1. アメリカン・スナイパー
秀作。クリスカイルという人物を面白く描いていた。史実がとかどうのこうのな意見もあるが、原作本の記述のぼかされ具合からいって映画なんだし史実って一体何???創意工夫の余地が大きいのは当たり前ではないか??? あと、非正規戦だし。もはや戦争ですらない。殺人が大好きな団体の抑制と排除という仕事をよく描いていた。テロリストに同情する人ってまだいるみたいだけど、彼らが一方的に悪いんだけどな。変な同情する人変なの。子供に爆発物もたせれば米兵の奴らPTSDになるぞ、って腹抱えて笑ってる人たちなんだけどな。 合衆国軍がイラクでなにをしなければいけなくて、何をしてきたか理解してる人あんまり居ないのだろうなと思った。 先進国が抑制して制御しなければ、中東の倫理観や社会性で国家運営どころか、行政の運営一つ出来ないことを知った方が良い人がネットに多い。ほんとに多い。 宗教観の違いなんてものは私人間のエチケットであって、公的な場では同情を得られる事はあっても、それで利益が得られる事や要求が通ることなんか無いこと知らない人多すぎて失笑だ。 また、中東の石油産業程度の経済を動機に先進国がこれほど親切に治安維持に出動することなんか無い。単に、ほんとに倫理観が欠落した人間を抑え込むために派兵してるんだって事理解するべき。この映画を楽しむ土台がない人がネットに溢れてる。震災後のネットってほんとにまともじゃないんだけどなんで? この手の映画見ても意味分かんないんじゃないのかな。 宗教問題だから、とか、私人間の争いじゃないんだからそんな事は理由にならない。西洋が死人を出しまくって作り上げたルールの世界を逆恨みしてテロリズムで遊んで暮らそうとする人に立ち向かう、そういう世界観なんだけど理解してんだろうか? 宗教やら社会主義やら中華思想やら。今更もはや家庭内の問題。経済とかビジネスに持ち込むな。それが出来ないから揉めている。 騙されて信じてる人も、信じている間は本物のテロリストだ。それを殺してしまうかどうかでダラダラ先送りしているのが現在。 いつまでもアメリカが悪いとか、宗教がとか。フィクションをフィクションとしてとらえられないネットのとらえ方に心から失笑。 あと、こう言う文藝調の映画で、1から10まで説明してもらえる訳無いじゃん。説明不足とか言うひともネットに多くて失笑。 そんくらいスマホで調べろよ。ほんと自分の頭で考えてんのかって映画と関係無いところでこの映画でイライラする。 [映画館(字幕)] 9点(2015-03-29 05:06:40) |
2. アイス・カチャンは恋の味
《ネタバレ》 意外と良い話じゃないか。テーマと主演が秀逸。 ほんの少しだけ届いたと感じさせるんだけど実は届いていなくて。そう言うのしみるぜ的な。 でも本当はそういうことじゃないんだよね的な、しみやがり加減がなかなかいいじゃないか。 マレーシア映画と言う事で観はじめたのだけど、いつまでたっても東南アジアなテイストが出てこないので焦った。何語を喋ってるのか皆目検討がつかず。最後にさいちぇんって聴こえたから中国語なのか、華僑が多いらしいので無理に納得。あとどこで止めても絵になるぜ的に絵が綺麗。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-05-31 21:12:44) |
3. アルゴ
《ネタバレ》 画面の中で暴れるイランの民衆。彼らは普段は店主で有り店員で有り、彼らの世界の一住人である。しかし、アメリカへの元国王亡命が彼らの暴力的な心に火をつけた。大使館の門は破られ兵員を含む人質が一年半拘束されるテロリズムへと発展していくのだ。 20世紀までは西側での論調はこうだった。 「アメリカの搾取が民衆を苦しめていた。アメリカが悪い」 しかし、テロリストにも事情があって可哀想だから、アメリカが悪い。あくまでも悪い。という理屈もネットの普及で実態がバレてきた。 「アメリカやイギリスのビジネスは、当事国関係者に害を与えているだろうか。何故人命や人生を踏みにじるのか。オフィスの仲間でも無いのに何故被害者ぶってるんだ」と。 中東での石油ビジネスによる富の分配は、国内政府が行うべきで中東で良くある事だが、怠った。産業が無いため、アメリカを憎む事を余った時間で繰り返した。 石油ビジネスの搾取的外観は存在するが、この暴動に加わった民衆のうち、西側先進国のビジネスに関与していた人材がどれだけ居たかという事を考える。