41. 暗殺の森
《ネタバレ》 はっきり言って意味不明。だらだらと時だけがすぎていく。最後は何?、妄想?、狂気?、個別カットを適当につないだようにしか見えない。 リンチはもともと無意味そうに見えるからいいけど、これは見かけだけ有意味っぽくて実は何にもない。 ここでの高得点が不思議。 [DVD(字幕)] 2点(2010-07-10 14:17:13) |
42. 太陽がいっぱい
《ネタバレ》 ラストの雰囲気はいいですね。笑顔で立ち去って終わりだなんて。 でも、淡々と感電犯罪を続けるだけの感じで、なんかまったりしすぎてた。退屈さ加減が少し行き過ぎ。 あと内容とは関係ないけど字幕が読みにくい。 [DVD(字幕)] 5点(2010-07-10 14:10:51) |
43. 8 1/2
《ネタバレ》 頭の中のものを完全に映像化したような作品。徹底的にけなされる新作、よみがえる子ども時代の嫌な記憶、嘘ばかりの人生、女に囲まれる妄想、すべてを幻想的に描き上げている。まさに監督自身を描いている(ただし映画中で言っているように嘘ばっかりなのかもしれないが) しかしそれは映画に振り回されている。「映画なんてない」。映画というフレームをはずしてこそ人間は真価がわかる。 んでも長いしもうちょいコンパクトにできたでしょ。ってか個人の頭の中はその本人についての説明がないとどうにもならない気がする(この映画だと脳内を映されている側の描写がない)。 [ビデオ(字幕)] 5点(2010-07-10 14:10:26) |
44. ターミネーター2
《ネタバレ》 基本的に1と同じ。もともと1ではシュワはカイル役にキャスティング予定で、ターミネーターはシュワのようなごつい感じではなく、2のような人にまぎれてさっと殺す感じの予定だった。そういった意味ではまさにもともとの予定の「ターミネーター」を作ったという感じか。 で、どっちがいいかというと、う~ん、1のようなごついターミネーターのほうがいいかな。 2のよさは派手さなのかもしれないけど、だとしたら逆に1の方を高く評価したい [地上波(吹替)] 7点(2010-07-10 13:57:57) |
45. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 ■ずしんと重い映画。大半の脱獄ものはなんだかんだで囚人役の主人公が元気そうなのだが、本作はマックィーンがすばらしくやつれている。あそこまで体がぼろぼろになって、あくまでも逃げようとする執念がすごい。あそこまで独房をきちんと描いた作品はそうはないだろう。 ■ただ、逃げ出すところは本作の描きたいところではないのだろうが、あまりにもあっさりと逃げられすぎでしょう。ちょっと欄干の下を這って進めば出られたり。あの島には監視すらいないし。逃げてからのシーンの方がはるかに長い。 ■それと、マックィーンは無実の罪で投獄されたのかも知れんが、逃げる途中で人(追手)を殺していたような・・・・・・ ■だが、まさかシスターに裏切られるとは。ショック。油断大敵。 [DVD(字幕)] 8点(2010-07-10 13:47:42) |
46. シンプル・プラン
《ネタバレ》 あまりにもあっけなく堕ちていく。金の魔力ですね。金が出てくると、それまでの過去とかの相手の汚点を徹底的に洗い出して、敵対心をむき出しにしてしまう。怖い。 でもあの奥さんがすべての元凶の気もするが。 [DVD(吹替)] 8点(2010-07-10 13:43:54) |
47. 11'09''01/セプテンバー11
《ネタバレ》 ■イラン:個人的にはこれがベスト。イランというと反米のイメージが強いのでどう来るかと思ったけれども、反米云々ではない、先生の必死の指導と子供たちの徹底した「無関心」の通底があぶりだされている。しかし先生も「なぜ祈るのか」を語ることが出来ず、すべてがお題目と日常のはざまで空転している。 ■フランス:ここでの評価は高いが個人的には真中ぐらい。聴覚障害者を軸にしてほとんど無音で写していく斬新な方法はよかったが、結局どうしたいのかがいまいち見えてこなかった。 ■エジプト:監督の意図のありかによって高評価にも駄作にもなりうる作品。描き方がどうも「アメリカの傲慢さ」を一面的に描きすぎていて引けてしまうのだが、映画監督の主張にも結構矛盾があり(テロリストとアラブ人を同一視することを批判しながら、理由をつけてアメリカ政府の政策とテロの被害にあったアメリカ一般市民を同一視するなど)、そこまで含めて監督の意図なのかが評価を分ける。 ■ボスニア:何が言いたいのかイマイチよくわからなかった。 ■ブルキナファソ:番外編でベスト。あの展開は面白すぎるが、毒もしっかり入っている。 ■イギリス:典型的な「薄っぺらいプロパガンダ映画」になってしまっている。アメリカの反共政策を一面的に批判し(まあチリ政策は私も支持しないけど)、今回のテロに潜む複雑な問題をあまりに単純化している。アメリカだってひどいことやってるじゃないか、という聞きあきた文句以上のものはない。 ■メキシコ:衝撃的かつ斬新な試み。ほとんど画面がブラックアウトで音声のみ。好き嫌いは分かれそうだが個人的にはありだと思う。前衛芸術の類かな。 ■イスラエル:ノーカット長回しはなかなか。 ■インド:一番ありそうな感じの作品。可もなく不可もなく。 ■アメリカ:なるほどと思わされた作品。やっと光があたった部屋、花が咲いた、そしてズームアウトしての影だけで示されるあの結末。やられた。 ■日本:評価はバラバラのようだが、個人的には全然ダメ。とりあえず日本以外では9・11とパールハーバーを重ね合わせて「軍国主義からの解放のための正義の戦争」へ、という流れがあるんだから、日本軍の横暴さが原因の蛇男では「正戦の正当化」にしかならないことがわかってない。最後のテロップも「いや、あれを文字と音でいっちゃ監督失格でしょ」と思う。 [DVD(字幕)] 8点(2010-01-10 00:09:35)(良:1票) |
48. ザ・バニシング-消失-
《ネタバレ》 味のあるサスペンス・ホラー ヨーロッパ的な雰囲気のある映画だ。 突然彼女が消えてしまう。おおよそ起きたことはすぐにわかるのだが、細かい部分の謎はどんどん深まっていき、画面にひきつけられる。 最後の犯人との対話は恐ろしい。 こういう普通の人が普通に犯罪をしていくというのが妙にリアリティーがある。 ラストはわりと予想できたが、しかし後味は非常に悪い。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-01-09 01:25:48) |
49. 告発
《ネタバレ》 最後、ヘンリーが自殺したのは、勝利出来たことと、逆に人生にはもう期待できなかったからではないだろうか。 ケビン・ベーコンはさすがの演技。 皆さんかいておられますが、なんでオスカーは無視したんだろうか。 各シーンはすばらしいけど、全体がシーンごとの細切れになっているようなのはマイナス。 あと、最初の方のぐるぐる回りながらカメラが映していくのは、見ていて気分が悪くなる(酔う)。 マイナス点はそこら辺かな [DVD(字幕)] 9点(2010-01-09 01:24:52) |
50. サクリファイス
《ネタバレ》 細かな意味や筋よりも、ひたすら映像美に酔いしれるほうがいいのではないかと思うような作品。陰影の美しさ、すさまじい長回しなど、映像としてだけみても十分すごい。飛び散るミルクのカットは有名だが、個人的には最初から二番目の森のカットのあの得体のしれない感じが好き。 さて内容だが、核戦争による終末を淡々と描き切っている感じか。ガタガタ揺れる食器ですべてを表し尽くす。そして最後のサクリファイスはある種の希望と絶望の入り混じった地平を見ているのだろう。もはや論理ではこの映画は理解しえない。そう、ラストのセリフではないが、言葉ではないのである。 [ビデオ(字幕)] 6点(2010-01-09 01:20:27) |
51. アパートメント(1996)
《ネタバレ》 よく出来た恋愛ミステリー。ラブストーリーではない。バラバラのピースがうまく組みあがっていくジグソーパズルのよう。複雑に時間を行き来し、場面場面の裏側が次々と明かされていく後半は頭をこんがらがらせながら一生懸命ついていく感じ。フランス版「ユージュアルサスペクツ」というのも納得。 恋愛を軸にして、重さと優雅さを加えた「運命じゃない人」のような映画かなぁ。 偶然と必然との絡み合い、結ばれてまたほどけていく糸のよう。 最後に。DVD化は本当によかった。ただ、パッケージの裏面はあまり読まないほうがいい。重大なヒントがあるから。 [DVD(字幕)] 10点(2010-01-09 00:49:38) |
52. 記憶の扉
《ネタバレ》 ミステリー・サスペンス的な出だし、大雨の中死に物狂いで走り続ける男、なぜ?、と誰もが思わずにはいられない。そして警察署につれていかれる。不条理な取り調べと、なぜか思い出せない記憶。 最後の最後まで全体像が見えず、ラストで「あっ!」と言わされた。久しぶりにどんでん返しに見事にかかった。しかしただ返しだけでなく、きちんと中身のある内容になっているのもおみごと。 どんでん返しがなくても、あの雨といやな雰囲気、そして引っかかる音楽は相当にうまいと思う。地味だけど味のある作品。 [ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-07 01:33:44) |
