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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 1489
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21.  隠し砦の三悪人
面白かったんだけど、見る前の期待が大きすぎたのか「用心棒」や「椿三十郎」ほど印象に残っていない。(でも8点。)C3POとR2D2のモデルがあの百姓二人なのは見る前から知ってたけど、それはおろか主人公たちの位置づけが全部「スター・ウォーズ」の基になってるような気がする。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2005-06-22 22:45:43)
22.  学校
初めて見た山田洋次の映画。中1で見るには少し地味すぎたが、なんか印象に残る映画だった。田中邦衛も初めて見たのがコレで、今でもこの映画の彼はよく覚えている。「いけー!オグリキャーップ!」
[地上波(邦画)] 8点(2005-05-11 23:51:51)
23.  かあちゃん
市川崑が奥さんの遺した脚本を映画化した作品。終始ほのぼのとしていて、見た後とても幸福感を味わうことが出来る傑作。
[ビデオ(邦画)] 8点(2005-03-27 22:52:24)(良:1票)
24.  ガリレオ 禁断の魔術<TVM> 《ネタバレ》 
今回は湯川(福山雅治)の元教え子(村上虹郎)が湯川から教わったレールガンで復讐殺人を企てるという内容で、サスペンスものにはありがちの展開だとは思うが、それによって普段は個人としての人間性をあまり見せることがない湯川の人間性が今までよりもよく描かれていて面白いし、草薙(北村一輝)との関係の描き方もこれまでよりも深く描かれていてこのへんのドラマにしっかり見ごたえがあるのが良い。湯川がレールガンのプログラムを書き換えたうえであえて犯行を止めず逆に協力を申し出るクライマックスはなかなか緊張感があり、ここだけでも本作はテレビドラマよりも映画でやったほうが良かったのではと思えるくらいだった。(大げさかもしれないが。)久しぶりの新作ということで、少し不安な面もあったが、湯川が数式を書いて推理するシーンも懐かしく、最後まで安心して楽しめたのは素直に良かったと思う。しかし、難を言えば今回またヒロインとなる女性刑事が変わっている(新木優子)が、連続ドラマのレギュラーとしてならいざ知らず、単発のスペシャルドラマで今回だけのために新キャラを出すのは果たしてどうだったのだろうという気がしてしまい、湯川と草薙が中心という話の構成もあって、普通に岸谷(吉高由里子)あたりでも別に良かったのではと思ってしまった。
[地上波(邦画)] 7点(2023-03-26 17:03:22)
25.  カツベン! 《ネタバレ》 
周防正行監督が自ら脚本を担当していない初の映画だが、サイレント映画の活弁がテーマというのはいかにも周防監督らしい着眼点で、先人たちへの敬意や愛情も感じられて、周防監督の映画愛に溢れた作品になっていて面白かった。また、全体的にもサイレント映画を意識している部分が多く、タンスの押し引きや床を踏み破るギャグ、そして捕らわれた梅子(黒島結菜)を俊太郎(成田陵)が救いに来たシーンやクライマックスのドタバタ劇にそれが感じられ、微笑ましい。それにストーリー面でもどことなくチャップリンの映画を思わせるものがあるなど、なかなか徹底している。周防監督は本作を通して弁士という存在と魅力を伝えたかったようだが、俊太郎の弁士としての成長を通してそれはじゅうぶんに伝わってくるし、活弁付きのサイレント映画はBS放送のテレビでいくつか見た事があるものの、改めて生の活弁を体験してみたいなと思った。それに、舞台となる大正時代の映画館のレトロさにも惹かれるものがあった。弁士という職業はトーキー映画の登場によって急速に衰退していくわけだが、その事について山岡(永瀬正敏)が屋台で酒を飲みながら語るシーンはスター弁士だった彼がなぜ落ちぶれてしまったかを想像できるし、トーキー映画の登場によって失業した弁士たちのその後の人生にも思いを馳せることができ、とても印象に残る。俊太郎ら弁士役の喋りは見ていて違和感がなく、普通に上手いと感じられるものだった。劇中に流れるサイレント映画は既存のものではなく、オリジナルのものも含めて全て撮りおろしというのもこだわりを感じる。