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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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61.  ジョー・ブラックをよろしく
評判良くないですけどなかなか良かったですよ。生と死に対する認識が全く違う死神が、生きることがすばらしいもので死ぬことが悲しいと感じることの根底にある愛情という感情を感じ始めると、ある意味素直にそれこそ子供のようにわがままを押し通そうとする。そういう死神の内なる変化をブラッド・ピッドがうまく演じている。もちろんアンソニー・ホプキンスも死神が興味を持った人間を堂々と演じている。ただ皆さんが指摘されてるように思わず「おいおい」と言ってしまったラストが残念。  //追記<05.9.29>  最近ものすごく涙もろくなったのは歳のせいだと思っていましたが、先日この作品を再見してその原因が判明しました。この作品、以前に見たときは涙することはなかったのですが、今回はウルッときました。最後のパーティのシーンで父が娘に対して告げる言葉。執拗なまでの「愛している」そして「しっかりと生きてほしい」。そして抱きしめる。以前に見たときと今回では私自身に大きな変化があります。娘がいるということです。子供を持ったという私情が映画の感じ方に少なからず影響していることに気づかされました。変わらないと思っていた自分が知らぬまに変わっていたことにちょっと感動。ラストが「おいおい」って誰が言ってるんですか?(笑)ぜんぜんOKっす。映画の感じ方が変わるってけっこう衝撃的でした。いい映画だ。うん。
[ビデオ(字幕)] 7点(2003-09-22 17:40:31)
62.  少林寺
確か16歳で中国武術大会で最年少で総合優勝し、その後も3年連続の総合優勝者リー・リン・チェイを主役に、又それぞれの~拳の優勝者が脇をかため、ブルース・リーでさえ許されなかった本物の少林寺での撮影と本物志向の武術映画。その年の武術大会のアマチュアの部の優勝者がジャッキー・チェンと聞き「あなどれん」と思ったのを思い出す。「ハ~ッ ハァッハッ!」で始まるシングルレコードも買ったけど今はプレーヤーが無いので聞けません。
7点(2003-09-08 17:00:23)
63.  JAWS/ジョーズ
小学生のとき母親の知り合いが見に行くので連れていってもらえと、半ば強引に連れて行かれた。初めて劇場で見た洋画で立ち見でした。沈没船に刺さったサメの歯を剥がそうとしたとたん死体がぬーっと出てくるシーンで叫んでしまった。それ以来、びっくりさせるぞって映画はダメなんです。ちなみに「ET」でぬいぐるみの中のETを見つけて女の子が悲鳴をあげるシーンでも声をあげてしまった..びっくりに弱いんです。そして海水浴に行っても海の中ですごく警戒しながら泳いだのを覚えています。それだけ影響を与えたという意味ではすごい。でも、最後爆破してもサメは1匹って限らんやろ!と思ったことも確か。あっ、だから警戒してたんだ..  //追記(05.7.26)// このあいだBSでやってたのを見ましたがやっぱ怖かった。スピルバーグが映画学校で「音を消して見ると映像で語っているかどうかがよくわかる」みたいなことを言っていたというのを何かで読んだか聞いたかしたことがあるんですが、たしかにこの作品は、あの“サメが来るぞ~”というテーマソング無しでも、画だけでも“サメが来るぞ~”っていうのが伝わります。とくに女の人が食われるところ。やっぱりうまいわ、この映画。ってことで1点追加~
[映画館(字幕)] 7点(2003-05-10 16:26:32)(笑:1票) (良:1票)
64.  シックス・センス
最後のオチはどうでもいい、てことはないが一番印象深かったのは最後の最後。コール少年と母親のタクシーの中でのシーン。死人が見えるなんてほんとに怖いこと。一番力になって欲しい人に信じてもらえない孤独からやっと開放されたとき、少年と母親にもらい泣きをしてしまいました。いっしょに見に行った妻は、あのオチでB・ウィルスの奥さんが実は一途に想っていたというのが解かって泣いたそうです。
7点(2003-04-30 18:46:58)
65.  十三人の刺客(2010)
