Menu
 > レビュワー
 > 目隠シスト さんの口コミ一覧。5ページ目
目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345
>> カレンダー表示
>> 通常表示
81.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 
タネが明かされた瞬間は、正直ガッカリしました。何だ、結局妄想オチかと。でもエンディングを見ているうちに、考え直しました。鉄塔から落ちるまでに市川が目にしていたものは、全て手帳に感化された妄想との解釈が可能です。だだし、4回目のサイレン後の行動は、それでは説明がつかない。彼女が手帳の続きを見ていない以上、殺戮を始める必然性がありません。別の要因があるはずです。目まぐるしいカット割りのエンドクレジット。その中で異質だったのが『人魚伝説』のくだり。島民が人魚を食べて不老不死になった御伽話が,再度強調されます。人魚は英語で「SIREN」。人魚伝説は本物だった。市川(阿部)は、殺された人魚に成り代って、島民(の末裔)に復讐を果たしたという見方が妥当でしょう。赤い衣をまとった高橋真唯は人魚の霊。彼女の姿を目にしているのは、島外者である森本と市川だけです。それなら辻褄が合う。ただ腑に落ちないのは、高橋に足があったこと。それは人間である証。では伝説はデタラメなのでしょうか。いや全てがウソとは思えません。島民が若い女性をなぶり殺しにした事実はあったのかもしれない。島には偶像崇拝の風習があります。流行り病が引き金となって、集団凶行に及んだのではないか。魔女狩りと同じです。鏡に映るとDOGはGOD、LIVEはEVILに見えるように、島民の目に彼女はどう映ったのか。自分たちの行動を正当化するために人魚伝説は生まれたのだと思います。惨劇は人魚の呪いではなく、少女の恨みによって引き起こされた。彼女にしてみれば、島民は全て化物に見えたでしょう。断末魔に耳にしたであろう“サイレン”は、民衆の狂気の叫び声か。終始物悲しい表情の彼女が一瞬だけ浮かべる笑みに、震えます。
[DVD(邦画)] 7点(2007-07-04 19:06:55)(良:1票)
82.  3-4X10月 《ネタバレ》 
間(ま)が絶妙。それは時間の間。空間の間。2つの間の取り方が、キタノ映画の空気を作っています。この感覚は天性のもの。やはり北野武の映画監督としての才を感じずにはいられません。さて本題。事前に得ていた知識は、タイトルが野球のスコアを表しているということ。観終わってみれば、確かに逆転劇を食らったような。積み重ねてきたものが、最後の最後でひっくり返されました。ただ、主人公の頭の中だけのお話だとは思いません。本作のキーワード「振らないと始まらないよ」に意味が無くなってしまうから。主人公は確かにバットを振った(行動した)のだと思います。では、どこまでが現実で、どこからが妄想か。怪しいと思うのは、沖縄に到着した時点。喫茶店から、いきなりダンカンの野グソ。この端折り方は乱暴です。餞別を渡したダンカンが一緒に沖縄にいるのも変。たけしがらみで非現実的なカットも挿入されます。つまり沖縄のくだりから爆発までは、彼の願望ではないかと。ただし、全てが妄想とは限りません。現実が混在している可能性もある…。彼の現実は動いています。それは夏から秋へ、季節の移ろいから感じ取ることができます。ヤクザとの揉め事は解決していません。だから彼は復讐のシナリオをトイレの中で想像した。それはただの妄想だったのか、はたまたイメージトレーニングだったのか。ラストシーン、主人公から受ける印象は冒頭とは全く異なります。ちょっと走っただけなのに、積極性と自信が感じられる。その自信はどこから湧いてきたのでしょう。そして積極性は何に対して向けられるのでしょう。タイトルの×印は、野球の“サヨナラ”を現しているだけなのでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-27 18:27:02)(良:1票)
83.  ザ・ロック 《ネタバレ》 
