1. JFK
《ネタバレ》 誰もが知るケネディ暗殺の謎を描いた作品。この映画で語られることがどれだけ真実なのかは甚だ怪しいが、「ジョンソンまでもが関与していた巨大陰謀説」は「オズワルド単独犯説」の反対側におくにはいいのではなかろうか。 ■基本ストーリーは、証拠を集めていき疑惑は深まるも、証人は次々消され、召喚も妨害され、証拠不十分で追い詰められない、というもの。決してすっきりとは終わらないが、バッドエンドという感じでもない、まあこれが現実という感じのエンド。 ■ラストのギャリソン(コスナー)の演説は圧巻だが、しかしそもそも裁判でショーを有罪に出来る証拠はどう見てもなくて、裁判戦術としてはかなりダメだったのではないかと思う。映画でも「ショーが犯人であることを示す」のは最初から放棄しているようにさえ見えるし。なんというか、正義への思いは強いけれども、戦略の側がギャリソンには欠けていたのではないか。 ■3時間超という尺は若干長いが、しかしそれだけの内容はあると思う。 [DVD(字幕)] 9点(2013-03-05 00:54:11) |
2. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 久しぶりにいい作品を見た。本作は有名な(しかし自分はあまり評価していない)「十二人の怒れる男」のパロディであり、また自分のあまり得意ではないコメディ調ということもありやや不安視しながら見たが、そうした不安は杞憂に終わり、日本人というか人間をよく描き出している作品だと思った。 ■「怒れる男」が「一人除き全員有罪」から出発するのに対し、こちらは「一人除き全員無罪」からの出発。しかも理由が「被告人が美人だから」「可哀想だから」という議論をする以前の状況。しかしそうした心情も一方では理解できるものでもあり、なかなか興味深い。 ■また、「怒れる男」がフォンダによって有罪を一人一人無罪に切り崩していくという展開で、変化も「有罪→無罪」の一方向なのに対し、本作は有罪と無罪を一人の人の間で行ったり来たりして、「人間の考えは簡単に変わる」ということがよりよく表れている。 「怒れる男」がそのため基本的に「フォンダ=ヒーロー=正義」的な位置付けであったのに対し、本作は軸となって仕切る人物が次々と交代していき、展開も目まぐるしく変わって、より現実的である。今まで全然筋の通った意見を言えていなかった人が核心を突く指摘をしたり、今まで理路整然と話していた人が少し不利になるといきなり感情的になったりと、「議論で制圧する」よりも「一人一人の話を真摯に聞く」ことの重要性を訴えているように思う。 ■結果的に見れば、無罪から始まって無罪に戻っているわけだが、議論の過程によってさまざまな「見落とし」や「偏見」が明らかになり、そして論拠を明確にしてきちんと納得する形で結論に至ったという点で、「結果が同じだからいい」のではなくて「その結果を支える論拠は何なのか」という部分の大切さをも、この映画は伝えているように思う。 ■一つ難を言えば、しかし最終盤は基本的に弁護士「役」によって突き崩して決していく展開で、あれを一人の人によってではなく色々な人の「気づき」の積み上げでいければなおよかったように思う。特に最後の「あなたの奥さんが裁かれているのではない」というセリフは、弁護士役によってではなく他の、最も目立っていなかった人によって言われるとより効果的であったように思う。 ■とはいえ、十分に見ごたえのある作品であった。 [DVD(邦画)] 10点(2013-02-24 23:52:52) |
3. シャイン
《ネタバレ》 ヘルフゴッドという実在のピアニストを描いた実話・音楽ものだが、「アマデウス」等と比べるとやはり数段劣ってしまう印象はぬぐえない。なんていうのか、まとまりがないのだ。 ■キーになるのは結局「自分の幸せのために」息子の行動を縛ろうとする父親との関係(というか父親の悔悛)なんだろうが、結局これが何も進展せずに父親は死んで終わり。事実そうなんだろうけど本当にただ迷惑な人間でしかないのだから、なんだかなぁ・・・「お前を愛している」と言いながら、本当に愛しているのは「息子を大事にしている、と思っている自分」だというのが透けて見えるし。 ■他の部分の話についても、結局個々のエピソードのつぎはぎで、それがどうつながってどう主人公の心情に影響を与えているのかが見えない。「実話だから」というにしても、「ではそもそも監督はなぜこの人の一生を描くことにしたのか」の部分で腕を問われるのだからあまり弁護にはなってないわけだし。要は精神を患った後の苦悩を描くのでもなく、天才ゆえの苦悩を描くのでもなく、親子間の葛藤を描くのでもなく、なんかすべてを詰め込もうとして中途半端になった印象。 ■音楽は酷評されてますがそんなに悪くはないと思いました。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-28 23:39:23)(良:2票) |
4. シンドラーのリスト
