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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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21.  3-4X10月 《ネタバレ》 
間(ま)が絶妙。それは時間の間。空間の間。2つの間の取り方が、キタノ映画の空気を作っています。この感覚は天性のもの。やはり北野武の映画監督としての才を感じずにはいられません。さて本題。事前に得ていた知識は、タイトルが野球のスコアを表しているということ。観終わってみれば、確かに逆転劇を食らったような。積み重ねてきたものが、最後の最後でひっくり返されました。ただ、主人公の頭の中だけのお話だとは思いません。本作のキーワード「振らないと始まらないよ」に意味が無くなってしまうから。主人公は確かにバットを振った(行動した)のだと思います。では、どこまでが現実で、どこからが妄想か。怪しいと思うのは、沖縄に到着した時点。喫茶店から、いきなりダンカンの野グソ。この端折り方は乱暴です。餞別を渡したダンカンが一緒に沖縄にいるのも変。たけしがらみで非現実的なカットも挿入されます。つまり沖縄のくだりから爆発までは、彼の願望ではないかと。ただし、全てが妄想とは限りません。現実が混在している可能性もある…。彼の現実は動いています。それは夏から秋へ、季節の移ろいから感じ取ることができます。ヤクザとの揉め事は解決していません。だから彼は復讐のシナリオをトイレの中で想像した。それはただの妄想だったのか、はたまたイメージトレーニングだったのか。ラストシーン、主人公から受ける印象は冒頭とは全く異なります。ちょっと走っただけなのに、積極性と自信が感じられる。その自信はどこから湧いてきたのでしょう。そして積極性は何に対して向けられるのでしょう。タイトルの×印は、野球の“サヨナラ”を現しているだけなのでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-27 18:27:02)(良:1票)
22.  ザ・ロック 《ネタバレ》 
娯楽性を意識した展開、演出に好感が持てました。トロッコのシーンは、さながらインディジョーンズのよう。キャラクターもよく描かれていたと思います。主役2人の心情を理解できたので、すんなり物語に入り込めました。グッドスピードはそもそも技術職。ミッションのために死ぬ覚悟があるかというと厳しい。ただし、身重の恋人にも被害が及ぶとなれば話は別です。彼が分相応以上に頑張ったことも頷ける。メイソンの方は、命を張る必然性はありません。さっさと逃げ出して、娘を避難させればいい。にもかかわらず彼が最後まで協力したのは、グッドスピードに恩を感じていたからだと思いました。娘と会っていたときに、気遣ってくれたことに。命を賭けられるほどの恩義とは思えません。でも些細な事かどうかは、当人が決めること。彼はよほど嬉しかったのでしょう。心を動かすことができれば、本当の意味で人は動いてくれる。それはどんな仕事にも当てはまります。不満な点を挙げるなら、カーアクション。接写が多くて見づらかったです。また、お約束とはいえ、敵がヘナチョコ過ぎたこともマイナス。さすがに手榴弾を投げ返されるのは恥ずかしい。それでも全体的には十分満足のいく作品でした。映画館で観たかった。
[地上波(吹替)] 8点(2007-06-21 18:17:37)
23.  殺人の追憶
韓国映画には独特の泥臭さ、生々しさがあり、自分には合わないかもという先入観がありました。たまたま観た『オールドボーイ』がまさしくそのイメージどおりで、面白いけど味が濃すぎて胸焼けしました。ところが『僕の彼女を紹介します』『猟奇的な彼女』が自分の中でスマッシュヒット。韓国映画をまた観てみようという気になり、本作鑑賞の運びとなりました。泥臭さ、生々しさはやはり感じましたが、作品が持つ“熱”といった表現のほうが適切だと感じました。そしてこの“熱”こそが、韓国映画最大の魅力。泥臭さ、生々しさはすなわち“人が生きている”ということ。人をこれだけ強烈に描ける作品が面白くないわけがないのです。なかでもソン・ガンホ。彼の人間味の濃さは凄い!さらに本作は演出的にも素晴らしく(とりわけ間の取り方は絶妙)、前述の熱と相まって半端でない緊張感がありました。ラストも味わい深く、この類のストーリーでありがちな消化不良や物足りなさは一切感じませんでした。サスペンスというよりヒューマンドラマ。韓国映画恐るべしです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-05 17:47:52)(良:2票)
