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201.  闇の子供たち 《ネタバレ》 
 あれれ、臓器売買がテーマじゃなかったの?売られてきた子供たちの売春シーンが延々でてくるけど、肝心な臓器売買シーンはほとんどでてきません。病院につれてこられた女の子が助かったのかどうかも確認できません。(ラストシーンで水辺で遊ぶ子がいたけど、それがその女の子だったか確認できませんでした)  それに南部の自殺というオチ。自殺の原因は、実は南部は小児性愛好者であり、罪の重さで自殺したと暗示されています。こんな余計なエピソードを入れるからややこしくなるのだ。南部がその男の子の写真を大切に持っていたのも不思議といえば不思議。(男の子はどうなったんだろうね?)又東京に戻っても自分の妻や娘にも会わないのはどうしてだろうか?  もっとも不思議なのはゲーオの行動。ボランティアを装っていたが、その正体はマフィアの手先で、邪魔なNGOを潰すのが仕事とか。仲間と一緒に公園のデモにやってきたのはいいが、一方的に自分の正体をばらしたかと思うと警察官に発砲する。まさに自殺行為である。デモの邪魔をするか、NGOの代表者を殺したように、女も殺せばいいはずである。射殺されるときも普通でない表情をしていたね。(わざわざスローモーションで)  そういえば、女衒の若者も警察に手錠をかけられて連行されているときずっと笑っていた。このように違和感の有るシーンが多すぎる。  思うに、車に乗るシーンや車から降りるシーンなど、無駄なところが長い。だからテンポが悪くなるのだ。テーマを決めたら、カットすべきところはカットして、テーマに沿って素直に撮ろうよ。あれもこれも詰め込もうとするから失敗になってしまうんだね。  最後にもう一つ。病気になった子供を始末するのに、黒いビニール袋にいれてゴミ運搬車に投げ込むだろうか?病気とはいえ、ビニール袋くらい自力でやぶけるはず。それにゴミ業者が気づくでしょう。すぐに警察が調査に乗り出すはず。マフィアにしてもあまりにずさんすぎますな。
[映画館(邦画)] 5点(2009-01-27 23:59:14)(良:1票)
202.  インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説 《ネタバレ》 
”ジェット・コースター・ムービー”の代名詞的作品。連続して飛び出すびっくり箱のように観客を驚かすよう徹底して演出された映画で、その姿勢は潔い。走馬燈のように謎、危機、アクション、スペクタクル、笑いの連続で、観客に考える暇を与えない。内容はトンデモ魔術のB級だが、演技、撮影技術、美術、音楽が優れているので贅沢なA級娯楽作品に仕上がっている。◆冒頭まず銅鑼のアップ。意表をつくミュージカルで始まる。女が虎の口に引っ込むと奥で別の舞台が演じられ(客には見えない)、又虎の口から出てくるという人を食ったような演出。本作品の象徴だ。インディが登場し、マフィアと取引。コイン、ダイヤ、拳銃、毒薬、ヌルハチの骨のやり取りの結果死体2つ。銃弾飛び交う中、ダイヤと解毒剤を追いかけるインディと女。マフィアが機関銃をぶっ放すと二人は回転する銅鑼に隠れつつ窓からジャンプ。待ち受けた自動車に無事落下するが、運転主はなんと子供。カーアクションを経て、飛行機で脱出。一安心と思いきや、それはマフィアの飛行機。運転手がパラシュートで逃亡し、三人はありえないゴム・ボートで空から脱出。雪の急坂、崖、急流を乗り切り、やっと一息つく。着いた先がインドで、ここから本来の冒険開始。ここまで20分。クールなインディ、ダイヤに目がなく、よくわめく都会育ちの歌手、こまっしゃくれたインディの相棒の子供。何の説明もないが、アクション場面だけで、主人公3人のキャラを過不足なく紹介。インディと女は不仲で、これは恋愛の伏線。実に秀逸な導入部だ。 ◆女と子供が決して足手まといではなくフルに活躍するのが爽快。子供のやんちゃぶりと、二人の奇妙な恋愛進行を絡めながら冒険活劇が続くので飽きない。トロッコや吊り橋の場面は誰でも息をのむ。◆連続して意表を突き、驚かすのが特徴。例えば止らないトロッコを靴で踏んばってやっと止めたら、靴が燃えて「水、水」となったら洪水が押し寄せる。何とか岸壁の出口に逃れるが、今度は岩が穿たれる。アイデア目白押しだ。◆謎はサンカラ石。村を守る力があり、無くなると水が干上がる。5つ揃うと超常的な力を得ることが出来、悪者は邪教の布教に利用したいらしい。そのために埋められた2つを発掘するが、何故か子供に掘らせる不思議。結局2つは未発見、2つは川に落ち、一つを村に持ち帰り冒険終了。考古学者なのに調べようとしないインディに違和感。
[DVD(字幕)] 9点(2011-12-07 06:31:15)(良:1票)
203.  蟲師 《ネタバレ》 
退屈でしたあ。何だか、変なのを見ちゃったなあていう感想です。蟲師は悪い虫を退治する魔術師で、そいつがばっさばっさと蟲退治をする痛快な物語と思ってました。それだとスカっとできたのですが。ところがギンコは人物に重みが無く、ふわふわ浮いた印象です。蟲師としても人間としても中途半端です。蟲退治に手間取りすぎるんですね。最初の「うん」退治はすっきりしてよかったのですが、「あ」となるともたついてますね。そのほかのエピソードはだらだらと長い。無駄なカットが多すぎです。淡幽のエピソードは唯一見ごたえがありましたが、すっきりと終わらず、ギンコは癒えないままに旅に出ます。虹郎は全部カットしてもよかったでしょう。結局虹蛇を捕まえないのですから。5年も追っていたその理由もよくわからないまま、「見れたからすっきりした、親父と同じ橋大工になるため里に戻る」で終わりじゃ、中途半端すぎますから。ぬいとの再会の場面でも、唖の夫が小屋から子供の遺体を捨て、ギンコの姿を見て大声をあげる場面がありましたが、何の意味があるのでしょうか?そのあとぬいが小屋ごと光ってギンコが腰を抜かしますが、説明なしの一切不明。まさかのところでのエンディングで、置いてけぼりのぬいはどうなるのやら。観客を置いてけぼりにしないでください。結局「蟲師というものがあまり理解されないままに終る、蟲師があまり活躍しない映画」ということになります。世界観や雰囲気、CGはよかったのに残念です。江角、りりィ(庄屋の婆)は芝居がへたですね。