テロリスト達には全くの無関係で、国策の利益配分をしなかったのは当事国の選択である。鬱屈をアメリカ国民の責任にして、神の名の下に捕まえたその辺の人を処刑する。こんな人間は間違いなく労働力市場で無価値である。映画でこれが主張される事はまだ無い。 庶民が革命軍と言う名のテロリストにそそのかされてテロリズムを楽しんでいる。実態としてはこの様なもので有りそれ以上では無い。国の運営に参加しているような陶酔感が原動力だ。 石油ビジネスを必要以上に搾取に結びつけてテロリズムの言い訳にしているのだ。この理屈だとガスが安価でなかったら我々はアメリカ大使館を焼き討ちしなければならないのだろうか?シェールガス関連の産業に就いていない我々にそれは関係のある事だろうか?どうでも良い事で有る。 彼らは彼ら自身の人生を享受すべきで、政治的な要求なら米政府にでもはがきを送れば良かったのだ。読まれなければその程度である。 国王が贅沢してるから昼休みに近所のアメリカ人を殺しても良かったが、一年半監禁してリンチしただけで殺しては居ない、我々は可哀想だ。どうしてこうなった。 だが、こうやってアルゴのような冒険的な救出劇が産まれ、やっぱりおかしいよねーと再認識されたりもする。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2013-04-30 03:26:21)(良:1票) |
4. アリス・イン・ワンダーランド
《ネタバレ》 普通の映画もバートンに撮らせると、ちょっとバートンな良い出来になるのだなと妙に納得。すんごくバートンな映画は困るという向きには丁度良いあんばいなのでは無いだろうか。 かといって、すんごく良い映画というわけでは無いんだよな。すんごく良い映画をバートンに撮らせると、ちょっとバートンな凄く良い映画になるのだろうけど、この辺の塩梅はもの凄く難しいのだろうと思う。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2013-01-05 04:12:04) |
5. アモーレス・ペロス
《ネタバレ》 メキシコらしいすさんで危険で、もう後戻りできない感覚がたまらない。もう戻れない道筋を選んでしまった主人公の生き様を理解しようとしても、その主人公の生き方が実は常人では無いと言うことに気づくともう後戻りは出来ないのだと無理矢理に納得するしかない。 こうすれば良かったのにだとか、こんな事をしてはいけないだとかの言い訳が一切通用しない。彼らは本物のその筋の人間だから。この国の現状を検索すると恐ろしさで足元がぐらぐらになるような錯覚を覚えるほどだけど、そういう今いるこの国から見える現実とはまた違う恐怖感が垣間見える。 本当のメキシコという物は、渡航に際して政府が厳重に注意を呼びかけるほどの有様にあるんだろうけど、この映画の主張する危なさも相当な物だ。ありきたりな日常を享受できるありがたさに本の少し気がついた。 [DVD(吹替)] 8点(2012-11-08 04:38:23) |
6. アドレナリン:ハイ・ボルテージ
足元で跳ねる水音が気に障る。ウレタンの靴底が規則正しく叩き付ける足先は、速いリズムで雨を背中に跳ね上げて僕を汚していく。頬から伝うしずくは次々と落ちていくけれど、いくら流れても、いくら拭っても、尽きなかった。 霧雨が夕方になって降り始めて、彼女の迎えに傘は必要だろうかと考えたけれど、他愛のない話をしながら雨宿りすれば良いと、持って行くのを止めた。 その後、駅で待ち続ける僕の前に彼女は来なかった。大げさに短く切りそろえた前髪の彼女は連絡もよこさずに僕を待ちぼうけさせた。30分だけまってから、いつもの喫茶店に入って紙コップに入った甘いコーヒーを飲み、ぼんやり過ごした。小一時間経ったあたりで何の連絡も無く待ち合わせをすっぽかした彼女にどう言ったクレームを刺そうかと考え始めたけど、実はそんなに怒っていない自分に気づいてからは同情を惹くセリフしか浮かんでこなかった。 いくら待ってももう来ないだろうなと、諦めが付いた頃携帯電話が鳴った。液晶に書かれた名前に違和感を感じた。何か嫌な予感が心を撫でたがそれをしっかりと認識する前に通話ボタンを指でなぞった。 「妹が急に顔色悪くして、病院に今運んできたの。病院はあなたたちの学校の近くの総合病院だけど、すぐに」 と言いかけた段階で意識が急に狭まった。霧雨から強い雨に変わった商店街を走り抜けて学校の実験棟を目印に病院に走った。