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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  THE FIRST SLAM DUNK 《ネタバレ》 
 『スラムダンク』ミリしらだったのだけど(『ジャンプ』卒業して49年経つし)とても楽しめた、面白かったわ。   何が良かったって、巧いのよ、原作の人が脚本書いて監督したこの映像作品が。映画の言語よりはマンガの言語、アニメの言語で描かれているのだけれど(多重モノローグたっぷりだし)、時系列を崩した上で再構築して、説明し過ぎずに行間を読ませ、要所要所に情景描写を挟み込んで。映画らしいかどうかなんてどうでもいいくらいには見事な映像作品になってると思うわ。ロン毛の番長風のカレが仲間になってゆく過程はさすがに行間空きすぎてて読み切れなかったけれど。   核になっているリョータのエピソード(原作は彼が主人公ではないのよね?多分あの赤い短髪のガラ悪い兄ちゃんが主人公よね?)が静かに情感豊かに描かれ、交互に進行してゆく試合シーンのダイナミックな映像との差で生まれるコントラストが上手いわ。実のところほぼリョータのお母さんの物語で、それは『スラムダンク』って大きな核からしたらかなりな脇道なのかもしれないけれど。でも多くを語らないあのお母さんの存在感がこの映画を深い、味わいのあるものにしていたわ。   原作ミリしらだったので試合の進行もワクワクと楽しめたし、相手校のあのずーっと表情に変化のないカレが最後に突然号泣するところなんかも上手いわぁ、ってカンジで、つまりこれって井上雄彦って人の才能よね。それだけの才能を持った人が、その才能を発揮した作品っていう。マンガ家さんって凄い才能の人が多いのだけれど(自らの個性と絵と物語で世界を創造するっていう)多くの人の共同作業となる映像製作にまで長けてゆくとなると、もうひれ伏すしかないわ。
[映画館(邦画)] 9点(2022-12-20 15:43:17)(良:2票)
2.  さよならくちびる 《ネタバレ》 
 門脇麦と小松菜奈の百合映画なんて、それだけで満点じゃなくて?  なんていう汚れた心にパンチ食らわせながらじんわり癒してくれるような映画だったわ。   険悪なムードで解散へと至るインディーズデュオのハルレオと付き人シマ。ロードムービーのカタチを取りつつ、過去に戻ったり、ファンの姿、ローカルテレビのインタビュー、書きかけの詞なんかをコラージュして、出会いからそこに至るまでのハルレオの姿を浮かび上がらせてゆくのだけれど、この映画、幾つもの矛盾をぶつけてくるの。  全く違うようでよく似ているハルとレオ。儚げだけど強くて、だけどやっぱり弱い二人。頼りないけど頼れるシマ。それぞれがそれぞれを大好きなのに、だからって上手くはいかない、好きなのにどんどん壊れていっちゃう。キビシいようでいて優しい映画。切なくつらいのに、何故か幸せな気持ちになれる映画。   この映画、色々と物語るワリに物語になろうとしないのよね。ハルとレオが出会って間もない頃にハルの家でカレーを食べるシーンでの長回し、その1カットで色んな事が語られるのね。カレーを食べながら泣き出すレオ、頭をハルの肩にもたげ、そのレオの頭にそっと口付けるハル。そこにはふたりのいろんな背景が描かれているわ。でも、それを物語として結実させようとはしないの。3人の最後の晩餐もカレー、そして出発点に戻る、行きて帰りし展開が、だけどそれがきっちり物語として閉じているとは言えないのよね。  ※ここからラストについてのネタバレ※   その、閉じなかったラストシーンについては結構否定的な評価を見かけるのね。台無しって。でも、アタシ的にはアレ、つまり物語としての区切りを付けてないだけだと思うわけ。見た人それぞれに想像するでしょうけれど、アタシはあの後やっぱり解散すると思うのね。でも、少しだけ先送り、もう少しだけ3人の時間があってもいいかな?みたいなキモチ、って。まだ3人にはそうしてもいいだけの時間があるんだもの。何かをハッキリ決めなくちゃならないようなトシになるには、まだもう少し時間がある、そういうコトよね。それが青春、青春映画。
[映画館(邦画)] 9点(2019-06-03 22:17:28)(良:1票)
3.  search サーチ 《ネタバレ》 