47年前の工藤版は壮絶でありながらけして痛快ではなかったのだが、この三池版は素直に痛快だ。そして集団時代劇の中で大スターが大スターらしくいることの違和感、リアリズムに徹したストーリーに美男美女のロマンスが入ってくる違和感といった映画会社と映画監督の戦いの爪跡のようなものもここにはない。工藤版のいい所を拝借しながら派手に、下品に、つまりは今風に仕上げている。工藤版も悪玉は憎らしいほどの悪玉であり、またその悪玉っぷりこそ工藤映画の真髄でもあったのだが、三池版の悪玉はそこからさらに「(悪の)輝き」を手にする。ただ憎らしいだけではなくスター性を備えているのだ。さらに工藤版に乏しかったユーモアを『七人の侍』の菊千代をパロったであろう新たなるキャラによって補填している。少々悪ふざけが過ぎるようにも見えるが三池監督らしさが出ていて良い。様々な制約を受け入れながら自己を通し抜いた工藤版同様に三池もまたちゃんと自己を通しているのだ。二人の差はその時代の許容範囲の差に過ぎないのかもしれない。
[映画館(邦画)] 6点(2011-11-15 15:53:32)
66.  死の谷 《ネタバレ》 
「西部劇」らしい守られるべき女がいる。その女がいとも簡単に主人公の男を裏切る。この場面で違和感を感じるのはその裏切りが本来描かれるわけのない「西部劇」スタイルの映画で描かれるからだ。たしかにこの映画は犯罪映画『ハイ・シエラ』のセルフリメイクである。しかしこれの2年前の『追跡』を見ても西部劇の仮面を被った犯罪映画なのだ。そう、ウォルシュは西部劇の監督ではなく犯罪映画の監督なのだ。しかもこのラストシーン。ニューシネマじゃん!いやはや、純然たる西部劇として見たら違和感ばかりが目立つが、この時代にこのスタイルは相当に新しいと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2011-10-04 14:34:57)
67.  シャレード(1963)
えらく豪勢なキャストだがそのわりに地味な作品。それなりに凝ったストーリーなのだがいまひとつのめり込めない。サスペンスよりもロマンスコメディに重心が寄ってるので凝ったストーリーは凝っただけの成果を発揮せず豪勢なキャストも豪勢さを発揮できていない。とはいうもののそれが狙いというか、とりあえずオードリー・ヘップバーンを右往左往させて楽しむことを最優先させているので、そこを楽しめればOKな作品。豪華キャストとサスペンスはオマケみたいなもん。騙されても騙されても言い訳一つでチューしちゃうオードリーというのも、サスペンスにあるまじきお約束的キャスティング、ケイリー・グラントあればこそ。ただしリアルタイムでこそそのお約束キャスティングに安心してロマンスコメディを楽しめたわけで、ケイリー・グラントを知らない世代にとってはなんともギクシャクした予定調和と見えるかも。
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-21 16:40:43)
68.  地獄への逆襲
前年のヘンリー・キング『地獄への道』の続編。主役は前作で暗殺されたジェシー・ジェイムズから兄のフランク・ジェイムズに代わり、ジェシーを殺したフォード兄弟への復讐劇というのが大筋。それよりもなによりもビックリなのが今作の監督がフリッツ・ラングってこと。ラングの西部劇ですぜ。もうそれだけでドキドキなんだけども、正直ラングの色はわからんかった。メディアを使った情報操作や後半の法廷劇に見られる陪審員操作あたりはたしかにラングが描き続けた群集心理が描かれているんだけど、そこに恐怖がない。むしろユーモアにあふれている。不安感がない。むしろ安心感にあふれている。与えられた脚本に手を加えなかったのか。退屈しない語り口においては『地獄への道』よりも断然良かったのだが、ラングという名前がハードルを上げたせいかちょいと拍子抜け感が残る。
[DVD(字幕)] 6点(2011-09-07 15:13:35)
69.  地獄への道 《ネタバレ》 
『ジェシー・ジェイムズの暗殺』でのジェシーの悪党っぷり、カリスマっぷりを先に見た者としてはなんとも物足りないキャラのように思うのだが、ここはジェシーの大衆のヒーロー像の部分をクローズアップしたハリウッド映画と割り切るしかない。鉄道会社の学のない農民たちに対する横暴に対抗して列車強盗に至る過程、金が物言うシンプルな権力構造、それゆえに追い詰められてゆくジェシーたちという展開がわかりやすく描かれてゆく。物語を見るということでいうと実にそつがない。ロマンスまできっちりと入ってる。その中で異色ともいえるシーンが列車強盗シーンの列車に乗り込むところ。ここだけは顔が映らない。遠巻きから黒い影が走り行く馬から列車へと乗り込んでゆくのを淡々と映す。単にスタントマンだから顔が見えないようにしてるだけなのかもしれないけど、妙な怖さと緊張がこのシーンにある。終盤にもうひとつ、何か見ごたえのあるシーンがあるとよかったのだが。後味の悪さはフリッツ・ラングが監督した続編で解消してください。
