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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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141.  髪結いの亭主 《ネタバレ》 
こーいうのも何だが、床屋で流れる時間って単調で退屈で、それでいて理髪師との距離感は近いから、それが男と女ならある意味凄くフェティッシュな空間だし、そこからこういう物語を捻り出したってのが、実に面白い着眼点だと思うのですね。  何ごとも無い毎日、何ごとも無い店、何も無い人生。そこに在るのはただ、唐突にもたらされた愛だけ。手に入れた喜びよりも、失う恐怖が心を覆い尽くす。シンプルな内容だからこそ、前述の状況設定の絶妙さが際立っていたかと。  フランスの恋愛映画なら不可欠と言える性愛描写も、フェティッシュな側面を活かして程良く艶やかに、かつコミカルさも兼ね備えて中々に観ていて楽しかった。仄かに、しかし確実に、残された者の悲哀と絶望を醸しつつも、どこかこれも温かみを感じる様なラストも、私にはとても心地良かった。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-13 01:37:48)
142.  ショーガール 《ネタバレ》 
ハダカというのは、それを隠して恥ずかしがるからエロいのだ。誰も彼もが脱ぎまくりな本作、全員揃ってハダカ如きを恥ずかしいなんて思っちゃいない(それは羞恥心が無いサマを「演じて」いるのではなく、本当に馴れっこになってしまっていることを意味する)。ので在るからして、実のトコロはこれが全然エロく感じなかった…というのが正直な感想(ある意味残念)。しかし、だからこそ本作のダンスシーンからは、性欲と切り離されることを強制されてきた「ハダカの美の歴史」を、逆の側から超越した真に純粋な「肉体の美しさ」を感じ取ることが出来るのだと言える。俗悪なモノの中だからこそ、本当の美しさが際立つ、この単純な方法論こそがヴァーホーヴェンの真骨頂である。  それはストーリーの面でも同様で、ただ自分の最悪な状況を打開したい、自分を証明したいと願うだけの前半の持たざるノエミは実に美しく、翻って、一たび手に入れた「虚栄」を守ることに固執し、「もっと多く」を望むために手段を選ばない後半の勝ち誇ったノエミは実に醜い。しかし彼女は、敗北と引き換えにひとつの真理を得て虚ろの都を去ってゆく。それこそが人間の成長であり、これは何とも痛快なグッドエンドじゃないか!と思うのだ。  非常に単純な物語ではあるが、重ねて、これこそがヴァーホーヴェンの真骨頂であり、彼の最高傑作であると私は確信している。
[DVD(字幕)] 9点(2020-05-11 00:03:05)(良:1票)
143.  氷の微笑 《ネタバレ》 
世紀のクールビューティ、シャロン・ストーンが稀代の毒婦を演じている、ただそれだけの映画。そして、ただそれだけで十分な映画だとも言える。色々とモヤっとしたまま終わらせるというサスペンスとしては禁じ手を犯していることもあり、正直、内容面には観るべきモノはさほど無い。しかし、グレース・ケリーをも彷彿とさせる抜けば玉散る氷の美貌なシャロン姐さんが、ヴァーホーヴェン流の超イヤらしいセックスシーンをこれでもかと熱演することによって醸される品格のある妖艶さは、もはや一つの奇跡である。これは、エレガントさと色っぽさを史上最高レベルで兼備するシャロン姐さんだからこそ成立する映画なのだし、姐さんの年齢的にもこの三十凸凹より上でも下でも恐らくダメで、人類史上このタイミングでしか撮れなかった映画なのではないかと思っている(ヴァーホーヴェンは流石の目の付け所ですね)。  今(2020)であれば、誰なら務まるか?例えば、マーゴット・ロビー(→×色気が安っぽい)、レベッカ・ファーガソン(→×色気が圧倒的に足りない)、ガル・ガドット(→×ちょっとヴァイタリティ過ぎてクールさが足りない)、スカヨハ(→×ちょっと機を逸した感が…)、シャーリーズ・セロン(→×姐さんも10年前なら…)、ジェニファー・ローレンス(→×…ビューティ?)、あとは…  個人的には、アンバー・ハード、レア・セドゥとかなら少しはピンと来るかと……か、無茶を承知でナタリー・ポートマンとか……
