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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1648
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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41.  裸のチェロ 《ネタバレ》 
「居るんだか居ないんだか分からないヤツ」である主人公が、美しい妻(の裸身)を他人に見せつけることで自己肯定感を得られるコトに気づき、次第にその行為に溺れていく…というお話。最終的には依存症状態に陥り、挙句は精神病院にブチ込まれてジ・エンド。コメディという建付けではあるが、まあまあ(いやかなり)悲惨な話である。個人的には正直あんまし笑えない。  そして、その主人公側の心理(=自己顕示欲の発散)の方はまあ理屈が分からなくもないのだが、じゃあ何故にこんなイカレポンチに妻の方が唯々諾々と従っているのか、という部分については作中で大した説明が無い。普通、最初はイヤイヤだったけど次第にそれが快感に…とかいう(主に性的な方面の)理屈付けがあって然るべきだと思うが、そちらに向かっちゃうとコレが完全にワイセツ作品にもなりかねないというコトを危惧でもしたのか、今作はそっち系のお話には全くなっていない(それは夫の側も同様で、彼の方もこの行為によって「性的に」興奮しているワケでは全然ないのである)。お話としてつくり込みが甘いとも感じられる上に、本質的には本作は「エロい」お話というコトでもないのが実際なのですよ。コメディ・ポルノというよりは、あくまで裸がふんだんに出てくるブラック・コメディという方が実態に合っていると思う。期待していた部分(明るいエロと明るい笑い)に関しては、率直にちょっと期待外れな印象。  とは言え、アントネッリ嬢の美貌(とオッパイ、加えて尻も)は確かに非常に素晴らしい。ちょっと評価の難しい作品、というヤツかも知れない。
[DVD(字幕)] 6点(2021-03-24 22:01:46)
42.  フェリーニのローマ 《ネタバレ》 
これも全体としては率直にかなり訳ワカメな部分も多いが(特に「現代」のローマのターン)、個人的には「過去」のローマの種々のシーンからは愛だとか郷愁だとかいったポジティブな感情を大いに汲み取れて、その部分に関してはかなり面白く観れたと感じる。序盤のレストランのシーンやボードヴィル劇場、娼館の場面など、非常に粗野でそれはもはや「野蛮」とも言える様な無秩序ぶりには、それでも人々の活力というものが溢れて、どこかとても魅力的に目に映った。例えばそれは少しだけ『寅さん』を今私が観たときの様なノスタルジイ、とでも言いますか、古い時代の人々の力強さやそのコミュニティの緊密さ・親密さが滲み出ている様な、とゆーか。  それらの描写の端的な物珍しさ・ユニークさという部分には確実に観る価値があると思う。個人的には、観て損した感は全く無いですね。
[DVD(字幕)] 7点(2021-02-16 21:33:49)
43.  食人族3 ~食人族VSコマンドー~ 《ネタバレ》 
おおお…鬼の様にツマランな…そもそも監督のマーティン・ミラーて誰じゃ?と思ったら、案の定ブルーノ・マッティ(a.k.aヴィンセント・ドーン)の別名義だし、オマエは年に2本も食人映画撮るんじゃねーよ、と(否、年に2本も最低映画撮るんじゃねーよ、と)。  基本的には食人映画だが、ちとアクション寄りとゆーか、食人族のテリトリーに殴り込むのが重装備の軍人になってたりする+少しだけ『プレデター』を意識したよーな描写(例の皮を剥がれて逆さ吊りの死体)が散見されたりする…のだけど、何だろう、とにかく盛り上がらないのだよね。メリハリの欠如、見せ場となるハズの描写のテキトーさ&パクリから来る新鮮味の無さ…あとやっぱ、食人族が集団で襲い掛かってくる…とは言え、竹槍・弓矢の半裸集団をマシンガン5丁で薙ぎ払う!つーのには、流石にスリルとか爽快感なんてのは感じられないっすよね(率直にゆーて大人げ無い、と)。観終わるまでに三日掛かった映画ってのも、久しぶりだすね。
[DVD(字幕)] 1点(2021-01-30 01:01:50)
44.  食人族2 《ネタバレ》 