そのうえでラストにバンツマの「雄呂血」を絡ませてエンドロールのバックでは実際の「雄呂血」の映像を流すというのも粋だった。配役に関しては以前も別作品で書いたかもしれないが周防作品に竹中直人や渡辺えりなどいつもの面々が出ていると安心感があるし、井上真央が悪役的存在を演じているのも新鮮。現在の朝ドラを見ているのでサイレント映画の登場人物役として上白石萌音と城田優が出ているのに思わずニヤリとしてしまった。(黒島結菜は次の朝ドラの主演だし、井上真央と一緒のシーンは新旧朝ドラヒロインの共演になってるなぁ。)それにしても、時代劇の撮影シーンや、登場するサイレント映画に時代劇もあるのを見ると、周防監督にはいつか時代劇映画を作ってほしいという思わずにはいられない。
[DVD(邦画)] 7点(2022-01-30 19:39:52)(良:1票)
26.  家族はつらいよ2 《ネタバレ》 
山田洋次監督が「東京家族」のメインキャスト全員を起用して手掛けた喜劇映画シリーズの2作目。前回が単純明快な喜劇だったのと比べると無縁社会がテーマの今回はちょっと湿っぽくなってしまったような気がするが、それでも(前作までとはいかないまでも。)けっこう楽しめた。家族から運転免許の返納を薦められた周造(橋爪功)のその後の態度など今回も前回同様に「男はつらいよ」シリーズを思わせる部分もあるのだが、今回はそれ以上に寅さん以前のハナ肇が主役をつとめていたころの山田監督の映画のようなブラックな笑いが多く、まだ山田監督にそういう部分が残っていたのかとちょっと驚いた。とくに周造が家に泊めた友人(小林稔待)が翌朝突然死していたあたりからの展開が死体を使ったギャグなど「運が良けりゃ」や「喜劇 一発勝負」を思わせるブラックな笑いが中心になっていて、個人的には山田監督の寅さん以前のこういうブラックな面も好きなので、この部分も面白かったし、ちょっと嬉しい面もある。だが、反面、やっぱり今更そこまで戻るのかという気がしないでもないし、そのブラックな笑いが独居老人の孤独や、交通事故につながる高齢者ドライバーの問題という「死」を意識したどちらかといえばシリアスなテーマとはどうしても相容れない気がしてしまうのも正直なところではあった。(シリアスなテーマを喜劇で描くこと自体には抵抗はない。)前回で登場しなかった次男(妻夫木聡)の妻(蒼井優)の家族(母親と祖母)が登場しているが、この妻の実家の家庭環境が平田家とまったく逆なのはいかにも対比的な感じがした。(無いと思うけど、このシリーズをずっと続けていくなら、次男夫婦が主人公になるんだろうなあ。)前回はキレイに終わっていたのだが、今回は終わり方が唐突で、とくに前半の主題だった周造の運転免許返納の話が解決されないままだったのがちょっと不満だったりもするのだが、まあいいか。それにしても「男はつらいよ」シリーズで満男役でレギュラーだった純(=吉岡秀隆)に続いて蛍(=中嶋朋子)も山田監督の喜劇映画のシリーズのレギュラーになるとは思ってもみなかったなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2018-02-03 19:34:59)
27.  乾いた花 《ネタバレ》 
池部良が初めてヤクザ役を演じ、彼が東映任侠映画の常連になるきっかけともなった篠田正浩監督の映画。時代的には東映任侠映画がこれから全盛を迎えようかという時期の映画だが、クールでどこか日本映画ばなれした雰囲気やフィルムノワール的なカッコ良さがあり、どんよりとした白黒の映像も効果的で、独特の味わいを残す作風など完全に東映任侠映画とは一線を画した映画になっているが、そこがむしろ新鮮だったし、繰り返される賭場のシーンは東映作品よりも緊張感があり、見ごたえがじゅうぶん。主演の池部良のヤクザ役を見るのは二度目だったが、やはりカッコよく、青春映画などで見せる爽やかな演技とはまた違った魅力があり、この映画をきっかけに東映から「昭和残侠伝」のオファーがあったのもうなずける話。ヒロインの加賀まりこもこの頃は小悪魔的な可愛さがあり、「月曜日のユカ」でもそうなのだが、白黒だとそれがいっそう映える。一言のセリフもない薬物中毒の男 葉を演じる藤木孝の不気味さも印象的。東野英治郎と宮口精二演じる二人の親分がレストランでスープを飲んでいるシーンのユーモアはどことなく伊丹十三監督の「タンポポ」を先取りしたかのように見えなくもなかった。篠田監督の作品は苦手なものも多いが、本作はけっこう楽しめた映画だったように思う。それに、岩下志麻の出ない篠田作品を見たのは初めてだったのだが、それも新鮮に感じた。
