1. シャーロック・ホームズ(2009)
《ネタバレ》 文芸的にどうかという点はさておき、エンタメとして良質だった。 エンタメ映画に期待するものが散りばめられている。 男の子が好きそうな感じ。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-07-26 22:19:59) |
2. ショート・ターム
《ネタバレ》 カメラが手持ちなのか、どの画にも臨場感がある。 全体のカラートーンも統一されていて完成度が高い。 自分の境遇に重なるところがあり、見てて辛い場面もあったが、救いがあってよかった。 特に最後のエピソードトークは素晴らしかった。 そして物語は続く。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-06-22 11:17:47) |
3. 十二人の怒れる男(1957)
《ネタバレ》 入り方がいきなりアリバイや証拠の列挙から入るので面食らってしまい、ついていけないのでは?と不安になったが、そんなことはお見通しの構成で、親切に何度も何度も状況を説明してくれる。 無罪と判断する人間が一人また一人と増えていくところでこの映画の行き着く先が読めるが、それでいてどんな展開を見せるのかが気になってしまうところがまた見事な引き込み方だった。 低予算映画なのかも知れないが、脚本と演出がよければ弁論の応酬で十分見応えのある映画になることがわかった。 演技に関しても舞台演劇のように大きな演技が目立つので、陪審員劇という一見難しそうなテーマに反して、十分わかりやすい。 ただ、後から後から有罪を否定するようなネタが出てくるのはちょっと後出し感があるので残念だけど、推理ものの宿命として仕方ないかな。 この作品がこの類型の元祖だとしたら、当時の観客は感嘆しただろうと想像する。 よくまとまってて完成度は高い。 自分の偏見と向き合うことの大事さも教えてくれる。 巧妙なのが、無罪派とて「少年は無罪である」とは主張せずに「有罪と認定するだけの証拠と証言がなく、わかっている材料は全て不正確、不明瞭である」という疑義に基づき、有罪の認定を否定しているところ。 これがあるおかげでただの人情劇の御涙頂戴という安い映画にはなっていない。 ラストの名前を聞かれるシーンも良かった。 最後まで反対していた12番目の男がなぜあの展開で主張を変えたのか、という考察もまた面白い。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-04-29 00:02:46) |
4. シン・仮面ライダー
庵野作品で最低点の映画だと思った。庵野の悪いところが出てる。 - 庵野が同世代的な共感を強く強く求めているのが伝わってくるようでキツい。 - 箱庭的に造形された庵野の趣味の世界に見えて感情移入できないし子供っぽい… - なので、逆に言えば当時のファンには刺さったのではなかろうか。 - 美術面でいえば表現は素晴らしいけど合成の粗さが目立つ。Blenderの限界か? - VFXはこれ、白組が手ぐせで作ってるからダメなんじゃない?と思っちゃった。アメリカやイギリスと比べるとクオリティがひどい。 - コンテンポラリーな表現者として名高い森山未來本人はこういう映画でよしと思ったのか?彼に作品を率直にレビューさせてみてほしいぞ - 庵野が自分の楽しみだけで作るとダメだな。庵野自身をプロデュースするようなアレンジャーがいないとさあ... - 最後のシーンの周辺だけは良かったけど、柄本佑の演技もなんだかなあ…ああいう演出注文だったのか? - あの脚本だと全ての演技がもうキツイ - あの感じでいいならテレ朝の日曜特撮枠と変わんないじゃんよーよーよー (やまびこ) [インターネット(邦画)] 4点(2023-07-31 00:30:40)(良:1票) |
5. 子宮に沈める
《ネタバレ》 子役の演技をコントロールするのが大変だったらしい。 それだけ自然に撮影できてる。子供が映っているシーンが大部分なので、珍しいと思う。 内容は辛い。 しかし、『誰も知らない』(是枝裕和監督)とはまた違った見せ方で育児放棄の現場を感じ取れるのは、福祉などに関心がある者にとってはありがたいと思う。 [インターネット(邦画)] 9点(2023-01-04 17:58:47) |