雨に濡れた携帯電話はもう通話が途切れて、詳しい話を聞いておかなかった過ちを駅に置き去りにしていた。 紛争地域から逃げてきたかのような僕の姿を見た病院の職員は、どうしたんですかなどと忙しなくきいてくるけど、僕の彼女の名前を告げるとすぐに黙ってしまった。涙が止まらない。若くは無い看護師さんが僕にタオルを渡してくれて、待合所の様なベンチの群れの中の一人に手の平を向けると彼女だよね、と聞いてきた。その女の子は僕に気づくと走り寄ってきて事情が飲み込めていない僕にこう言った。 「いやー、盲腸でさぁ死ぬかと思ったけど薬で散らせたんだよ。残念だけどパイパンじゃないからねー」 ずぶ濡れの僕の顔についているのが水だけではないことに気づくと更にこう言うのだった。 「君、いったい誰からどういう連絡を受けたらそうなるんだ。急な話は最後まで聞くように」 と、言う位絶望的におっちょこちょいな映画だった。嫌いでは無い。 [DVD(吹替)] 7点(2012-11-02 03:59:30) |
7. アルティメット
《ネタバレ》 アクションで魅せる。これにつきる。 時間も小一時間っていうところ。この辺は巧い。 でも、終始漂うテンプレート感には正直戸惑った。ああ、すんごいベッソンな映画だと。 レンタルでサクッと楽しむには非常に良く出来てると思う。侮れない。 [DVD(吹替)] 5点(2012-10-29 03:55:04) |
8. アイアンマン2
《ネタバレ》 壮大な番宣を見せられた気がする。 [DVD(吹替)] 6点(2012-10-26 03:34:34)(良:1票) |
9. 旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ
《ネタバレ》 物すんごく可も無く不可も無く。演出とか画調は好きだけど、ストーリー仕立てにした部分が解決しているように感じられず、結果としてあまり感情移入を出来なかった。 なんだか勿体ない映画だ。 [地上波(邦画)] 5点(2012-10-22 05:58:49) |
10. アルマゲドン(1998)
《ネタバレ》 この映画は結構好きなのだ。なんかやってやるぜという感じになる。だが、おいらのおっかちゃんは時々ちらちらテレビに映ってるブルースを眺めては、ほほえんでいた。あげく、言ってはいけない一言を言ってしまった。 「この人今度はずっと掘ってるけどよおく飽きないわあ、頑張ってね」 などと、捨て台詞を吐いて家事に戻っていくのであった。だからぁあ、そう言うことは言っちゃ駄目、あんたの息子凄く感動してんだからさ。アーア。 [地上波(吹替)] 7点(2012-09-17 09:29:10) |
11. アザーズ
《ネタバレ》 部分的な記号性を散りばめた狭い空間は、僕が今、いったいどこにいるのかという判断をする力そのものを奪ってしまうのだった。 「あなたが生きていくこの先の全部、この空間にこもっているのと同じなのよ。どこに行ったって、どんなに自分の内面を飾っても。あなたの本質が、この家と同義なんだから。」 そんなことをためらわずに吐き出す。姉なのか、母なのか。それともそのどちらでもない、誰でもないただ漠然とした単なる女性という認識をさせるためだけの性別を持った誰か。その人を、彼女を、睨み付ける僕の瞳は涙に溢れていたけど、僕の中身が持つ力はこの視線のように嘘で作られた強さすら持っていないからだんだんと、今の気持ちと同じような模様がいくつも並んでいる彼女の足元に、向かってそれていった。 いつもこの家の中で僕を縛り付ける本当の偽物は、彼女の中にあるがらんどうの愛情だった。 自分自身が作り出した出来損ないの空間に閉じ込められて、今もじっと閉じこもりつづける友人は、こうやって袋小路に迷い込んでしまったのだという。でも、彼だけの意志でも、彼と生きる彼の家族の意志も、一意に彼の存在をうつろにしてしまった訳じゃない。部分的に散在する様々な原因が、丁寧に紡がれていくべき途中で放り出されてしまったからそうなったのだった。 この映画を見たとき、丁寧に紡がれていくグレースの生活と、不穏に過ぎて傍観するに過ぎない私自身が身構えてしまうような屋敷のたたずまいが、完璧に不気味な調和を見せたことで永遠に意志が作り出す循環にはまり込んだ友人を思い出させた。 二人の本質も、立っている場所も全く違うのに。でも、彼女の住む屋敷も彼の肉体も永遠じゃない。本当はいつか気づかなきゃいけないのに、傍観する私にはどうすることも出来ない。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-11 17:25:21)(良:1票) |