[DVD(邦画)] 4点(2009-04-03 16:55:50)(良:1票)
204.  ロッキー・ザ・ファイナル 《ネタバレ》 
人生を背負った稀有な映画。ロッキー、映画人としてのスタローン、個人としてのスタローンの3つの人生が重なって映ります。30年の年月を通じて神が降臨ました。このような映画を作れるのはこの人だけでしょう。感動的です。ロッキーは「寅さん」に似てますね。時代遅れで、口ベタで馬鹿にされやすく、人情に厚い。あえてサイドストーリーを追うと。メイスンは強い王者ですが、簡単に勝ちすぎて人気がない。トレーナー曰く。「挑むんだ。逃げずに突き進むしかなくなったときが、最高の時。それを乗り越えて高みに上がる。それは世間のどんな賞賛よりも尊い」立ち向かって来る挑戦者を得て、勝利し、自尊心を取り戻しました。スパイダーはかつての対戦者。落ちぶれてタダ飯を食べ、聖書を読む人生。が、食器洗いを始めます。「俺はもう戦えない。主も働くことを望んでいる」試合の前のロッキーに聖書を朗読。「我らは既に勝利への準備ができました」。ポーリーは、懐古ばかりするロッキーに「お前は過去の住人か」と問います。仕事に生きがいを感じていますが、クビになり、荒れて「叩きのめされてもリングに戻るガッツがほしい」と嘆く。が、再就職に成功。息子ロバートは、偉大な父の息子であることに生き苦しさを感じている。人が自分を見て父を思うから。父のおかげで得た仕事も慣れません。目立つのがいやで父の試合を止めようとしますが、父に諭されます。「状況が悪くなって誰かのせいしたり、何かの影響のせいにするのは負け犬だ。人生はどんなに叩かれても前に進むしかない。試練に耐えるんだ。愛している」。仕事を辞め、父のそばにいると宣言します。リトルマリーは、かつての不良少女。今は貧しい母子家庭。ロッキーの親切を怪しみますが、その人柄に惹かれてゆき、レストランの仕事も受けます。ロッキーが弱音を吐いたとき「あなたは自分が人生を精一杯生きてるとわかっている。肝心なのはあなたがどうしたいのかということ。戦い抜くのよ」と支えます。試合前日エイドリアンの写真を渡して激励、「誰かを亡くしたものの強さを証明するのよ」。良質の脚本です。これらを言葉だけでなく、肉体で証明するのが「ロッキー」。それゆえにトレーニングで肉体改造していく場面が少ないのは残念です。観客は「がんばっている姿」を見続けたいのです。試合を単なるエキシビジョンとしたのはもっと残念。
[DVD(字幕)] 9点(2009-05-10 12:32:50)(良:1票)
205.  サマーウォーズ 《ネタバレ》 
エンターテインメントとして優れているアニメです。ネットのヴァーチャル世界と現実の対比、都会と田舎、陣内家の歴史(徳川家との対決)、甲子園、男衆と女衆の対比、曽祖母と妾の子、夏希と健二の恋などの多要素を上手く取り込んで、盛り上がる作品になっています。最後の危機又危機の展開はうまいと思いました。子供たなら感動できたと思います。大人目線でつっこみを:①IDを奪われたら世界中のコンピュータシステムが暴走するという設定が幼稚。②混乱しても、電話、ネット、電力、ガス、水道などは正常なのはどうして。電話なんか真っ先につながらなくなると思う。③セキュリティが甘すぎる。一晩で50人も解ける。④健二は暗号を解いてないのに、翌日テレビで犯人扱いされたのは何故?⑤あの数字の暗号って何なの?最初解くのに何時間もかかったのに、最後は暗算で数分で解いた。⑥曾祖母を死なせちゃだめ。AIハッカーとの花札対決は曾祖母にさせるべきだった。花札好きという伏線は描かれていた。逆に夏樹は侘助に負けている。曾祖母の死で一族の結束を高めるのは安っぽい。曽祖母の知恵と経験を生かして、コンピュータと戦う展開なら痛快だったはず。⑦格闘技ゲーム名人のキングカズが一族にいたのは許す。が、AIハッカーの開発者も同時にいるのは許せない。又開発者では何でもできてしまう。単にコンピューター好きにすればよかったのだ。⑧侘助は東大出なのに、なぜぐれてしまったのだろう。AIハッカーを退治して、米軍からお金もらったのかな。というか、米軍がこの映画観たら怒るでしょうね。⑨花札のコイコイって何?ルールわかりません。⑩ネーミングがしょぼい。サマーウォーズ、ラブマシーン、侘助。 ⑪ヒット30本打たれたら勝てません。⑫夏を強調しているわりには、夏の暑さが表現されていなかった。⑬夏希は学校中の憧れの存在なのだからもっと魅力的に描かないと。⑭健二の家族が出てこず、人物の掘り下げ不足。
[映画館(邦画)] 7点(2009-10-05 20:55:58)(笑:1票)
206.  スリ(1959) 《ネタバレ》 
 不思議な映画だ。スリの道に足を踏み入れてしまった青年の転落人生物語と思いながら鑑賞していたら、最後は恋愛落ちになっていた。青年とあの娘が愛し合っているとは思わなかった。何故二人の愛が伝わらなかったのだろうか?文化の違い、時代の違いがあるだろうが、最大の原因は役者の演技力不足だろう。あの二人は典型的な大根役者だ。繊細な演技ができないのだ。特に目の演技。二人はいつも同じ目付きをしている。これでは伝わる道理がない。 ◆青年の持論は天才超法論。天才で且つ社会で必要な人間ならば、法律を犯しても良いという考え。その方が社会に有益な場合もあるという。うぬぼれ屋の独りよがりな理論だが、彼も心底信じているわけではなく、単に自分の犯罪を糊塗する手段に過ぎないことは薄々気づいている。それが証拠に彼がスリで実績を重ねても、精神の高揚を得ることはできなかった。彼は優しい人間に囲まれている。友人のジャックは大切な相談相手で、何時も青年を気遣ってくれる。刑事は青年の人間性を見抜き、更生の道を説く。母親は、盗難に遭ったとき、身内の犯行かも知れないと告訴を取り下げる。固より息子を愛している。