娯楽性を意識した展開、演出に好感が持てました。トロッコのシーンは、さながらインディジョーンズのよう。キャラクターもよく描かれていたと思います。主役2人の心情を理解できたので、すんなり物語に入り込めました。グッドスピードはそもそも技術職。ミッションのために死ぬ覚悟があるかというと厳しい。ただし、身重の恋人にも被害が及ぶとなれば話は別です。彼が分相応以上に頑張ったことも頷ける。メイソンの方は、命を張る必然性はありません。さっさと逃げ出して、娘を避難させればいい。にもかかわらず彼が最後まで協力したのは、グッドスピードに恩を感じていたからだと思いました。娘と会っていたときに、気遣ってくれたことに。命を賭けられるほどの恩義とは思えません。でも些細な事かどうかは、当人が決めること。彼はよほど嬉しかったのでしょう。心を動かすことができれば、本当の意味で人は動いてくれる。それはどんな仕事にも当てはまります。不満な点を挙げるなら、カーアクション。接写が多くて見づらかったです。また、お約束とはいえ、敵がヘナチョコ過ぎたこともマイナス。さすがに手榴弾を投げ返されるのは恥ずかしい。それでも全体的には十分満足のいく作品でした。映画館で観たかった。
[地上波(吹替)] 8点(2007-06-21 18:17:37)
84.  サハラ(1983) 《ネタバレ》 
一昔前の邦画を観ているような。スケールだけはデカイけれど、それ以外はすべて安っぽいです。決して出来の良い映画とは思いません。けれど何故か微笑ましい。バカ映画としての良さがあります。ツッコまれることを厭わない大らかなスタンスとでも申しましょうか。みんな鉄砲に撃たれすぎ。主人公の銃の腕前は神か。仲間をほっといて逃げ出していいの。もうレースなんかどうでもいいじゃん。ツッコみ出せばきりがない。でも悪意が無いから許せます。というかあまり深く考えて作っていないはず。疲れているときにはこんな映画もいいものです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-06-04 19:30:42)
85.  ザ・リング 《ネタバレ》 
基本的に日本版の忠実なリメイク。そのため細部の変更をどう評価するかという問題になってきます。最大の変更点はサマラ(貞子)の年齢の設定。少女(というより幼女)の霊の方が米国ではポピュラーなのでしょう。ただ、サマラから“不気味さ”は感じられても、“怨念”までは感じ取れません。貞子と比べるとキャラ的に弱い。また生前の素顔を晒しすぎたのもマイナスでした。さらに日本版で好評だった“テレビから這い出る”シーンが著しくトーンダウンしたのが致命的。カクカクした動き、眼球アップ等、日本版同シーンが如何に出色の出来であったかが分かります。また物語の流れについては日本版を“なぞった”感が強く、やや拙く感じました。不出来とは思いませんが、無難すぎたかと。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-04-22 01:10:22)
86.  最後の海底巨獣 《ネタバレ》 
自分は公開当時のVFXの標準的なレベルというものを知りません。『ゴジラ』も未見です。当時の特撮作品で観ているのは『アルゴ探検隊』くらい。なので本作のVFXがショボイのか頑張っているのかの判断がつきません。ですからこの部分には言及しませんが、それでもB級感バリバリの作品であるのは間違いないようです。本作はパニック映画。その元凶は蘇った恐竜です。でも扱いは恐竜というよりも怪獣に近い。みんな怯えすぎ。さらに面白いのが、恐竜と一緒に蘇った石器人。いろんな意味で在り得ない存在なのですが、彼が本作のキーパーソン。主役以上に目立っていましたし、意外とナイスガイでした。全体的な完成度は低調だと思いますが、こういう作品はなぜか憎めません。GJ連発の石器人(ケイブマン)に+1点です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-04-11 18:13:07)(良:1票)
87.  サウンド・オブ・サンダー 《ネタバレ》 
架空の設定にツッコむのは野暮だし、そもそも面白ければそれで良い。タイムトラベルは、そういうジャンル。それが分かっていても言いたくなります。「ありえねえ」と。それくらい本作のロジックはぶっ飛んでいます。”時の波”に”スリングショット”。マジでヤバイ。物語は「風が吹けば桶屋が儲かる」のスケールでかいバージョン。見所は今とは違う進化を遂げた生き物たち。それなりに面白いのですが、もっと種類を見たかったし、どうせならその進化の過程を見せて欲しかった。CGのショボさも手伝ってB級感は相当強いです。ただ、B級の楽しみ方が分かっているならば、結構楽しめると思います。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-04-09 18:30:39)
88.  三年身籠る 《ネタバレ》 