24.  座頭市(2003)
北野作品は食わず嫌いというか、難しそうで敬遠していた部分があったのですが、本作は素直に面白かった!基本的な構成は実にオーソドックスで観ていて安心感がありました。さらにテクニカル。見せ方の上手さ、構図の美しさを随所に感じました。そしてなにより意外だったのは娯楽性の高さ。これほど観客を楽しませることを意識してつくられているとは思いませんでした。流れるような殺陣も見ごたえあり。また、時折挟み込まれるベタなギャグが、いいアクセントになっていました。さしずめ牛丼における紅しょうがのよう(違うかな?)です。有名なラストのタップダンスについては、それまでの伏線(というか軽い予行演習)など、作品に溶け込ませようという工夫が見えました。これはこれでアリだと思います。ただ、娯楽性を追及しすぎたためか、物語の展開に(テレビ時代劇でみられるような)ご都合主義を感じてしまったのは、ややマイナスでした。それでも自分がこれだけ北野作品を楽しめるとは、嬉しい誤算でした。続編をぜひ観たいです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-05 19:14:00)
25.  サマータイムマシン・ブルース
「バック・トュー・ザ・フューチャー」のコメディ色を強くし、スケールを大幅にダウンさせた感じの作品。ひたすらバカバカしい、軽いノリのお話です。ノリは軽いのですが、綿密に計算された展開はお見事。伏線を細部に渡り張り巡らし、次々と辻褄が合っていく様は観ていて心地よいです。季節を夏に設定したのが大正解!思考を停止させる真夏の暑さが、違和感ありありのタイムマシンをすんなり物語に溶け込ませます。それに、このバカさ加減が夏にこそピッタリです。汗のしたたる夏の空気が、この年頃特有の熱気と妙なハイテンションにマッチしています。メインの若者たちに嫌味がないのも良。ともすると、若者の軽薄なノリを不快に感じることがありますが、そのような感じが全くなく、観ているこっちまで元気になるようでした。みんなキャラがよく立っていましたし、上野樹里の普通っぽさも素敵でした。瑛太の最後の一言は名セリフ。オチとして秀逸だと思います。(エンドロールで役名が出てきたらなお良かった。)決して大作ではないですが、タイムトラベルものとしても、青春映画としても小気味のよい快作です。本作を観るならやっぱり夏。それも暑さ盛りのまっ昼間。クーラーを効かせた涼しい部屋で、コーラでも飲みながら観るのをお勧めします。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-07-03 18:26:28)
26.  サボテン・ブラザース 《ネタバレ》 
特に感銘を受けたのは書き割りのシーンです。どんな作品でも、“作品の法則”(自然と観客が理解する決まり事)というのがあると思います。本作の場合、野外シーンは野外ロケ、室内シーンはきっちり作りこんだセットというのが法則だと思いました。ところが突如、野外シーンのはずなのに、一目でスタジオの書き割りと分かるセットが登場します。明らかに変なんです。書き割りで歌うアミーゴ。このバカさ加減にひと笑いします。と同時に“このセットは作り物なんですよ”という強いアピールを感じました。これが最後になって効いてきます。無法者を倒し、アミーゴが“作り物の正義の味方”から“本物の正義の味方”に変わる爽快なラストシーン。初めの作り物感が、より一層本物のヒーローになったときの感動につながります。3人のにやけた顔を観ているとこっちまでにやけてしまいます。あの踊り、あのキメポーズ最高です。本当にバカバカしい展開なのですが、素晴らしい。気持ちのよい映画をありがとう。
[DVD(字幕)] 8点(2006-06-20 18:20:44)(良:2票)
27.  佐々木、イン、マイマイン
タイトルは『思うに佐々木って奴は』。極めて個人的な感想です。この機微を他人が量るのは至難の業と考えます。精一杯共感したつもりでも「お前に何が分かる」と言われそうで。だから私はこの映画の感想をあまり語りたくありません。佐々木を語る事ができるのは、佐々木に関わった者だけに許された特権であります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-05-12 19:47:45)