12. アウトレイジ(2010)
《ネタバレ》 痛い。痛いんだって。 もう血の気が引くって。歯医者のところとかラーメン屋なんか見てらんない。 有名実力俳優達がヤクザ。これが救いだった。この記号性がフィクションですよーって現実を確認させてくれるのが助かる。 で、結局ヤクザ映画の全員結局悪人なんだよね的な当たり前をこうやって表現されると、良いもの見させていただきました的な妙な満足感。 ぼったくりバーとか、居酒屋とか、道すがらボコボコとか。色々ほんと怖い。 [DVD(邦画)] 7点(2012-05-01 03:24:53) |
13. アジョシ
《ネタバレ》 韓国映画はバイオレンス要素がハンパではないので余り好みでは無いのだが、これはいけた。 ストーリーはオーソドックスでは有るが、キャラの造形がしっかりしており2時間しっかりぶれないので集中が途切れない。凄く上手に作られている。今まで敬遠していたため数本しか見たことが無かったのだが、これが普通であるなら日本映画よりも地力は勝るのでは無いだろうか。 日本映画は今となっては誰も求めていないんじゃ無いかと思えるような、昭和から続く独特の様式に落とし込むことが技術とされているような雰囲気があり、それが決定的に映画をつまらないものにする。この様式を外すなりやめるなりした映画が面白い場合が多い。しかし、このアジョシははじめからこのような様式が存在しないため、はじめから映画している。 日本映画は日本映画だが、アジョシは映画。この差はとてつもなく大きい。 韓流コーナーっていうのがあるくらいだから、もしかしたら韓国映画にも独特のルールがあって、これもそれに則っているのかもしれないが、日本映画のフォーマットほど歪んでは居ないのでは無いかと推察してみたりしたが、そこまで行くと邪推かもしれない。 この映画はアクション重視。このレベルのアクションは昔の香港映画やハリウッドでないと拝めない。ダンスみたいな予定調和なアクションに飽きたならこれは非常にお勧め。全盛期のセガールのような獰猛な体裁きは一見の価値あり。最終戦のリアルさは近年に無い秀逸なものだった。 腹を撃たれてこの元気さとか笑ってしまうところもあるし、ちょと残酷すぎないかとか、拳銃のリアリティがとかいろいろな部分で調整の後が見られるが、軍隊がある国の映画でその観客がそこに気づかない訳が無いことを考えると、意図的なものだろう。近接格闘がメインでそれ以外は余り考えないと言うことか。 [DVD(吹替)] 7点(2012-04-20 16:20:20) |
14. アイランド(2005)
《ネタバレ》 結構良く出来てる。 画も綺麗だし、話もそつがない。 ただ、80年代の懐かしい管理社会ものを今やるには設定が雑過ぎるような気がする。設定を気にしなければ結構楽しめるが、それほど先の未来ではないはずなのに、飛ぶ乗り物が出てきたりネットがあるんだかないんだか解りづらかったり。 それから様々なSF的なデバイスが、雑。これがまずかった。オーパーツ過ぎる。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2012-04-14 23:33:51) |
15. アヒルと鴨のコインロッカー
《ネタバレ》 面白かった。すごく良く出来てた。 小説の映画化ってたいていうまくいかないものだが、こんなにうまくいっている物を久しぶりに観た。ストーリーラインだけを借りて、雰囲気は全然独自の物に収まっている物が映画として完成度の高い物になることが多いように思うが、これって作者の雰囲気が結構ある。それでいてコスプレや物まねのような単なる動画化ではなく巧い。かなり試行錯誤と作り込みに力を割いたに違いない。 で、本作は小説の方を読んでない物を選んで観たのにそう感じた。この映画を作った人たちってすごいと思う。省きどころをきちんと選んで、きちんとストーリーを活かす技術があるんだよな、この国の映画は。誇らしい。 ベースは本当に切ないやりきれない話なのに、それだけの物に感じさせない。作者のテイストが心地よかった。この後の人生がどうなるのか。河崎と椎名二人の行き先に交差の予感がない、寂しさがいつまでも残る。 [DVD(邦画)] 8点(2012-04-10 15:03:43) |