 これ、とっても面白かったわ。ずっとのめり込むように見ちゃった。   PCの画面だけで映画が展開するっていう発想自体はそんなに斬新ってワケじゃなくて。わりと最近、スターチャンネルでもそういう映画見たしね(タイトル忘れちゃった。自殺した女の子の幽霊が同級生達のビデオチャットに入り込んでくる、ってホラー)。  でも、見せ方がとても上手いの。編集も細かいし、ただPC画面を見せ続けるだけではなくて、カメラが寄ったりパンしたりして、PC画面を演出している、視線のように撮って臨場感を出しているカンジ。  見ているこちらはそのPC画面だけの世界から登場人物の生にグッと近づいてゆくような気がして。   デジタル社会、ネット社会が恐ろしいものなのですよ、なんてコトを語ったりはしていないのね。  もはや生活の一部になっていて(そう、私にとっては20年以上前からPCに記録している映画のデータも、もう使ってないしたらばもmixiも、今のツイッターやインスタもiphoneの中身もまた自分という存在の一部を映す世界であるように)、PCやスマホやネットやクラウドの中に虚と実があって、生活があって、生があって、社会があって。  今はそういう時代で、だからそんな中でこんなサスペンス映画も成立しちゃう、これって今って時代だからこその映画。ネットを虚として区別せず、ネットも含めての現実(リアル)。  そんな今のこの生の中では、映画の中の行方不明になってしまった少女の存在が普通の映画以上にリアルに感じられて、本当にハラハラさせられて。   このやり方であらゆるジャンルの映画が作れる気もするわ。  かつて森田芳光監督が『(ハル)』でパソコン通信の世界で文字から生まれる触れ合いを描いたけれど、今はここまで来てるって感じで、SFでなくリアルなデジタルの生について想いを巡らせたわ。
[映画館(字幕)] 9点(2018-11-06 22:05:14)
4.  百日紅 ~Miss HOKUSAI~ 《ネタバレ》 
 「アニメで江戸の空気をどこまで感じ取れるのか」というのがこの作品の要だったのではないかと思います。いかに観客の感覚を刺激し、そこに江戸を感じさせられるか。五感のうち、映画ですから視覚と聴覚にはダイレクトに訴えかける事ができますが、触覚や嗅覚、味覚をも映像と音で刺激できないか、みたいな、そんな挑戦的な表現。今や誰も直接知る事のできない江戸の空気、その再現。   お栄の目の見えない妹は、そのための重要な存在。彼女が「見えない事によって観客が見る」数々の事柄は五感を刺激するような作りになっています。おこしの味、トンボの羽音、橋を行き交う人々の足音、川の水の感触、雪の冷たさ。彼女が得た感覚がいかに観客の記憶を引き出し、そこに江戸という感覚世界を構築できるか、という。   物語はエピソードがお団子状態で繋がっていて、ハッキリと区切られている訳ではありませんがオムニバス状態。ゆえに映画としてのまとまりには欠けますが、数々の人と風景に彩られた、北斎とお栄が過ごした江戸の時間はとても魅力的に映りました。もっとずっとそこで過ごしていたいような、そんな世界。   日頃、アニメーションの可能性について考えるのですが、日本のアニメには、お約束や記号的表現、自ら制限を課したような表現の縛りが世界を狭くしてしまっている作品が多々見られます。  最初から限られた表現の中で何ができるのかではなく、目的の世界をいかに表現するか、その表現法を柔軟に模索している作品、そういう作品が評価されてゆく状況になれば良いのですが。この作品は、そんな摸索が感じられる一編でした。   日本橋のシネコンという、作品にぴったりと合った恵まれたロケーションで見たので、ついでにお江戸散策と洒落込みましょうと、映画が終わった後に日本橋を眺めて、それから銀座線に乗って浅草に出て、雷門から仲見世を通って浅草寺にお参りし、吾妻橋を渡って隅田川を眺めて。映画の中に漂っていた匂いを感じ取る事は難しかったのですが、江戸という街はこの世界から消えたのではなく、形を変えながら今に続いている、その時間の流れをしっかと感じ取る事ができた、有意義なひとときでした。
[映画館(邦画)] 9点(2015-05-13 23:05:21)
5.  サニー 永遠の仲間たち 《ネタバレ》 