[DVD(邦画)] 7点(2014-05-29 17:24:24)(良:1票)
28.  哀しい気分でジョーク 《ネタバレ》 
内容的にはかなり重苦しいのだが、たけし演じる主人公の芸人・五十嵐洋のキャラクターが「ビートたけし」そのままなので、重い話だが、そんなに肩に力を入れず、軽い気持ちで見られるのがいいし、それでいてちゃんと泣かせどころは心得ていて、ラストの飛行機の中で息子が死んでしまうシーンでは分かってはいてもジーンとさせられた。「グリーングリーン」が劇中で何度か歌われているが、このシーンではメロディーのみが流れるというのも捻った演出でいい。(死んだ息子の前でたけしが歌うのかと思っていたら、少し違った。)ただ、後半シドニーに行くまでのシーンをもう少し丁寧に描いたほうがよかった気がしないでもないし、シドニーについたらついたでいきなり観光案内のテロップが表示されまくるのはちょっと興ざめ。とはいえ、たけしを当時の本人とだぶらせるようなキャスティングは成功していると思うし、たけしの監督作品である「菊次郎の夏」の原型のようなものも感じられる。(あちらはこの映画ほど重くなく、コメディー色がかなり強いのだけど。)「女王蜂」でのあまりにも下手くそな演技が逆に印象に残ってしまっている中井貴恵もこの映画ではそこそこうまくなっていて、普通にいい演技をしていたのが印象的だった。ベタな映画だが、見て良かったと思えた映画だったので少し甘いかもしれないが7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-04 14:53:37)
29.  快盗ルビイ 《ネタバレ》 
「麻雀放浪記」に続く和田誠監督の第2作。「麻雀放浪記」では渋い男たちの世界がモノクロ画面の中にこれでもかと言わんばかりに展開されていたが、この映画は小泉今日子主演のアイドル映画。小泉今日子はさして好きな女優というわけではなく、アイドル時代の出演作を見るのも初めてだったため、ファン以外にはきつい映画かもしれないと思いながら見始めたが、なんともお洒落な映画でなかなか楽しめた。ルビイこと加藤留美を演じる小泉今日子がなんともかわいらしく、それでいて真田広之演じる下の階のダメ男をうまく自分の泥棒計画の相棒にしてしまうという小悪魔的な女を演じており、すごく魅力的だし、元々小悪魔的なイメージの強い人なのだが、そのイメージはおそらくこの映画からできたものなのではと思える部分もある。対する真田広之の三枚目のダメ男も思ったほど悪くなく、この二人のやりとりを見ているだけでもじゅうぶんに楽しめ、主演のふたりが「たとえばフォーエバー」を歌うシーン、窓から二人で星を見ているエンドロールが素敵だ。そのエンドロールでカーテンコールのように出演者がクレジットされる演出もいい。天本英世や名古屋章(二人とも「麻雀放浪記」にも脇で出ていたな。)といったチョイ出のわき役たちも光っている。映画としては特に傑作というわけではないが、サクッと見られる娯楽映画の王道的作品だろう。面白かった。
[DVD(邦画)] 7点(2012-01-21 13:52:41)(良:2票)
30.  風の中の子供 《ネタバレ》 
清水宏監督の映画を見るのはこれが初めてだが、子供の描き方が小津安二郎監督以上にイキイキとしていて、主役の子供二人を見ているだけで楽しいし、それでいながら戦前である当時の状況もかいま見えて面白かった。清水監督はロケ撮影を多用する監督として知られているみたいだけど、なるほど、この映画でも三平が預けられるおじ夫婦の住んでいる田舎の情景がロケならではの効果をあげていて、見ていて懐かしい気持ちになれたし癒される。腕白な子供の描写もうまく、木に登ったり、たらいで川を下っていくシーンなどはいかにも子供らしい子供というのがよく出ている。離ればなれになった二人の心理描写もよく出来ており、ひとりかくれんぼをしている善太にいないはずの三平の「まあだだよ。もういいかい。」と声が聞こえてくるシーンはもうそれだけで善太のさびしさが伝わってくる。それにおじ夫婦の家に預けられることになった三平が泣き出してしまったり、預けられたその日に木に登って家の方角を見たりする切ない。ターザンのものまねや、オリンピックの話題など時代性も盛り込まれているが、ここまで古い映画だと古臭いと思う以前に当時はこんなのが流行っていたのかと興味をひかれる。