1. 1917 命をかけた伝令
《ネタバレ》 サム・メンデスが、画作りをベースに物語を構築したのは確かだろう。そのワンカット風が映画の特徴ではあるものの、一つ一つの場面は、緑や炎、泥や砂、闇といった、視覚的にわかりやすい色調を意識させることで、場面の切り替わりがはっきりしている。そのため、ワンカットを感じさせないメリハリがある。この美しく巧みな構成は、メンデスが舞台監督出身であるゆえの技だろう。塹壕をはじめとするセットの出来も感嘆という言葉に然るべき。しかし、この映画最大の成功は、そのような映像技術に負けない人間ドラマを作りこんだ点にある。主人公の感情の移り変わりが、画面を通して伝わってくる。戦争映画という以上に、一人の人間の勇気と愛に溢れた姿に胸を打つ、映像と人間ドラマがうまく融合した良作だ。 [映画館(字幕)] 9点(2020-02-20 19:25:25) |
2. イコライザー2
《ネタバレ》 主人公の過去が絡んでくることで、出会った人を助けるという前作の良さが薄れてしまった印象。とはいえ、強くてやさしいデンゼルの存在感は圧倒的で飽きることはない。 [映画館(字幕)] 6点(2018-11-05 15:32:05) |
3. 犬ヶ島
《ネタバレ》 細部にまでこだわり抜かれたヴィジュアルと、躍動感あふれるカメラワークはさすが。見た目の可愛さに媚びない虐げられた犬たちの造形は、傷だらけでやせた姿を表に出すも、愛さずにはいられない心の美しさを内側に秘めていて、とても魅力的だ。主人公は、チーフという名前の元ノラ犬。元ペットだった他の犬たちとは違い、人間に対して敵対心をもつ彼(犬)は、少年と旅を進めていく中で心を通わせる。ありがちな過程ながら、心にしみる。犬たちと少年のロードムービー調の中盤とは一転して、悪役の市長がいるメガ崎市に乗り込んでいく終盤はテンポが落ちる。それでも、監督の日本への愛が、昭和っぽいレトロな世界観にあふれる贅沢な作品といえる。 [映画館(字幕)] 8点(2018-06-15 11:25:09) |
4. インデペンデンス・デイ: リサージェンス
《ネタバレ》 映画自体は世間の評判通り中身のない残念な出来です。が、中学生時代に映画館で見て興奮した自分にとって嬉しい場面も多い。特に、ウィル・スミスに代わって注目の若手俳優が多く器用されているにも関わらず、ビル・プルマンとジェフ・ゴールドブラムの2人が大活躍しているのは楽しめました。前作を見ていることが大前提の作りとなっています。 [映画館(字幕)] 4点(2016-07-16 16:39:52) |
5. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
《ネタバレ》 コーエン兄弟が好きな人はゼッタイ楽しめます。コンスタントにテイストの違ういい映画を連発できるのは、本当にスゴイ。オスカー・アイザックとキャリー・マリガンは「ドライブ」では夫婦でしたね。二人ともがらっと印象が違う。うまい。 そして、猫好きにはその愛らしさがたまらない。車の中で、ルーウィンと同じ動きをする彼女(でいいのだっけ?オスかメスが重要です)の瞳は忘れられない。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-20 21:53:17) |
6. インターステラー
映画館で2回、ブルーレイで2回鑑賞したが、この映画におけるハンス・ジマーの仕事はかなり貢献度が高い。オルガンのもつ複雑かつ重厚な旋律を活かしたサウンドは、不安と緊張感の絶妙なバランスを映画全体に一貫して保っている。ライオン・キングでオスカーを受賞しながら、バック・ドラフト、クリムゾン・タイドなどアクション大作でエンタテイメント要素を活かしつつ、シン・レッド・ラインではテレンス・マリックの難解な哲学的戦争映画に安心感を加えた。グラディエーター、ハンニバル、ブラックホークダウンにおけるリドリー・スコットとの大作コラボを経て、現在、C・ノーランと新たな映画サウンドを作り上げている。J・ゴールドスミス、J・ホーナー亡きハリウッドにおいて、J・ウィリアムズを継ぐコンポーザーは彼しかいないのではと思わせる。そういう1作です。 [映画館(字幕)] 9点(2015-07-06 22:14:29)(良:2票) |
7. インヒアレント・ヴァイス
おもしろいです・・・・けど、あとには何も残らない。そういう感じを狙っている映画です。当時のLAの雰囲気に、個性的なキャラクターを演じる俳優たちが見事にマッチ。ゼア・ウィル・ビー・ブラッド、ザ・マスターと、真面目で窮屈な映画を作ってきたPTアンダーソン。一転、少し力の抜けた今作に続く次回作がとても楽しみです。 [映画館(字幕)] 6点(2015-06-20 22:48:53) |