6. シン・ウルトラマン
《ネタバレ》 特撮に執着のある人たちが撮っただけあって、それなりに見応えはあった。 しかし、シン・ゴジラのような仕上がりを期待していくと、見劣りするというか、志向性を異にする作品だった。 セリフが演技過剰で共感性羞恥心を呼ぶ、スカートの下から煽るアングルの必然性、学術会議のシーンの情報の薄さ、など。 そもそもが確固たる原作があって、かつての憧憬を大人になった今、新たな形で実現することが監督のモチベーションなのだろうから、 あまり作家性を求めても仕方ないのかも知れないが、「特撮モノである」以上に見るべきものが弱かった点で個人的には趣向とミートしなかったところがあった。 [映画館(邦画)] 6点(2022-07-31 11:50:14) |
7. ジョーカー
役者の演技もさることながら、カメラワーク、音楽が素晴らしかった。とても惨めで救いがない…いや、ある。同調してくれた人々ができたことで彼は孤独ではなくなった。もう笑いを我慢しなくてよくなった。 ちゃんと「分断」が描かれていた。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-10-09 14:14:43) |
8. 式日 SHIKI-JITSU
庵野秀明の名前がなく、岩井俊二が出てなければもっと評価低かったような気がする。 ただ、自立心と甘えと不安が強い少年期から青年期の人間にはシンパシーを覚える描写も少なくないだろうと思う。 難点はひたらすら長く、最初の40分を我慢できるかだと思った。 この尺、必要だったのかなあ… [インターネット(邦画)] 5点(2021-04-27 15:04:22) |
9. 七人のおたく cult seven
QuickTimeが後にmp4になることを考えると、この映画の描写はすごく先見性があった。また、オタクが今ほど市民権を得る前で、オタクに憧れる当時のキッズ達はこの映画を見てワクワクしたはずだ。僕も大人になったら、こういう立派なオタクになるのだと!そういう未来と希望を与えてくれた映画だった、気がするが、みんなのレビューは低い。同時代性が強い映画なので仕方ないな。 [地上波(邦画)] 8点(2018-09-17 23:43:28) |
10. ジャズ大名
《ネタバレ》 空気感は非常に好み。邦画にしかだせない、いや、岡本喜八ならではのおとぼけ節はさすが。 セットや衣装、キャストも大変よい。 ただ、レパートリーが少ないのと、やっぱり進行が冗長…。 流し見するには再考の邦画だった。 [インターネット(字幕)] 6点(2015-11-23 18:59:31) |
11. シコふんじゃった。
《ネタバレ》 暴力とセックスが無くて人が死なない映画。 まとまり方は流石は周防監督といったところ。 やっぱりジャイアントキリングかー、と思いつつも、本懐はそこではない気がする。 では何かと言えば、やはり全体を通しての空気感と、 最後の余韻が残す透明性ではないかと思う。 [インターネット(字幕)] 7点(2015-09-27 01:03:11) |
12. 自転車泥棒
《ネタバレ》 あのラストでなぜか「畳んだ」感はある。たぶん、食事のシーンや人違い、スピリチュアルカウンセラーに頼るなど、 人間臭いいきさつが見えたからだろうか。 ラストに涙することはなかったが、親子でああして、手を繋いで、泣くのに耐えつつ、涙が流れて、それでも前を向いて歩いて行くシーンは、家族を感じた。そう、家族ものなのだ。あのラストシーンこそ、辛い時の家族のあり方なんだろう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-04 20:26:12)(良:1票) |
13. Shall we ダンス?(1995)
《ネタバレ》 脚本、キャスティング、音楽など、全体的に脇が固められており完成度は高い。 ただ…個人的に草刈民代の演技への違和感がずっと拭えなかった…。 ツンとしたキャラクターは成功していると思うが、それ以外のセリフ回しがどうにも舞台っぽいというか。 いや、もちろん、ああいう人も実際にいるような気もするし、 そもそも日本の演技とは記号的な側面が強いものらしいし、それを以って完成と言われればそれまでなのだが。 [地上波(邦画)] 9点(2014-11-26 16:03:48) |