オセロ中島主演ゆえにコメディを予想していたのですが、違いました。たしかにコメディの味も感じます(1箇所だけ大爆笑しました)。でもその実は結構シリアスなドラマ。男と女の“生き物”としての違いを、まざまざと見せつけられた気がします。オスとメスの違い。父と母の違い。さらに女と母の違い。男→父の変化よりも、女→母の変化は、より劇的なのでしょう。考えてみれば、「身籠る」という言葉からもその事がうかがえます。自身の体の中にもう一つの命を籠もらせる。他者の介入を一切許さない長期間に及ぶ関係は、あらゆる対人関係と一線を画します。三年身籠ったことも、それを“よし”とした主人公の選択も、常職では考えられません。自分は中島をコワイと思いました。でも“母の本質”はこういうことなのかもしれません。男としても、父としても興味深く観させていただきました。ちなみに多彩な料理も見所だとか。
[DVD(邦画)] 6点(2007-03-23 18:55:18)(良:1票)
89.  ザスーラ 《ネタバレ》 
ゲームの存在理由について、一切説明が無いのが凄い。もちろん『ジュマンジ』ありきという部分もあるのでしょうが、変に言い訳するよりも「世の中には不思議なことがある」で押し切る強引さが素敵です。テーマはベタ。エピソードも想定内とはいえ、ちゃんと伏線を張った展開に好感が持てました。宇宙飛行士の正体のサプライズも良。思っていた以上に楽しめました。映画館の大スクリーン向けの作品だと思います。ラストがやけにアッサリしていたので、もうひと押し欲しいところ。ザスーラを離婚した両親にやらせてみるとか、間違えてもう一回スタートボタンを押してしまうとか。それでも家族で安心して観られる娯楽SFとして、利用価値のある作品だと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-26 17:51:36)
90.  ザ・セル 《ネタバレ》 
世界観自体は好きです。予想通り非常に幻惑的で、映像的にも面白いものがあったと思います。ただちょっとちぐはぐな印象があります。テーマは深そうなのに、ストーリーはわりとアッサリとしていたような。監禁された人質救出という明確な目的を作ってしまったことで、普通のサスペンスになってしまった気がします。作品の間口は狭いのに、いざ入ってみたら意外に出口は広かったという感じ。もっと深い、難解な作品を想像していた者にとっては、食い足りなさが残りました。いっそカルトと呼ばれるくらい、思い切った作品にして欲しかったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-12-16 20:17:04)(良:1票)
91.  殺人捜査
このタイトルならば、普通はサスペンスかミステリーを想像すると思います。しかし全然違いました。確かに殺人事件は起きます。それも物語開始早々に。でもタイトルである殺人事件の捜査そのものは、あまり重要ではありません。メインとなるのは、殺人犯である主人公の心理描写です。それも、「捕まることを恐れる」や「罪の意識に苛まれる」といった、よくある類のものではありません。もっとアイデンティティの根幹に関わるような悩み。ちょっと哲学的ですらある。さらにこの犯人、変態なんですよ。上手くまとめられなくて申し訳ないのですが、そんなお話なんです。切り口は目新しく、興味をそそります。はまる人は、はまるのではないかと。ただ娯楽作品という感じではないので、面白いかというと微妙です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-12-13 18:08:49)
92.  THE JUON/呪怨 《ネタバレ》 
オリジナルに忠実だと思いました。代わったのは登場人物くらい。ですからオリジナルの持ち味は健在です。物語の展開で怖がらせるというよりも、各シーンのインパクトで勝負。脈絡不要。怖ければいいという姿勢。ある意味潔いと思います。ただ、リメイクの意義は感じられませんでした。オリジナル以上でも以下でもない作り方。なら、オリジナルを観ればいいかなと。仮に「セルフリメイク」でも、そこにチャレンジ精神、新たな試みが感じられないとガッカリです。おそらく会社の意向は職人気質の作品づくり。市場にあわせて登場人物だけ代えてくれ。余計なアレンジはしてくれるな。そんな姿勢を感じました。その観点からすれば本作は良い出来だと思いますが、自分が観たいのはそういう作品ではありません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-11-16 18:16:02)(良:1票)
93.  サスペクト・ゼロ 《ネタバレ》 
