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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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101.  愛人/ラマン 《ネタバレ》 
正直、レオン・カーファイはともかくジェーン・マーチの演技はかなりボヤっとしてる様に感じられて、中盤くらいまではあまりピンと来てなかったですね(エロ描写も、映画の描写として or 時代的なレベル感としてはそこそこ高度かとも思いますが、ゆーてそこまで…という感じでもあったので)。ただ、あまりにも醜悪な彼女の家族の描写(⇒その後には男の方の家族も似た様な有様だというコトも分かるのですが)を見るに、やはり彼女の「動機」の主たるモノとゆーのは一種の「反抗」であり、ただその中でも同じ境遇を生きるコトのシンパシーから二人の関係性は次第に真実味を帯びていった…という部分については最終的にはそこそこしっくり来ましたかね(まあソコも含めて、ワリと普遍的=在り来りな話だとも思いますケド)。特にエキゾチックな画づくりの感じが好みだったコトもあり、まあまあ楽しんで観れたかなとは思います。悪くはなかったかと(ゆーてジェーン・マーチもかなり高度な小悪魔系合法ロリで相当に可愛かったですし)。
[DVD(字幕)] 6点(2022-06-26 11:11:01)
102.  大頭脳 《ネタバレ》 
ベルモンド繋がりで観に来るとま~平時のベルモンドものでもあるかと思いますが、今作はキャストがなんか妙に豪華ではありますね(ゆーてまァ1・2・3本釣り!て感じですが)。イーライ・ウォラック、ブールヴィルも流石のコミカルな風情が冴え渡ってますケド、ナンと言っても出色はデヴィッド・ニーヴンでしょう(てゆーか普通に「主役」だし)。今作でもまだまだ全開に粋なイケオジでもありますが、それで居ての絶妙なコミカル具合も『カジノ・ロワイヤル』に負けず劣らずなハイ・クオリティです。アクションとしてはコレもまァクラシカルな出来(=今となってはややチープぎみ)ですケド、全編通しての楽しそうな雰囲気は(前述どおり)素晴らしいモノですし、そしてオーラスの大騒ぎは(ばら撒かれる札束の量が凄まじいコトもあって)非常に好いドタバタ・コメディに為ってたと思いますかね。結論、諸々と観る価値自体は今なお全然十ニ分な良作だと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-05 00:16:43)
103.  トリコロール/青の愛 《ネタバレ》 
フランス国旗「トリコロール」は青・白・赤の三色が自由・平等・博愛を表す…とは結構誰でも知ってるコトだと思うケド、実はどの色がどの価値観を体現している…という対応関係はハッキリと決まっているモノではないらしい、と。ただこの連作では明らかに、青が自由、白が平等、赤が博愛を示している様に思われる…のだし、あといちおう画づくりのコンセプト・カラーとしても三色が映画の中にそれぞれ取り込まれている…とゆーのも確かにそーなのだね。その上で、三作の共通テーマはシンプルに「ある愛のカタチ」であるけれども、それらは決して唯「美しい」とか「温かい」というモノでもないネガティブみ・シニカルさを割かし多めに含むモノでもあるかな、てのが正直なトコロなのだね。  ※あと、観る順番は青→白→赤が好いかと(登場人物が少しだけ重なってゆく関係で)。   中でこの「青」は、率直に三作で内容が一番高度でかつつくり込みも綿密だと思われますね。実は、私自身は少しだけ「コレは『博愛』のハナシなのかな?」とも思ったのですが、最後まで観るとシンプルにジュリエット・ビノシュがある種の「自由」に辿り着いたサマを描いた作品だとは思えるのです。ただ、前述どおりこのサマってのがごくネガティブなモノ⇒ぶっちゃけると自由な様で自由でもないモノにも見えるのですよね(今作ではその「青」も、画としては憂鬱という意味でのブルーとして随所に挿入されていますし)。彼女は愛を(ソレこそ)誰にでも奉仕・自己犠牲という形式で振りまいてゆくという人物に見える一方で、でも単に愛情行動の選択肢としてソレしかコマンドが無いという人にも見えるのですよ。