[DVD(字幕)] 6点(2011-07-01 13:38:22)
70.  地獄へ秒読み
アルドリッチのヨーロッパ映画。主人公のリーダー格と自分本位なサブ格が対立しながらも命懸けの爆弾処理をこなしてゆく姿はまさしくアルドリッチ的骨太映画。主人公を元建築家としているところに建築物を破壊する戦争への批判が込められているのだろう。主人公と反目する男が言いだしっぺの、爆死した者は生き残った者へ金を残すという命を金に換算したルールは資本主義批判が込められているのかもしれない。たしかにメロドラマ的展開がイマイチのような気もするけど、男と女のそれ自体はあいかわらずの硬派っぷりで悪くないと思う。むしろ男と女のドラマの部分をもうちょっと時間をかけて描いてくれたほうがしっくりくるような。とは言うもののジャック・パランスの顔はメロドラマ向きじゃないんだな。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-06-23 16:45:24)
71.  ジャガーノート 《ネタバレ》 
揺れるカメラによって嵐の中の船を体感する。リチャード・ハリスの視点映像によって爆弾処理の緊張を高める。さらにそこにいない者の不安や憤りがドラマを盛り上げる。処理班の目視説明から判断して遠隔指示をする専門家とかこのあたり、けっこう面白い。爆弾処理と犯人探しとなすすべのない船客というこのはなればなれのドラマはオープニングから始まっている。船の出港シーンで映される見送る者と見送られる者のシーン。この見送る者が後に刑事だとわかる。もったいないのがオープニングで印象的に見せたこの刑事と家族のはなればなれがいまひとつ活かしきれていないところか。モノトーンの色合いがシブイ作品です。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-21 14:55:09)
72.  シュアリー・サムデイ
たしかに場面の切り替えなんかに粗い部分があって時間経過が分かりづらかったり、唐突に感じるところがあったり、全体的に慌しい印象を持たせてしまったりといろいろと難点もあるんだけど、その難点さえも肯定的に捉えてあげたいような気にさせられた。その荒削りな作り自体がまるで物語にリンクしているように感じて。実際この物語を他の人が演出したとしてこれ以上のものが出来るとは思えない。それほどにこの物語に必要不可欠な「若さ」が充満していた。「バカ」とか「単純」とかというマイナスのイメージも含めた「若さ」が。同じ場面を別の視点から撮った回想シーンがあるとかけっこう複雑な構成をしているんだけど、その大人ぶった複雑さをひけらかさず、ひたすら笑いと涙と勢いで突っ走る。処女作でないと出せないものをしっかりと出した処女作らしい処女作でした。
[DVD(字幕)] 6点(2011-03-31 13:54:01)
73.  ジャンパー
なぜにこれほど酷評されるのかわからない。けして絶賛するつもりもないんだけど。感情移入できないとか共感できないとかという意見の多さにも驚いてる。特別な力をどう使うか。その力を世界中の人々に還元するスーパーマンやスパイダーマンよりもずっと共感できるような気がするんだけど。こういう身勝手さに共感しちゃうほうがおかしいのだろうか。『インビジブル』で透明の体を手に入れた男の悪行に比べりゃかわいいもんだ。のび太だってドラえもんがいなけりゃけっこう「悪いこと」に道具、使ってるぞ。『ジャンパー』にはドラえもんがいないのだ。それよりもこの映画の醍醐味、バン!と瞬間移動するその映像を楽しもう。と言ってもいざってときに使うんじゃなくてバンバンバンバン使っちゃうもんだから段々飽きてくるんだなこれが。バンバンバンバン使いまくるところのスピード感を楽しむものなのかもしれないし、たしかにそれを堪能できたところも確実にあるんだけど、うーんイマイチ盛り上がらん。
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-26 17:34:29)(良:2票)
74.  シャッター アイランド