悩んだり対立したり楽しくてバカで切なくてキラキラした彼女達の高校生活。学園祭の日、その青春の終わりを告げるのがきらびやかなダンスのステージではなく、最悪の悲劇であったというところがとても厳しく、光り輝いていた筈の未来が現実の重さに圧されてゆく事をこれ以上無い痛みという形で描きます。25年後の現実の厳しさは、かつてのリーダー格の末期ガンという形で最初から提示され、ですがあくまで映画は笑いとブラックなネタで彩られ(主人公のイタコ状態はマジでヤバ過ぎ)、テンポ良くたっぷりの見せ場で自在に過去と現在を行き来し、決して飽きさせる事はありません。軍事政権下にあったかつての韓国の姿を、ただの背景やスタイルではなく、人々の表情をふんだんに盛り込む事でそこに生きた人々を浮かび上がらせ、現在に繋がる生を感じさせます。現在のシーンも悲喜を織り交ぜ更なる未来への道筋までも示し(最大の悲劇をサラリとすっ飛ばした後のラストは都合良過ぎな感が無きにしもあらずですが、これは救済の物語ですからね)、一本の映画に様々な感情が次から次へと湧き出す稀有な体験をしました。笑わせ泣かせるというのは韓国映画の決まり事のようになっている感もありますが、これはその基本を活かしつつ、多彩多層なエッセンスを巧みに組み上げ「大笑いしながら泣けるけどどっしりとした厚みのある素晴らしい映画」という離れ業を成し遂げました。韓流にゲンナリ食傷気味な人も(映画の中でそれを皮肉っているシーンがあったりして大笑い)これはイケるんじゃないかと思います。
[映画館(字幕)] 9点(2012-06-10 16:27:50)(良:1票)
6.  サンドロット/僕らがいた夏 《ネタバレ》 
少年の、夏の輝く思い出を描いた文芸色が強い映画かと期待して見に行ったのですが、実際にはバカ続出なコメディ映画だったりしました。そのギャップに「れれ?」となりつつも、でも、コレは見っけモンですよ、と。『スタンド・バイ・ミー』からの明らかな引用が見て取れはしますけれど(犬ネタなんてモロですもんねぇ)、こちらはもっとオプティミスティックなファンタジー。ラストで夢がバーン!と花開く展開に胸いっぱいになりました。それにしても、騒動の元となるサインボール、現実にあんな事しちゃったら、周りみんな卒倒モノって思ったら、アレに近いコトを某マンガ家の息子がやらかしたとゆー(ベッカムのサインボールをさんざん蹴っ転がした上で無くしたとか)。現実にそういう事があるんだ・・・。
[映画館(字幕)] 9点(2004-05-02 19:49:55)
7.  ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結 《ネタバレ》 
 悪い奴らなクセにやたらグジグジとウェットで見どころと言えばハーレイとカタナくらいだった冴えない前作とは違って今回は面白かったわ。ジェームズ・ガン監督の作品は必ずしも好きとは言い難いのだけど(自分の中で0~10点まで振れ幅大きいわ)。   冒頭、こいつが主役?この連中の話?って思わせてからの意外な展開(いやポスター見てれば別に意外じゃないんでしょうけど、アタシ基本的に映画見る前にあまり情報をアタマの中に入れたりとかしないのよね)にドン引きしたり笑ったり。  メンバーは揃っておバカだし、前作から続く権力側のオバちゃんは今回あんなだし、スタッフもあんなだし、おふざけ度がかなり強くなっていて、でもそれはそれで楽しいので深刻ぶってるよりはよっぽどいいわ。スタッフ達の描写には『レディ・プレイヤー1』の敵側スタッフみたいに愛が感じられたしね。脇役に愛がこもってるのはいいわ。カタナ出てこなかったのは残念。でもハーレイとサメちゃんとで基本満足。あとネズミ姐さんと。   クライマックスは喜ぶ人間超限定的な大映映画リスペクトね。『宇宙人東京に現る』のパイラ人なボスったらフルCGなクセに中に人が入ってまーすって動きで街を破壊するし対抗するのは『大群獣ネズラ』だし。大きくないけど。   人の命の扱いが大変に軽い映画で、街を救おう!ってクライマックスの意志と相反してたりもして、そこはちょっとモヤるのだけれど、基本バカ映画なので『ホット・ショット』みたいなレベルで考えとけばOK、みたいなカンジ? ジェームズ・ガン監督にはあくまで気を許せないケドね。
[映画館(字幕)] 8点(2021-09-06 22:04:13)(良:1票)
8.  さよならテレビ 《ネタバレ》 