ソレは仄かに描き込まれる母親との関係性の歪さなんかに由来する一種の病理かとも思えるのですが、だから結局彼女は実は色々な人に(ソレを押し付けるがあまりに)ある種煙たがられていた…というコトにも見えるのです(取り分けて死んだ旦那については)。旦那の愛人が言う「どーいう人か分かった」とゆーのは、実に高度な皮肉かと思えましたね(ないしは批判・非難にすら)。コレは何とも残酷なシーンだな、と。  オーラス、無表情で涙を溢す彼女からは、彼女自身の人間性そのものについての絶望と同時に、それでも彼女はそう生きていくしかないのだ、というより頑なな意味での絶望もまた感じ取れるな…と思ったのです。その部分を表現するビノシュの演技がごく優れたモノであったとしても、コレはちょっと私個人としては(根本的なポリシーから外れるというレベルで)非常に好みではないネガティブさでした。なので(まあまあ優れた映画だとは思いつつも)これ以上の加点は控えておきます。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-05-04 12:05:49)
104.  ニューヨーク 親切なロシア料理店 《ネタバレ》 
タイミング的に若干「誤解」を生じる恐れがあるかも知れないですが、お話的にも「ロシア」料理店であるコトに本質的な意味は無く、そもそも実はロシア人も(多分ひとりも)出て来ないのです。悪しからず…  人生に「ワケ」の在る種々の人々が、ともすれば更に更に苦境に落ち込んでゆきそーなトコロにおいて、ささやかな善意を寄せ集めて助け合って結果として皆が人生を好転させてゆく…という非常に共感し易くハートフルな映画です。全体的にもそこそこシリアスなお話の集合体だとは思いますが、描写自体はそこまでハードでもなく身構えて観る必要までは無いですかね。ゾーイ・カザンが魅力的でしたね。決してただ善人というワケでもなく多少おバカで少なからず小狡い面も有りつつ、そーいうネガティブさを補って余り有るポジティブな人間性をも醸し出す奥行き豊かな表現が素晴らしく役にハマってましたですね。まあ、そこまで特筆すべきポイントが在るという作品ではないかとも思いますが、全体的にはまずまずかと。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-04-22 21:04:28)(良:1票)
105.  パリのランデブー 《ネタバレ》 
パリを舞台にしたオムニバス…ですが、描かれるのは(いつもの)恋愛模様とゆーよりは、恋愛絡みのごくみっともない有様、という点ではかなりシニカル強めな作品集だと言えますかね。個人的には、笑えるかと言えば十分(クスリと)笑えるものではあったのですが、本質的にはあまり好みでない系統ではありました(笑いの「質」としても)。  まあ、コレをフランス映画よろしくな美男美女がまた演じて(特に女性陣のレベル高し)そして舞台も文字どおりに瀟洒なパリのあちらこちら…てな具合に、決してみっともないだけではないごくシャレオツな作品にまた仕上がっちゃってるなあ…と思ったりもしたのですケドね。   1.7時の約束(27分) まあ、しょーもない男ではありますケド、こんな偶然はそれこそ「あり得ない」のですから、こんな時こそ笑い飛ばすべき…だったのではねーでしょーかね(あの表情で固まってしまってはそれこそ防戦一方になっちゃいますですよ)。対する女の子の(決してやり過ぎないながらも)朗らかに凛と勝ち誇った様子はままグッドでした。  2.パリのベンチ(31分) 本オムニバスはどの作品もかなり純粋な会話劇でしたが、中でも一番その傾向が強かったすかね。ひたすらパリの公園を散歩デートする様子が続いてゆくのはそれこそ『ビフォア・サンライズ』のパリ版、的な風情でした。ただ、そのパリの中でもそこそこ自然が豊かで閑静な公園の様子とゆーのは、思いがけずかなり心地好かったです。その意味ではごく羨ましいデート風景だったとも言えますね(中身はどーあれ)。  3.母と子1907年(35分) パリ在住の画家で長身でイケメン、と手駒はかなり揃っているにも関わらず、やってるコトは(3作の中でも)一番みっともない…という残念さ加減は(個人的には)ちょっと痛々しさが過ぎて笑えはしなかったすかね。あの口説き方はちょっと酷いですって(彼女がイイ人だったから好かったものの、最後はちょっと呆れてませんでしたかね)。ま、その顛末を自分の芸術に昇華・結実させた…というラストは、実は決して悪くない…とも思いました(人生って須らく、結局はそーいうモンじゃない?という意味で)。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-12-29 22:46:34)