とにかく強く感じるのが「既視感」。大半がどっかで(主に前作『食人族』で)観たことのある描写・展開で構成されてゆくというか、むしろ何か自分で縛りでもかけているかの様な。これはもしかして大いなるオマージュなのだろうか(それとも最早ネタを考えるのすらメンドくさいということなのか)?  更に痛いのが、そのパクリ描写のいずれもが以前に観たものよりショボいクオリティに為り下がっているという点。一番はかの有名な「串刺し女」だろう。オリジナルの方のそれは確かに流石に有名になるだけの迫力やリアリティを備えていたのだが、今作ではそれがただ血塗れの女が棒に紐で吊るされている、というチャチなシーンに変わってしまっていたり(話の中で出てくるタイミングが同じだから何とか「コレはアレなんだ」と気づけたケドさ、多分単純に撮り方が分かんなかったんとちゃうかね)。問題の動物殺戮シーンも2000年代にもなってま~だ入ってるのだが、申し訳程度にちっこいワニを殺すだけになってるし(別にこれは喜ばしいコトかとも思うケドね)。  要するに、前作のネームバリュー以上の価値というものが皆無な極めて程度の低い続編です。逆にこの進歩の無さは(23年も経ってることを考えれば)奇跡に近い、とも言える(だからなんなんだ、としか言い様は無い)。
[DVD(字幕)] 2点(2021-01-28 20:19:43)
45.  人喰族 《ネタバレ》 
私は『食人族』という映画はハッキリ言って生理的に受け付けない。その最大の理由はシンプルに、動物を実際に殺しまくっているからだ。ただ、あの映画は所謂モキュメンタリのはしりというか、意識的になるたけ「つくりもの」感を排除するというコンセプトのもとに纏め上げられている作品で、殺される動物がモノホンなのはその部分に多大な貢献を果たしているのも事実だと思う。だからなんなんだ、と言ってしまえばそれまでなのは確かだけど、そこにはある種の「筋」が通っている映画だとも思えるのだ。  ところがこの『人喰族』というヤツは、恥も外聞も無い『食人族』の丸パクリにしてコンセプトは真逆、つまり質感はつくりものでも何でもよいからグロ描写をよりパワーアップさせてやろう、というあまり志の高くない作品である。なので当然の如く本作でも引き続き動物は(ついでに)殺しまくっているワケなのだが、意外にもその効果は薄い。というか、グロ描写・ストーリーがつくりもの感満載であるが故にキャンプながら気楽な娯楽作品になり得たかもしれないのに、動物は実際に殺されているのでそこだけ無駄に悲痛、という意味では、むしろ逆効果だとも思える。実は個人的にはコッチの方がより許し難いとも感じている(非常に高度な「どっちもどっち」であるのも確かですケド)。  どだいそもそも残虐描写にもやはり「真に迫った」感じが無いので、『食人族』よりグロさを本質的に尖鋭化できてるのかと言われると微妙な気もしている。その意味でも、かの作品の「下」をゆく正真正銘の最低映画と言って過言でないよーに思っている。
[DVD(字幕)] 1点(2021-01-26 00:52:44)
46.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 
シモーヌ・シニョレとゆーと、どうしても「クセ者」な方の仕事を思い出してしまうのですけれど、今作の清純そうな薄幸そうな可哀そうな感じも意外なホドに全然素晴らしかったです。シンプルなサスペンスですが、登場人物全員に瑕があると言うか、何かしらな心暗さを背負ってゆくなかで運命がそれを悉く許してくれない、とでも言いますか。ある種、勧善懲悪のキッチリした話なのだとも思いますが、個人的にはどれも少し、運命がわの「やり過ぎ」にも感じます。皆が不幸になって終わりますが、最後の2人の破滅は手紙一本で、というラストの呆気無さ・さり気なさが、洒落ているしそれでいて残酷さが際立つようで中々秀逸です。フレンチ・フィルム・ノワール斯くの如し、という佳作。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-29 09:51:33)
47.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
例え神が「沈黙」して語らずとも、どうにもならない悲惨な境遇の中で唯ひとつ残された手段としての「祈り」こそが、種々の信仰の源泉というべきものであることは大いに理解できるし、そして、物言わぬ神に向けての祈りに少しでも重みを付けるために、むしろその耐え難い苦難を受容する「忍耐」こそが信仰者としての美徳とされてきたことも決して分からぬことではない。冒頭からの凄惨な描写の数々の中で神に殉じてゆく日本人たちには、だからそれでも個人的には大いに共感できるのだし、その部分においては今作で描かれる価値観にもまた、キリスト教のそれを越えた普遍性を感じ取れる様にも思う。  