 東海テレビ局内の人々の姿を追った、ドキュメンタリー・・・?   あの「セシウムさん騒動」を起こした局が、視聴率とスポンサーに縛られる中でジャーナリズムの在り方を問い、理想と現実の狭間で苦悶し・・・という世界かと思いきや、ああ、こいつらちっとも懲りてないわ、テレビ屋って本当にダメな連中のカタマリね、でもそんな中にも希望が持てる存在がいたりするのね、と思ってるそばから更にひっくり返されて、もう本当に絶望的な気分にしてくれる映画ね。  でもそれを当の東海テレビ自体が作っているのだから、それは露悪的で、そして偽悪的で。   わりと最初に提示される「カメラが介在した状態でのドキュメンタリーは本当に現実と言えるの?」ってところから、映画はドキュメンタリーとヤラセの間を漂いながらテレビ局の「リアルな虚像」を見せてゆくのね。そこにはテレビ屋の取材対象に対する思いなんてのはスッポリと欠落しちゃってるし、仕方なさに支配された状態を披露してゆくのはひたすら言い訳がましいわ。そしてテレビなんてそんなモンだと披露するところまでがセットになっていて。   映画は最後にこれがそこまで描かれた以上にヤラセでした、と告白してみせるのね。なによ結局は全てが虚飾なの?って思うのだけど、そんな虚飾だらけのテレビって世界の中にチラリチラリと垣間見える真実と本音、それをどう拾って受け止めて、そしてテレビジャーナリズムってものに何を問えるのか、問うべきなのかを考えることになる、そう、これはあえて悪役を買って出たようなモノ。自分達も出来てない、そして他も出来てない、それが浮き彫りになる現実。テレビジャーナリズムはそのままどんどん駄目になって終わるのか。   この映画の他に、ここのところハマってた『チャンネルはそのまま!』のドラマ版や、テレビ朝日の『報道ステーション』大量派遣切りのニュースなど、自分の中でネタが重なってるのだけれど、中でも最も大きなイガイガになっているのが映画にも描かれた「権力の監視」についてね。現在もうテレビジャーナリズムがその点においてほぼ機能していない状態で、既にテレビジャーナリズムは死を迎えているんじゃないか、っていう状態で。それでいいの? あんたたちはそんなクズとして生きていたいの? ってそれは結局市民の側が黙っていちゃダメなのよね。ダメな連中が自分達から良くなる事はないのでしょうから。
[映画館(邦画)] 8点(2020-01-19 11:18:34)
9.  SUNNY 強い気持ち・強い愛 《ネタバレ》 
 オリジナル版が大好きで、だからよりによってあのペラッペラに薄っぺらな大根監督の手によってリメイクされると聞いて、マジやめて・・・とか思ったんだけどね。でも、口惜しいけど大根監督で正解だったわ。   民主化運動で時代が大きく動いてゆく韓国を背景にした青春物語だったオリジナル版に対して、この日本版はバブル崩壊後の、元気なのは女子高生くらいのモンだった90年代半ば。長らく平和っちゃ平和で、ただただ流行に、時代に、流れ流されてゆく青春があって。  そのペラペラと軽薄な世界に大根監督の薄べったさがピッタリフィットだわさ。そんな軽薄さが日本のリアル、みんなが生きてきたこの国の1つの時代なんだから。   大根監督のインチキ臭さ、胡散臭さも、あの狂騒の時代にならアリ、だものね。『ラ・ラ・ランド』の出来損ない、なんて形容すらおこがましいくらいの冒頭の長回しにしても、ばあちゃんのわざとらし過ぎ吉本ネタにしても、ステレオタイプなエヴァ好きひきこもり兄にしても、なんとなく許容しちゃえるくらいの感じがしちゃうもんね。   背景に流れる数々の歌もまた、確かにしっかと聴いておりましたともさ!って状態で、いいも悪いもない、その時代を生きた血ってのが今この体ん中流れてるのは事実なんだから仕方ないっての。   日本版は基本的な物語は韓国版をきっちりなぞっていながら、国と時代が違うだけでまるで別物になった感じがあって。エンドロールの違いによって方向性そのものが違ってたりするしね。未来に向かって閉じてゆく韓国版と、過去に向って開いてゆく日本版、どちらが正しいとかも無いしねぇ。   このペラッペラさこそが日本の『サニー』だわ。   広瀬すずが可愛らしい田舎の高校生を演じて、だけどあのイタコはさすがに無理だろー、と思ってたら、イタコとは違うけど、かなり頑張ってたわ。この夏の美少女変顔コレクションとして浜辺美波、橋本環奈と共に脳裏に刻んでおくわね。
[映画館(邦画)] 8点(2018-09-06 22:02:52)
10.  猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) 《ネタバレ》 