《ネタバレ》 三時間半を超える長い尺で描き出されるユダヤ人虐殺の悲劇。だがその印象としては、本作を「ユダヤ人に起こった悲劇についてのドキュメンタリー・記録」として見るならば一級品だと思うが、「シンドラーという一人の男の物語」として見るならば失敗作だと思う。 ■ユダヤ人がどのように迫害され虐殺されていくか。本作の大半の時間は、タイトルから予想されるシンドラーという人間についてではなく、名もなきユダヤ人たちの悲劇の描写に費やされる。遊び半分で殺されていく収容所のユダヤ人たち。あの、ついさっきまでは命があったのに、撃たれた瞬間にパタッと倒れる描写は相当リアルだ。カラーの服の女の子の使い方も巧妙。シャワー室の伏線を張りながらあっち側に落とすのも憎いやり方。そしてラストの石を置いていくシーンで物語の真実さを浮き彫りにする。 ■だが、シンドラーの描き方は相当ひどい。前半で金もうけのためとしてユダヤ人を使っているのはいいのだが、そこから後半の人格者への変化のプロセスがほとんど描かれていないのはあまりに問題。それに「ユダヤ人を助けるための執念と努力のさま」が金以外の形ではほとんど描かれていないのも大きくマイナス。結局シンドラーの内心がまったく見えてこないというのでは、本作をアカデミー賞作品賞をとるような「映画」として見た場合には、高い評価は与えられない。 ■しかし最後のテロップで、戦後にシンドラーは事業も結婚も失敗したということを知ったが、運命というのは決して報われるようにできているわけではないんだなぁとつくづく思った。ユダヤ人の運命が不条理だとすれば、シンドラーの運命も相当不条理なものだろう。 ■本作が賞狙いという批判もあるようだが、賞狙いだとすればナチスによるユダヤ人虐殺をあれほどまでに描いた(それを世界に知らしめた)方であって、シンドラーの描写の方ではないと思う。というかあのような掘り下げない人物描写で賞狙いだったら驚愕せざるを得ない。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-02 01:03:50)(良:1票) |
5. シザーハンズ
《ネタバレ》 エドワードの手=「シザーハンズ」は我々の「普段は隠している負の感情」をある意味あらわしているような気がした。決して変えることのできない部分、それは人に触れられたくない部分、そこに不用意に触れられると暴走して自分の思うように動かず、周りの人を傷つけてしまう部分・・・ エドワードは周りから自分を閉ざすことで自分を守った。だがそれは逃げただけかもしれない。自分の内側にこもって彫刻を作ることで、町の人々には「雪」という感動を与えて入るのだが。 ■ストーリーは極めてシンプル。連れてきてから周りの人となじむまでがあっさりしすぎているのが難かもしれないが、それは後半の手のひらを返すような扱いとの対比もあるのだろう。主人公が母から娘に切り替わるのはなるほどと思う運び方。 ■エドワードのメイクの精巧さとと比べると、町のセット(いくらなんでもあれはチャチに見える)や絵で描いたお城(さすがにあれは・・・)の作りの荒さが目立つ。もう少しどうにかならなかったのだろうか。 ■後半はキムが主人公的になるが、キムの行動があまりに頂けない。特に、エドワードが捕まった後に会って言うセリフが「私は戻ろうとしたんだけど、ブライアンが・・・」ってただの言い訳ですか。しかも結局最後まで謝罪の言葉は出ないし。それにそれより前の展開でもエドワードがキムに惚れる理由は一目ぼれ以上には考えられないというのもなんだかなぁ、という感じ。 ■しかし最後、ああつなげたかぁ。そういえば回想形式だった。 [DVD(字幕)] 8点(2010-10-07 20:34:17) |
6. ショーシャンクの空に
《ネタバレ》 無駄のない展開でまったく中だるみせず2時間半を見せ切ってくれている。中の人間ドラマだけで十分見せているのに、ラスト30分の急展開はわかっていても鳥肌が立ったぐらいのもの。音楽と画もうまく盛り上げてくれる。 しかし20年かけたあの執念はすごいなぁ。どんなに中が安泰でも絶対に外に逃げる、その希望だけを頼りに精神を保ってきたんだろう。アンディがムショの中では常に堅い顔しかしておらず、最後の車に乗っているシーンでだけ笑顔なのが象徴的。 そうそう、別にこの映画は道徳性をうたった映画じゃないと思うから、そこまで主人公が潔癖でないことにとやかく言わなくてもいいんじゃないのかな、と思った。 [DVD(字幕)] 10点(2010-01-31 23:30:40) |
7. ジュマンジ
《ネタバレ》 極めて単純な映画。まあそれだけ [地上波(吹替)] 6点(2006-12-25 22:44:16) |
8. ジュラシック・パーク
《ネタバレ》 子供のときは前半が退屈だったが、今見るとそうでもない。結構前半も面白い。 後半の恐竜は圧巻。さすが!CG。なんていうのか、夢を実現させてくれる。 ただ、「ジョーズ」の時のような、「どうでるか、まだか、えっ、あ・・・」みたいな「ため」や「出方の工夫」がなくなったように感じられるのは残念。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-22 23:35:36) |
9. ジャッジメント・ナイト
《ネタバレ》 バスにしがみつくなり、いくらでも手段はあるだろうに・・・巻き込まれタイプとしては、派手さよりもリアリティ追求タイプの構成なのに、肝心の設定が変では元も子もないような [DVD(字幕)] 5点(2006-12-19 10:18:33) |
10. 6IXTYNIN9 シックスティナイン
《ネタバレ》 出てくる警察もやくざもあまりにもバカが多い。みんなが勝手な勘違いをし続けていくのは見ていておもしろい。ただもっとコンパクトにまとめられたはず。 [DVD(吹替)] 8点(2006-12-19 09:51:21) |
11. シンプル・プラン
《ネタバレ》 あまりにもあっけなく堕ちていく。金の魔力ですね。金が出てくると、それまでの過去とかの相手の汚点を徹底的に洗い出して、敵対心をむき出しにしてしまう。怖い。 でもあの奥さんがすべての元凶の気もするが。 [DVD(吹替)] 8点(2006-12-18 23:49:57) |
12. ジェイコブス・ラダー(1990)
オチは知らなかったが途中で予想はついた。でも、だからといってつまらなくはならなかった。むしろあのオチだからこそこの映画は成り立つのでは? [DVD(吹替)] 8点(2006-12-18 18:53:59) |
13. 真実の行方
《ネタバレ》 確かにラストはいいけど、それだけ。 [DVD(字幕)] 6点(2006-12-18 18:43:30) |