しかし「神の沈黙」もまたあまねく宗教に普遍的なものであるのと同様に、耐え忍ぶ人びとに寄り添う神の在り方も所詮は普遍的なものではないのだろうか。何故、キリスト教の神父が危険な日本に来て布教をしなければならなかったのか。何故、キリスト教でなければならなかったのか。何故、信者たちは死ななければならなかったのか。そういった私の疑問に対しては、今作は答えを用意してくれていないようにも思う。恐らく、その根源的な問いに対する答えというのは、西洋キリスト教社会においては既に「前提」とされてしまっているものだからなのだろう。私にはその前提が無いから、神父たちの苦難と棄教、最後に「沈黙」を破った神、そういったものの意味というのは、実は本質的な部分では理解できていないのだろうと思っている。  描かれる中世日本の描写には、そこら辺の邦画時代劇の比ではない優れたリアリティと細部にまで行き渡った種々のクオリティが実現されていた。信仰とは何か、ということを真剣に考えさせられるに至った内容面の奥深さも素晴らしい。が重ねて、どこまで作者の意図する結論に近づけたのか、という部分には、少しばかりの片手落ち感を覚えるのである。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-22 16:22:21)
48.  荒野の用心棒 《ネタバレ》 
これ色々と相当に展開が分かりにくいのよね(死体を墓場においた意図とか、女を逃がしたのがバレた理由とか、バクスター一味壊滅の経緯とか)。テンポがごく普通で割とテキパキ観れるのはレオーネ作品としては逆に異色。ただ決闘シーンはかなりジックリ撮っていてこっちはこっちで見応え抜群。アクションがまあまあ派手で好いのと、イーストウッドは今作時点で既にメチャ格好好くて、そこら辺が見所かと。
[DVD(字幕)] 6点(2020-11-13 00:45:11)
49.  フェリーニの道化師<TVM> 《ネタバレ》 
序盤や終盤は少し劇映画ぽいけど、中盤の感じ、あと全体的にも実質はドキュメンタリなのですね。その意味では、種々の道化の貴重な「芸」というものを味わえる点で、個人的にはかなり興味深く観ることが出来ました。雰囲気的にはチャップリンの喜劇に近いかな、と(これは、実はどっちが先か、と言われればけっこう難しい問題なのかも知れませんが)。オーラスの大騒ぎなんか特にそんな感じでしたが、色付きでしかも「映像の魔術師」の業ともなれば、かなり美術的にも面白い映像だったのは間違いありません。  音楽はニーノ・ロータなのですが、基本的にはポピュラーな既存の音楽で構成していましたかね。ただ、終盤にどー聴いても『ゴッドファーザー』な音楽が入ってたのはちょっとビックリしましたが(ゴッドファーザーの公開は1972年で、本作の2年あとですね)。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-11 22:26:42)
50.  ヘル・オブ・ザ・リビングデッド 《ネタバレ》 
イタリアンごた混ぜバッタもん製造機ことヴィンセント・ドーンが(臆面も無く)世に送り出した、ロメロ『ドーン・オブ・ザ・デッド』+フルチ『サンゲリア』+イタリアモンド映画の劣化版ミックスというホラーファンには堪らない一品。何しろ、ゾンビ・パンデミック状況下で、ジャーナリスト一行とSWAT隊員が(何故か)連れ立って人喰い部族の村に向かう…という率直にマジで!?と為らざるを得ないやったったぜ感(やってもうた感)120%の超絶展開が繰り広げられるのだ。これにはもう「凄え…」の一言である。DVDでも「炸裂するゴブリン・サウンド!」とか宣伝してるのだけど、これもマジで『ドーン・オブ・ザ・デッド』の丸パクリだったりで、潔いにもホドがある。  それでも、生物兵器が漏出してゾンビが人を襲いだす導入部、SWATの面目躍如たる対テロ作戦の描写、フルチばりの腐乱ゾンビ登場、子供が親を喰うアレとか、食人族と意思疎通するためにヒロインの女記者がオッパイバルンで頑張る様子など、前半は丸パクリなりにまあまあ楽しめたりするのですよ。後半は完全にネタ切れで、平凡なゾンビ展開の連発に加え、無意味にどっかの原住民とか野生動物とかの映像を挿入しまくってみたり(舞台であるニューギニアには居ない生物の映像も多々混ざってるというテキトー加減)、広い会議室を借りたはいいがエキストラを雇うカネが無かったらしく席がスカスカなゾンビ対策国際会議の締まらない映像を入れてみたりと、正直言って非常に面白くない。  ひとつだけこれも許せないのが、ロメロ形式のブルーグレー塗りゾンビと、フルチ形式のグログロ腐敗ゾンビが混在してるというそもそもの状況。なに、ゾンビウイルスにもソ連型と香港型とか種類があるワケ?