けっこう期待して観に行った。精神を病んだ犯罪者を収容する施設から一人の女が消える。それを追う捜査官。古き良き(?)ハードボイルドが拝めそうだ。ましてや『ディパーテッド』で豪華な大作路線から初期のインディペンデントとまではいかずとも本来の小回りのきく作品に回帰したスコセッシだ。その期待に応えるようにまずティム・バートンよりもずっと魅力的な灰色の世界で幕を開ける。舞台は誰が撮っても絵になりそうなニューヨークの雑踏ではなく閑散とした孤島。しかしこの孤島が雨によってなんとも怪しく光りだす。結果として上出来だった。上出来すぎるぐらいに。偽の回想であることを示しているのだろう、横移動するカメラに合わせてドイツ兵を虐殺してゆくシーンの残酷なファンタジックさや灰になる女のCGの素晴らしさ、あるいはその女が登場するシーンの色鮮やかさはこれまでのスコセッシ像を大きく上方修正するものだった。それでもやっぱり『ディパーテッド』同様に欲求をじゅうぶんには満たしてくれなかった。今さらロボトミーって・・てのもあるけど、一つ目のオチ、つまり灯台シーン、このオチってはっきりいってここまで引っぱるようなオチでもなんでもない。それにしてはそこにたどり着くまでが長すぎる。その間ずっとディカプリオの険しい表情を見続けなくちゃならんのだからこの長さはたまらん。もうちょっと遊びがほしい。硬いよ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-05-25 15:18:07)
75.  ジェシー・ジェームズの暗殺 《ネタバレ》 
西部開拓時代を再現した美しい情景がいい。なかでも黄金に輝く麦畑は美しいだけではなくアメリカの広大さを見せつけていて印象深い。ストーリーは「暗殺」という響きから想像した所謂ギャングものとはほど遠く、盗賊たちの内なる声を小さなエピソードの積み重ねとそれぞれの表情によって丁寧に紡いでゆくといった感じの映画で正直退屈。ところが終盤に訪れるその「暗殺」のシーンで襟を正す。それまで寝転んで見ていたことを後悔する。3人の立ち位置とそれを映し出すカット、そしてその永遠とも思える緊張と裏腹のあっけない死の瞬間。さらに面白いのがその死のあっけなさとはまた裏腹の何度と繰り返される死の瞬間の上演と歌がエピローグ的に登場するところ(エピローグではないけど)。前半はすでに英雄視されたジェシーの虚像と実像のギャップがドラマを作ってきたが、肉体の死と共に実像は消え去り虚像だけが成長してゆくという終盤の展開のほうが面白かったりする。暗殺者・ロバートの悲運と並べてみるとずいぶんと皮肉めいて、どこか滑稽でさえあることが面白さを倍増させる。ここに行き着くまでに必要な退屈な前半ではあるんだけども、もうちょっと魅せるか切るかしてほしい。長い。 ちなみに銀行強盗の日(ジェシーが世界初の銀行強盗を行った日)にレビューしようと今までレビューせずにいたのにけっきょく2日遅れになってしまった。
[DVD(字幕)] 6点(2010-02-15 14:28:43)
76.  女優マルキーズ
ヨーロッパ絶対王政時代の性に対する価値観にはいつも呆気にとられるのだが、この作品のいいところはまずそのことを隠していないこと。そのうえで今の価値観を差し込んでいないところ。つまり夫以外の男と寝ることについて相手がためらったり自身が葛藤したりといったことがなく、実に普通のこととして描かれているということ。もちろんそれは意図的にされていて、時代考証にはそれなりに気を使っているように思った。いきなりストーリーとは関係の無いご婦人たちの排尿シーンがあったり、意味も無く太陽王の排便方法がなにげに映されたりするのも時代考証をちゃんとしてますよということなんだと思う。マルキーズがどう見てもつり合わない太った旦那を心底愛しているという描写が現代の観客に安心感を与えている。性に対する価値観と異なり愛に対する価値観は普遍ということでしょうか。ストーリーは伝記ものにありがちな大雑把なあらすじの連なりでしかないのだが、話題豊富なルイ14世の時代におけるアレコレを完全封印し、あくまでマルキーズ周辺の出来事に徹しているだけでも良しとしたい。ソフィー・マルソーも女優として最も輝いていた時期だったんじゃないだろうか。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-12-04 15:48:23)
77.  女優霊(1996)