106.  シチリアーノ 裏切りの美学 《ネタバレ》 
映画としては幾つか、ハッキリとした問題点があるのだが、根本的にはそれはこの題材・お話の前提知識が有るか無いかということに依拠するものだと思う。要は、イタリア人(或いはヨーロッパ人)ならもっと全然面白く観れる、という作品なのだろう。  その意味では、今作に関しては(日本人ならば)前提知識を入れた上で観るべき作品なのは確実だ、というトコロか。今作で特に説明が不足しているのは、主人公ドン・マシーノことトンマーゾ・ブシェッタと、そのボスであるピッポ・カロ、そしてコルレオーネ一家のボス、サルヴァトーレ・リイナとの関係性であろう(下手をすると後者2人は誰がソレなのかも分からないまま終わる可能性すらある)。或いは、そもそもファルコーネ判事がどういう人物なのかとか、終盤に出てくるアンドレオッティが何者なのかとかも殆ど説明はされないので、そこもあらかじめ調べておいた方がよいと思われる。  そこまでちゃんとした前提が入っていれば、リアリティを重視した裁判シーン・対話シーンの演技自体はそこそこ上質であるので、長尺だがそれなりに観てゆけなくもないレベルではあるかと思う。ただまあもう一点、あまり映画的に盛り上げることを重視したつくりでもない(とゆーのが問題の二つ目な)のであり、長いワリにチョイ平坦すぎるよーにも思われるのも間違いないトコロではあるのだケド。  とは言えこのお話は確実に、イタリアの近代史上でも最も重要な出来事の一つだと言ってよい事件である。事実、ファルコーネ判事やアンドレオッティをフィーチャーした別作品とゆーのが既に存在し、それなりの評価を得ていたりもするのだ。ここら辺、機会をつくってまとめて観る、とゆーのも、休日の過ごし方としては決して悪くなく、また有意義なコトだとも思う。
[DVD(字幕)] 6点(2021-07-17 22:25:29)
107.  ファウスト(1994) 《ネタバレ》 
建付けとして『ファウスト』の構造を取り入れてはいるものの、基本的には監督のやりたい放題、という映画ですね(特に序盤は完全にそーですケド)。何しろメフィスト登場までにもエラい時間が掛かりますし、そこまでの描写にはシナリオ上の意味、というのも殆ど見い出せないのですから、こーいうのに馴れてない人にとってはかなり辛い映画だと思います。  やはり見ドコロはその独特な表現にあるかと思います。これはもう説明不要かと思いますが、ストップモーションアニメ・人形劇・シュールな演技、等々、その意味での面白さ・ユニークさはこれも十二分に備えている作品かと。個人的に注目していた「食事」のシーンは、今作時点ではさほど「悪趣味」でもなく、少しホッとしましたが(後続作品でのアレ、ワタシはかなり心を抉られるものですから)。  2018年の監督最新作『蟲』も、早く一般公開・DVD化されないかと期待しています。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-06-06 21:09:37)
108.  藍色夏恋 《ネタバレ》 
非常にオーソドックスな青春恋愛ものだし、邦画でもスゴ~くしょっちゅう観るよーな内容(欧米人には日本映画か台湾映画か分からないのではないだろーか)。ほんの少し百合要素が含まれるが、ソコも掘り下げがあるワケでは全くなく、どーいうコトだったのかもこれからどーいうコトになるのかも、全て曖昧にトロかしてしまっている。  要は、雰囲気映画ですよね。ソコは、キャスト(特に主演のコ)は中々に美麗な大陸系・アジアンビューティ、といった感じの見た目(性格も若干ながら変わり者系)なので、その部分には少しだけ(この手のを観飽きた人でも)ユニークさとゆーのを見出せるかも知れない。まあでも、アジア系の映画でもやはりよく観る内容なので、それすらも至極微妙なトコロかも知れんケド。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-06-03 20:50:19)