[DVD(字幕)] 7点(2020-05-05 02:40:17)
144.  レ・ミゼラブル(2019) 《ネタバレ》 
色々と中々に見応え・歯応えの有る映画だが、とにかく今作はラストに尽きる。  これは問いだ。無情なまでに切迫した問いだ。つまりこれは、これ程までに「非」善良で悪意に満ちた(そしてそれは、誰の所為であるとも言えないが、一方で絶対的な必然性のもと厳然たる事実として存在するという意味で正に絶望的な)人間性の内に、それでも希望、ポジティブな未来を見出せるかという極限的な問いかけなのだ。社会問題を広く提起する類いの作品として、このラストは率直に極めて優れていると感じた。是非、この(普通の映画では味わえないだろう)リアルで切実な鑑賞後感を体験していただければと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2020-05-03 00:27:52)
145.  ブリキの太鼓 《ネタバレ》 
極めて特異で奇怪な主人公が設定されているが、彼が紡ぐ物語はこれまた外形的にも内面的にもこの上なくグロテスクで、ハッキリ言って本作はグロ映画の類だと言って過言ではない。主人公本人からして極めて不愉快なサイコパスで、目なんて(子役の癖に)半ばイっちゃってるし、あくまで日常風景をベースにしていながらも、とにかく映像がグロテスクで中々観るに堪えない。個人的に特にキツかったのはウナギ(シュヴァンクマイエルとかでも思うことだが、マズそうな食物ほど意外と心を「エグる」ものは他に無いようにも思う)。また、性的にも中々インモラルで、これほど濡れ場が全然嬉しくない作品もある意味珍しい。  ただ、この奇妙な設定と醜悪な演出によって本作が描き出そうとするものは、この時代のドイツ(取り分けて大きな社会的矛盾を孕んだダンツィヒ)の病的で狂った「時代の空気」なのだということはより良く理解できるように思う。その意味では、これだけ荒唐無稽な話でありながら、その伝えんとする雰囲気が寧ろより直感的で鮮烈に伝わって来るのは確かであり、映画としてテーマ面の表現が優れていることは間違い無いと言える。文芸映画としては屈指の傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2020-04-13 16:47:10)
146.  毛皮のヴィーナス(2013) 《ネタバレ》 
マゾッホ原作の劇中劇をオーディションという体で演じていくという(たったふたりの)会話劇。2人ともかなり(堂に入った台詞を)喋りまくるので、吹替の方が観易いかもとも思うが、この淫靡ながらのエレガントな雰囲気はフランス語でないと出せないだろうとも思う。その意味では、少なくともマゾッホの原作は読んでおいた方がよい映画であろう(本作のために態々読むかは別として)。  現実と虚構が次第に綯交ぜになってゆく展開はかなり繊細ながら個人的にはそこそこ興味深く観れたが、特にエロティック面では最初から最後までさほど過激なシーンも無く、全体としてもやや抑揚を欠く(特に「見た目」がほぼずーっと同じなのは少し気になる)。あと、女優は別に取り立てて悪いと言うつもりはないが、敢えて言えば、若い女優を起用することに何らの問題もない(ので、若い女優にすべきだ)と思う。冒頭のちょっと非常識なノリは、オバハンとしては若干イタイし。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-04-04 18:04:44)
147.  黒猫・白猫