父親が警察に連行されて、二人が離ればなれになってからはちょっとつらい展開ではあるのだが、二人がずっと明るくて元気なので安心して見ていられるし、笑えるシーンも多い。最後、疑いが晴れて無事に帰宅した父親を走り回りながら呼び続けるシーンは本当に秀逸で、ここでも清水監督の子供の感情を引き出す演出のうまさを感じた。見る前はよくないという評判も聞いていた映画だったので、少し不安な面もあったのだけど、見てよかったと思えたし、小津監督の「生れてはみたけれど」や「お早よう」のような子供が主役の映画の佳作だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-24 19:49:49)(良:1票)
31.  カンゾー先生 《ネタバレ》 
今村昌平監督といえば自分の中では今やすっかり日活時代の川島雄三監督の助監督というイメージが強くなってしまっていて、監督作を見るのも10年ぶりくらい。晩年の作品ということもあってか、あっさりした作風なのだが、今村作品にそんな馴染みがない(「楢山節考」以前の監督作は見ていない。)せいか、思ったよりはなかなか楽しめた。最初はヤブ医者が主人公の軽い喜劇のように感じていたが、次第に主人公の人間ドラマに焦点が移されていく。医者として肝臓炎をなんとかしようと思うあまり研究に没頭し、成功譚になって終わりなのかというところで、そう簡単にはいかないぞとばかりに屈折を味わう主人公の人間的な弱さが描かれていたのが良かった。登場人物たちも主人公はじめ、坊主やモルヒネ医などは癖のある人物に設定されており、どことなくではあるが、川島監督の映画に近いものを感じるのはそれだけ今村監督にとって川島監督の影響が大きいからなのかもしれない。「サヨナラだけが人生じゃ。」という鳥海のセリフに川島監督を思い浮かべずにはいられない。それと山谷初男の遺体を墓から掘り出すシーンにブラックさが感じられるのもいい。柄本明は主演というイメージがなく、少し不安に思ったが、飄々と好演している。しかし、途中降板した三國連太郎の代役として鳥海の役からスライドして主人公を演じているのだが、「開業医は足だ。」をモットーとしていて、走るシーンが多く、本当にこの走るシーンを三國連太郎が演じる予定だったのかはちょっと疑問が残る。まだ無名時代の麻生久美子が初々しくも大胆な演技を見せていて、今までも何本か出演作を見ているが、どちらかと言えば地味な印象が強かっただけにちょっと新鮮に感じた。広島に原爆が落ちたあとのキノコ雲を舟の上から見ているラストシーンがなんかシュール。このシーンを見て「黒い雨」につなげたいのかと一瞬思ってしまった。「黒い雨」には9点つけてしまっているが、それでも今まで見た今村監督の映画の中では本作がいちばん見やすくて楽しかったし、なによりも今村監督の映画を見ていて川島監督の影響を初めて感じられたことが嬉しい。(といっても「楢山節考」や「黒い雨」を見た頃は川島監督の映画もまだそんなに見ていなかったのだが。)「黒い雨」より点数は低めで、思ったよりは面白かったと最初に書いたけど、個人的に今村監督に川島監督の助監督というイメージが強くなってしまった今となっては本作のほうが「黒い雨」よりは好きかもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2011-06-30 15:54:05)
32.  風花(2000) 《ネタバレ》 
相米慎二監督の遺作となったロードムービー。非常に淡々とした展開だが、見ているうちにだんだん引き込まれた。風俗店で働くゆり子(小泉今日子)とそこの客として彼女と出会った簾司(浅野忠信)という互いに人生の屈折を味わった二人が主人公なのだが、その二人を通して人生とは何かということを深く考えさせられる映画になっていてとても良かった。全編にわたって死の影がつきまとい、とても重いのだが、相米監督は主人公の二人をとてもあたたかくそして優しく見つめているのが見てとれる。それはゆり子が雪の中で薬を飲んで自殺しようとするのを簾司がなんとか助けようとするシーンだったり、未来への希望の持てるようなラストシーンに躊躇に表れていて、この監督の優しさが感じられるし、もちろん、この映画の撮影中は相米監督は自分が死ぬことなど考えていなかったかもしれないけど、この映画が公開された年に肺がんにより亡くなっている。それを思うと遺作がこれなのは本当に偶然なのだろうかと思えてきてしまってなんだか妙に悲しくなってしまった。