[DVD(字幕)] 4点(2020-11-10 01:04:26)
51.  アポロンの地獄 《ネタバレ》 
最初と最後に現代と繋がる部分は正直言ってよー分からんかった。だからその部分を置いて考えると、本質的にはド直球な「古典の映像化」である。勘所はその表現技法であろう。リアリティを無視した、お手製感満載のどこか適当で(小難しく言えば)非実在的・抽象的なそれは、ロケーションやセットには拘りつつも非常に「演劇的」というか、中々に面白い(非・通常映画的な)質感・空気感を醸成することに成功していた。演技面でも、やや大袈裟なそれは大いに舞台劇感を醸していたが、演技自体は確かに力強く、かつそれなりに上質であった様にも思われる。単純に傑作ギリシア悲劇の映画版として観るなら、意外とそこそこ楽しめるのではないか。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-09-22 19:47:24)
52.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 
これは、地味にキッツイ映画ですね。。モディリアーニが非業の死を遂げるのは織り込み済な訳ですが、その予想された結末に更に人間の底知れぬ悪意を被せてくるという。ただ、それは生前のモディリアーニを決して認めることのなかった(そしてその死後は掌を反して賞賛している)我々「世間」というものに対する、ある種の批判的なメタファーである様にも一瞬ふと思われたり。  とは言え、描かれるモディリアーニ本人は最初から社会人としては完全に破綻しており、その面の彼には中々共感するという所までは至らない様にも思います。感情移入できるのはやはり、ジャンヌとの恋愛事象の方でしょう。男も女もとにかく見映えが史上最高クラスに美しいことを含め、どちらかというと付録にあたる恋愛映画としての見応えの方が意外にも優れていた印象を受けます(だからこそあの残忍なラストには、個人的には少しばかり期待を外した感と、物語全体に対する幾ばくかのアンマッチ感を覚えたのですが)。  ただ、美しすぎるのもそれはそれで、というか、特にジェラール・フィリップをただ美しく撮りすぎですかね。演技はまだともかく、終盤の彼には結核で死ぬ寸前の廃人、尾羽打ち枯らした人生の落伍者というものの雰囲気を、少なくとも見た目からは感じ取ることが出来ません。単純なメイクアップ技術の問題ではあるのでしょうが、そこが少しばかり残念にも思われます。
[DVD(字幕)] 6点(2020-09-22 16:14:40)
53.  青い体験(1973) 《ネタバレ》 
男どもはとにかく揃いも揃ってバカばかり。特に主役の中坊のバカさ加減は深刻で、将来絶対ロクな大人にならないのを請け合ってもいい(いくら私でもこいつよりは多少マシだったろうと自信を持って言える)。しかし、肝心なお姉さんの方も決して聡明とは言い難い、というか、ほっときゃいいのにこのバカガキに付き合って張り合ってしまうのだよね(冷たく突き放さないだけある種優しい人なのだろうね)。本作に描かれるものというのは、おバカな男と女のマウントの取り合い、つまり、男を黙らせる一番手っ取り早い方法としてのエロ、という訳だ。  個人的には、主演のラウラ・アントネッリは見た目的には超タイプ。であるし、年齢も絶妙(いわゆる二十シッパチ三十凸凹、という乙なヤツですね)。地味に撮影は名匠ヴィットリオ・ストラーロで、よく見ると中々に凝ってる画づくりが秀逸、なのも相まって、女優の性的魅力というものは確かに出色にも感じる。しかしお話の方は前述どおり、ちょっとバカ過ぎて観ていてだいぶん苦しかった。映画としてはいい大人に勧められる作品とは到底言えないかと。  むしろ、実は子供向けなんじゃねーか、とも思う。観ていて唐突に思い出したが、私もこの映画中学生の頃観てましたわ(多分深夜に)。今作、中学生がコッソリ観る分には実は適切なエロさ加減かとも思う(というか、これぐらいで我慢しとけ、という)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-09-16 21:30:06)