28.  ザ・ファブル 殺さない殺し屋 《ネタバレ》 
前作も『まるでカリオストロの城のようだ』と思いましたが、本作のアクションは更にスケールアップしており、初期宮崎駿アニメと同様の爽快感を得ることが出来ました。リアリティという縛りが無くなると、こんなにも心地良いものなのですね。実写で、しかも邦画で、こんなにワクワクするアクションに出会えるなんて幸せなこと。かつて隆盛を誇ったワイヤーアクションや、現在主流のアメコミ系CGアクションとはまた違った味わい。現実と非現実の狭間をゆく正に寓話世界の活劇でした。これぞ“金がとれる”アクションです。ただ、これだけエンタメに特化した非現実系アクションがウリの作品ですから、物語のテイストもそれに併せてはどうでしょう。もちろん『殺し屋』が主人公なので、殺伐とした部分があっても、グロテスクな描写があっても問題ないと思いますが、胸糞はいけません。胸糞は苦みではなくアク。物語の旨味に繋がらないと思います。原作を蔑ろにしろとは言いませんが、大衆映画として胸糞要素をオブラートに包む“工夫”はあっても良い気がします。アクション大好きな私が8点を付けるのを躊躇う理由はこの点にあります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-02-24 18:25:15)(良:1票)
29.  ザ・ライト -エクソシストの真実- 《ネタバレ》 
お話の展開が制限されると共に原則批判(ツッコミ)を受け付けない性質であることから、どんなジャンルであれ『実話もの』は好きではありません。しかも本作は正統派オカルトホラーなのに『実話もの』ときました。まるで『氷の天ぷら』のようなミスマッチ感。これが『エミリー・ローズ』のように、ある程度客観的な事実に基づくのならいざ知らず、神父の体験談を拠り所とする(ですよね)の実話など、胡散臭いったらありゃしない。いや『週刊実話』と同レベルと考えるなら・・・『週刊実話』読んでないのでよく分かりませんが。 個人的に『悪魔憑き』は実在すると考えます。ただし、キリスト教圏のみで通用する概念ですから、何らかの精神疾患を『悪魔憑き』と呼ぶと考えるのが自然でしょう。日本だと狐ですな。本作の主人公も当初そのように捉えていました。しかし、彼は実体験を通じて自らの考えを改めましたという話。否定していたものが裏返ると強い肯定に変わる。その心理過程は理解できますが、だからといって彼の体験が真実である裏付けにはなりません。単にエクソシストを生業とする覚悟がついたので、ものの見方が変わっただけかも。スマホで証拠動画くらい撮っておいてよ。 なまじ『実話もの』の注釈がつくから、少々いちゃもんを付けたくなるのですが、一般的なオカルトホラーとしては上々の出来。雰囲気は抜群ですし、やはりアンソニー・ホプキンスは名優であります。ところで『世界最速のインディアン』へのオマージュはありましたか?
[インターネット(吹替)] 7点(2021-08-05 00:18:45)
30.  ザ・ファブル
『桃太郎侍』や『水戸黄門』の殺陣にリアリティが無いと注文をつける人はいません。それはファンタジーと一般認知されているからです。お茶の間TV時代劇は、リアリティを捨て去った代わりに、様式美という自遊空間を手に入れました。本作にもおそらく同じ事が言えます。タイトル『ファブル』(=寓話)からも、そのスタンスが伺い知れますし、劇中では「ジャッキーチェンかよ」という台詞まで出てきます。エンタメアクションに特化した制作姿勢は大変心地よいもので、アニメ活劇を観ているかのような心持ちでした(クライマックス。狭い工場内を上階へ向かいながら繰り広げられるアクションは、カリオストロの城へのオマージュに思えました。)コメディとしても上出来で、主演を務めた岡田准一が果たした役割は大きいと感じます。桃太郎侍の高橋英樹と同じような『役者顔』とでも言いましょうか、ナチュラルさが売りの俳優さん(例えば瑛太とか西島秀俊)では出せない『濃さ』がエンタメの様式美にハマっていたと思います。そういう意味では、柳楽優弥は上手すぎて様式美からはみ出していたような。同タイプでも、北村一輝の『濃さ』なら上手く寓話にマッチしたのではないかと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-21 19:58:33)(良:1票)
31.  サイレント・ハウス 《ネタバレ》 