気が付くと、珍しく幾度も観直しているという作品。溢れ出る生命力を浴びることで、明日への活力を分けて貰えるような気がするからだろうか。この映画の登場人物の様に、愉快に、力強く、無頓着に歌い踊る様に生きてゆきたいと、無意識に願っているのかもしれない。  とは言え、クストリッツァの才気炸裂・真骨頂な内容は、一見は適当なようで細部まできめ細やかにつくり込まれた実に高い完成度を誇る。今作ではそれをコメディ面に全振りしており、とにかくとてもユニーク・唯一無二な「笑える」要素が満載。しかし、何と言ってもこの作品の魅力は、これこそが「生きてる」ってことだという様な登場人物(あと動物)たちの無軌道で型破りな活力・生命力だと思う。何度見てもこう思う、「人生は、生きることは素晴らしい」と。
[DVD(字幕)] 9点(2020-03-28 22:47:42)
148.  美しき結婚 《ネタバレ》 
結婚願望を拗らせた女性が軽ーく暴走していく様を描いたコメディ。主役は正直あんまし可愛くないし(頼れる親友のアリエル・ドンバール姐さんの方が100倍美人)、相当イタイ女なのも間違い無いのだが、ちょっと痛々しさが過ぎて、途中からは少し情が移って「何とかハッピーエンドに漕ぎ着けてくれ!」と懇願しながら観ていた。ので、中々スリリングで実は結構面白かった。  結局、その儚い希望は考え得る中でもそこそこ最悪に近い形で打ち砕かれるのだが、このたびの男の「振り方」が、この手の面倒臭い女の取扱の手本と言ってよい様な優れた対応であり、正直そこの「口説き」が本作の最大の見せ場である(前述どおり、それでもかなり失敗に見える形で決裂してはいるのだが、この事案は最悪の場合、命に係わる事象をも引き起こしかねないことを鑑みるに、十分に成功だったと言えると思う)。まあ、全体としては為る様に為っただけの物語であり、巧さは在るが目新しさは無い、とも言える。
[映画館(字幕)] 6点(2020-03-22 03:39:28)
149.  飛行士の妻 《ネタバレ》 
主な登場人物は3人。飛行士の愛人(妻ではない)と、その愛人の恋人?の矢鱈と鬱陶しい若造、そして(何故か)通りすがりの小娘である。全体として5つほどの各々長い会話シーンを主たる構成要素としているが、ひょんなことから飛行士を尾行することになった若造と小娘が他愛無く駄弁った挙句暢気にお茶したりしてるシーンが何と小一時間のぶっ通し、その後、愛人と若造のこれもグダグダな愛の囁きが30分弱と、この2つで映画の大半を占めている。  前者は、無邪気な小娘がキャッキャとはしゃぐ様子がまず実に健康的で面白いが、この小娘が齢15にして(演者も16、7のホントの小娘)頼りない若造をモノの見事に手玉に取る手管を身に付けているというのが、如何にもおフランスな風情でこれまた面白い。そして本作のハイライトたる後者。ここでは愛人の支離滅裂極まりない言動がとにかく超絶に面白い。正に雲を掴む様なフワフワ気紛れ分裂症女という感じで、何を考えてるのかサッパリ理解できないが、ほんの1日を描いたこの映画をつくるのに際し、ここまで綿密にキャラ設定をつくり込んでそれを女優に精密に演じさせる監督のやる気に満ち溢れた見事な仕事には、ただただ感服する。  この手の(殆ど内容の無い)ホンワカ恋愛会話劇としては、個人的には白眉と言ってよい優れた作品に思う。マイナー作品だが、是非。
[映画館(字幕)] 8点(2020-03-22 03:34:32)
150.  エスター 《ネタバレ》 
単純なホラーとしては、2000年代以降では屈指と言える出来かと思っている。  一見は可憐な少女だが、その実は凶悪な怪物を家に招き込んでしまうという部分はままよくある展開ではあるが、複雑な過去を持つ夫婦の設定、子供を手玉に取る描写の巧みさ等、展開面での細かい工夫はどれも秀逸で飽きずに観てゆける。エスターの目的が父親の誘惑で、要は性的に歪んだ異常者(実を言えば普通なんじゃねーのという気もするが)だという点も、ある種良く出来たキャラ設定に思う(この手の異常殺人というのは、大抵満たされない性的欲求が動機の根底にあることが多いように思う)。  しかし、あんな絵を部屋中に描いてその中で夜を過ごしていたというのは、それだけで正に狂気を体現するこれも優れた演出に思う。中盤以降は比較的スピーディにその狂気が加速・過激化してゆき、終盤は相当に派手な展開になるのも個人的にはかなり好み。子役&ファーミガの熱演も素晴らしい。時代最高のホラー。
[DVD(字幕)] 8点(2020-03-01 13:21:29)(良:1票)
