141. 冬の小鳥
《ネタバレ》 ホント韓国映画は容赦がない。厳しい現実にひと時の夢を決して描かない。だからこういうラストなのだ。子役の新鮮な表情が素敵だった。この子の表情にくぎ付けの90分だった。 [DVD(字幕)] 7点(2012-02-05 01:51:59)(良:1票) |
142. 瞳の奥の秘密
《ネタバレ》 そうだよね~、そんなに最愛の女性を殺されて、簡単に前向きに生きるなんてできるわけがないよね。考えてみれば、犯罪者は、自分の犯した罪で、日々自己憐憫になって、「自分」を傷つけ、孤独になって、踏みにじまれて、ボロボロになってこの世での生を終える、それくらいの刑じゃないと釣り合わないよね。年取って、やっと分かる真実ってある。そういうスパンで見つめた映画って案外少ないんだよね。要は納得のいく人生を送ることが大事ってことですね。それを取り戻すのに年齢とか関係ないんですよね。いい映画でした。これは最後まで緊張感があって、サスペンスとしても一流! [DVD(字幕)] 8点(2011-03-23 01:17:20)(良:1票) |
143. ハムレット(1990)
《ネタバレ》 ゼッフィレリのシェイクスピア劇はよく出来てるなぁ。唸ってしまうラスト。この人の「ロミオとジュリエット」も好きだが、本作もよく出来てる。オフィーリアが可哀そすぎる。この映画の後、ミレーの絵画「オフィーリア」をじっくり見てみたくなった。地方では図書館で味わうのが精一杯だが・・(泣)。それにしてもオフィーリアの父上のイアンホルムも、悲劇の渦中にあって、訳知り顔でウロウロするものは殺されてしまうのだろうか。そして、あまりにもやるせないのが、オフィーリアの兄上。妹も父上も亡くし、その復讐も利用されてしまう。本当に憎らしいなぁ、アイツ。ラスト、グレンクローズが自分の体調がおかしくなり、盃に目をやり、その瞬間に全てを理解した、あの表情はさすがオスカー女優である。シェイクスピア劇の映画化は、その重厚さからムードも大事だが、やはり言葉一つ一つに味があるので、映像美で追及するより、ゼッフィレリのように演劇色豊かな演出の方が向いている気がする。映画ファンとしては、ゼッフィレリを堪能したら、次はケネスブラナーのシェイクスピア解釈にも身を任せてみたい。 [ビデオ(字幕)] 8点(2017-03-12 22:39:05)(良:1票) |
144. さすらいの航海
《ネタバレ》 世界史を知らないので、映画が創られたのがニューシネマの頃もあり、ラストは気の毒なんだろうなと思って、ずっと観ていた。なので、船長の座礁をしようという決断、そしてラストの各国が入港を認める声明をしたという結末に、思わず涙ぐんで、この世も捨てたもんじゃないな、と思った。何よりこの映画は、政治の前に、個人は無力だと思い知らされる展開。不当であっても政治判断なら、従わざるを得ないお役人は、頼りにならないな~と思わずにいられなかった。この映画で、変化球を投げて、まず二人の娘を上陸させたのは、娼婦だったというのは、自分の足で立ってる人が一番強いということだろうか。(まぁ映画ですけどね・・笑)・・にしてもセントルイス号!・・歴史は信じられないことがあるものだね。何よりナチの厭らしさが露骨だった。やはり、先の大戦は、正義の戦いだったのかもしれない。すると日本は、悪の方だったのか・・と、皆の寝静まった深夜にしみじみと思い至った一本だ。何より3時間もの長編をだれることなく最後までひきつけたのは、脚本、はたまた原作の力だろう。力作。名作である。 [ビデオ(字幕)] 9点(2015-04-21 02:00:27)(良:1票) |
145. ホリデイ
《ネタバレ》 ラブストーリーははまるね。良かった。ケイトが、今まで夢中になっていた男に、むかついたシーンは良かった。自分を都合のいい女としてしか見てない男にゃ鉄槌! [DVD(字幕)] 7点(2008-08-05 02:13:03)(良:1票) |
146. 流浪の月
《ネタバレ》 終わってみれば、大きな愛の物語。 純愛ものです、これは! なにかに書いてあったのですが、 「少女は子どもの顔した大人」 なるほど、至極名言! [DVD(邦画)] 8点(2023-01-04 18:40:32)(良:1票) |
147. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 過去の自分と訣別するなら、自己否定して、ボロボロにならなきゃ、「自分」は手に入らないと思うんですよね。しかも、彼は過去のしがらみを断ち切るのに、封印していたはずの「暴力」で解決してしまった。これから彼は孤独と闘わなきゃならない。家族はボロボロになっていく、父親や旦那を見守っていかなきゃならない。ここからの話の方が、奥深い映画になったと思う。このままだとグロいシーンを撮りたかっただけの映画になりそう。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-24 20:02:36)(良:1票) |
148. 最高の人生の見つけ方(2007)
《ネタバレ》 ホテルのバーで女性に誘われたモーガンフリーマンがやんわり断る場面が良かった。人生最後で奥さんに見放されたら、ちょっと哀しいでしょう。こういう展開の映画って中々ないよね。ジャックニコルソンと一緒にたくさんの裸の女性と笑いながら豪遊でもした日にゃ、映画がムチャクチャになってしまう。断り方も「奥さん幸せね」「いや、私の方が幸せでした」というやりとり。いいよねえ。それにしてもジャックニコルソンの怪演ぶり。ある雑誌でニコルソンが「一人の女性をずっと愛する生き方もしてみたかった」とインタビューで答えていたけど、この役柄、結構、彼の「素」に近かったのかも。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-26 22:58:48)(良:1票) |
149. 三悪人
映画が好きで、昔の作品を観るようになって思うのは、もうサイレントの時代からして、こんな魅力的な悪人たちを描けるほど、文化として完成されてること。白黒の時代に映画の可能性は追求されまくって、もう枯れてるのでは、と思ってしまう。こんな作品を踏まえたうえで、映画を壊していくのは、文化としていいのかもしれないけど、壊された作品を感受性豊かな頃にまず観てしまうと、感性がどんどん暴走してしまうような気がする。批評家受けは悪いかもしれないが、地味だけど、心の栄養になるような作品を、どんどん業界の人は創って欲しい。この映画、皆がスタートしてからの場面はCGなどでは感じられない迫力が胸に来る。最後まで粋な作品だった。ちょっと、「男はつらいよ」が入ってた。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-12-06 21:39:56)(良:1票) |
150. 水の中のナイフ
《ネタバレ》 センス抜群!映画を観た~って感じです。男は女を愛するというより、女をめぐって、どっちの男が上かを競う生き物だって文章読んだことがありますが、まさしくこれがそう。でもこの映画の女性もそれを分かってて、どっちの男に操をたてるなどということはせず、淡々と生きてます。最後、金持ちの男が生きて港に先に帰っていても動じることなく、むしろ彼が警察に行くかどうかをクールに見てます。大人の女ですね。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-08-15 20:25:15)(良:1票) |
151. ニシノユキヒコの恋と冒険
《ネタバレ》 好きな感じの映画。井口監督の「犬猫」は、大のお気に入りなのだが、そのテイストをここで如何なく発揮。「セックス」は人物を遠回しに撮っているような感じで、感情移入しづらかった。残念に思ってたが、井口節健在という感じで嬉しかった。女の子の恋する「男」は決して無気になって怒ったり、うろたえたりしない、まるで天使のような理想の存在。でも女性は気づく。それでは子どもを産めないし、育てられない。かくして女性には「男」を父にすべく、戦う覚悟の瞬間が来る。それが愛なのだ。この主人公の女子中学生は恋する「男」と一緒になれない悲しさに涙する。若くて切ない気持ちを大事にこの映画は、そっとすくう。まさしく女性映画の決定版!井口監督は、どんどんこのテイストで映画を創り続けてほしい!! [DVD(邦画)] 8点(2015-02-26 09:26:06)(良:1票) |
152. ミナリ