ワンカット(カット割り無し)という奇抜な撮影手法がウリの映画ではありますが、撮影方法に対する賞賛は、実は作り手に対して失礼かもしれないと考えます。何故なら自分が監督なら「頑張ったで賞」なんて欲しくないから。物語を魅せる上で、最も効果的と思われる手法が、結果的にワンカット方式だったものと好意的に推測します(勿論、製作の費用対効果に優れている利点はあるのでしょうけど)。カットを割らない事で得られる“現在進行形”という手形は、極上の臨場感と途切れぬ緊迫感を観客にもたらしました。舞台を閉鎖された室内に限定したのも正解。緊張感の密度が増しました。サスペンスとして必要十分なストレスを感じる事ができたと思います。ただ一点、難を上げるとすれば、集中力を乱される描写が散見されたこと。主役の彼女、オッパイ大きすぎです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-03 20:25:59)
32.  サスペリア(1977) 《ネタバレ》 
脚本の良し悪しだけで評価するなら、本作は“どうということはない映画”になってしまいます。しかし、鮮烈な印象を与える建築・内装デザインや色彩演出、そして場の空気を創るBGMのセンスの良さが、本作をA級ホラーの域にまで高めていると考えます。バランスの良い平均的な良作より、飛び抜けた個性が際立つ奇作の方が、観客の心を掴むもの。忘れることのない映画だと思います。刺激を追及するあまり、醜悪でグロテスクな描写で埋め尽くされている昨今のホラーと比べると、その品格の高さが窺い知れる“美しい”映画でありました。白状しますと、あまり面白いとは思わないのですが、良い映画です。(以下余談)ラストは完全にドリフだなと思ったのは、内緒にしておいてください。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-18 18:57:55)(良:2票)
33.  サブウェイ・パニック 《ネタバレ》 
特筆すべきはラストカット。これほど爽快感のあるイヤラシ~イ表情に、私は今までお目にかかった事がありません。見事な余韻。このワンカットのみで本作を傑作認定してしまいたい程です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-30 20:59:19)(良:1票)
34.  SADO TEMPEST 佐渡テンペスト 《ネタバレ》 
主人公は島に流されたのか、呼び寄せられたのか?本田博太郎は存在するのか?島に春が来ないとはどういう事?鬼とは一体何なのか?話が進むに連れ積み重なっていく謎。そして矛盾点。十分な説明のないまま始まった物語は、明確な種明かしをせずに幕を閉じます。スクリーンを前にして、しばし呆然。しかし不条理映画でもなければ、説明放棄でも無い事だけは確信がありました。その拠り所となるシーンは2つ。薬を盛られた主人公が鏡を拭く場面。そして囚人たちが道具を持たずに砂金を探す場面。前者は“目の霞み”を、後者は“カネに価値は無い”という事を端的に表現しています。説明のための台詞ではなく、描写で観客に伝えようとする姿勢を感じました。この監督は信用できます。果たして物語を読み解く鍵は何だったのか。それは医者の言葉に隠されていたと考えます。「時間は真っ直ぐに進むと思うか?それとも大きな輪を描いていると思うか?」島にはもう何年も春が来ていないと言いました。終わらない冬の正体。歌(魔術)によって島の時間の流れがループしているとしたら……これで多くの謎が説明できるのではないかと。蓄積されない。辿り着かない。いずれは元通り。だから刹那の快楽にしか価値を見出せない。“死”さえも終着点でないとしたら、島の人間が死に対して不感であった事も説明が付きます。時の流れを干渉するほどの魔力があれば、人の心を操る事など造作もないでしょう。ジュントクは(もしかしたら“今回の”ジュントクは)、春を呼び寄せ島に秩序を取り戻した。鬼とは島の精霊。自然の摂理と共に有るもの。変革がもたらしたのは、世界が本来あるべき姿でした。オール佐渡ロケーションで製作された映画。冬と春を映し出す色調整も的確で、佐渡の自然が持つ厳しさと美しさを存分に表現してくれたと思います。ジルバの歌も心に響きました。劇中歌(春を呼ぶ歌)は心を震わせます。大衆受けする映画ではないでしょうが、監督の作家性が伝わってくる作品に仕上がっていたと思いました。最後に一箇所だけツッコミを。施設長が要求したのは、佐渡では造れない美味い酒だったはず。真野鶴は佐渡が誇る美味しいお酒でございますよ。
[試写会(邦画)] 7点(2013-02-15 18:57:22)
35.  30デイズ・ナイト 《ネタバレ》 