54.  ともしび(2017) 《ネタバレ》 
説明的描写が極端に少ない部類だが、平穏な日常が崩れてゆくサマと、何とか平穏に過ごそうとしながらも次第に心境が変化していく様子はまま伝わるし、ランプリングの演技自体もまずまず悪くないと思う(なんか今作、妙に体張ってる感じ)。しかし、宣伝文句に謳われてるよーに「生きなおす決意」をしたのかどうかまでは正直言ってよく分からない(=それを伝えたかったのだとしたら、演出は失敗・不足している様にも思う)。せめてラストくらいは、もう少し示唆的に表現して欲しかった。あと、鏡面やピンボケを利用したかなり凝っていて中々に面白い画づくりがとにかく終始続くのも、印象に残る。
[映画館(字幕)] 6点(2020-08-24 22:37:55)
55.  怒りのガンマン/銀山の大虐殺 《ネタバレ》 
マカロニ晩期とも言える70年代ものですが、随所で暢気な音楽も含めて、つくり自体はもっと古い時代のウエスタンを思わせるというか、年代も考えれば率直にややダサいです。リー・ヴァン・クリーフ演じるクレイトンにしても、少し勿体付け過ぎ、カッコ付け過ぎです。お話の構成要素もかなりオーソドックスで、かつそれホド展開運びも上手いとは言えません。クレイトンが何故フィリップに肩入れしているのかは終盤までサッパリ謎ですし(ラストまで観ると理由はチャンとあるのですが)、フィリップが生き長らえている唯一の理由であろう金鉱の場所の話も途中からどーでもよくなってしまっていたり、やや雑ですね。  ただ、流石に70年代ものだけあってアクションは西部劇としてはそこそこ派手な気もします(特に序盤とか)。あとラストの決闘も、これも極めてオーソドックスですが、ここは流石のクリーフだけあって緊迫感はまずまずで気持ち好く観終われたというか。結論、別にそこまで糾弾する程に出来の悪い西部劇、とは言えないと思います(個人的には、暇潰しには十二分でした)。
[インターネット(字幕)] 5点(2020-08-23 04:28:27)
56.  フェリーニのアマルコルド 《ネタバレ》 
基本的にはコメディ風に、種々のユーモラスなエピソードをテンポも台詞回しも小気味好く、音楽も楽しげに綴ってゆく、その様子が、実に心地良いノスタルジックを醸している。映像も美しく、実際のそれよりも一層、色彩豊かで色鮮やかに目に映るかの様にも思われる(よく観ると、別にそんなに彩ってるという感じでもない風景なのだけど)。前述どおりの軽快さもあり、決して2時間が退屈だということも無いと思うが、ここに特段の話の内容がある訳では無いのもまた確定的な事実(その意味では私の嫌いな「2時間になっている必然性が感じられない」映画だとも言えるケド)。登場人物も率直に、揃って実にしょーも無いことばっかやってるし。  何と言うか、押しも押されもせぬ巨匠になったフェリーニは、いつもただただノホホンとやりたい放題やってるなあ、という印象が強い。それはそれで構わんが、にしても、もう少し格好をつけてキッチリカッチリしたこともやって欲しい、と思うのである。  グラディスカ役のマガリ・ノエルは、ずっと『8 1/2』のサンドラ・ミーロだと思って観てました(見事に勘違いでしたが)。こういう見た目が、フェリーニの趣味なのでしょうかね(まあ、子供の時からそうですよ、という様な内容の本作ではありますが)。
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-01 15:35:01)
57.  怒りの荒野 《ネタバレ》 