109.  バクラウ 地図から消された村 《ネタバレ》 
最後まで観ると、思ったよりも遥かに完全に西部劇なのですよね。その意味では、序盤から妙ちきりんなミステリアスさをプンプンと醸してるのはシンプルに大いなるミスリードだとも言えます(特に、中盤以降散見されるUFOは中々手酷い目眩ましですね)。  前述どおり、そういった本筋とは(実は)関係ない幾つかの要素を除けば、非常にシンプルな話なのです。その意味では、個人的には序盤からの異様な雰囲気に完全に惑わされて(罠に嵌って)しまってからのこの終着というのは、やや肩透かし気味というか、若干以上にシックリ来なかった、というのが正直な感想です。ジャンルとしては(西部劇部分を除けば)スリラーに非常に近いですが、恐怖描写・アクション展開・またはグロ描写、といったものについては率直に特に目を引く様なレベルのものも無いといってよいでしょうし。  ただ、典型的西部劇なシビアさ(殺るか殺られるか、或いは、自分の身は自分で守る、といった様な価値観)を現代にそのまま移植したことによる異様な「殺伐とした感」といい、ミスリードとはいえのこれも異様にミステリアスな雰囲気といい、その面ではかなり独特な雰囲気を擁する映画であることは間違いないです。一種、唯一無二な空気感を擁している、と言ってもよいかも知れません(とは言えこの部分も前述どおり、本質的には非常によくある西部劇のモノ、でしかないとも思うのですケド)。  評点はちょっと迷いましたが、個人的な大枠の「観た感じ」を信じて、低めに付けておきます。
[DVD(字幕)] 6点(2021-05-29 08:37:59)
110.  ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! 《ネタバレ》 
オープニングアクションは随分と派手にドンパチやらかしてますが(007級)、今作のネイビーシールズのメインのミッションは正規任務でもない宝探しで、じゃったら別にネイビーシールズやのうてもええんちゃうん?(インディ爺さんとか)なんて思ったりもしましたですね。が、お宝の金の延べ棒というのが湖の底に沈んでる金庫の中にあるっちゅうコトで(だから"ネイビー"シールズが主役なのね)、取り出すのに面倒でややこしい準備&手順が必要なのだす。てなワケで、その準備~作戦実行場面が結構長いのですがそこも単純に観ていてまあまあ面白いですし、水中というだけでやっぱ緊迫感も高く維持されるしで、アクションとしては今作、全体的にも決して悪くはなかったかと思います。  ただ、ラストにもっかいデーハーなドンパチがあればなお好かった、という感じですかねぇ~お宝探しのクライマックスとて、上に敵が居るけどとりあえず浮上してみっか、からの絶体絶命!というのは、百戦錬磨の彼らにしては随分とヌカってますし、その大ピンチ!という状況の盛り上がりも、そこへ横からブン殴ってくる救援ヘリのカタルシスも、どちらもちょっと弱くて物足りないというか(率直に、コレで終わり?てな感じで)。オーラスが洒落の効いたコミカルなのはまた好いのですが、その前にもう一押し欲しい、というトコロでしょうか。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-04-16 00:19:12)
111.  ヴァンダの部屋 《ネタバレ》 
こ~れは…映画として評価するのは正直言って中々難しいというか、個人的にも(どーしてこーしているのかは重々分かるとは言え)いくらなんでも暗すぎるし長すぎるし説明も不足してるし、とは思います。ただ、コレは……もし映画館で観ていたら更に凄まじかったろうと思いますし、どこかしろに共感が引っ掛かれば確かに唯一無二の「絶望感」というのを嫌と言うホド味わえる稀有な作品だと思いますね。  朝起きて、咳込んで嘔吐し、それを打ち消さんとするかの如くおもむろにコカインを吸引する…これだけでも、この人何のために生きてるんだろ、という絶望をこの上なく生々しく実感できるのですよね。抽象的な意味でなくて、正に「悪夢」の様な人生。麻薬はむしろそんな人生に少しだけでも「存在意義」というものを与えてくれる希望のよーにすら思われます。