悲しくも美しいラストに尽きる一作。昇りくる太陽の彼方を、しかと見つめる彼女の姿が心に焼きつきます。
[DVD(字幕)] 7点(2012-12-10 19:51:48)
36.  魁!!男塾(2007) 《ネタバレ》 
週刊少年ジャンプ黄金期を支えた名作(迷作)漫画『魁!!男塾』。30代男性の認知度は相当高いと思われます。かくいう自分も直撃世代。しかし「あらすじ」はほとんど知りません。忘れたのではなく、最初から知りません。でも結構読んだ記憶はあるのです。待合室で、本屋の立ち読みで、時間潰しに最適な漫画でした。“読み切りでもないのに一見さん大歓迎”。これが原作漫画の特徴と考えます。画の迫力と勢いだけで読ませてしまうパワーがありました。本作はそんな原作の特性と魅力を、見事に再現していると感じます。主演も務める監督をはじめとした、演者の“理解”が素晴らしいのでしょう。世界観がブレません。大真面目にバカをやる清々しさ。ある意味、厳粛とも取れるバカワールドです。その結果、狙ったネタは全てスベっている(注:正確には作品世界に同化している)のですが、そうでない部分で爆笑しました(例:急にリアルファイト風に様変わりする桃VS伊達戦。一号生の中に混じっているオッサンとか)。松尾率いる一号生応援団。本格的な振り付けで見栄えがします。要所を締めているのも好印象でした。本気具合が伝わってくるから、茶番劇が格別なものに変わるのです。ただし、着ぐるみは本物の熊に変わりませんけども(笑)。軸となる極小路の成長や、桃太郎との友情ドラマの処理が上手ければ、もうワンランク上の娯楽作品に化けた気がします。でも十二分に及第点でしょう。続編を希望です。それにしてもホームチームと瞬間メタルの相方って、何処に出てたんでしょうか?
[DVD(邦画)] 7点(2008-12-20 18:44:06)
37.  13/ザメッティ 《ネタバレ》 
大金の賭かった危険なギャンブルに挑戦する主人公。何処かで見たようなシチュエーションだなと思ったら、福本伸行マンガの黄金パターンでした。好きな設定です。主人公がどう窮地を切り抜けるかが見所。でも起死回生のひらめきも、舌を巻く戦略も出番無し。あまりにも運否天賦の要素が大き過ぎます。主人公がタイマン勝負まで生き残ったのは単純にツイていたから。それに主役がラストまで生き残るのはお約束。イマイチ盛り上がりません。でも、最期の勝負は今までのゲームとは違いました。一応戦略が立てられる。ズバリ“相手よりも早く引き金を引くこと”。先に殺してしまえば、相手の銃に弾が入っていようがいまいが関係ありません。問われているのは運よりも、反射神経と、どれだけ腹を括れるかということ。前者は若い主人公に分がありそうですが、後者の要素は経験豊富な相手の方が一枚も二枚も上手。事実、最初の撃ち合いでは相手に先に引き金を引かれています。でも仕切り直しの勝負で先に撃ったのは主人公でした。精神力で相手を上回ったのが分かります。修羅場を潜り抜けたことで、彼は飛躍的に成長したと感じました。この後の主人公の行動の見事さと言ったら!もうパーフェクト。素晴らしい頭の冴えと、用心深さを見せ付けます。ロシアンルーレットよりも、よほど見応えがある。刑事の尋問に対する受け答えはお見事でした。彼は金を掴むべくして掴んだ。それだけにオチは残念でした。彼がサバイバーズギルトに近い感情を抱いていたのは納得できますが、何も無策のまま殺されなくてもいい。今の彼なら、いくらでも対策は講じられたでしょう。本作については、定石どおりの結末では勿体無いです。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-21 22:11:49)
38.   《ネタバレ》 
葉月に憑かれた者は、みな殺人者に。相手を海水で溺死させるという手口。それは彼女が病院で折檻されていた手法と同じ。主人公だけは、彼女の居場所を突き止めたので赦してもらえた。終盤、事態は飛躍的に悪化。葉月自ら殺人鬼と化し、世界は終焉へ向かう。これが物語の外郭です。でも真相については判然としない。ここをどう解釈するか。それが黒沢作品のお楽しみ。ではいつものように自分なりの解釈を。押さえておきたいのが、葉月の心情。彼女は一人で寂しかった。誰も私のことを気にかけない。絶望の中、残像が焼きつく程長い時間、彼女は外を眺め続けた。幽霊となった葉月は、船で見かけた人の夢(意識)の中へ潜り込んだ(オダギリ説)。“自分を相手にしなかった者を殺してやる。”それが彼女の復讐。葉月に感化された者は、大切な人を手にかけた。