母の隣人の娘ジャンヌは、青年の病気の母親の面倒をみていてくれていた。青年の悩みは何か?「逆さの世の中を元に戻す」発言からすると、世の中に反感を持っていることは間違いない。まともな仕事がないか、真面目に働いてもやっと生活するだけの額しか稼げない事に不満を抱いているのだろう。スリ仲間が捕まり、周囲から疑惑の目が向けられると、青年は逃げるように旅に出た。不毛の海外旅行から戻った青年はジャンヌと再会。彼女はジャックと愛し合い、赤子を授かったが、結婚はせず、ジャックは雲隠れしてしまったという。青年はジャックの責任を肩代わりし、子供も引き受けるという。だが、どんなスリの名人も続けていれば、いつかは捕まる。青年も捕まり、生きる希望を失くす。そんなとき、面会に来てくれたのがジャンヌ。気まずい二人だったが、ジャンヌが面会に来なくなって青年は彼女を愛していることを知る。再び娘が面会に来て、二人は愛を確かめる。魂の救済の物語だが、演出と演技に難点があるため、カタルシスは得られない。青年の成長ぶりよりも、華麗なスリの手練、手管の方に目がいってしまう。
[DVD(字幕)] 6点(2012-09-10 23:53:02)(良:1票)
207.  三つ数えろ 《ネタバレ》 
マーロウ(M)はスターンウッド(S)から依頼。古書店主のガイガー(G)が娘カルメン(K)を恐喝、用心棒リーガン(L)が消えた事。LはMの友人。Mは店を監視。店員アグネス(A)。Gは付け人ラングレン(Lu)と車に乗る。M追跡。Gの家にGだけ帰る。後に車で来たKが入る。銃声。車2台急発進。家に飛び込むとGの死体と人事不省のK。フィルムの無いカメラ。Kを連れ帰り、戻るとGの死体は消えていた。海中でKの車に運転手テーラー(T)の他殺体。TはKを愛していたという。◆Kの姉ビビアン(V)がMを訪問。Kの写真で恐喝受ける。Kに事件の記憶無し。Bは金を賭博屋マース(Ma)に借りて払うという。Vは、LはMaの妻と駆け落ちしたと言う。Mは店を監視。車を追い、家を突き止める、ブローディ(B)の名札。MはGの家へ行くとKが居た。KはG殺したのはBだと言う。Ma登場。大量の血痕を見て驚く。Gの家の大家だという。◆MはBの家を監視。Vが家に入る。訪ねるとAも居合わせた。Kが来て、銃を手に写真を返せと凄む。MはKとBの銃を取り上げる。BはMに写真を渡す。恐喝犯はBとA。VとK帰る。Mは「TがGを殺し、写真を奪った。BがTから写真を取った」と推理。Bは「警察のふりをした」と認めた。Luが訪ねて来てBを射殺。LuはG殺しの犯人がBと誤解。MはLuを捕まえGの家へ。Gの死体が戻っている。警察を呼びLuを突き出す。MはG殺しの犯人はTと推理。◆VはMに報酬を渡す。MはMaが事件に関与していると主張。Vは違うと言う。MはMaの賭場を訪ねる。彼はLと妻の居場所は白を切る。Vが賭に大勝するが、Maの部下に金を奪われそうになる。Mは助けるが、狂言と見抜く。VとMはグル。翌日VはLがメキシコで見つかったと言う。検事から圧力がかかり、謎の二人組から暴行。◆Aの婚約者ハリー(H)が情報を売りに来る。事務所に行くと先客Maの手下カニーノ(C)がいて、Hを毒殺。Aの情報はMaの妻の居場所。Mがそこへ行くがCに捕まる。Kが居て、助ける。MはCを射殺。KはL殺しは自分だと言う。MはGの家にMaを呼び出し、推理を披露。KはLを好きだったが、LがMaの妻を選んだので殺した。Maは死体を隠し、Gを使いKを恐喝。VはMaの言いなりに。MはCを玄関から飛び出させて部下に誤射殺させる。警察に連絡し、L殺しはMaと告げる。【感想】複雑すぎる。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-16 06:24:33)(笑:1票)
208.  ジャガーノート 《ネタバレ》 
爆弾処理のサスペンスもの、同時に進む犯人探しの捜査もあざやか。構成は合格だ。だが残念に思えるところが多い。第一に伏線が活かされていない。乗船に脱落した海軍のメンバーに変わって船員が参加するが、その後活躍しない。船員の嘘を見破った町長も、結局何の活躍もしない。浮気したことあるのと奥さんに問われるが、あの奥さんじゃ誰だって浮気したくなると思うよ。捜査員の一人の家族が船に乗っている。彼の苦悩が思いやられるが、さほどの心情も表わさず普通に心配するだけ。これらはもったいないですね。彼らをヒーローに仕立ててこそ映画は面白くなるというもの。第二に演出の問題。子供が勝手に厨房に忍び込み、子供を探しに来た給仕と共に爆発に巻き込まれる。給仕は死亡するが、子供はそれを嘆くどころか、父親にそのことを誇るような電話をする。母親も給仕に対して何とも感じていないようだ。悲劇を盛り上げる気がないのか。船長とその恋人の曖昧な恋は最後まで煮え切らないまま。美人でもない中年の恋人に辟易。爆弾が仕掛けられてあり、生きるか死ぬか、絶体絶命のピンチである。それなのに仮装パーティなど開くか?皆思いっきりつまらない顔をしているが、それなら参加しなければいい。このあたりの不用意な演出で作品に散漫な印象になっている。追い詰められた乗客の演出が必要。爆弾は二回爆発するが、被害かよくわからない。爆発で穴の開いた船を見せていないから。船長も妙に落ち着いている。爆弾のある部屋を閉鎖しておけば、全部爆発しても船は沈まないと思えてくる。爆発があっても乗客の態度に変化はない。これではだめ。徐々に盛り上げなければ。監督はパニック映画の基本がわかっていない。最後はキャラ設定。犯行手口と犯人のキャラが合致しない。刑事に船のパンフを見つけられただけで鼻血を出し、すぐに自白。動機は自分を重用しなかった政府への復讐とお金。金の回収に失敗すると、取り決めは全てキャンセルと丁寧に電話。あの方法では失敗するだろう。平凡過ぎて、複雑なトラップを仕掛けた犯人とは思えない。「スピード」の爆弾犯のような毒が欲しい。一方主人公の破天荒な言動や行動は個性的で好ましい。犯人は上司だったわけだが、両者の関係をもっと踏み込んで欲しかった。作品に重みが出る。七つのドラム缶をどうやって運んだのか?船があれだけ揺れて爆発しないのは何故?