8. インポッシブル
《ネタバレ》 生きること、家族、助け合い。津波という題材は我々には重いですが、天災に遭ったとき、家族のためにどう行動するのか。ナオミ・ワッツの熱演もあり、とてもよい映画でした。 [DVD(字幕)] 9点(2014-06-15 22:12:01) |
9. インモータルズ/神々の戦い
ターセム・シン監督のビジュアルが活かされていない。神話という浮世離れした題材はこの監督に合っているのでしょうが、展開がストレーートすぎて映像との一体感がない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-06-11 21:14:46) |
10. 陰謀の代償
《ネタバレ》 過去の殺人が警官となった主人公を追い詰めるという物語は使い古されている展開で進み、意外性なし。ならば、チャニング・テイタムの男気あるマッチョなところを活かしてサスペンス性を強めて欲しいのに、なぜかドラマ部分を掘り下げて主人公の苦悩を描く。でも、テイタムでは十分にそれを体現できず。そのため、パチーノ、リオッタ、ケイティ・ホームズがしっかりと脇を固めているのに締まらない。もったいない。 [DVD(字幕)] 3点(2011-12-09 21:24:40) |
11. インビクタス/負けざる者たち
派手な演出はないのにこみ上げる熱い思いと涙、さすがクリント・イーストウッドです。主演2人の落ち着いた演技は映画のテーマにぴったり。実話であるかどうか、南アフリカという人種差別の国が舞台であるかどうかは関係なく、人と人とのつながりや、信念とは何たるかを自分自身で考えさせてくれる良作です。 [映画館(字幕)] 9点(2010-03-29 22:04:43) |
12. 1408号室
ホラーでもなく、意外な展開も少なく感じた。J・キューザック主演の似たテーマである『アイデンティティ』の方が、私にとって驚きもハラハラ度も上です。 [映画館(字幕)] 6点(2008-12-03 22:57:41) |
13. イーグル・アイ
《ネタバレ》 展開の速さ、アクションの迫力で一気にみせられた。が、監視される恐怖はあまり伝わらず。コンピューターが黒幕だと分かってからの展開も凡庸になってしまったのが残念。 [映画館(字幕)] 6点(2008-11-09 19:19:37) |
14. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 映像の美しさに魅了されます。旅する青年が出会う人たちも実に魅力的な人たちばかり。そして何よりも主人公に惹かれます。なぜ彼は旅に出たのか?アラスカを目指したのか? 親への反抗、物質社会への嫌気、怒り…… 見る人によって感じ方が違うのではないでしょうか。ショーン・ペン監督の力作です。 [映画館(字幕)] 9点(2008-09-11 21:09:03) |
15. インベージョン
ハラハラ感を得ることができて、サスペンスとしてはうまくまとまっています。ヘンに音響で盛り上げすぎることなく、静かに襲ってくる恐怖が良かったです。ダニエル・クレイグのキャラは、もっと活かしてもよかったかも。 [DVD(字幕)] 6点(2008-07-13 21:14:23) |
16. イースタン・プロミス
《ネタバレ》 ヴィゴ・モーテンセンの、悪い奴やのかいい奴なのか分からない存在感が映画の核です。それだけに、ヴィゴの正体が明らかになってからは、ラストの盛り上がりに欠けてしまった感あり。ヴィゴがクローネンバーグ監督と組んだ『ヒストリー・オブ・バイオレンス』に比べると、印象に残らない映画です。暴力描写は、リアルですが。 [DVD(字幕)] 6点(2008-06-19 07:31:36) |
17. インデペンデンス・デイ
中学生の頃に何度も見返した映画です。久々の鑑賞ですが、作りがしっかりしていて十分楽しめます。宇宙人の侵略を背景にした一種の群像劇ですが、それぞれキャラの下地を作ってから見せ場をきっちり用意されています。大掛かりな特撮,CGのみに頼らない人間ドラマが考えられている点が、いつまでも楽しめる娯楽作品でしょうか。 [ビデオ(吹替)] 8点(2008-01-04 09:19:43) |
18. イーオン・フラックス(2005)
ドラマ性に乏しく、映像で魅せるアクションもあまりカッコ良さを感じなかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-27 18:22:52) |