 前2作はワリと微妙に感じてたんですよね。結局お猿さんだよね?っていう。それは前シリーズやティム・バートンのアレも一緒で。お猿さんは宇宙人でも怪人でもなくてお猿さんで。   でも、今回は今までよりも点数高いです。迫害されるお猿さんの1作目、内輪モメなお猿さんの2作目から、今作は明確に人間との対立という形になって。お猿さんが特定の民族の象徴ではなく、人類の選択すべき道を示していて、このお話はここまで辿り着きました、という到達点が明確になっています。  破壊と殺戮に囚われた人類と、それに抗うシーザーは旧き人の形を示し、天使に導かれて安息の地を目指すお猿さん達はあるべき人の形を示しています。それは黙示録的で、神話的で。そして選民意識や民族主義に走り排他的な流れに走っている現代の世界情勢に対する啓示のようでもあって、だからこれは今この時代に作られた事に意味がある、その時代を映す鏡として至極正しい映画だと思います。  存続の危機に陥ってなお対立をやめない人類に対して襲いかかる天罰的状況、そこに意識を向けるべきなのです。   天使ポジションのノヴァの色がモノトーンの作品世界の中で希望を示すコントラストとなっていて、美しい絵を創り出しています。彼女が画面に登場するカットは宗教画的ですらあるのでした。
[映画館(字幕)] 8点(2017-11-05 18:24:48)
11.  サバイバルファミリー(2017) 《ネタバレ》 
 東京大停電とか東日本大震災の時の物不足とかを経験しているので、この映画に描かれた事がリアリティを持って伝わってきて、これ、私にとってはコメディなんかじゃなくって、パニックホラーの世界でした。映画を見ながら実際にこのような状況に陥ったらどうなっちゃうんだろう?とあれこれ考えて恐怖に震え上がってしまう状態。   映画にはツッコミどころがいっぱいです。乾電池、充電池まで全て無効化してしまうとかいう本来あり得ない事はそういう状況を作るためのファンタジーとして、事態を認識するまでが遅い、自動車がダメなのに飛行機は飛ぶと信じてしまう根拠が判らない、それなりの日数が経過しているのに主人公一家が到達したタイミングで閉鎖になる羽田空港、全く機能していないように見える警察や自衛隊や地方自治(マンション一棟での自治しか機能していないっていうのは幾ら連絡方法が無いとはいえ狭すぎやしませんかねぇ?)、その一方で妙に連帯している田舎(そうやって都会と差別化してイメージ作ってる訳ですが)、これ見よがしに要所要所で登場するゲスト出演者でシラケる(フジテレビらしいと言えますが)等々。   でも、やがてその旅から根源的な「食べるため、生きるために行動する」姿が浮かび上がってきて、それはやっぱり感動的なのでした。後半の農家でのご飯は『この世界の片隅に』以上に泣ける食事シーンでした。   教訓染みた自然回帰志向とか、依存型の文明に対する批判とか、そういう部分を強調し過ぎていて白ける感もありましたし(都市型の一般大衆を意識の低い存在と見てるフシがありますな)、エピローグ部分のダメ押しみたいな展開にゲンナリしたりもしましたが(目覚ましのところあたりで終わらせちゃった方が良かったんじゃ?)、この世界の中で「人間」という生物が「食べる」事の重要さ、大切さを描いた点を高く評価したいと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2017-02-14 22:32:40)
12.  ザ・ファイター 《ネタバレ》 
過去の微妙な栄光にすがるヤク中のお兄ちゃんにしても、身勝手なステージママ状態のお母ちゃんにしても、ソファに並んで座ってるだけでなーんにもしてなさそうな姉妹達にしても、そして、一見マトモそうに見えるガールフレンドにしても、ダメさを漂わす街の人々にしても、実はみーんな同じ、「自分の現実はダメだけどミッキーなら」と夢を託しているのですね。そしてそれぞれに「自分にとっての理想のミッキー」像があるから、その差異から摩擦が生じてあちこちで諍いが起こっちゃう。当のミッキーにとってはたまったモンじゃありません。その摩擦に潰されそうになって、だけど段々と自発性を持ち、紆余曲折しながらもそれらの総てを受け止め、みんなの夢を叶えてゆく姿は映画を見ている側にも同様のシンパシーを与えてゆく感じです。なんか苦いドラマを見ていたつもりが、見終わってみれば妙にスッキリ感動!って映画で。ダメなみんなだって、それぞれに頑張って、本当にイヤな奴らにしか見えなかったハズが、なんだか清々しく。特にやっぱりお兄ちゃんのダメっぷりが際立っているがゆえに効いてくる感じで、クリスチャン・ベール好演。その佇まいだけでダメっぷりを漂わせてます。ますます『太陽の帝国』の少年とはまるでイメージが結びつかなくなりましたが。蛇足ですけど、エイミー姐さん、おっぱい透けてますが。一応ディズニー・プリンセスなのに・・・