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-11 10:42:39)(良:1票)
209.  ハリー・ポッターと謎のプリンス 《ネタバレ》 
無駄が多く、緊張感に欠け、中だるみしている。ヴォルデモートとの戦いに焦点を絞るべき。人が襲われたり、死んだりしてるんだから、もっと真剣になりましょうよ。スポーツやったり、恋愛やったり、はっきり言って無駄です。みんなで知恵を勇気を絞って、強力な敵をやっつけるのがこの手の映画の王道。それがどうですか?ロンもハーマイオニーも全然力になっていない。ばらばらですよ。新任先生も記憶を引き出させるための存在でしかないのですね。本来なら全生徒、全先生が団結して立ち向かうべき問題ですよ。愛と勇気と自己犠牲と感動を見せてください。殺人があってものんきな学園生活おくりますか?敵役の方が命をかけて、真剣にやっている印象がありますよ。見せ場の魔法にしても、既視感が強く新鮮味がありません。ホレ薬とか普通の毒薬とか、陳腐なものはやめませんか?予想ですが、校長は死んではいないのでしょう。仮死の魔法でもかけられたというオチと思いますよ。
[映画館(字幕)] 4点(2009-08-04 04:49:28)(良:1票)
210.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 
①このような映画はもう作れないかも知れない。監督や演者の映画に対する意気込みが現代と違うのだ。最初に囚人たちが行進するシーンだけでも大変な手間がかかっている。今ではCGで簡単に出来ることが、当時は全て手作りだった。主演二人の演技は迫真を通り越して、神がかりといっていい。役者魂を見せてもらいました。 ②パピヨンは銀行強盗の罪を犯したが、無実である殺人罪で実刑を受けた。社会への反逆心が強く、脱獄に執着するのはこのためだ。特筆すべきは友情に厚いこと。差入れをしたドガを密告せず、命がけでかばった。尋常でない強靭な精神と生命力である。だからこそドガも心を開いたのだ。「誘惑に勝てるかどうかで人間の価値が決まる」 ③驚くべき展開の連続である。海で撃たれる囚人、船内で体内に隠したお金を奪うための殺人、ギロチン、ワニなどに先ず驚かされる。最初の脱獄は、窮地のドガを助けるために監視を殴り、その勢いで脱獄。独房の劣悪な環境。さらに食事半分で、光もない生活。次の脱獄は、用意されたボートが腐っていた。と思ったら、奇妙な刺青をした人物がハンターを殺し、手助けしてくれた。筏で着いた先で、ハンセン病の密輸業が船を用意し、お金もくれた。両者は共にアウトサイダーとして共感するものがあったのだろう。やっと着いたと思ったら、地元警察と鉢合わせ。見知らぬ犯罪者と一緒に逃走。警察と原住民に追われるが、危機一髪で海に飛び降り、なんとか脱出。行きついた先の原住民は穏健でパピを迎えてくれた。かわいい娘と一緒に暮らす平穏な日々。だが彼らはある日いなくなる。商人を殺したことに関係がありそうだ。真珠をもって町へゆき、修道院に紛れこむが、警察に突き出されてしまう。再び5年間の独房生活。その後島流しに遭い、ドガと奇跡の再会。椰子の実の袋で潮流に乗り、脱出成功。 ④「バカ野郎!俺は生きてるぜ」と叫ぶ。自由を勝ち取ることが彼の存在証明なのだ。「自分は既に死んでいる」「人生を無駄にした罪で有罪」という自覚があるため、人間らしく生きる=自由になることに挑戦し続けたのだ。諦めることは死んだも同然なこと。どんな逆境や困難にも決して諦めない彼の生き方には共感できる。 ⑤冒頭の行進シーンで「パピヨンきっと帰れるわ」と声をかけた女性がいた。あの女性の正体は自由の女神だったのだろう。14年もかかったが、蝶は自由になった。
[DVD(吹替)] 9点(2010-06-08 00:30:37)(良:1票)
211.  ジェイコブス・ラダー(1990) 《ネタバレ》 
人が死んで、迷える魂が徐々に浄化され、天国へ昇天するまでの過程を描いた宗教・反戦映画。聖書の知識があると理解しやすい。 「Jacob's Ladder」ヤコブの梯子は、旧約聖書でヤコブが見たという天使が上り下りする梯子で、天国への階段。恋人ジェジー=アラブ王の后で、不道徳な悪女ジェゼベル。妻サラ=聖典の民の始祖アブラハムの正妻サラ。長男イーライ=預言者エリア。次男ジェド=カナンを征服したヨシュア?三男ゲイブ=大天使ガブリエル。整体師ルイス=聖王ルイ9世が病人を接吻で癒したとされるのに由来?◆高学歴で人の好いジェイコブは、妻サラとの間に三人の子供をもうけ、高級アパートで幸せに暮らしていた。そこへ悪魔が忍び込む。三男が事故で死亡。心の空白を埋めるように性的魅力に富むジェジーと不倫。離婚してジェシーと安アパートで同棲。郵便配達の仕事に転職。ベトナム戦争に出征し、知らぬ間に軍の秘密の薬物の被験者にされる。薬物の副作用で狂った同僚ルイスに銃剣で刺される。◆ジェイコブの迷える魂は、悪魔や化け物の姿を目撃し、駅で閉鎖されたり、同僚が車で爆殺されたり、悪夢を見るなど様々な不条理な体験をする。これらは死への恐怖と不安、人生への後悔や悲しみ、他者への怒りや憎しみや憐みなどの感情が爆発的に見せるもので、全て生への執着を意味する。天使が手助けして魂を鎮め、天国に導くわけだが、天使はルイスやゲイブの姿となって登場する。生きている間には知り得なかった軍の薬物実験の真相も明らかとなる。高熱や氷風呂は、彼の地獄のイメージが喚起された結果だろう。魂が浄化していくに従って、美しい思い出がよみがえってくる。それは妻や子供たちとの平凡な生活だ。平凡だと思っていた生活が、最も美しい瞬間だったと悟るジェイコブ。最後はゲイブに導かれて天国の階段を上る。◆ルイスの言葉「死を恐れながら生き長らえると悪魔に命を狙われる。でも冷静なら悪魔は天使になり人を地上から開放する」これが主題となっている。心の持ち方で悪魔は天使に変わる。キリスト教的な死を正面から扱った映画だが、反戦思想を持ち込んだところが現代的で奥深さがでた。最大の悪魔は戦争というメッセージが根底にある。最愛の者を失った喪失感から心に悪魔が入り込む隙ができてしまうのは本当に悲しいこと。しかし、そこから立ち直るのが第二の人生だということを学んだ気がします。 
[DVD(字幕)] 8点(2012-09-12 16:46:01)(良:1票)
212.  地球防衛軍 《ネタバレ》 
H・G・ウェルズの「宇宙戦争」の亜流。米国映画「宇宙戦争」は1953年制作。 天体物理学者白石が富士の裾野の村に滞在しているのは、宇宙人ミステリアンの研究のためだが、学者仲間の渥美、白石の妹江津子、白石の婚約者広子を盆踊りに招待したのは何故か。この時点ではまだ宇宙人とのコンタクトはなかったのか。宇宙人は花嫁候補として江津子と広子を指名するが、その選定に白石がどう関わったのか。白石の人物像がしっかりと像を結ばない。また白石は宇宙人基地内で宇宙人と同じスーツを着用しているが、どうしてか。渥美は普通の服で押し通している。 宇宙人が山火事や崖崩れ等の災害を起こすが、意図的なものか、要塞建設工事に伴う事故なのか。意図的に村の千人もの命を奪っておいてから交渉を始めても意に適う成果は期待できない。外交べたである。 宇宙人は秘密裡に地下巨大要塞を建設中で、「これさえ完成すれば東日本は我々の意のままだ」と嘯くが、何故それが完成してから地球人との交渉を始めなかったのか。たった500時間待てない理由を述べよ。 白石の宇宙銃で撃たれた宇宙人が消滅するメカニズムを知りたい。同じ銃を機械に照射すると爆発するのに。 宇宙人の素顔にケロイドがあるのは何故か。惑星を爆発させた大原子戦争があったのは10万年も前の話。ケロイドは遺伝しない。ストロンチウム90の影響というが、それが遺伝的なものならば、地球人の女性と生殖しても子孫に影響は残るだろう。 特撮はモゲラの場面が素晴らしい。愛くるしいデザインだ。対ドーム決戦はミニチュア然として物足りない。ドームは移動しない上に、巨大さが感じられない。延々と続く砲弾・ロケットと光線のクロスカッティングも退屈に思えてくる。パラボラ兵器は受けた光線を反射するのだが、知性があれば二三度で気づいて、撃つのを辞めると思うが。放射能の影響が脳に及んでいるのか。それなら沢山ある円盤を温存して使わなかった理由もうなづける。 消防士がモゲラに放水していたのが印象的。人はパニックになると思わぬ行動をするものだ。 冒頭、盆踊りで始まったのには意表を突かれた。戦争と対極の「民衆の平和」を前面に押し出すセンスを賞賛したい。後に判明するが、盆踊りには宇宙人が混じっていて嫁選びの写真を撮っていたこと。つまりきちんと物語につながっているのだ。それにしても、花嫁五名といっていたのにかなり増えていたな。
[DVD(邦画)] 7点(2013-09-21 19:38:22)(良:1票)
213.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 
悪童にとって絶対に手に届かない花へのあこがれ。恋に目覚めた少年の苛立ちと嫉妬と憎しみ。女優が美しいので納得がゆきますね。 モノクロの白と黒のコントラストを上手に使っている。脚を目立たすために黒めの服。ボディラインを美しく表現する白いテニスウエア。あの時代にあんな短いテニスウエアがあったことが驚きです。テニスやコレシアムで呼び合うシーンなどは絵巻物を見るような美しさです。 悪童たちは美女から眼を離せない。女性がはつらつとして美しいということもあるが、恋人がいることがさらに興味をかき立てている。絵にかいたような幸せを体現しているカップル。テニス、森でのデート、人目を気にしない接吻や抱擁。あこがれの感情に加えて、やっかみや嫉妬の感情が複雑に入り込んでいるのだ。ナレーションでは「憎しみ」「復讐」などと表現されている。すべて性の芽生えに根ざすものだ。 悪童たちは彼女の後をつけて自転車に触ったり、カップルを脅かしたり、はやし立てたり、テニスを見学したり、落書きをしたりする。そうせずにはいられないのだ。それはエスカレートして、恋人(婚約者)がいない間に卑猥な絵葉書にみだらな言葉を書き連ねて女性に送るという行動になる。だがそれには大きなしっぺ返しがあった。男が山の遭難で死んでしまうのだ。あこがれだった女性はかつての輝きを失い、黒服に身を包み、もう悪童たちの関心を惹く存在ではなくなってしまう。恋をしていることにより、彼女は明るく若々しく、美しく輝いていられたのだ。罪の意識と後悔だけが胸に残る。失恋の疑似体験といえるだろう。無垢な少年期も終わりを告げた。。 複雑な心理の少年期を一陣の風のように描ききった力量に敬意を払います。ラストの太陽に映える木の葉が少年期の象徴でしょう。まぶしいですね。ナレーションが語り過ぎるのが欠点でしょうか。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 04:55:44)(良:1票)