一部のコアな映画ファンに支持される『ラストシーン』が全くダメだったので同じ劇中劇ならぬ映画中映画の『女優霊』もさほど期待せずに見たのだが、意外に楽しめてしまったのはこれがホラー映画だからだろうか。だって見えるはずのないものが見えたとき、それを感動ではなく恐怖へと昇華させるほうがずっと簡単そうだもん。いや、全くの素人意見ですけど・・。で、この映画はその見えるはずのないもの、つまり幽霊の出し惜しみがうまいと思う。心霊写真のようなあやふやさを醸しながら、遠めでしかも一瞬、でもはっきりと確実に見せている。いるだけで何も起こらないのかもと思わせて何かが起こったときには幽霊は映されない。女性スタッフの「誰かが抱きついているのを見た」というセリフでその恐ろしいシーンを想像させてしまうのは幽霊が映されていないからだ。急展開のラストは、それまで恐怖の対象が幽霊が出るかもしれない「撮影所」だったものが一気に幽霊そのものに変わってしまい、当然ながら恐怖の質も大きく変わってしまうのだが、このバカバカしいまでのストレートな決着にこそ後にハリウッド進出を果たした中田監督の特徴が現れているのかもしれない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-12-02 17:27:18)
78.  シビル・アクション 《ネタバレ》 
ポルシェだったか。ブイーンとすっ飛ばしすぎの画の後にスピード違反のキップきられてる画。さっさと金にならない仕事を断って次の仕事に移りたい。そんな心境を皮肉とユーモアを交えて見せる。さっさと断っての帰り道にブイーンとすっ飛ばして捕まるという全く同じ展開が映し出される。繰り返しの妙によるさらなる笑いを提供する。と同時にこのシーンをストーリーが動き出す転機にまでしてみせる。なかなか巧いではないか。金になると判断した金満弁護士は端から原告のことなど考えておらず、和解金をせしめるという目論みは最初から原告の「謝罪と環境改善」という訴えを無視している。しかしある証言を切欠に原告の思いを代弁する真の弁護士となってゆき、この第二の転機から大きく物語が動き出すのである。ところが丁寧に作られたストーリーの中で唯一この第二の転機となる描写が弱い。たしかに子供が親の願いも叶わず目の前で息を引き取るという世にも悲しい出来事は人を変えるにじゅうぶんな出来事かもしれない。しかしチームの誰もが変わらない中でこの金満弁護士だけが唐突に変わる理由としてはあまりに説得力に欠ける。このあたりを丁寧に掘り下げて描いてくれればその後の無謀な独り相撲により悲壮感を出せただろうし、ラストの笑顔により感動できたような気がする。娯楽映画としての詰めがちょい甘かった。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-11-12 13:40:57)
79.  しんぼる
悪くない。映画じゃない映画がはびこる昨今にあって少なくともこれは立派に映画だ。言葉不要の笑いは映画だけが持ちうる特権なのだ。松本人志は映画を知っている。スイッチが天使のおちんちんというのは、常人とは違う何かを持つ者の発想なのだろう。大まかなストーリーは実に幼稚なような気もするが、言い換えれば素直さといったものが作品に溢れているようにも思う。元々、常識人の見識でしゃべる人ではなく、まるで幼児のような馬鹿げた想像力を武器にしている人。けして何かのパロディではなく、おそらく純粋な創作なのだと思う(もちろん無意識に土台となったものはあるでしょう)。根底に流れる子供っぽさはやはり同じくSFという括りに入る『大日本人』以上に表出している。だからオナニー映画などと批判もされるのだろうが、オナニー映画の何が悪い。人が満足するものを模索する人は商売人。自分の満足するものを人に提供するのがアーチスト。松本は明らかに後者。この道を進み続けてほしい。
[映画館(邦画)] 6点(2009-09-25 15:07:38)
80.  神経衰弱ぎりぎりの女たち
吹き替えアフレコの声によってすでに家を出てしまった男との擬似掛け合いをしながら気持ちの高ぶりを抑えきれなくなる女。あるいはテレビから流れるその吹き替えられた声に正気を取り戻した元愛人。映画、演劇を作品内に潜り込ませるというアルモドバル的展開はこの初期作品でも存分に取り入れられている。現実と虚構の倒錯をコミカルに味付けしてゆく。男の身勝手さによって神経衰弱となり復讐心にとりつかれた元愛人の姿に自分を見る。そこから男に依存しない自分を見出してゆく。ドタバタ喜劇の様相のなかにはっきりと「女の自立」が描かれるのもまたアルモドバル映画の真髄と言えよう。ただこのドタバタの部分が人間関係のこんがらがり具合も相まって、頭の中で整理しながら見なくてはいけない(それほど大層なことでもないが)のに、意外とドタバタが本筋とかけ離れすぎているような気がする。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-16 10:59:48)
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