彼らが自暴自棄に陥らず、なんとかかんとか悪い意味での衆目を集めずに大人しく生活しているのも、ただ麻薬をやりたいから(=逮捕なんかされたらできなくなるし)なのだろうとも思われますし。事ここに至っては何が正義なのかももはや分からなくなる、とでも言いますか。強烈な映画であることは確かですね。  分類的にはドキュメンタリ(に非常に近いドラマ作品)ということのよーですが、質感はどちらかとゆーと普通に劇映画に近いです。前述どおりの部屋の暗さ、全く動かない置きっぱなしカメラ、音も皆無、という漢気溢れる演出方針が形づくる寒々しい雰囲気自体は、どこか荘厳な感じすら帯びているというか、中々オツな味わいを感じ取れるヤツだと言えるでしょう。ただ、DVDだとちょっと画質がイマイチなのですよね(残念)。
[DVD(字幕)] 6点(2021-02-07 01:59:53)
112.  8人の女たち 《ネタバレ》 
オチは中々秀逸だと思いますが、そこまでの実際の展開上にはミステリ的な面白さというものは薄くて、否、そもそも展開上に現れるのは面白さ、というよりは醜い人間性のエゲツなさ、だとでも言いますか。これをコメディとして楽しめるのは、それは率直に女性の方ではないか、とも感じます(純真な男のコである私なんかは正直ドン引きでしたですよ)。コメディだとしても少なくともかなりシニカルな方のヤツですね(私がごくごく苦手なヤツ)。  ただ現場そのものは、ある種超豪華な女優陣の面子とプライドを賭けた頂上決戦の場と化しており、凄く近寄り難い非常に危険な様相を呈していました。キャラが立ってたのはまずユペールですかね~ただ彼女は比較的分かり易いキャラで、その演技のもたらす面白さも少し表面的かとも。ドヌーブも単純なキャラで実は見た目ほど存在感も無いかと思います。悪辣ぶりが際立っていたのはベアールで、コッチは見た目にも若々しさとキレがあってこの8人においては重要なアクセントとなっていたかと。ただ私が一番印象に残ったのはアルダンです。正直訳の分からないキャラだし容貌も大味だったですが、ミステリアスな魅力、という意味では一番深みのあるものを感じました。そこら辺、女優の演技合戦という部分には間違い無く観る価値がある作品でしょう。  一点、件のミュージカル要素については、別にコンセプト的にアリかナシかで言えばアリっちゃアリかと思いますが、やるんだったらもうチョイ本気でやって欲しい、という感じですかね。特に歌ってる時の動き・振付け的な部分が非常に適当に思えました。そこは残念。
[DVD(字幕)] 6点(2021-01-17 00:41:07)
113.  ポルトガル、夏の終わり 《ネタバレ》 
ラストシーンが出色の出来でしたね。山の稜線、広がる海、そこに集まる人びと、いつしか海に沈んでいく太陽が、そこに一筋の光る道を照らし出す。それは正にある人生の終わりを象徴する様な、それでいてどこか温かく、かつその先の希望というものさえ感じさせる様な。一人また一人と画面からフェードアウトしてゆき、誰もいなくなったトコロで計算どおりのジ・エンド。このシーンを思い付いたがためにそこに向かって組み立てた、とでもゆー様な話だったかも知れません(静かに心に沁み入る様な好いラストでした)。  このとおり、非常に静かな物語で正直あまり抑揚というものはありませんが、本作にはそれ故のリアリティというものがつくり出せており、そしてそんな中に真摯に繰り出される俳優陣の演技には、それでも随所にジワっとズシリと効いてくる様なパワーというものが大いに感じられました。ポルトガルの情景というのも中々面白いですね(南ヨーロッパ風の乾いた雰囲気も滲ませながら、アフリカに近いというトコロなのか、何とも言えない自然の力強さも持ち合わせている、というか)。心が穏やかになってゆくという様なダウナー系人間ドラマです。私自身は結構好きなタイプ。
[映画館(字幕)] 6点(2020-12-17 18:46:34)
114.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 