53. Z
《ネタバレ》 非常によくできた政治サスペンス 2時間飽きずに引き付けられる映画はそうざらにあるものじゃないが、これはその1本だろう。 暗殺事件までの異様な雰囲気、そして事件後の展開。 ときどき入るフラッシュバックや音楽、余計なシーンがほとんどないカットなど、随所がうまく作られている。 そして後半に判事が猛然と追い込みをかける。 孤高のヒーロー的に次々要人を告訴していくのは圧巻。 そして満足して終わろうかというところであのニュースのラストで絶望へと追い落とされる。 しかしこれが現実だともいえる。 全体のテンポがよく、うまくまとまった秀作。 最後に これを「左翼はもっと頑張らねば」的に読んでいる人が(ここにはいないようだが)巷には多かったりもするのだが、それはこの映画を根本的に取り違えている気がする。 監督が批判しているのは「全体による圧制」であって、右とか左とかの話ではない。 あえて右左でいいたいならば、いまどき政府の弾圧とか起きるわけもなく、「第四の権力」マスメディアが主力を左翼が牛耳っており、ちょっと危ないことを言うと「軍国主義、戦争賛美、危険人物」的な取り扱いを受ける(実際それで大臣の首が飛ぶこともままある)この日本で、「全体」の側に立っているのは一体どっちかを考えてみて欲しい。実際、言論弾圧法案である人権擁護法は左翼の側から出されているのだし。 さらに言えば、この監督は次に共産主義を痛烈に批判する映画を撮っている。そして今ある共産主義国(中国とか北朝鮮とか)を応援しているのは左右どちらだろうか。 [地上波(字幕)] 10点(2008-08-14 23:15:35) |
54. 眼には眼を
《ネタバレ》 決して明言はされていないが、しかし壮絶な復讐劇。 不条理な巻き込まれ方としては「オールド・ボーイ」を髣髴させられるし、やり口の悪質さ加減は「ファニーゲーム」級でさえある。 だが、そのリアルさはこれらの作品をはるかにしのいでいる。 医師自身にも手落ちがないとは言えない。 あの復讐はやりすぎとも見えるが、むしろあれが人間の本性かもしれない。 ラストの笑い声と俯瞰ショットはぞっとさせられる。 [ビデオ(字幕)] 9点(2008-08-02 20:49:25) |
55. マルホランド・ドライブ
《ネタバレ》 この映画、わかろうとしてはいけないのかもしれないが、わからないならわからないで微妙。 一応自分としては、前半2時間近くが死ぬ間際に見た長い長い夢(願望の夢でもあるし、寝ているとき見る夢でもある)で、後半の20分が悲惨な現実、そして全体の時間がわっかみたいになってて、最後と最初がつながる、と考えたけど。まあ安易に「夢オチ」で片付けるべき映画ではないと思いますが。 リンチ映画に慣れてからみた方がいい気がしました。 [地上波(字幕)] 5点(2008-03-07 23:23:53) |
56. ストレイト・ストーリー
《ネタバレ》 さしたる事件がおきるわけでもなく、淡々とおじいさんが旅していく、心温まるロードムービー。 何もたいしたことは起きていないのに、何か引き込まれてしまう。「となりのトトロ」的な映画、という印象を受けた。 [地上波(字幕)] 8点(2007-09-27 23:47:33) |
57. ジャッカルの日
《ネタバレ》 じりじりと一歩づつ追い詰めていく・迫っていく感じがたまらなくいい。見ている間、ジャッカルにゴルゴ13をかぶせてみていた。そんな雰囲気。ただ、冷静に見るとゴルゴに比べるとかなり抜けがあるのだが。 [地上波(吹替)] 9点(2007-07-21 10:10:07)(笑:1票) |
58. TAXi2
《ネタバレ》 1を見てないのでなんともいえないが。まあ「ニンジャー」でした。「ニンジャー」と「忍者」は別物です。 [地上波(吹替)] 6点(2006-12-27 18:46:46) |
59. ディーバ
《ネタバレ》 サスペンスとしてみてもアクションとしてみてもロマンスとしてみても中途半端。映像美と音楽だけでは評価できないので。 [DVD(字幕)] 4点(2006-12-19 10:24:48) |
60. ユナイテッド93
《ネタバレ》 すべての事実を知っている僕らから見ると、「何やってんだ!」と言えるかもしれないが、飛行機をのっとってビルにぶつけるというのはあまりにも非現実的なことだというのがそれまでの考えだろう。そういう意味で、「ビルにぶつかった?こんな晴天なのに?」とかのセリフは考えさせられる。2機目がビルに突っ込むのは、「あ、あ!」という思いでいっぱい。最後の草原が見えるとき、誰もが「あそこか・・・」と思ったはず。 [DVD(字幕)] 9点(2006-12-19 09:39:30) |