151.  満月の夜 《ネタバレ》 
(主として貞操観念が)フワフワと掴みドコロの無い女がひとり。短気で独占欲の強い本命彼氏との同棲が気詰りで、別宅を構えて友達以上恋人未満の男(実は躰だけが目当てのゲスい不倫野郎)を連れ回しては煙に巻く日々。挙句、行きずりの男を連れ込んで夜を共にするも、事後罪悪感に苛まれ、アタシって罪な女…的に物憂げに佇む自己陶酔感溢れる浅薄な姿にいい加減イラっとし始めた矢先、急転直下のラストの一撃には実に見事な爽快感を覚えた(ザマァ見ろ!)。私の本作の楽しみ方が正しいのかは分からないが、個人的には十分に良作。  あと、主演のパスカル・オジェは(そうは言っても)ルックスは超絶美形でメッチャ好みなのですわ(特に超アンニュイな目付き)。夭折が何とも悔やまれる。。。
[映画館(字幕)] 7点(2020-02-16 22:43:50)
152.  海辺のポーリーヌ 《ネタバレ》 
田舎な海辺に女と男、んなもんヤることは決まってる、とは言え、女どもは良く言って恋愛体質、悪く言えば尻軽である。しかし、尻軽一号のマリオン姐さんは美貌も然ることながらプロポーションが抜群で、水着・ヌードシーンも多くその点は大変に結構。二号の小娘もとても健康的で見た目は中々魅力的。男どもは、アンリは軽薄な女コマシ(加えてハゲ)、ピエールは中盤まるで刑事かの如く執念深く疑惑を追い回すが、だからお前はフラれるんだ、としか言い様が無いし、シルヴァンはなんも分かってないガキなので、総じてキャラクターに全然魅力を感じない。だが、こいつらがゆるーくスッタモンダするサマは(どうでもいいという意味で)実に滑稽で、コメディとしてはかなり面白かった。良作だと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2020-02-16 20:41:24)
153.  男と女II 《ネタバレ》 
アンヌはプロデューサーで映画作るのにメチャ忙しそうだし、何やら異常殺人犯とか出てくるし、メンヘラ彼女のせいでジャン・ルイは遭難するし、ハッキリ言うけど何の話だかサッパリ分かんない(少なくとも二人の愛の物語とかではない)。ジャズ・ロック風な例の曲とか音楽もなんかセンス無いし(ド初っ端から驚愕)、アレンジし過ぎて失敗してるようにしか見えない。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-02-09 04:14:31)
154.  テリー・ギリアムのドン・キホーテ 《ネタバレ》 
やたらと攻撃的な宣伝文句を並べ立てていた作品だが、観てみると存外に普通の映画でかなり拍子抜け。いや確かに、相当に変わった映画なのは間違いないのだが、もっとラディカルに妙ちきりんな作品を期待していた、というだけなんだけど。  だが、普通に映画として観たとすると、実は別に全然アリな作品だと思う。アダム・ドライバーはまたまたかなり頑張ってるし、コミカル面も(分量が少ないのは否めないが)決してそんなに悪くはないし、何よりどこで撮影したのか知らんが、荒れ地の情景にせよ時代を感じる街並みにせよ、また終盤の舞台になる城なんか特にスゴくイイ感じの雰囲気で、正直メチャクチャ行ってみたい。  とは言え、コンセプトが何なのか、という点では、ちょっと掴み切れなかった映画なのは確か。監督の過去作を研究して、そのうち再見したい。
[映画館(字幕)] 5点(2020-01-25 01:53:24)
155.  ネオン・デーモン 《ネタバレ》 
かなりもったりしたテンポで、これは(ストーリー自体の方よりも)極めて美的な画面や洗練された音楽の方をゆっくり存分に楽しんで欲しいという趣向だろう。そういうコンセプトならば、話の方が非常に単純で退屈なのを許容してやらんこともないが、にしても内容面でちょっとパンチが足りない感じ。善の要素たる美しさと、対比される悪たる醜さ・エゲツ無さの描写もどうも淡泊で深みが無いし、加えて言うならば「美しさ」に関しても、エル・ファニングは(非常に適役だとは思うが)どちらかと言えばカワイイ系で、周囲を圧倒する「美しさ」までは感じない(少なくとも他のモデルにそこまで優るようには見えない)。小手先の演出に気を取られ、内容面の勘所を少し見誤ったか。ただ、全体のアーティスティックかつモダンな雰囲気は非常にユニークでグッドだが。  女性の容姿の評価軸は「綺麗・可愛い・色っぽい」の3つだと思っている。(キレイ系じゃないけど)可愛くて少し芋っぽいファニングが、後半どんどん色気を増していく展開が…あれば良かったのに。