FBIの極秘プロジェクト、透視能力、謎のマーク、姿を見せない超大型連続殺人犯…これってXファイルのノリですよね。SFならそういうものだと思って観るので、設定に疑問を抱くことはありません。でも本作はリアル路線の作品(だと思う。)ですからこれらの設定を単純に胡散臭いと感じてしまいました。キーパーソンは透視能力を持つ元FBI捜査官。彼を理解することが、すなわち作品を理解することだと思います。でもそれが難しい。彼は何故連続殺人犯を逮捕しようとしなかったのか?何故サスペクトゼロの存在を信じるようになったのか?何故自身の終焉を望んだのか?すべて彼が精神的に病んでしまったという理由で説明はつきますが、それでは浅いし不十分。もっと深い理由があると思いますが、自分には理解できませんでした。そのため、大風呂敷のわりに結末はしょぼいという印象が残ってしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2006-09-14 18:24:45)
94.  殺人の追憶
韓国映画には独特の泥臭さ、生々しさがあり、自分には合わないかもという先入観がありました。たまたま観た『オールドボーイ』がまさしくそのイメージどおりで、面白いけど味が濃すぎて胸焼けしました。ところが『僕の彼女を紹介します』『猟奇的な彼女』が自分の中でスマッシュヒット。韓国映画をまた観てみようという気になり、本作鑑賞の運びとなりました。泥臭さ、生々しさはやはり感じましたが、作品が持つ“熱”といった表現のほうが適切だと感じました。そしてこの“熱”こそが、韓国映画最大の魅力。泥臭さ、生々しさはすなわち“人が生きている”ということ。人をこれだけ強烈に描ける作品が面白くないわけがないのです。なかでもソン・ガンホ。彼の人間味の濃さは凄い!さらに本作は演出的にも素晴らしく(とりわけ間の取り方は絶妙)、前述の熱と相まって半端でない緊張感がありました。ラストも味わい深く、この類のストーリーでありがちな消化不良や物足りなさは一切感じませんでした。サスペンスというよりヒューマンドラマ。韓国映画恐るべしです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-05 17:47:52)(良:2票)
95.  座頭市(2003)
北野作品は食わず嫌いというか、難しそうで敬遠していた部分があったのですが、本作は素直に面白かった!基本的な構成は実にオーソドックスで観ていて安心感がありました。さらにテクニカル。見せ方の上手さ、構図の美しさを随所に感じました。そしてなにより意外だったのは娯楽性の高さ。これほど観客を楽しませることを意識してつくられているとは思いませんでした。流れるような殺陣も見ごたえあり。また、時折挟み込まれるベタなギャグが、いいアクセントになっていました。さしずめ牛丼における紅しょうがのよう(違うかな?)です。有名なラストのタップダンスについては、それまでの伏線(というか軽い予行演習)など、作品に溶け込ませようという工夫が見えました。これはこれでアリだと思います。ただ、娯楽性を追及しすぎたためか、物語の展開に(テレビ時代劇でみられるような)ご都合主義を感じてしまったのは、ややマイナスでした。それでも自分がこれだけ北野作品を楽しめるとは、嬉しい誤算でした。続編をぜひ観たいです。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-05 19:14:00)
96.  さよならみどりちゃん 《ネタバレ》 
不幸体質の女性の恋のお話。最初は、「そんなに辛い恋愛ならしなければいいのに」とか「この男、最低だな」とか思って観ていました。でも恋愛は理性でするものじゃない。そういうことを久しぶりに思い出しました。ゆうこからは、“理屈ではなく人を愛おしむ気持ち”を、ユタカからは‘人と深く交わることへの恐怖“”愛されることへの渇望と不安“が伝わってきました。2人とも器用に振る舞いながら、本当は不器用。それは理解できます。でも今2人の関係を”よし“としていいのか。今の状況からは光が見えません。やっぱり一歩前に踏み出すべき。自分はそう思います。「私を愛してよ」と本音を吐露したゆうこ。スナックを辞める決断をしたこと。頑なに拒んでいた歌を歌ったこと。満面の笑みで歌い踊るゆうこからは、恋する女性の切なさがにじみ出ていました。でも今の状況から踏み出す一歩、いや半歩も同時に見えた気がします。やっぱり女性は芯が強いのかもしれません。物語には痛々しいくらいのリアリティがありました。キャスティング的にはメインからスナックの客に至るまで良くはまっていたと思います。とくに星野真理は役を自分のものにしていたと思います。