《ネタバレ》 ラスト、「全てのおばあちゃんに捧ぐ」の文字が出る。 おばあちゃんを扱った映画は、とにかくやさしい。 韓国には「おばあちゃんの家」という名作があるが、 これも超ワガママな男の子と何も喋らないおばあちゃんのやりとりで、 優しさに充ちていた映画だった。 このミナリのおばあちゃんは、韓国ドラマに出てくるおばあちゃんみたいに とにかくよくしゃべる。 そして中盤、孫のデビッドのやりとりで、涙が出るようなやさしいやりとりがある。 が、そのすぐ後に、おばあちゃんは体調を崩す。 ここらへんが人生なのだろうか・・ そしておばあちゃんのミスで大事件が起きる。 そこで孫2人が呆然としてるおばあちゃんのフォローをするのだ。 在米韓国人の厳しさのなか、このおばあちゃんと孫のやりとりに 観てる僕は、もう泣けました(笑)、 [DVD(字幕)] 8点(2022-09-04 11:03:14)(良:1票) |
153. めまい(1958)
《ネタバレ》 ヒッチコックの凄さは、映画という新しい可能性に満ちた娯楽が出てきた時、それまでの娯楽の要素を一気に映画に取り込んだために、彼の存在は歴史的に一気に偉大になったとこだ。それからも色んな監督が色んな要素を映画に取り入れているが、今回のこの作品を観た時に思ったのは、手品の演出だ。スターウォーズ以降、遊園地的な要素が過度に競争的に取り入れられてるが、案外取り残されてるのが、このジャンルではないだろうか?自分にとって、ヒッチコックを観た時に新鮮に感じるのは、もう極端に進化してしまったアクション、ロマンス、サスペンス的なとこではなく、この「知ればなんだぁ」の手品のネタ的面白さである。だから割と似てるなと思うのは、スピルバーグである。彼のはアメリカの安い遊園地にある見世物小屋的な演出が好きだ。ヒッチコックの後継者は、デパルマのように言われているが、それはヒッチコックがよそから持ってきたものを、発展させたにすぎない。ヒッチコックの後継者とは、よその娯楽を映画に取り入れようと、そればっかり考えてる人でもある。映画に魅せられたオタクである。そうするとスピルバーグもそうであろう。ジャンルはとぶが、手塚治虫もそういう傾向を持ち合わせてる。ただ彼は紙とペンを持ってしまった。(まぁそれを言い出すともうキリないですけどね・・笑)しかしヒッチコックの持ち込んだものは、それ以外にも実に多岐である。この「めまい」では、推理小説的どんでん返しも入ってる。その後、このジャンルも発展していくが、純粋にこの「めまい」をそっくりに仕立てて、ヒッチコックへの敬意を示したのが「愛という名の疑惑」という作品である。 [ビデオ(字幕)] 7点(2015-06-07 01:46:08)(良:1票) |
154. ペパーミント・キャンディー
《ネタバレ》 イチャンドンの比類なき作品群に圧倒される前に、何の予備知識もなく、観た記憶がある。その時は、印象に残るシーンを撮るのが上手いなぁ、話が徐々に前に戻っていく構成は面白いなぁと、やはり他の映画作品とは違う印象を抱いていた。何よりアジアの作品が注目され、大量に日本で公開された頃なので、これがアジアンテイストなのかなぁと思っていた。今回、彼の凄さを認識した上で、もう一回観た。昔に帰りたいと叫んで自殺をする青年。一体彼に何があったのか?話は、兵役の頃の女子高生誤射事件まで、その時々の女性とのエピソードを軸に、丁寧に少しづつ昔に戻っていく。イチャンドンは若くして、もう老成している感がある。これほどの完成された作品を、もう初期に発表してしまうと、作家は次に何を創ればいいのか、途方にくれるはずだ。しかし、イチャンドンはそれに耐えて、次から次へと観たことない作品を発表する。彼の凄さは、若くして、完成された作品を創ってしまったことにあったのではないか?この作品を観て、そう思い至った。 [DVD(字幕)] 8点(2015-04-26 19:15:40)(良:1票) |
155. ワンドゥギ
《ネタバレ》 型破りな先生は、実は愛いっぱいのしたたかなおじさんだった。教会の伝道師だったというのは面白いね。下手にキックボクシングの試合場面を持ってこなかったのが良かった。韓国映画は次の展開が、日本のようにお約束事ではないのが、観てて楽しいね。 [DVD(字幕)] 6点(2016-06-18 23:15:53)(良:1票) |
156. マイレージ、マイライフ
《ネタバレ》 自分も出張の多い部署で働いていたから分かる。出張が多い仕事は、土日は寂しい。何かものすごく寂しくなり、土日を出張先で過ごしたり、平日の残業を進んでやるようになります。その部署は独身の人が多かったなぁ。この映画の場合、仕事が(にっくき)首切り屋なので、ラストの空しさがさらりと描かれてて、お気の毒にって感じで、何か目新しい生き方みたいなのは感じられなかった。でも最後、この主人公は「再出発コンサルタント」みたいなもので仕事を始めたのでしょうか?その辺が丁寧に描かれてたらなぁ。結局、面倒くささを避けた人生って、その見返りに寂しい人生が待っているのだと思います。でもあの「大人の女」って何?ああいう女性って一番嫌!ああいうのこそ、宙ぶらりんで寂しい老後が待って然るべきだと思います。まぁでもよくある話ですよね。これからはネット新人の時代になるだろうけど、時代遅れの人間にも光をあてる、そんな映画が自分は好きだ。クルーニーがもがいて悩んで、何とかネット時代の現代に居場所をつくる、そしていつか良いこともある、そんなラストにしてほしかった。 [DVD(字幕)] 6点(2011-05-10 23:14:31)(良:1票) |
157. スリーデイズ
《ネタバレ》 あれあれ。こんな面白い映画もつくれるんだ。ポールハギスって。社会派だけではないんだね。悩めるヒーローが愛のもとに二転三転する状況で、機転を利かしてすりぬける、こんな娯楽作品はやっぱり面白いね。久々にスカッとした。最後、冤罪がひっくり返るなんて話で終わらないところがハギス節か・・。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-04 05:53:45)(良:1票) |
158. ダラス・バイヤーズクラブ
《ネタバレ》 元よりテキサスのカーボーイ。骨があるはずだよなぁ。 女好きのヤバイ遊びからHIVに感染した男が、 病院の使う薬の方が死を近づけ、国の認めてない薬が延命に効くことを発見。 HIV患者たちへの会員制クラブをつくる。 そしてやはりやはりの国側との対決。 裁判は訴えを棄却されてしまうが、仲間から賞賛を受け、大好きなロデオにも出場。 レビュワーさんも書いているが、まさしく主人公がHIVになってから人間的成長をしていく内容である。 人間、どんな生き方が大事か、考えさせる1本になってる。 HIVへの偏見を突き返す、アメリカらしい骨のある映画だった。 どこかポールニューマンの「評決」を思い出させた。 社会派シドニールメットが生きてたら、この映画の監督をしていたかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2018-09-24 14:14:43)(良:1票) |
159. M:i:III
《ネタバレ》 この映画、観るのは2度目ですが、冒頭のシーンがどうなるか、まったく忘れてました。通訳の女性が可哀そすぎます!こういう犠牲がありながら、二人が無事、くっつくというラストにはちょっと疑問を感じますねぇ。でも、それ以外はアクション映画として良く出来てるんじゃないでしょうか?スパイ映画としてはイーサンの個人的感情で動く場面が多いので、イマイチですが。この作品は敵が悪どすぎる(フィリップシーモア怪演!)ので、ヒーロー映画って感じでした。自分は1作目のほうが味があって良かったと思います。でもチームワークは今回の方が良かったですね。4作目出来るなら、また魅力的な仲間と活躍する「スパイ大作戦」の原点に戻って創って欲しいです。そういえばマギーちゃん、どこかで見た事あるなと思ってたら、「ダイハード4」の姉ちゃんでした。あんなドレスでバチカンのイベントに出て良いのでしょうか?車を爆破する時、勿体ないと言ったり、イーサンの無事を祈ったりしたり、ちょっとした場面しか出番がなかったですけど、存在感はありました。クールそうに見えて、キュートでした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-26 01:31:08)(良:1票) |
160. セレステ∞ジェシー
《ネタバレ》 ちょっと辛口なラブストーリー。 夫婦で友だちみたいなら最高だよねって感じで話が始まるが、中盤一気に このカップルに大波がくる。 結局、どうなるかって興味があったが、別れて終わり。 もうちょっと新しい展開が見たかった。 男の方に非があるか、友達のような彼を夫と認めない意地悪をしてた女性に非があるか、って微妙な 問題ではあるが、別の女性と家庭を持つ男もこれから色々あるだろうな~って感じで、 一人になった女性もかろうじてさわやかになって、話はジ・エンド。 む~、なんとも言えぬ後味のお酒みたいな感じです、ハイ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-04-20 03:21:12)(良:1票) |