これは、地味にキッツイ映画ですね。。モディリアーニが非業の死を遂げるのは織り込み済な訳ですが、その予想された結末に更に人間の底知れぬ悪意を被せてくるという。ただ、それは生前のモディリアーニを決して認めることのなかった(そしてその死後は掌を反して賞賛している)我々「世間」というものに対する、ある種の批判的なメタファーである様にも一瞬ふと思われたり。  とは言え、描かれるモディリアーニ本人は最初から社会人としては完全に破綻しており、その面の彼には中々共感するという所までは至らない様にも思います。感情移入できるのはやはり、ジャンヌとの恋愛事象の方でしょう。男も女もとにかく見映えが史上最高クラスに美しいことを含め、どちらかというと付録にあたる恋愛映画としての見応えの方が意外にも優れていた印象を受けます(だからこそあの残忍なラストには、個人的には少しばかり期待を外した感と、物語全体に対する幾ばくかのアンマッチ感を覚えたのですが)。  ただ、美しすぎるのもそれはそれで、というか、特にジェラール・フィリップをただ美しく撮りすぎですかね。演技はまだともかく、終盤の彼には結核で死ぬ寸前の廃人、尾羽打ち枯らした人生の落伍者というものの雰囲気を、少なくとも見た目からは感じ取ることが出来ません。単純なメイクアップ技術の問題ではあるのでしょうが、そこが少しばかり残念にも思われます。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-22 16:14:40)
115.  屋敷女 《ネタバレ》 
一部では有名な作品だが、同時期の『マーターズ』に比べれば完成度という点では二回りは劣るか。前段部分がモッタリしたテンポなのはまだともかく、メインのスプラッタ展開に入ってもスピード感を欠いてだいぶモタモタしているし、かなり不自然でザ・突っ込みドコロな場面も多い(母親を殺しちゃうシーンなんかはもうコントですか?て感じだし)。そもそも話にも内容という程のものは無く、あくまで尖鋭的なスプラッタ描写にのみ観る価値があるジャンル映画、というレベルに留まると言って過言でないだろう。  しかし、その肝心要なスプラッタ描写に関しては、その痛さと血みどろ具合が文句無しに最高峰(正に血の河)。個人的にはとにかく、妊婦の腹にハサミ突き立てるというのが私ですらも観てられないという衝撃度で(当方、アンレイテッド版を鑑賞しております)、これまた常人の思い付きとは思えないレベルで酷いったら無い。今作、DVDジャケットには「妊婦の方は鑑賞をご遠慮ください」と注意書きがあるが、さも当たり前な配慮である(万が一「事故」でもあったらどーするのか、という)。  もうひとつ、ベアトリス・ダルはそんなに分かり易く危険人物な演技を色々こなしてるというワケでもないのに、実にデンジャラスなオーラを醸し出していてこの点もグッド。そもそも本人がかなりアウトロー系の人物なよーで、その意味では本質的に適役だった、というコトかも知れない(このジャンルでそれって、それはそれでどーなの?とも思うケド)。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-06 01:54:58)
116.  ともしび(2017) 《ネタバレ》 
説明的描写が極端に少ない部類だが、平穏な日常が崩れてゆくサマと、何とか平穏に過ごそうとしながらも次第に心境が変化していく様子はまま伝わるし、ランプリングの演技自体もまずまず悪くないと思う(なんか今作、妙に体張ってる感じ)。しかし、宣伝文句に謳われてるよーに「生きなおす決意」をしたのかどうかまでは正直言ってよく分からない(=それを伝えたかったのだとしたら、演出は失敗・不足している様にも思う)。せめてラストくらいは、もう少し示唆的に表現して欲しかった。あと、鏡面やピンボケを利用したかなり凝っていて中々に面白い画づくりがとにかく終始続くのも、印象に残る。
[映画館(字幕)] 6点(2020-08-24 22:37:55)
117.  君の名前で僕を呼んで 《ネタバレ》 