医者と奥貫はその心情を吐露。ロン毛男も婚約破棄されている。全員、強い孤独と疎外感を抱えています。「全てを無しにしたい。」葉月と同じ想い。そこに付け込まれた。勿論、これは役所にも当てはまる。小西の行動から、生前2人の関係は疎遠になっていたものと推測されます。そこで疑問。何故幽霊の小西は、あんなに役所と睦まじいのか?役所を怨んで当たり前。「(殺されて)仕方がなかったの」なんて言うはずがない。幽霊の小西は、生前の小西とは別人です。その正体は…。役所は2人の遺骨を同じカバンに詰めます。ラストカットは小西の叫び。それまで叫んでいたのは誰。似たようなワンピース。2人が同時に出現していないこと。これらから導かれるのは、小西=葉月。役所は葉月にとって特別な人。記憶の中に自分を留めていてくれた唯一の人。葉月は彼を愛していた。「叫」は恐怖に慄く悲鳴ではなく、孤独な魂救済の叫び。そして切ない恋の叫びでした。世界に終わりが訪れたのは、誰もが孤独を抱えているから。みんな葉月を受け入れてしまう。ロマンス的に解釈するなら、“あなた以外は何もいらない”ということ。以上です。本作では観客の“思い込み”を巧みに利用しています。特徴的な赤い服、男のロン毛、タイトル。前半大いに惑わされます。このあたりの仕掛けは流石に上手い。ただ残念だったのは、全然怖くなかったこと。『LOFT』より演出的に冴えていたものの、やはり有名女優の起用は難がある。本作は怖くなければ意味がありません。ホラー⇒ロマンスの転換に驚きが生まれないから。
[DVD(邦画)] 7点(2007-12-04 18:20:05)(良:2票)
39.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 
タネが明かされた瞬間は、正直ガッカリしました。何だ、結局妄想オチかと。でもエンディングを見ているうちに、考え直しました。鉄塔から落ちるまでに市川が目にしていたものは、全て手帳に感化された妄想との解釈が可能です。だだし、4回目のサイレン後の行動は、それでは説明がつかない。彼女が手帳の続きを見ていない以上、殺戮を始める必然性がありません。別の要因があるはずです。目まぐるしいカット割りのエンドクレジット。その中で異質だったのが『人魚伝説』のくだり。島民が人魚を食べて不老不死になった御伽話が,再度強調されます。人魚は英語で「SIREN」。人魚伝説は本物だった。市川(阿部)は、殺された人魚に成り代って、島民(の末裔)に復讐を果たしたという見方が妥当でしょう。赤い衣をまとった高橋真唯は人魚の霊。彼女の姿を目にしているのは、島外者である森本と市川だけです。それなら辻褄が合う。ただ腑に落ちないのは、高橋に足があったこと。それは人間である証。では伝説はデタラメなのでしょうか。いや全てがウソとは思えません。島民が若い女性をなぶり殺しにした事実はあったのかもしれない。島には偶像崇拝の風習があります。流行り病が引き金となって、集団凶行に及んだのではないか。魔女狩りと同じです。鏡に映るとDOGはGOD、LIVEはEVILに見えるように、島民の目に彼女はどう映ったのか。自分たちの行動を正当化するために人魚伝説は生まれたのだと思います。惨劇は人魚の呪いではなく、少女の恨みによって引き起こされた。彼女にしてみれば、島民は全て化物に見えたでしょう。断末魔に耳にしたであろう“サイレン”は、民衆の狂気の叫び声か。終始物悲しい表情の彼女が一瞬だけ浮かべる笑みに、震えます。
[DVD(邦画)] 7点(2007-07-04 19:06:55)(良:1票)
40.  ザスーラ 《ネタバレ》 
ゲームの存在理由について、一切説明が無いのが凄い。もちろん『ジュマンジ』ありきという部分もあるのでしょうが、変に言い訳するよりも「世の中には不思議なことがある」で押し切る強引さが素敵です。テーマはベタ。エピソードも想定内とはいえ、ちゃんと伏線を張った展開に好感が持てました。宇宙飛行士の正体のサプライズも良。思っていた以上に楽しめました。映画館の大スクリーン向けの作品だと思います。ラストがやけにアッサリしていたので、もうひと押し欲しいところ。ザスーラを離婚した両親にやらせてみるとか、間違えてもう一回スタートボタンを押してしまうとか。それでも家族で安心して観られる娯楽SFとして、利用価値のある作品だと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-26 17:51:36)
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