[映画館(字幕)] 8点(2011-04-01 21:23:08)(良:2票)
13.  佐賀のがばいばあちゃん 《ネタバレ》 
画面から匂いのしてくる映画でした。夏の川辺の匂い、かまどの煙の匂い、釜から立ち上る湯気の匂い、蚊取り線香の匂い。昔の日本の匂いを画面から感じられただけでも、この映画いいな、と思いました。物語は悲劇に寄る事なく愛すべき人々の温かさを描いていて、悪人なんて全然出てこなくて、だけど人の優しさ、温かさが逆に少年の生い立ちを際立たせて切なく悲しかったりもします。散文調でドラマの流れがないために、深みが感じられない面はあるのですが(ばあちゃんの言動は面白くも含蓄に富んでいますが、貧しさの中で7人の子供を育て生きてきた重さが伝わってくるようなエピソードは全然なくて)、ばあちゃんと少年の過ごす時間を見つめられただけで、ほわほわじんわりと染みてくる映画でした。まー、でもあの少年が後に「もみじまんじゅう!」ってところに至ってしまいますよ、っていう繋がりを感じさせてくれても良かったかな。なんで真面目そうなサラリーマンなのかな?
[DVD(邦画)] 8点(2007-05-20 01:43:24)
14.  サマリア 《ネタバレ》 
重く、痛く、そして切ない映画でした。っていうかこの監督の映画はいっつもどこへ物語が向かうのか見当がつかなくて、見ている間ずーっと心がざわざわ。ヨジンにとってのチェヨン、私としては別の存在だと思って見てましたが、同化していたがゆえにチェヨンの死後のヨジンの行為は喪失した部分を埋め合わせていってるのだと思いました。対する父の行動は北野映画の如く寡黙な暴力が爆発しておりまして、見ていて非常に痛いのですが、そこに同情はありません。ひとつの家族を破壊させ、一人の人間を殺害し、自己完結への道へ進む、それは正義ではなくて、娘が離れてゆく、家族の姿を維持できなくなる事に対する足掻きのような感じ。夢のシーンは願望を象徴しつつ、実際には娘の一人歩きのための道を作る。父を追う娘を車という形で俯瞰したラストがとても印象的でした。この監督の作品を見るのはこれで3作目ですが、どうも描かれている事そのものは実際の事象として明確に捉えるべきではないようですね。死、殺人すらも象徴的なものでしかなく、世界を描くためのピースのひとつに過ぎないような感じ。状況や背景を深く追求するよりも、感覚を以って接する映画という感じでしょうか。まあ、平たく言っちゃうと娘のセックスに対する不安と諦めの映画、とゆー元も子もない説明が付けらんない事もないですが。韓国映画は美と醜とが同体として描かれている映画が多いのが特徴的ですね。美しさとおぞましさが同時に心にこびり付きました。
[DVD(字幕)] 8点(2006-11-21 02:05:18)
15.  さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 《ネタバレ》 
えーと、今の感覚で見ちゃうと、点数ガタ落ちしそうですが、当時のままの気持ちで書くとしましょう。やっぱり、ヤマトの満身創痍の末の最期、とゆーのには感動しました。明らかに公開に間に合いませんでしたって感じの、ガタガタの作画や、月壊したまんま何故か沈黙しちゃう敵巨大戦艦、反物質なテレサを解放した時点でヤマト特攻は不要なんじゃ?という疑問も、まあ置いといて、ラスト40分の怒涛の展開は、金田伊功、安彦良和といったベテランのウデもあって、今もってこれを越えるアニメはないんじゃないの?って構成力でした(『イデオン』だの『エヴァ』だのになると、ドラマより生理的嫌悪感が先に立ちます)。壮絶な攻撃、破壊の中で次々と倒れてゆくキャラクター達、そして最後は一転して静かに、ゆっくり淡々とその最期を描きます。当時の、前時代的な特攻精神だのナンだのという批判は的ハズレで、単に滅びの美学に酔いしれてただけだったんですよね。ここで潔く姿を消していたなら伝説になれたのに・・・。そうそう、よくブログとかで「映画を見て号泣した」とか書く人がおりますが、私が映画館でマジで号泣している人を見たのは今のところ、この映画が最初で最後ですよ。小学生の女の子グループでしたが。