16. 愛人/ラマン
《ネタバレ》 学校の教科書に載るような文学作品で、純文的な味わいが映像に落とし込まれているあたりに作りの良さが伺える映画だった。結構満足感がでかい。 やりきれない思いとか、自分の意志でどうにもならない恋とか。どう考えても自分には重なりようがないのだけど、スゥっと心にしみこんできてしまうお話だった。 で、なぜだかわからないけど、この映画を思い出すと同時に思い浮かぶのが「氷の微笑」。なぜだ。公開当時あった同時上映だったのだろうか。誰と見に行ったのか思い出せないけど、湘南の夕方を思い出す。 [映画館(字幕)] 7点(2012-04-07 17:13:40) |
17. アドレナリン(2006)
《ネタバレ》 絶望度のほどよいアホな映画だった。 [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-04-07 15:11:41) |
18. あらしのよるに
《ネタバレ》 可も無く不可も無く。 やはりどうしても、なんで男同士なんだと思ってしまう。なぜ友情じゃ無きゃいけないんだろう。男女には超えられない壁があるとか言うが、それって言うのは性欲が立ちはだかるからだろうどうせ。物語として子供がターゲットであるとこれではまずいというくだらない配慮は理解できないでもないが、家族ではない男同士の愛情というのは余り感心しない。男女のセックスよりずっと感心しない。 どう考えても同性愛をわざと臭わせているが、男女の性欲は駄目で何で同性愛的な表現は良いのだろう。訳が分からない。確かに友情物の定石展開はあるのだが、そのことごとくに男同士の性を臭わせるのは大きな違和感。 同性愛てきな感情が理解できないと難しいんじゃないだろうか。同性愛が解ればこの程度の関係に性的なメタファーを感じることがないだろうから、純粋な友情物語としてみることが出来るのかもしれない。ただし、直接同性愛を嗅ぎ取ってしまうとキャラクターのちょっとした行為が同性愛者のそれなのではないだろうかと距離をとってしまう。 そういうわけでワタシはこの映画が理解できなかった。 絵本を映画化するのは良いが、原書を軽く見すぎではないだろうか?所詮絵本的安易な改変が入っている節があり、作家を冒涜するなよと言いたい。 絵本を馬鹿にするな。 [DVD(邦画)] 5点(2012-03-07 00:06:17) |
19. ALI アリ
《ネタバレ》 そこそこ良かった。 ドキュメンタリーを俳優が演じるっていう逆説的なところが面白かった。同じような映像は現存するんだと思う。それからずっと完成度の高いドキュメンタリー番組も存在するんだと思う。 だけど映画で俳優がやるからには、こういう方向が正しいんだと思う。正確に演じる難しさが画面ににじむが、それを几帳面に乗り越える職業人たちにはちょっと感動した。 アメリカ映画のこういう多様性が好きだ。多様性の中で、どの方向にも漏れなく高い品質の映画が存在する。 私はこういう映画は余り見ないのだが、それでもそこそこ楽しめてしまった。好きな人にはたまらない物があるのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-21 23:29:50) |
20. アンヴィル!夢を諦めきれない男たち
《ネタバレ》 傑作。 アンヴィルか。あの記録でしか知らない巨大ムーブメント。HMとHRの時代を生きたバンドのうちの一つか。あの時代の残り香を発掘するように、古代の貴重な遺跡や装飾品を探し出すように学校の仲間とCDを買いあさった日を思い出す。 あの時代がすでに過ぎ去っていたあのとき、あのバンドってどこ行っちゃんたんだろうね。なんて笑ってたわけだ。そのアンヴィルがさ、アンヴィルがですよ、アンヴィルがまだアンヴィルやってた! それを物語にせずに、キチッとドキュメンタリにしてきた。剛速球で。 興奮である。もうそりゃあ興奮である。この映画の狙い的にダンガリーディスのプロデュースでシーンに舞い戻す企画だったのかもしれないし、しっかりその効果で売れたのかもしれないが、この男たちの気持ちの持ちようは真っ正面、剛暴である。 この男たちの生き様に不覚にも頭上に拳を振り上げていたのだった。 [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2011-06-05 23:58:06) |