柄本明が座頭市のモノマネをするシーンは微笑ましいが、もし、相米監督が亡くならなければ次回作は初めての時代劇(「壬生義士伝」)だったということで、深読みしすぎかも知れないが初めて挑むジャンルへの意欲のようなものも一方で感じられていただけにやはり相米監督の早すぎる死というものが惜しまれる。この間見た「魚影の群れ」もそうだけど、相米監督というのはただのアイドル映画の監督というのではなく、れっきとした作家性も兼ね備えた素晴らしい監督であるということを遺作となってしまったこの映画でもじゅうぶんに感じることができた。まだ何本かしかこの監督の映画は見れていない気がするんだけど、出来る限り見ていきたいと改めて思う。
[DVD(邦画)] 7点(2010-11-04 14:30:53)(良:1票)
33.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
確かに子供向けを意識して作ったという感じでこの年になって初めて見たら物足りない部分も多いし、リサの危なっかしい車の運転や、初期の「クレヨンしんちゃん」のしんのすけの如く両親を呼び捨てにする五歳児などちょっと気になるところはあるし、突っ込みどころも探せばけっこうあるのだが、逆に子供向けを意識したのが良かったのか最近の宮崎アニメにあった説教臭さや堅苦しさという物が抜け、気軽に何も考えず楽しめる映画となっていて、「となりのトトロ」よりは劣るが、「もののけ姫」以降の宮崎アニメの中ではいちばん良かった気がする。(「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」にあったグロテスクな描写が抑えられているのも○。)最近のアニメでは珍しくなった全編手描きによる作画もどこか優しい感じでとても好きだ。声優陣も山口智子、所ジョージ、長嶋一茂などいつものように有名人でかためているが、その演技も今回は安心して見られるレベルだったと思う。ここからは完全に私事の余談なのだが、この映画、知り合いの娘さんがスタッフとして参加しているらしいのだが、エンドクレジットがよく読めず、名前を発見できなかった。(ちなみに現在はジブリを退社しているらしい。)
[地上波(邦画)] 7点(2010-03-08 02:56:57)(良:1票)
34.  影の車
野村芳太郎監督による松本清張ものの一編。後の同じコンビによる「鬼畜」と同じように子供が話に絡んでいる映画だが、本作では「鬼畜」とは違い、愛人の幼い息子が自分に殺意を抱いているのではと思い込む男の心理が描かれていて「鬼畜」とは全く違う怖さがあってなかなか面白かった。特にガスの充満した家の中に閉じ込められるシーンはかなり怖い。脚本を書いているのが橋本忍で主人公を演じるのが加藤剛(好演。)なこともあってか、破滅していく主人公やタイトルバックとラストの回想の海のシーンはどことなく「砂の器」を思わせている。愛人を演じる岩下志麻は一人の男を愛する情念の女を熱演していてとても大人っぽく、反面普通の母親役だが既に「鬼畜」で演じた緒形拳の妻役の面影があり、少し怖かった。それでもこの映画では子役の無表情な演技がいちばん怖い。そういえば「鬼畜」では岩下志麻と小川真由美が本作と逆の立場の役柄で共演していたが、本作を意識してのキャスティングだったのだろうかとつい考えてしまう。
[DVD(邦画)] 7点(2008-09-29 19:24:39)
35.  鍵(1959)
市川崑監督の谷崎潤一郎原作ものといえば80年代に作られた「細雪」があるが、あれとは全く印象の違う映画。冒頭映画を見ている観客側に向かって話しかけてくる仲代達矢をはじめ、京マチ子や叶順子の表情と視線など主要な登場人物たちがとにかく不気味で怖く、映画自体の雰囲気も異様な感じがしてインパクトがありなかなか面白かった。ちょっと題材的に数年後に同じ谷崎作の「卍」を手がける増村保造監督向きかとも思うが、「卍」よりも楽しめた。市川監督らしい凝った映像は本作でもいかんなく堪能できるし、皮肉めいたブラックなラストシーンも印象的だった。
[DVD(邦画)] 7点(2008-03-18 14:31:33)
36.  カルメン故郷に帰る 《ネタバレ》 