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-03 17:57:29)(良:3票)
97.  サマータイムマシン・ブルース
「バック・トュー・ザ・フューチャー」のコメディ色を強くし、スケールを大幅にダウンさせた感じの作品。ひたすらバカバカしい、軽いノリのお話です。ノリは軽いのですが、綿密に計算された展開はお見事。伏線を細部に渡り張り巡らし、次々と辻褄が合っていく様は観ていて心地よいです。季節を夏に設定したのが大正解!思考を停止させる真夏の暑さが、違和感ありありのタイムマシンをすんなり物語に溶け込ませます。それに、このバカさ加減が夏にこそピッタリです。汗のしたたる夏の空気が、この年頃特有の熱気と妙なハイテンションにマッチしています。メインの若者たちに嫌味がないのも良。ともすると、若者の軽薄なノリを不快に感じることがありますが、そのような感じが全くなく、観ているこっちまで元気になるようでした。みんなキャラがよく立っていましたし、上野樹里の普通っぽさも素敵でした。瑛太の最後の一言は名セリフ。オチとして秀逸だと思います。(エンドロールで役名が出てきたらなお良かった。)決して大作ではないですが、タイムトラベルものとしても、青春映画としても小気味のよい快作です。本作を観るならやっぱり夏。それも暑さ盛りのまっ昼間。クーラーを効かせた涼しい部屋で、コーラでも飲みながら観るのをお勧めします。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-07-03 18:26:28)
98.  サボテン・ブラザース 《ネタバレ》 
特に感銘を受けたのは書き割りのシーンです。どんな作品でも、“作品の法則”(自然と観客が理解する決まり事)というのがあると思います。本作の場合、野外シーンは野外ロケ、室内シーンはきっちり作りこんだセットというのが法則だと思いました。ところが突如、野外シーンのはずなのに、一目でスタジオの書き割りと分かるセットが登場します。明らかに変なんです。書き割りで歌うアミーゴ。このバカさ加減にひと笑いします。と同時に“このセットは作り物なんですよ”という強いアピールを感じました。これが最後になって効いてきます。無法者を倒し、アミーゴが“作り物の正義の味方”から“本物の正義の味方”に変わる爽快なラストシーン。初めの作り物感が、より一層本物のヒーローになったときの感動につながります。3人のにやけた顔を観ているとこっちまでにやけてしまいます。あの踊り、あのキメポーズ最高です。本当にバカバカしい展開なのですが、素晴らしい。気持ちのよい映画をありがとう。
[DVD(字幕)] 8点(2006-06-20 18:20:44)(良:2票)
99.  サイダーハウス・ルール 《ネタバレ》 
この作品、初見の印象はかなり悪いものでした。狭い世界を経験しただけで、主人公が何かを悟ったような気になっていること。自分の責任で招いたドロドロの人間関係から逃げたこと。自分を必要としている所へ戻るという安直な選択等に共感できなかったためです。タブーに触れたエピソードにも嫌悪感を抱きました。初見から2年。再見して、違う見方をするようになりました。この作品はとても現実的なのだと気付いたのです。個人差こそあれ、すべての人が限られた世界しか経験しません。経験する世界の狭さを否定するのは違うと感じました。また、自分の生きていく役割(作中では“仕事”という表現)を見つけることは必ずしも経験する世界の広さに比例しないとも思うようになりました。また、自分を必要としている所へ戻ることは安直なのか?人は生きている意味を見つけたい生き物です。それが分からぬ一生も、それを見つけた一生も共に尊いです。単に主人公は後者だっただけです。それでも結果的に彼女との人間関係から逃れたことには、不満が残ります。それが彼女の為であったとしても、ドロドロの中で生きていかざるを得ないのが人生だと思うからです。再見でこれだけ印象が変わった作品は初めてです。解釈の仕方は様々だと改めて思いました。それでもやっぱり、好きではない作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2006-05-17 18:00:54)
030.13%
1110.49%
2311.38%
3994.40%
41587.02%
540918.17%
649622.03%
748921.72%
836616.26%
91446.40%
10452.00%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS