1. ショーシャンクの空に
オーソドックスな映画が減りゆく90年代に生まれた正に奇跡的な名作。脚本、カメラ、演技、音楽と申し分なく、観ていて飽きさせない。太平洋の美しさ、T・ロビンスの繊細な演技、M・フリーマンの圧倒的な存在感。M・フリーマンのナレーションに頼りすぎなければ、完璧だと思う。 10点(2002-01-30 20:00:13) |
2. ジュリア
名匠フレッド・ジンネマンの珠玉の名作。メロドラマだと思われがちだが、ラストの思わぬ展開によってこの映画が一種のミステリーであったコトに気づかされた。列車に乗り込んでからの展開はなかなかスリリングで一見の価値があると思う。これこそ映画だ。 10点(2001-11-23 00:37:17) |
3. ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦
僕はこれもペキンパーの美学なんだと思う。よく言われる“暴力美学”という概念は僕にはよく理解できないけれども、後作の「ガルシアの首」で最も顕著に表れたようにこれはペキンパーなりの“ダメ男の美学”なんだと思う。実はここで登場してくるボナー親子は比較的ダメ男に近く、ダメ男はいつまで経ってもダメ男であり、ダメ男に助けられ、ダメ男に愛されるというペキンパーなりのビジョンがしっかりと表現されたと思う。そしてラストのマックイーンの行動は、一人のダメ男の恩返しなのさ。 10点(2001-11-19 16:29:41) |
4. 真実の行方
まったくもって傑作な映画です。この映画って、おそらく興行的な面で期待されていなかったせいか、スケールの大きさを感じさせない。でもそのスケールの小ささをリチャード・ギア、ローラ・リニー、エドワード・ノートンの熱演によって見事なまでにカバー。この映画は考えれば考えるほど、奥深さを感じ取れるのでかなり評価は高い。 10点(2001-09-24 18:57:15) |
5. ジャック・フロスト/パパは雪だるま
確かに事故・事件・トラブル・喧嘩何もありません。でも泣きますよぉ~!これは。題材、展開共にハートフルな感じで心が洗われます。あの雪山チェイス痛快で結構楽しめたし...まぁ敬遠しないで観て欲しい作品です。 10点(2001-05-19 17:36:12) |
6. 十二人の怒れる男(1957)
これは凄い映画だ。議論の応酬の密室劇でしかも限られた人数で96分という映画を完成させるなんて、しかもこう名作なんて滅多にお目にかかれないでしょう。(ちなみに俺はリメイク版もそんなにダメとは思わなかったけどなぁ)さらにベテラン・監督シドニー・ルメットの長編デビュー作と知ってかなりの驚き。デビュー作がこれじゃあって思ったけど、今も現役で活躍している凄い監督さんなんですね。<ネタバレあり!>あの4番の人間がH・フォンダに激しく問い詰められ、従来の冷静さを失って初めて汗を1滴かいてしまうシーン。モノクロならではの効果が表れていましたね。 10点(2001-04-19 23:15:54) |
7. ジャック
これはコッポラの息子へあてたメッセージ(映画)だったハズですが、これは私真剣に泣いてしまいました。かといって安易にお涙頂戴に走っていない。意外なトコにジェニファー・ロペスまで出てるし...。コッポラの映画で泣いてしまうとは私もまだまだ未熟者かな? 10点(2001-04-09 16:19:43) |
8. ショコラ(2000)
「サイダーハウス・ルール」は許せなかったが、この映画はOK。劇中画面から伝わってくるムードが良い。確かにフランスを舞台にして英語とか、いろいろな矛盾点はあるがこういう映画の作り方は見習わなければならない。見事なキャスティングもキマっていて、映画が成功した一因となっている。ただ、物語としては決して大甘というわけではなく、結構シビアな面もある。おとぎ話を上手に見せることができるハルストレム、それでも私は現実的なハルストレムが好きだったりします。だからこそ「愛が迷った時」なんて小粒な映画が好きだったりするのです。チョコはしばらくいいかな(笑)。 9点(2002-06-22 22:44:47) |
9. 質屋
社会派シドニー・ルメットの「未知への飛行」と並ぶ60年代の傑作の一つ。社会派サスペンスというより心理的サスペンスの色合いが強く、ルメットの映画にしては少し異色な作風でありそれでもクオリティは非常に高い。クインシー・ジョーンズの音楽もたいへん効果的である。 9点(2001-08-30 18:58:58) |
10. ジョンとメリー
互いに名前を名乗らず、素性もわからない。生い立ちも、これまでの経歴も。そんな相手の事を何も知らないまま関係をズルズル、ズルズルと引きずってきた男と女。そんな現代にありがちな関係をユーモアやペーソスたっぷりにしっとりと描かれていて大変好感が持てる。ただ男女が出会いお互いの名前を名乗るまでをじっくりと描いているだけだが、ナレーションや時制の混同といった手法を次々と繰り出してきて、その演出はたいへん見事である。この2人がこの後、「クレイマー、クレイマー」予備軍にならない事を祈るばかりである。 9点(2001-08-14 12:14:33) |
11. 勝利への旅立ち
スポ根ムービーの佳作。熱血漢ジーン・ハックマンの真骨頂であるし、脇を固める役者たちもみんないい仕事してる。またこの映画は余韻をもたすラストが効いていますね。ただ一言だけ、“愛してる”と。 9点(2001-06-03 18:50:43) |
12. JAWS/ジョーズ
今だにリアルなサメの解剖シーンと、ラストにロバート・ショーがサメにかじられ少量の血を吐くシーン(一瞬ですが...)が忘れられません。文句なしに面白い! 9点(2001-03-27 17:01:43) |
13. 白いドレスの女(1981)
悪女ものとしては面白い。映画の出来としてはB級サスペンスの香りがプンプン漂う。後のローレンス・カスダンの映画と比べるとずいぶんと作風が異なるのに驚くハズだ。 9点(2001-03-23 19:48:54) |
14. 死刑台のエレベーター(1958)
ルイ・マルの不朽の名作。タイトルになっている「死刑台のエレベーター」のシーンは迫真の演出で、映画全体が引き締まっている。しかし意外とタイトルが効いているのは、ハッキリ言ってこのシーンだけで、タイトルからサバイバルな映画を予想した人は相当な肩透かしを喰らったでしょう。しかし、映画自体は今から55年も前の映画とは思えないほどスリリングな演出の連続で、色褪せない輝きを持っている映画だ。ただ、少しドラマ部分が余計に感じられてしまい、花屋の娘と若者のエピソードが物語を語る上で、そんなに重要だった私は疑問だ。マイルス・デイビスのトランペットは渋い。 8点(2002-06-29 20:48:20) |
15. ジャスティス(1979)
これだけやってオスカーを獲得できなかったA・パチーノが可哀相なくらい大熱演。基本的にこの映画は脚本とパチーノの芝居だけで見せ続けると言っても過言ではなく、ノーマン・ジュイソン監督の演出も少し大袈裟な気がしてストーリーに乗れなかった。とは言え、積もり積もったフラストレーションを一気に発散させたかのようなラストシーンは、こちらとしてもずっと胸の中でムズムズしてたものを取っ払ってくれたような爽快感があり、作り手の狙いは的を得ている。ジャスティス[=正義]の観念の盲点を鋭くえぐった、なかなかの力作サスペンス。 8点(2002-04-02 19:24:05) |
16. 事件を追え
全然期待してなかったせいか、妙に味のあるミステリー・サスペンスといった趣きで面白かった。脚本も良くて、さり気ない演出にも余裕が感じられる。K・マクギリスの美貌も健在(←失礼!)。登場人物が一人一人、しっかりとキャラクターが出来ていて、いい味を出していると思う。強いて言えば、悪役が弱いかな(?)。いかんせん地味過ぎるため、陽の目を浴びることのない作品だとは思う。 8点(2002-02-18 14:35:22) |
17. シングルス(1992)
確かに完成度が高い映画とは言えないけど、キャメロン・クロウの映画としてはこれが一番好きだ。等身大の若者たちを「結婚」という一つの壁に当たるというコトを通じて、瑞々しくも崩れ易い精神状態を上手く表現している。まっ、ヒロインがブリッジト・フォンダだから尚更のコトなのかもしれないが(笑)。確かに登場シーンは少ないですね、ブリジット。 8点(2002-01-15 18:21:08) |
18. 白い刻印
派手さは無く、地味ィ~な風格で引っ張り続ける作品だが、巧みに構成されたシナリオと着想点の良い題材、それに役者陣の熱演が何とも素晴らしい。「タクシー・ドライバー」のポール・シュレイダーの数少ない監督作だが、基本的にP・シュレイダーの映画は人間のエゴを描くものが多く、この作品も例外になることなく、雪原の田舎町に渦巻く人間関係を見事に描ききっている。あまり注目されなかったけど、傑作です。まぁラストは賛否両論になるとは思うが、、、。 8点(2002-01-06 23:31:59) |
19. ジャッカルの日
この作品のリメーク?である「ジャッカル」はですね、私は飛躍しすぎだと思うんですよ。あそこまで派手にやっちゃうともう全くの別物の映画になってると思うんです。それに対してこちらのジャッカルはどことなく危うさを持っています。知能のかぎりを尽くし、婦人を虜にして逃げ回り目的を果たそうとするジャッカル。でもな~んかラストがとても呆気なくて“エエ~っ、コレで終わり?”って感じではありました、個人的には。 8点(2001-05-30 22:35:32) |
20. JFK
長い!重い!!豪華キャストであることもみじんにも感じさせない映画だった。別にあんなに豪華なキャストにした意味があったのだろうか?なんかもったいない使い方してると思った。 8点(2001-03-22 16:53:19) |