初めて見た時は「日本映画初のカラー映画」という知識だけで見て映像がものすごくキレイで印象に残った反面、ストーリーにイマイチのれなかった覚えがある作品だが、あらためて見直してみるとけっこう楽しかった。平穏な田舎の町に都会でストリッパーをやっている娘が帰ってくるという内容だが、全体的にはほのぼの人情喜劇という感じで安心して見ていられる無難な作りなのがいかにも松竹喜劇的でいい。高峰秀子といえばどちらかといえば過酷な運命に翻弄される芯の強い役柄が多い女優だが、この映画ではあっけらかんとしたカルメンを明るく演じているのも、「二十四の瞳」や「浮雲」などの彼女の主演作を何本か見たあとである今になって本作を見ると、かなり新鮮に感じる部分が多い。とくに高原で見せるストリップのシーンはこういうシーンを演じるという印象が皆無な女優だけにかなり衝撃的だった。脇役ではそんな娘に対する複雑な感情を抱く父親を演じる坂本武がいい。校長役の笠智衆もいい味を出している。戦争で盲目となった佐野周二は思わず「二十四の瞳」の岡田磯吉(田村高廣)を思い出さずにはいられないが、こんなところにもさりげなく木下恵介監督の戦争に対する怒りが込められているのだろう。さきほども書いたように全体的にほのぼのしていて放牧的な雰囲気にも癒される楽しい映画ではあるが、この佐野周二が運動会でオルガンを弾くシーンで笑われたと思い、演奏を中断してしまうシーンは本作で唯一、重く感じたシーンだった。本作は日本初のカラー映画であることもそうなのだが、成瀬巳喜男監督と並んで木下監督とも名コンビと言われる高峰秀子が初めて木下監督の映画に出演したという意味でも記念碑的といえる作品だろう。(2013年1月14日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2005-08-10 19:56:10)
37.  帰って来た木枯し紋次郎
テレビシリーズが放送されてた頃には僕はまだ生まれていなかったし、再放送でも見ていないので、これが唯一見た「木枯し紋次郎」なのだが、期待せずに見たからか、面白かった。こうなると、テレビシリーズも見たいが、近所のビデオ屋にこれしか置いていないのが残念。点数はちょっと甘めに。
[ビデオ(邦画)] 7点(2005-03-09 23:31:59)
38.  海軍横須賀刑務所 《ネタバレ》 
勝新が東映の映画に唯一出演した作品。先週まで「兵隊やくざ」シリーズをずっと見ていて、勢いで本作も見たわけだが、海兵団に入団した主人公の大暴れを描いていて、勝新が演じていることもあってどうしても「兵隊やくざ」の焼き直し・二番煎じ感はある。でも「兵隊やくざ」と比べて過激になっているのは東映らしいところ。「兵隊やくざ」のとくに1作目は見ていて「網走番外地」の1作目を思い出したのだが、本作は山下耕作監督の作品だが、当初、石井輝男監督が自分で監督する予定で書いた脚本が使われていて、作り手側も「網走番外地」を意識しているのが分かるが、それによって山下監督というよりも石井監督の映画という感じもして、山下監督らしさはそれほど出ていないように思う。前半は海兵団で大暴れした主人公が軍事刑務所に送られるまでが描かれているが、この部分は東映任侠映画でよく見る展開となっていて見ていて安心感があるし、高倉健や鶴田浩二ではなく、勝新というところに妙な新鮮味を感じる。この前半での勝新と松方弘樹の共演が珍しいのだが、考えてみれば松方弘樹は一時期大映に貸し出されていた時期があり、そこでの共演がなかったのかと思うと少し意外に感じるのだが、軍事刑務所が舞台になる後半になると、菅原文太が主人公に影響を与える少佐役で登場し、勝新と菅原文太の共演が実現しているのがなんとも貴重で、この二人の共演を見るだけでも見ごたえのある映画になっていると思う。ドラマ的には主人公と久邇宮朝融王(太田博之)のエピソードも良いアクセントになっていた。欲を言えば田村高廣がどこかにカメオ出演していたり、この時期は事情があって無理だったかもしれないが、若山富三郎が出ていてくれると盛り上がったろうなと思ってしまう。とくに東映での若山富三郎と勝新の共演はぜひ見てみたかった。
[DVD(邦画)] 6点(2021-07-11 18:17:12)
39.  怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス 《ネタバレ》 