とある青年ガンマンの人間的成長を描くという西部劇。その彼をジュリアーノ・ジェンマが演じていますが、序盤~中盤の彼の甘さ・若さというのがイマイチ心地良く観てゆけなかったというか、率直にちょっと情けなさ過ぎ or 色々と甘すぎじゃない?という感じというか。他方、リー・ヴァン・クリーフも見た目とかは今作でも最高にシブいのですが、ジェンマのヌルさに引っ張られてキャラ造形にはややキレが無い、という様にも思われます(あくまでレオーネ作品と比べたら、ですが)。  中でも、序盤はジェンマにとっての恩人であるクリーフが、後半では極悪人になる、という部分の盛上げ・葛藤が弱い。それは、クリーフが蹂躙する街の人々というのが、序盤でジェンマを苛め抜いていたしょーもない輩共だ、というのが痛恨の要因だとも思われます。老保安官とジェンマの絆とかは序盤でもっと強調するべきだと思いますし、クリーフにも後半、もっと単純に悪辣なコトをさせちゃった方が良かった様にも思われます。  しかし、肝心のジェンマの成長ぶりについては、中盤でいっとき思い上がる様子なんかにも人間らしさを感じますし、終盤は、序盤あんなに観てられなかった彼がこんなにカッコ好くなるか、というぐらいクリーフにも負けじと立派なガンマンに大変貌してくれます。ガンマン十ヶ条というのも中々良かったですね(ラストでも上手く使っていると思いました)。
[DVD(字幕)] 7点(2020-08-01 00:50:55)
58.  墓地裏の家 《ネタバレ》 
引っ越した先の家の地下に昔っから化物が居た、てだけの話で、色々と適当なのに加えてラストがまるで意味不明なのも相当に酷い。ごく終盤までショック描写も(フルチとしては)非常に地味で(コウモリ一匹であそこまで血みどろに大騒ぎしなくてもイイでしょ、なんて思ったり)、そこまでは質感としてはグロ映画というよりかつてのジャーロに近いサスペンス的な感じ(しかし、恐怖も謎解きのスリルもまるで盛り上がっていかないボンクラではあるが)。  最終盤、遂にお目見えした肝心の化物の造形はそこそこだし、得意のウジ虫シーンもあってそこはそんなに悪くない。あと男児の子役が可哀そうなくらいブチャイクだが、逆に女児の子役はエラい可愛い(まあこいつの正体もイマイチ謎なのだが)。しかし総じて、ちと見所が薄い完全な駄作。
[DVD(字幕)] 3点(2020-07-18 04:29:52)
59.  ビヨンド 《ネタバレ》 
前作に引き続き、グロ描写単体の評価としては、有名な「蜘蛛が顔面を喰い散らす」は技術的限界もあってそこまでグロくも感じなかったが、決して悪くはない(まあ蜘蛛が嫌いな人なら阿鼻叫喚だろうが)。あと、フルチの特徴と言われる眼球破壊のシーンはふんだんだが(蜘蛛に喰わせるのも含めて)、特に「壁の釘に頭ぶっ刺して目玉貫通」は切れ味があって良かったし、目玉繋がりだと盲目女性の変なコンタクトもかなり気持ち悪かった。  しかし、ラストのゾンビ的展開部分については特殊メイク等が今作はやや手抜きだし、総じてグロ描写のクオリティはよく言って前作程度、にも関わらず、話の支離滅裂さだけが格段にパワーアップしている感が強く、全体として極度に意味不明でよくよく睡眠導入映画だとも言える(観終わるまでに2回に分けて計5時間も寝てしまった)。これも個人的にはかなりイマイチ。
[DVD(字幕)] 4点(2020-07-18 04:27:10)
60.  地獄の門 《ネタバレ》 
フルチ全盛期と謂われる時期の作品をいくつか鑑賞してみたが、今作と『ビヨンド』はひたすらグロ描写の挿入のみに腐心し、率直に言って話に辻褄をつけるのをほぼ放棄している様にも感じられる。であるからして、観て面白いのかということは一旦置き、グロ描写のクオリティがどうであったか、にしか評価する価値のある観点は発生し得ない様に思われる。  その意味で言うと、まず「内臓を吐く女」と「ウジ虫の嵐」は(撮ってる俳優さんは正に阿鼻叫喚だったろうなあという意味でも)かなりグロテスクで見応えがあった。「ドリル貫通」のシーンもそこそこよく撮れていたと思う(皆さんご承知のとおり、本筋に全く関係が無いというアレなのはまた置いといて)。ただ「後頭部捻り潰し」は何度も何度も登場するので食傷するし、ゾンビの造形は『サンゲリア』ほどの衝撃度ではないし、幽霊なハズのラスボスが物理攻撃一発で呆気なく沈んだりと、流石にどーかと思われる部分も散見される。個人的にはややイマイチな出来。
[DVD(字幕)] 4点(2020-07-18 04:25:21)
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