214.  穴(1960) 《ネタバレ》 
物語は単純。5人の囚人が脱獄の穴を掘り続けるというもの。メインの脱獄方法こそ鉄棒でコンクリートを穿つという力技だが、棒の先に鏡をつけた覗き鏡、薬瓶を合わせた砂時計、組立て作業の箱の残りを使った人形、肩車で狭い柱の陰に隠れて監視の目を逃れる、マッチ棒を挟んで切断した鉄棒を元に戻しておく等、リアリティのあるアイデアに引き込まれる。差し入れ品を細かく検査する場面を見せることで厳しく監視された監獄であることを示すなど演出の妙がある。脱獄を”魅せる”という点では申し分のない出来。心理劇としてはどうか。古参の4人は一枚岩。そこへ未決囚の新人が入ってくる。信じて打ち明けるか、延期するか。信用できると踏んで打ち明けるが、疑心暗鬼の状態は続く。このあたりの描写はあっさり。4人の過去が語られず、緊急切実した事情があるわけでもないので、心理劇としては薄味。ただ4人の個性はきちんと描かれる。後半になると変化が現れる。古参の一人が脱獄しないと言い出す。理由は重篤の母親がおり、自分が脱獄すると警察に事情聴取され、動揺して鬼籍に入るかもしれないから。以前には思い至らなかった事が、脱獄がいよいよ現実味を帯びた時点で思い至り、よくよく考えた末の結論。リアリズムがある。男は落盤に遭いながらも自分の担当分の仕事はきちんと果たす。脱獄幇助罪で罰を受けるのも覚悟の上だ。最も男気を見せる人物だが、男は普段エロいことばかり話題にする人物として描かれ、感情移入しにくいきらいがある。新人の立場はどうか。普通、未決囚は脱獄はしない。容疑も妻への予謀殺人未遂罪で、殺人ではない。それでも重罰が下ると予見して脱獄参加を決意するが、そこへ妻が告訴を取り下げるという意外な展開。あとは釈放に判事の署名を待つだけだが、同房の連中が脱獄してしまうと、脱獄幇助の罪がかかる。仲間を売るか、自由を不意にするかのジレンマに陥る。新人はかつて脱獄を「実に胸のすく思いだよ」と洩らしていた。だから観客は新人が裏切るとは思っていない。そこへ意表をつく結末。そこで「穴」というタイトルには二重の意味があったことが分る。「脱獄の穴」と「落とし穴」。また所長が妙に優しくする場面がいくつか出てきた理由も氷解する。物語としては巧みだが、人間劇として物足りなさが残る。新人や4人の苦悩がさほど伝わらないからだ。余談だが、あんな音を立てれば隣が絶対気づくと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2012-07-18 06:46:34)(良:1票)
215.  潮騒(1964) 《ネタバレ》 
原作は牧歌的な島を舞台に、少年と少女とに芽生えた恋とその成就を抒情的に描いた作品。裸になって焚火の火を飛び越える行為は、文明という皮相の衣を脱ぎ棄て、人間の原初の姿に立ち還ること。原初の人間として純粋に愛しあうことが最も美しい。二人が漁師と海女という、自然を相手とした生業であったからこそ可能だった。その為、映画では、主人公新治と初江の、普段は隠れている未開の自然人としての本来の姿、美質を描くことが重要となる。新治は日焼けした筋骨隆々たる海の男で、島を五周できるほど泳ぎが巧みだ。映画では優男で、とても海の男には見えず,又、泳ぎの巧者という紹介がないため、最高潮場面での嵐の海に飛び込む行為がやや唐突に思える。初江は健康的で純朴、内気だが芯の強さを秘め、野の花を絵に描いたような海女見習いの少女。映画では、申し分のない演技を見せるが、遺憾ながら、少女の美しさの象徴であり、処女を証明する乳房の露出がないので、原作の意図が表現しきれていない。原作では、乳房は欠くべからざる美質として最重要扱いで、詳細に記述する。『それは決して男を知った乳房ではなく、まだやっと綻びかけたばかりで、それが一たん花をひらいたらどんなに美しかろうと思われる胸なのである。薔薇色の蕾をもちあげている小高い一双の丘のあいだには、よく日に灼けた、しかも肌の繊細さと清らかさと一脈の冷たさを失わない、早春の気を漂わせた谷間があった。四肢のととのった発育と歩を合わせて、乳房の育ちも決して遅れをとってはいなかった。が、まだいくばくの固みを帯びたそのふくらみは、今や覚めぎわの眠りにいて、ほんの羽毛の一触、ほんの微風の愛撫で、目をさましそうにも見えるのである』新治が灯台長の家に魚を届けるのは、中学の卒業が困難となった時に、灯台長が学校に陳情して卒業叶ったという恩義があるから。灯台長の娘千代子は、二人の噂を流したことを後悔して、東京から贖罪の手紙を送るが、その心境の変化の理由が明かされない。千代子は顔の劣等感を持っていたとき、新治に美しいと言われて好意を抱くようになったが、東京に戻って島の二人の噂を聞き、真に彼の幸福を願うようになったのである。映画としての出来は悪くないが、奥行きがない。欲望や醜さも描いてこそ、真の人間の美しさが見える。恋愛を魅せる青春映画としては合格だが、人間の真の姿を描く芸術映画としては物足りない。 
[DVD(邦画)] 6点(2014-11-02 14:25:34)(良:1票)