円谷プロの創立10周年を記念した劇場オリジナルの怪獣映画。円谷プロの映画といえばどうしてもウルトラマンとかのテレビシリーズの劇場版しかないイメージだったので、こういう映画があること自体が珍しく新鮮に感じられる。ストーリーはというと、自衛隊によって倒された怪獣の子供が宇宙からやってきた凶悪怪獣に立ち向かうというこの頃のウルトラシリーズにもありがちなもので、登場する主役怪獣ダイゴロウのデザインもコミカルな感じのいかにもこのころのウルトラシリーズに出てくるような造形で、仕草やキャラクターが人間臭いのもなにかテレビ的に感じられるのだが、それがなにか懐かしく思える。全体的にも完全にコメディータッチの作風で、前半は国の管理下のもと、島で生活しているダイゴロウの処遇をめぐる話が描かれているのだが、それよりもこの前半では発明家のおじさん(犬塚弘)、熊五郎(三波伸介)、八五郎(三角八郎)の三人のやりとりなどがコミカルに描かれていて、あまり深刻な感じにはなっていないのだが、あくまでも喜劇として見ればそこまで気にはならない。それに初期のウルトラシリーズにも参加していた飯島敏宏監督はこの頃、木下ドラマを中心に手掛けていたこともあるのだろうか、普通にホームドラマのようなシーンも特に違和感なく楽しくみる事ができた。熊五郎の衣装がどことなく寅さんを思わせているが、三波伸介は渥美清をライバル視していて、ものまねも得意だったというので、おそらく意識してやってるんだろうなと思う。クライマックスは敵役であるゴリアスの角を破壊しにおじさん、熊八コンビが行くというのもいかにも喜劇的である。このあと、この三人がゴリアスの背中に乗るシーンがあるのだが、この怪獣の背中に人が乗るというのは見ていて「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」を思い出すのだけど、こっちが先なんだなあと思ってしまった。(明らかに別撮りと分かるんだけどね。)ダイゴロウに対してゴリアスの存在感がイマイチ薄い気がするのが少し残念に思わないでもないし、下の方と同じく主人公は斎藤(小坂一也)と鈴木(小林昭二)の方がしっくり来ると思ってしまうのも事実ではあるものの、最後まで(喜劇映画としても)気楽に楽しむことができた。ゴリアスをロケットにくくりつけて宇宙へ帰すラストシーンも「大怪獣ガメラ」を思い出すが、こういう結末も子供向け映画にはアリだと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2021-05-02 00:06:03)
40.  帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ〈OV〉 《ネタバレ》 
「特命戦隊ゴーバスターズ」のVシネマ作品。テレビシリーズ最終回放送後の発売(近頃の戦隊シリーズは最終回の後にもう一本Vシネなり映画なりをやって終わるのが定番みたい。)だが、作中時系列は最終回後ではなく、テレビシリーズ終盤近くの大晦日のエピソードになっていて、レッドの相棒であるチダ・ニックを主人公に、もしゴーバスターズの物語の発端となった事件がなかった世界があったらというパラレルワールドを舞台にしたストーリーになっている。この戦隊はリアル志向の作風が面白いのだが、舞台となるパラレルワールドのもう一つのゴーバスターズはいかにも王道的な戦隊であるのが面白く、このリアル志向のシリーズで王道をやるというのがプロデューサーの狙いでもあるという。この動物戦隊ゴーバスターズ、ちゃんと主題歌が存在していて、この主題歌が流れる中での初めての戦闘シーンには戦隊の通常のオープニングのようなテロップが流れるなど、セルフパロディになっていて、戦隊シリーズの一年間の大まかな流れを数分間でやってしまうところなどは明らかに子供以外のファン向けという感じで、これはVシネマならではだろう。ゴーバスターズのメンバーそれぞれの相棒であるバディロイドの声を演じている三人の声優も顔出しでカメオ出演しているが、ほかの二人と違ってウサダ役の鈴木達央が動物戦隊の新メンバー役だったのはちょっとびっくり。それに、藤原啓治の実写出演は今となってはどうしても貴重に感じてしまう。この作品に登場するパラレルワールドは藤原啓治が声を演じているニックが死後に神様に願ってできた世界という設定なのだが、その設定も今見るとやっぱりなんともいえない気持ちになってしまった。クライマックスは二つのゴーバスターズが協力して強敵を倒すというヒーローもの定番の展開だが、見ていてつい「のび太の大魔境」が頭をよぎる。
[DVD(邦画)] 6点(2021-03-25 18:48:36)
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