[インターネット(字幕)] 5点(2019-12-30 19:07:53)
156.  ハウス・ジャック・ビルト 《ネタバレ》 
今まで観た中でも最悪な映画の1本だが、ここまで来ると誉め言葉である。極めて邪悪・残虐・醜悪な展開・演出のオンパレードで(私の観た回でも途中退出者がいたぞ)、母子皆殺しのシーンは流石の私も目を背けたくなった(私も相当グロ耐性が付いてる方だと思っているのだけど、これはアウトだった)。  ただ、ややアヴァンギャルド、かつまたもや相当に独創的な各種演出それ自体の質・オリジナリティは流石だし、バッハのパルティータをリフレインする音楽感覚も優れていると思う。殺人犯の心理分析もそこそこ良い線を突いていると思うし、マット・ディロンの凶悪極まりない演技はこれも質が高い。異常犯罪系の映画としては多様な側面が各々に優れた良作であり(特に良いと思うのは、前述の異常殺人者の心理描写の巧みさ)、かつ一種芸術的な雰囲気すら醸し出しているハイ・クオリティな本作は、その方面に関心のある人にとっては必見な作品と言ってもよいかもしれない。一言、一般の方には「観てはいけない」映画だとお伝えしておく。
[映画館(字幕)] 7点(2019-12-29 14:21:50)
157.  ハッピーエンド(2017) 《ネタバレ》 
色々と矢鱈に混み入った人間関係を背景としてかなり繊細な内容を扱っているが、第一に相当分かりにくいつくり(説明描写も少なく、後から前のシーンの意味が分かる構成も多い)なのと、第二にイマイチ何が言いたいのか分からないやや難解なテーマ設定で、映画全体の可読性はかなり低い。希薄な内容を複雑な設定で「上げ底」しているだけにも感じられる。
[DVD(字幕)] 4点(2019-12-14 11:33:30)
158.  ザ・バニシング-消失- 《ネタバレ》 
全体的に描写自体は地味なのだが、結末部分がとにかくその辺のホラーなど問題にならないくらいにおぞましく、かつ(怖いを通り越して)恐ろしい映画である。サイコ・サスペンスでは文句無しに最強レベル。かなり緩慢で(前半は正直言って若干退屈)、かつ非常に淡々としつつも、徐々に徐々に着実に不穏さを増してゆく展開運びは全体的に極めて秀逸で、ラストの一気に盛り上がる緊迫感→絶望感は他に類を見ない素晴らしさ。犯人のサイコな演技も◎。掘り出し物ながら、非常にオススメ。
[映画館(字幕)] 9点(2019-12-10 23:27:57)
159.  暁に祈れ 《ネタバレ》 
刑務所内の壮絶な描写とそのリアリティは凄まじい(モブの受刑者はモノホンにしか見えないし、ややドキュメンタリぽい演出もその方面で高い効果を上げている)。ただ、主展開自体はほぼほぼ想像どおりな一本調子でラストもボンヤリ。あと、特にボクシングの格闘シーンは接写と手ブレで胡麻化してるが結構に雑(主演男優は筋肉は中々だが、格闘技経験は無いのだろう)。個人的には暇なら観るかな位の出来。
[映画館(字幕)] 6点(2019-12-08 00:25:33)
160.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 
自由奔放なファムファタールと、彼女に翻弄される2人の男の愛の彷徨。男2人が親友というのもあって非常に濃密な人間関係が描かれているため、恋愛系の映画として内容はかなり高レベルで見応えは十分。一方で、魔性の女のキャラ付けは(公開当時は恐らくもっと目新しかったのだろうが)、開放的に見えた女が実は執着心が強かった、という結末も含めて現代となっては少し平凡とも言える。
[映画館(字幕)] 6点(2019-12-07 16:55:19)
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