夏の北イタリアの透き通った情景は非常に美しく、観ているだけでも気持ち好い気分になれるホド。そんな中に繰り広げられる情熱の限りを注ぎ込んだかの様な濃厚な恋愛事象もまた、それでいて実に美しく眼に映る。ただそれは、確実にどこかに真実めいたものを秘めつつも、永遠に続くことを希われた様なものであったか、と言われればもっと淡く、儚いものであった様にも思われる。  どちらかと言えば私は、恋愛映画というよりは青春映画として本作を解釈する方が(あくまで個人的には)納得が深い様に思う。その意味では、本能の目覚め、種々の葛藤、情熱と痛み、等々、ティモシー・シャラメの演技はそのどれもを素晴らしく表現できていたと思う。恋愛要素について、ちょっと情熱的過ぎてコアな部分の描写に少しだけエグみを感じてしまった、ということと、映画としても全体的に少し尺を取り過ぎている様に感じたこと、2点を踏まえて、一応のこの評価とさせていただきたい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-06-12 14:06:42)
118.  ザ・ホード -死霊の大群- 《ネタバレ》 
仏語で「ラ・オード」、英語でも「ザ・ホード」で「大群」という意味である。フレンチ・ホラーの佳作『フロンティア』のザヴィエ・ジャン監督が中心となって製作した本作は、仏国産としては少し珍しいゾンビもの、かつウリはその「物量」だという点で中々興味深い作品だ。もっとも「史上最多」という宣伝文句自体は、わずか3年後に公開された『ワールド・ウォー・Z』にすぐさま奪還されたことに間違いは無いだろうが。  しかし、本作の見どころはそのゾンビの数というよりは、『28日後…』以降の高速ゾンビ系統の中でも際立って高速&高耐久なゾンビの戦闘能力の高さにある。何しろ本作、ゾンビとの戦闘シーンは少し早回しにしてるくらいですもんね。そしてショットガンだろうが何だろうが胴体を狙ってる限りは何発ブチかまそうが止まらないというスーパーゾンビは確かに相当な恐怖である(まあ、落ち着いて頭を潰しましょう、と言ってしまえばそれまでなのだが)。中盤までは別にゾンビの数も多くないが、最終盤は宣伝どおりかなりの大群で群がってくるのも中々ゾクゾクさせてくれる。  惜しむらく、ゾンビが強力すぎ&感染拡大速度も速すぎて脱出に現実味が無く、結果イマイチ緊迫感を出せていない点と、中盤までのアクションの「物量」は率直に不足している点、そして、まるで感情移入できない魅力皆無な登場人物たちのキャラ設定の悪さ等は、ハリウッド産A級ゾンビ映画の基準点をやや下回るかと思う。ただ、前述どおりのゾンビの戦闘力の「過激さ」には、これぞフレンチ・ホラーと言うべきラディカルなユニークさをつくり込めていると言える。ホラーとして決して、出来は悪くない。
[DVD(字幕)] 6点(2020-05-10 22:42:23)
119.  美しき結婚 《ネタバレ》 
結婚願望を拗らせた女性が軽ーく暴走していく様を描いたコメディ。主役は正直あんまし可愛くないし(頼れる親友のアリエル・ドンバール姐さんの方が100倍美人)、相当イタイ女なのも間違い無いのだが、ちょっと痛々しさが過ぎて、途中からは少し情が移って「何とかハッピーエンドに漕ぎ着けてくれ!」と懇願しながら観ていた。ので、中々スリリングで実は結構面白かった。  結局、その儚い希望は考え得る中でもそこそこ最悪に近い形で打ち砕かれるのだが、このたびの男の「振り方」が、この手の面倒臭い女の取扱の手本と言ってよい様な優れた対応であり、正直そこの「口説き」が本作の最大の見せ場である(前述どおり、それでもかなり失敗に見える形で決裂してはいるのだが、この事案は最悪の場合、命に係わる事象をも引き起こしかねないことを鑑みるに、十分に成功だったと言えると思う)。まあ、全体としては為る様に為っただけの物語であり、巧さは在るが目新しさは無い、とも言える。
[映画館(字幕)] 6点(2020-03-22 03:05:19)
120.  テルマ 《ネタバレ》 
『RAW~少女のめざめ』に触発されたんだか何なんだか、これまた「少女の成長」系ホラー。日本ではほとんど似た様な内容の『ブルー・マインド』と同時期の公開で、その意味でも二番煎じ感がアリアリ。と言っても本作には直接的なホラー描写は非常に少なく、どっちかゆうたらファンタジック・サスペンスな感じの仕上り。抽象的で美的な描写にもまずまず見応えが有るが、中盤以降は割と緊迫感有るシリアスな状況が続き、こちらも結構ハラハラしながら観れると言える。他方、日常描写の面白さ・独特さや全体のインパクトでは『RAW』にはだいぶ及ばない。私の推しは『RAW』の方。
[映画館(字幕)] 6点(2020-02-07 00:31:48)
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