラもいろいろ出てくる割にはどれも弱いかなあ、かかしさんの登場一発で全部霞んでるよ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-10-03 00:49:28) |
124. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
脚本のどうこうはまだしも、各登場人物の造形にほとんど配慮されていないので、役者がゲームの駒にしか見えません。タランティーノとはそこが違います。 [DVD(字幕)] 4点(2016-09-21 02:32:09) |
125. パイレーツ・ロック
《ネタバレ》 リチャード・カーティスらしい、明快爽快一直線の作品。敵方らしい設定も出てきながら、何かするたびにあっさり蹴散らして、深刻な危機には陥らない、というのもこの人ならでは。終盤ではあろうことか「タイタニック」のパロディまで展開してしまって、ニヤニヤが止まらない。まあ、135分は長すぎだと思うし、このエピソードはカットした方が良かったんじゃないかという箇所もあちこちに・・・。●一番違和感があったのは、66年のイギリスといいながらビートルズがまったく登場しなかったことなんですけど、何か理由があったんでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-08-16 00:46:09) |
126. 月に囚われた男
《ネタバレ》 話の構造は極めてシンプルだし、変に大騒ぎしないからこそ、目の前の危機感がじわじわと染み渡ってくる。無駄なし、無理なし、ムラなしの清冽な作り方が、作品を心に残るものにしている。●主人公の目覚ましの曲がチェズニー・ホークスの"The One And Only"というのは、明らかに狙ってますね。2回もかかってるし。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-07-30 02:16:27) |
127. 博士と彼女のセオリー
《ネタバレ》 やっぱり、伝記物の枠内を超えられなかった作品。あえてこの超有名な物理学者を採り上げるのであれば、その思考はどこから編み出されてきたのかとか、さらには障害を有しながらどうやってその頭脳から発想を具現化したのかとか、表現してほしいところはいろいろあるのに、ほとんどはさらっとすっ飛ばされている。ジョナサンがどうのこうのとかメロドラマみたいなのはいらんから、制作者もちゃんと学問に立ち向かえよ。●と思っていたらエンドクレジットで気づいたのですが、これって、ジェーンの著作が原作だったのですね。それなら素直に、ジェーンを主人公にすればよかったのに・・・。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-07-24 00:52:29) |
128. ニューヨーク1997
細かいところがいろいろと相当いい加減なのですが、それによって見る側も、敵の見えなさ加減がもたらす危機感や不透明感に同化してしまい、結果としてスリルを維持しているという、奇跡のような作品。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-07-24 00:46:05) |
129. ブラック・ドッグ
どこからみても単なるB級作品以外の何物でもないのだが、パトリック・スウェイジの主演作という点においては、今となってみれば貴重。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2016-07-17 01:04:30) |
130. ハンナ
《ネタバレ》 施設の脱出シーンなどはなかなかスリリングだったのですが、そこで制作側が力尽きてしまいました。あとの見所は、バスを降りてから地下フロアでの戦いまでの長回しくらいでしょうか。あと、音楽が最悪です、というか中身に全然合ってません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-02 02:20:23) |
131. ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
音楽面では天才だったこの4人も、演技では素人なんだなあ、と微笑ましく見守るのが正しい鑑賞態度なのですが、それでも、この4人がこれだけ同時に動いている映像であるという歴史的な貴重さは、やはり感じてしまうのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-06-20 22:42:37) |
132. 寒い国から帰ったスパイ
設定からすれば多大なる緊張感と心理の綾がありそうなものなのですが、演技も演出も平坦なので、主人公が危機にいるように見えません。つまり、筋に沿って構築するところで力が尽きてしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-06-16 01:27:54)(良:1票) |
133. オデッサ・ファイル