[映画館(邦画)] 8点(2003-12-05 21:10:50)
16.  さびしんぼう
前半の暴走おバカ映画ノリと、後半の悲しい物語とが、きちんと1つの映画の中に同居していて、深い余韻を残す映画です。お父さんがお風呂で言う「人を好きになったなら、その人の欠点まで含めて全部好きになれ」ってセリフ、それがマドンナとさびしんぼうの、見えない部分に対する想いになってゆく流れは秀逸。甘く切ない、だけどおバカ映画としてもなかなかに高ポイントな映画なのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2003-12-05 15:01:44)(良:1票)
17.  サバカン SABAKAN 《ネタバレ》 
  男の子2人、ブーメラン島まで当たり前のように泳いでいくのよね。えっ!?って。アタシ的にはめちゃくちゃ恐い映像。アタシ絶対すぐ溺れるわ。これだから都会モンはぁ、って感じ?  でも都会生まれから見ても地方の海辺の町を舞台にしたその世界にノスタルジーを喚起させられたわ。たっぷりと描かれる風景の美しさ、日本の良さが描かれた映画。   作家の男性が回想する少年の日のひと夏の冒険と別れを描いた映画、『スタンド・バイ・ミー』っぽいわ。冒険部分がメインのように期待しちゃうとちょっと違うのだけれど(冒険は映画の前半ね)、少年たちと世界との関わりが描かれてゆく流れが良いのよね。  2人の男の子はもちろん巧いのだけど、それ以上に彼らの生を彩る周囲の人たちが魅力的でいいの。パワフルで強い母ちゃんと母ちゃんに圧され気味だけど物分りのいい父ちゃん。多分あんまり演技してない、素が出てるカンジなのがとってもかわいい弟。莫迦っぽいけど恐い不良たちとかっこいい兄貴分。異様な雰囲気の駄菓子屋の夫婦。ちょっとセクシーな年上のおねえさん。執拗に追っかけてくるミカン畑のおやじ。大人の社会、若者の社会の中に触れて成長してゆく姿がユーモラスで楽しく見られたわ。   その分、友達の家庭に訪れる不幸が取って付けたような、いかにもこれこそ不幸な展開って状態で創作であっても嫌な感じがしちゃうのよね。お母さん一人で沢山の子供を育てていて、だけど事故でこの世を去って子供たちはそれぞれ親戚の元に引き取られてゆく、って邦画で昔から何度も何度も繰り返されてきた定番中の定番な悲劇ってカンジで。映画としてあのコたちにもっと愛を注いであげて欲しかったわ。エピローグ部分で一応救いが描かれてはいるのだけど。   同時期に『凪の島』という、やっぱり個性的な大人たちに囲まれた海辺の町に住む子供2人が冒険の旅に出ますって映画を見たのでのちのち印象ごっちゃになりそうな感が無きにしもあらずなのだけど、日本の風景、日本の人の暮らしを描いた映画をしみじみ味わうのって心が落ち着いていいわね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-09-15 15:50:01)(良:1票)
18.  サマーフィルムにのって 《ネタバレ》 
 ひと夏の青春物語、いいわよね。映画製作に賭ける高校生たちの姿は楽しくって愛らしくて。夜の体育館のシーンなんかあまりに楽しそうに青春していてこちらは逆に泣けてきたわ。出演しているコたちみんな活き活きとスクリーンの中に生きていて。   だけどラストシーンは監督とアタシとの間に「映画」に対する視点の大きな違いがある感じがして。  映画は撮影した瞬間から過去のものになってゆくわよね。永遠に閉じ込められてゆく過去。となるとそれまで映画=過去に固執していた主人公も未来から来たカレに対しても否定とまではいかないけれど、それじゃダメって言ってる気がするの。今を生き、そして未来を生きろ、ってコトで最終的に映画を棄ててる、映画を棄てたところから始まるような感じ。実際アレは映画から完全に離れてとても演劇的な世界なワケだし。それまで映画によって紡がれてゆく生のカタチを描いていながら最後は演劇としてオチる、その思考はなんていうか、現場主義的みたいな?  メインのコたちはともかく、あの場に「映画」を見に来ていた生徒達はアレで納得した、良かったのかしら? 本来は過去のモノとして完結しているハズの映画が止められて突如「今」がリアルに動き出す、それに置いてきぼりな感覚を受けなかったのかしら? アタシはモロに受けたのね。現場を生きてる、映画を生のモノとして感じてる人間からすればその感覚も理解可能なのかもしれないけれど、映画は出来上がったものが全てです、っていうアタシの視点からするとこれって激しい自己完結の物語に感じられちゃうのよね。そこに至って受け手はともかく送り手の自分は満足です、っていう。   やり直しの効く若さ、それはいいのだけど、映画はそのための踏み台? ならばそれはもはや映画じゃない他の何か、って気がするのね。まあ現実の世の中にも特別編とかディレクターズカットとかあるけどね。  コレって映画についての映画のように思えながら、映画を作る人についての映画なのね。その違いは大きいわ。そこに大いに引っかかって色々と考え悩んでしまったのだけど、でもそれはそれとしていい映画だと思ったのでこの点数。