216.  2012(2009) 《ネタバレ》 
ディザスター映画としては最高の出来。都市や大地の破壊を描くCGパートは迫力満点で、見る価値あり。だが人間ドラマは厚みがない。 ■そもそも余計なものが多い。マヤの予言とか、マヤの集団自殺とか、ダイアナ妃のトンネルとか、子供の名前がノアとか。どんどんB級になってゆく。都市が破壊されているのに電話がつながりすぎ。 ■人類愛パートは大統領とエイドリアン。ぱっとしないですね。大統領は残っても何の役にも立たないし、津波が来る15分前に乗客を乗せる決断にも疑問あり。■民衆の反乱もしょぼい。軍人などに反乱させれば盛り上がったのに。そうすれば正義の味方が登場する余地があった。 ■家族愛パートは作家とロシア富豪家族。離婚家族が再結束するワンパターン。作家と富豪、ゴードン医師と富豪の妻が知り合いなど、ご都合主義が目立つ。飛行場で飛行機に乗れないときに、大型ジェット機が見つかって、使用人がたまたま運転できたりとかはその最たるもの。 ■クライマックスは作家が命をはって障害物を除去する場面ですが、これは自分の播いたタネなので感情移入できず。ドアが閉まらないとエンジンがかからないってどういうシステム?無理やり感が強い。 ■ノアの箱船を最初は宇宙船にみせかけていたが、実際には津波に耐える船でしかなく、落胆でした。あんなのなら空母や豪華客船を改造すればできますし、潜水艦を使えばもっと安心です。それに中国奥地の高山の洞窟で船を使って、どうやって出港するのか?津波を待つ?ばかばかしい。港で作って早めに出港させとけばいいんです。人や物資はあとで運べばいいでしょう。遊覧していて、いざとなったら水中に潜るというシステムでもいいでしょう。あんなものなら各国で沢山作れますよ。 ■乗車券を売って富豪からお金を集めてましたが、これはおかしい。47国の国際協力事業なのでお金は潤沢にあるはず。刷ればいんですから。それに募集なんかしてたら秘密がすぐバレます。秘密を知った博士を暗殺していることと矛盾します。一方で遺伝子で選ばれた人の様子が描かれていないのはどうしたことか? ■冒頭の雨の中、少年が船で遊んでいる場面、あれは映画の後半を示唆するものとして印象的でした。 ■ぶっとんだDJオヤジ最高!個性があり、映画に活力を与えている。 
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-26 11:32:01)(良:1票)
217.  悪い女(1998) 《ネタバレ》 
この監督の表現の中心的な動機は暴力と性愛で、主人公の大半は社会の底辺に位置する社会不適格者である。物語は極端な設定の元、人間の醜悪な部分を露呈させ、悲痛な出来事が展開し、どんでん返しがあり、社会不適格者が神の如き存在に変容するという幻想的結末となる。その感情浄化が最大の魅力だ。そして随所に絵画、彫刻、水、魚へのこだわりと偏愛が見られるのも顕著な特徴だ。人物を甚だしく歪んで描くエゴン・シーレの絵の手法を映画に応用したものと考えればいいだろう。主人公は民宿女郎のジナ。非道なヒモの男に羈絆され、売春を強要されているように見えるが、諦念に達し、自分の運命を受容している。冒頭場面、猥褻雑誌の上からころげ落ちた亀が危うく自動車に轢かれそうそうになるのをジナが救うが、これはジナが性愛に汚れた男性の魂を救済する女神のような存在であることの象徴だ。但し、真の主人公はジナの民宿の娘、ヘミだ。彼女の変容こそが映画の主題。ヘナはジナと対照的に描かれる。年令は23歳で同齢だが、大学生で、性に対して潔癖で、恋人にも体を許さない上、男性の買春も是認しない。女らしさの象徴の髪は短く、豊満な肉体を固いシャツとジーンズで防護する。ヘナはジナを蛇蝎の如く嫌っていた。ヘナの恋人、弟、父親がジナと肉体関係を持つという悶着があり、両者は徹底的に衝突したが、一方で相互理解も生まれた。性愛の認識の違いを共有し、共に犠牲者であることもわかった。やがて、喧嘩友達に似た一種の友情が芽生えた。ある日、ヘミはジナの跡をつけた。本屋に寄り、カラオケをし、軽食堂で食事をし、ヘアピンを買う。相手は自分と変わらないと感じ、次は真似をしてみた。本屋に寄り、カラオケをし、食事をし、ヘアピンを買いと、同じ行動をすることにより、親密感が湧いた。その様子をジナも観ていた。ジナの自殺未遂という事件を経て、二人は姉妹のように仲良くなった。そして、ヘミは自ら売春に身を投じるようになる。それは、ジナに対する贖罪の意味があり、自己を犠牲にして性愛で男性を慰安する行為に対する崇敬のような想いが生じたからだろう。聖書の売春の傍観的批判者から、グラナダのマリアへの変容である。が、あまりにも理想的すぎて感情移入できない。売春はもっと悲惨であろう。金魚は海で生きていけないのを監督は知っているのだろうか?知っているのなら、自由は短いという比喩となる。
[DVD(字幕)] 7点(2014-10-20 21:00:14)(良:1票)
218.  白い嵐 《ネタバレ》 
説明不足というか、描き方が不親切です。殆どの人が知識を持たない「帆船訓練の海洋学校」の基本的な紹介ができてない。何の目的で、どれくらいの期間で、正規の学校なのか、何かの資格が関係するのか、はっきりしないですね。高校の単位はとれず、大学へはいけないことは描かれています。主人公は17歳ですが、15歳もいれば、2度目の生徒もいる。一等航海士なのにプロではない。不良を矯正する学校でもなさそう。何月に訓練が始まって、何月に出発して、何月に嵐に遭ったのか、航海のデータもない。仮に8月に始まって5月が遭難だとすると9ケ月も航海していることになりますが。また実際には5人か6人が亡くなっているのに4人に変更されている。どうして?事実に基づいていると冒頭にあるのに。こんな調子だから生徒の区別がなかなかつかないグダグダ演出になっている。誰が死んだかよくわからないのは致命的でしょう。メインは訓練を通じで生徒達が友情と団結を育み海の男として成長していく物語。残念なのは「いい話」が少ない事。不良生徒に勉強を教えてやる、高所恐怖症の生徒がマストで友情の鐘を鳴らす、裁判で下船生徒が団結の鐘を鳴らす、裁判で生徒と船長がハグ泣きする、くらいかな。逆は多い。高所恐怖症で小便もらす、売春婦を買う、酒を飲む、煙草を吸う、女子学生とのH、船長と妻のH、性病、出港時間に遅れて置いてきぼり、キューバ船に砲撃される、イルカ殺して強制下船、喧嘩、照明器具を割って暴れる、干渉過多な父親との確執、厳しすぎる船長への憎しみ、嵐に遭難して死亡。 ◆生徒同士で絆を深め友情を育む横糸と船長や両親の大人達と信頼関係を築く縦糸がうまく絡み合って感動作になる。それがうまく機能していません。どちらも中途半端に終わります。 ◆事故の原因は簡単で、嵐に遭っているのに、帆を畳まないからです。「落雷の危険があった」では言い訳になりません。裁判で事故の責任問題や船長の資格はく奪がどうなったのか、結審を敢えて描かない意図は何?裁判に生き残った大人が出頭しないのは何故?◆海の美しさは十分堪能でき、クライマックスの海難シーンは迫力満点です。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-21 16:48:47)(良:1票)
219.  大魔神 《ネタバレ》 
特撮映画の傑作。怖がらせることにかけては随一の作品。前半の魔人封じの祭は迫力があった。老巫女の演技も良い。中だるみがあるが、後半25分は圧巻で怒濤の展開。大魔神は雷や雲を操り、火玉となり飛ぶことができ、火を一瞬にして消す念力も持つ。まさに神である。応戦する側も、鉄砲、くさり、投石、火攻めと工夫があり、退屈しない。特撮がよく出来ていて、構図がビシビシ決まる。音楽も素晴らしい、ほとんど神の領域。ただいくつか気になるところがあった。①謀反のとき若君と姫が一緒に寝ていたが、あれはありえない。武士なら子供でも男女が一緒に寝ることはない。②若君と小源太の活躍が少ないのが欠点。10年経っても花房の残党達と連絡もとってないとはどういうことか?城に向かった小源太はすぐに捕まり。それを助ける若君も工夫なく罠にはまる。このような二人で城を取り戻し、お家再興がなるわけがない。花房の残党も無能揃いだ。③悪ボス左馬之助の悪逆非道ぶりがゆるい。低予算のためか、彼の京都に登ろうという武将としての活躍ぶりは省略。結局殺すのは小源太を逃がした男と、巫女の二人だけ。農民を使役する場面はそこそこ描かれている。④巫女の話を聞くために城の中にまで上げているが、これはありえない。⑤竹坊の母が死ぬが、その場面がない。冒頭シーンで顔を出しているのに。これを出すことで話に厚みがでるのだが。⑥磔の二人の綱がゆるゆる。⑦大魔神は阿羅羯磨である。過去に暴れだして悪さをしたようだ。それを封じる守り神が、武人像。だから神(武人像)と大魔神は本来別のもの。しかし両者一体となっているのはどういうことか?⑧大魔神は光玉となって飛んできた。だが去るときは光が飛んでいって、武人像が残った。ここにも矛盾がある。光玉は神なのか、大魔神なのか?⑨神が怒ったのは、眉間に鏨(たがね)を打ちこまれたから。参加した者は全員雷や地割れで死んだ。大魔神が動いたのは、乙女の祈りと涙と捨て身の心による。大魔神が去ったのも同じ。乙女の願いは、兄と小源太を助けてくれということで、悪ボスを成敗してくれとは言っていない。大魔神は、自らの復讐ために城に向かったのだろうか。兄と小源太を助けたのは結果論?
[DVD(邦画)] 8点(2010-05-31 17:51:32)(良:1票)
220.  忍 SHINOBI 《ネタバレ》 
最後、仲間が水をすくって飲むシーン。 水は流れてなかったのに、次の立ち上がるシーンでは激流になっている! これは変だ! それにしても、オダギリのまぬけづらみてると萎えるなー。 悲劇の時代劇向きの顔じゃないでしょ。 この二人、最後海岸でどうやって落ちあったんだろう? どうやって連絡をとりあったのか。 決闘する理由もないのにね。 ふつうあの状況ならまず話し合うでしょ。 それに椎名が徳川の魂胆を見抜いていたのなら、なぜ無策だったのか? みんなに知らせてあげればいいのに。 少なくとも頭領には知らせろよな。 頭領といえば、甲賀と伊賀の頭領どうしの闘いをなぜ省略したのか? 絶好の見せ場のはずだが。 あのばあさんどんな術をつかったのか、気になるね。 戦闘シーンでよいところもあったので残念。
[DVD(邦画)] 4点(2008-02-03 10:43:10)(良:1票)

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