《ネタバレ》 何気なく通り過ぎる1台の救急車から、次々に起こる展開を経てラストまで持って行く手際はかなりのもの。特に、印刷工場での無音対決のスリルは素晴らしい。ただし、主人公は随所で、詰めの甘さというか、脳天気というか、驚くほどのノーガードぶりをいかんなく発揮しており、「君、よく最後まで生きてたよな?」という気がしないでもない。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-06-07 20:54:52)(笑:1票) |
134. ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬
《ネタバレ》 とりあえず、最後まで通して楽しめましたし、笑えました。ただ、同じギャグでも、前振りやタメ、そしてギャグの後の受けをしっかりやっているかどうかで、切れは全然違ってくるんですよね。クライマックスのアホダンスシーンなんかはそれが成功していると思いますが、美味しいネタなのにもったいないと思った箇所も多々あります。それと、アクション方面をところどころやたら真剣に撮っていて、これが逆にリズム感を阻害しています。当然の顔でエレベーターであっさり追いつくとか、あの路線で十分なのにね。●あと、表情分析は最後に何かあるのかと思っていたら、何もありませんでした・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-05-26 03:29:56) |
135. SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁<TVM>
設定についても中身についても、何がしたかった作品なのかさっぱり分からないというか、何というか・・・まあ、ベネディクトの変人面はホームズのオタクキャラには合ってますね、という程度の発見はありました。 [DVD(字幕)] 2点(2016-05-20 21:47:18) |
136. シャーロック・ホームズ(2009)
人物像が原作と全然違うのはまあ仕方ないとしても、画面の一つ一つがいちいち撮り方に慎みがなく、18世紀イギリスの気品をまったく感じさせないのです。前半でせっかく出てきた洞察力や想定力なんかが、後半は何も使われていないのも問題。つまり、テーマが存在していません。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-05-10 01:45:42) |
137. 三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
《ネタバレ》 いろいろ頑張って作っている気配はあるのですが、それがことごとく空回りというか・・・敵役がブルーム、ヴァルツ&ミケルセンなんて超豪華ラインナップなはずなのに、全然使いこなされていない。全体的にサブキャラがごちゃごちゃしていて、見せ場の勢いを削いでいる。エンターテインメント作品として最後まで走りきる力はありましたが、よく振り返ってみると、ジョヴォヴィッチの潜入時のセクシーコスチューム以外、中身があまりありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-04-05 02:52:44) |
138. THIS IS ENGLAND
《ネタバレ》 タイトルからしてそのものずばりなのですが、それにふさわしい、ひたすた鬱々とした晴れない描写。何か良いことがありそうだったとしても、それ自体がすでにその次の破綻を予感させるという救いのなさ。80年代イギリスを正面からテーマとした作品ってあまりないので、その意味でも貴重かもしれません。ただし、登場人物がそのような状況に至る理由が、ドラッグやアルコールが理由だというのであれば直接的には社会が理由ではないし、何か社会的な構造が理由であるというのであれば、そこまで突っ込んだ分析にはなっていないので、テーマの重さの割に奥行きを食い足りない印象も残る。 [DVD(字幕)] 6点(2016-04-03 23:57:20) |
139. 007/スカイフォール
《ネタバレ》 導入部から中盤までは、ボンドがあっちこっちを右往左往しているだけで、それほど面白くない。大怪人ハビエルが登場してからはいきなり緊張が走りますが、結局はキャラクター頼りの内容であるため、いったん上がったテンションも長続きしません。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2016-03-27 01:13:59) |
140. あなたを抱きしめる日まで
《ネタバレ》 この設定で主演がジュディ・デンチとかだったら、それだけで期待が高まってしまうのですが・・・導入部からしてえらく説明的で、しかも拙速に進行してしまうし、その後も、頭で考えた以上のドラマが特にあるわけではない。ラストに元の修道院に戻っていく展開はなかなかでしたが、そこもほとんどそれだけで終わってしまいました。もっと、プロセスの描写においてはいろいろとできたと思うのですが・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2016-03-25 21:21:45) |