[映画館(邦画)] 7点(2021-09-07 22:03:14)
19.  坂道のアポロン 《ネタバレ》 
 三木孝浩監督の映画って好きなんですけど、これは最良とはいきませんでしたね。  やっぱり現代を舞台にしていないって点で得意ワザの1つを封じられた感がありますか。  映画に今の日本の風景、空気を織り込む事がこの監督の魅力だと思うのですが、1966年が舞台だと、かなり作り込まなくてはならなくて、でも、そのこれ見よがしになってしまった作り物感がキビしくて。『陽だまりの彼女』とか『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』みたいなファンタジーならば作り物感が武器になったりするものの、時代設定がポイントになる(筈の)作品ではマイナス要素。10年後のメイン3人の姿なんかはもはや困っちゃうレベル。   そもそも1966年って設定が、あまり作品に大きな意味を与えていない気がするんですよね。レコード盤とかジャズとか佐世保の米兵とか、その時代であったからこその優位性や必然性、それが見えてきません。ディーン・フジオカと真野恵里菜の二人なんか取って付けたような時代の象徴みたいな存在で。『オトナ帝国』のケンちゃんチャコちゃんの亜流かい、みたいな。   でも、恋する気持ちとか、傷つきながら育ってゆく友情とか、内に秘めた悩みとかいった、普遍的な青春映画の要素を真っ直ぐにぶつけてくる感じが良かったです。三木孝浩監督らしい、これぞ青春映画!みたいな。  主演3人の中では特に中川大志が大変に魅力的な存在感を示していました。小松菜奈は当たり前に魅力的なんですけどね。   そして当然のように音楽が素晴らしかったですね。セッションが友情を育んでゆく、なんてベタだけど気持ちイイじゃないですか。
[映画館(邦画)] 7点(2018-03-12 19:57:38)
20.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
長いこと父親の介護をして、最後の数か月は認知症に相当悩まされた事をリアルに思い出す映画でした。ただ、父を救いたいという理由から生じた主人公の一連の軽率な行為に共感する事はできず、更に登場する人々からはことごとく人間的な魅力が欠落しているようで、一方で人間らしい表情や仕草を与えられたお猿達、これはひたすらお猿に意識が向くように作られた映画という感じです。「お猿頑張れ!人間をやっつけろ!」という視点で見てしまう事が正しいのかどうかは、良識的にも『猿の惑星』的にも微妙なカンジがしないでもないですが、それが面白いっていうのは抗いようのない事実ですからねぇ。技術的には大変なことをしているワリに映像はジミです。何しろモンスターではなくてお猿ですから。でも、かつての特殊メイクでは限界があったお猿の表情や仕草による感情表現が、ここではCGという技術によってとてもリアル(いや、現実のお猿とは違ってとても人間的、と言うべきでしょうが)に迫ってくるという状態は凄い事ですし、だけど皮肉な事ですし。行き過ぎたテクノロジーが人を圧倒してしまうっていう物語が、人が演じるよりCGの方が凄いよ、って状態で描かれてる訳ですからねぇ。物語は結局『バイオハザード』じゃん、って感じでもう少しオリジナリティが欲しかったところですが、ジミながらも魅せる映像があって(並木道の枯葉の移動なんて、ユーモラスでありつつ独創的な美しさ)、娯楽映画としての見せ場もいっぱいあって、楽しめる作品でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-10-09 16:40:08)(良:3票)
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