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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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21.  スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション 《ネタバレ》 
多くの子供たちに混ざって匂い付き映画を楽しんできました。葉書サイズの台紙に8つの匂いの素が付着していて、スクリーンに表示された番号を指で擦り鼻に近づける。シンプルな趣向だけど、視聴覚以外で映像世界を知覚させる試みとして面白かった。50年後の映画館は匂い付きスクリーンが主流になってるかもしれませんね。ちなみに、匂い台紙を同じ指で擦ると香りが混ざって違いが分かりにくくなる。両手を動員して、番号ごとに違う指を使うことをオススメします。さて本編ですが、ロバート・ロドリゲスってこんな映画も撮れるんだということが少し驚きでした。この人、バカ・エロ・グロで笑わせることを専売にしていると思っていましたが、しっかりファミリームービーになってます。ハラハラするシーンにも緊張感がある訳では無く、終始ニコニコしながらスクリーンを眺めておりました。ジェシカ・アルバは想像通りのキュートさだったけど、彼女の旦那の双子の連れ子との関係やその双子の性格付けなどにもしっかりメリハリが効かせてあり、その他の登場人物にも曲者が多く飽きません。私は過去のシリーズを観ていませんが、そこはストレスなかったです。前作までを観ている人は元スパイキッズの成人した姿も楽しめるのでしょう。この種のアドベンチャーコメディは邦画では成立しにくいジャンルですが、ひとつありましたね。荒唐無稽な事件を子供を中心に家族が協力して解決する。これは「クレヨンしんちゃん」と同じ世界観です。
[映画館(吹替)] 7点(2011-09-19 10:56:53)(良:1票)
22.  スプライス 《ネタバレ》 
遺伝子操作や新種の生物と云う共通項がある「ザ・フライ」が科学者の探究心がもたらした不幸なら、本作は科学者カップルの欲情が生んだバカ騒ぎ、ってところでしょうか。この種の作品は本来は嫌いじゃないんだけど、本作には不快感がこびり付いて離れない。生みの親である科学者の♂の方には犯され、♀の方は孕ませる。この親子どんぶりが気持ち悪い。倫理とか道徳とかを飛び越えるのはフィクションとしての映画の特権だけど、これはえげつなく悪趣味です。評価はできないけど記憶に残ってしまう映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-09-17 21:32:40)
23.  スカイライン-征服- 《ネタバレ》 
日常の風景の中に非日常な光景が展開する様子は「クローバーフィールド」などと同じだけど、あの震災を体験した後だと感じ方も変わる、ということが分かりました。目の前で進行する事態を見ていることしか出来なくてオロオロする登場人物たち。その無力感に移入した。こんなに雑なシナリオで魅力を感じない登場人物でも。当たり前だけど、映画を感じるベースは個人の経験が起点になっていることを再認識しました。かといって、本作は決して褒められた出来ではない。遠くで起こっている事を映す映像は興味深く、侵略を客観視する序盤は良かったと思う。しかし、カメラが身近に向くと魅力が失せ、登場人物の反撃には嘘臭さが漂った。盛り上がって良いはずの都市ガスの「特攻」やコンクリートブロックのタコ殴りで、逆に醒めて行く。挙句は宇宙船の中に入って違う種類の映画になりました。まるで安いテレビアニメです。いかにも続編がありそうな見え方だったけど、特にあの先を観たいと思わないし、反対にあれで終わりなら最低の部類の半端さです。後に「AVP2」の監督と知って、とても悪い意味で納得しました。
[映画館(字幕)] 3点(2011-07-01 22:26:16)(良:1票)
24.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
すでに多くの方がご指摘の通り、80年代のSF大作に馴染んだ眼には既視感を覚えるような描写が多々ありました。それ自体は別に悪いこととは思わないし、関わっている人たちの個性と思えば可愛いものです。ただ、その80年代のSF大作にボロボロと涙した経験のある者としては、そこまで入り込めない作品でしたね。あのエイリアン、人を食ってました。まず、その設定に腰が引ける。母親を亡くした喪失感を抱えつつ、それを開放できない少年と、故郷を遠く離れた場所で軍に捕らわれ研究対象にされていたエイリアン。その弱った二つの心がシンクロするシーンが山場だったはずなんだけど、そこに共感しない。ただ、少年が危機を乗り越えたシーンにしか見えなかった。すると、エイリアンの存在はただの狂言回しに堕ちてストーリー上の存在意義が希薄になります。例えばアリスとの関係などにもっともっと突っ込んでくれないと、感動するところがない。「スタンド・バイ・ミー」じゃなくって「小さな恋のメロディ」くらいまで突っ走って欲しかったかな。ともあれ、過去の某作を彷彿させる作り方である以上はその作品と比べてしまう訳で、古めの映画ファンの目には見劣り感が残ります。カタチから入って、終わったら違うものでした。決して悪い映画じゃないんですが。
[映画館(字幕)] 6点(2011-06-27 22:18:51)(良:2票)
25.  スカイハイ[劇場版](2003)
なんというか、全体的に幼稚さが漂う安い創りの映画でした。深い感情を表現するようなところが無く、子供向けの戦隊ものを観ているような雰囲気です。無造作な喜怒哀楽が類型されて並んでいる印象で、さらに言うと怒と哀だけで9割を占めてました。まぁ、この監督にはシーンを並べる以上のものは期待しませんが、物語を演出しようという意思は持ってるんですかね? ちょっと言い過ぎか…。ドラマは観ていなかったけど「お逝きなさい」という台詞は知っている。なかなか印象的ないい決め言葉なんだけど、敬語を使ってキッツイことを言う私の勤め先の代表の口調に被って怖気が走る。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2011-02-22 23:31:56)
26.  スタンド・バイ・ミー
自分は青春映画というジャンルが大好きですが、ローティーンまで降りると感情移入できなくなることが多い。特に洋画に関してはその傾向が強い。本作もいい映画だと思うんだけど、劇場で観たときからピンと来なかった。先日、観直したがその感想は変わらない。たぶん、大切な友人との関係をわずか2日の旅行での出来事に集約し感傷的に描き過ぎている部分に違和感があるのだろう。自分が大切に思っていた友人との「友情」には、12歳の夏の2日間だけで語れるものなんて有りません。数年間の時間を共有したうえで醸成される、もっと総体的な関係です。もしそれを映画にしたらこんな感じにはならないです。ちなみに子供の頃、仲の良い友人達と隣の小学校の校区に犬の死骸を見に行ったことを思い出しました。なので、あの意味の無い探険心には共感しましたね。
[映画館(字幕)] 5点(2011-01-15 13:15:41)
27.  SPACE BATTLESHIP ヤマト
「宇宙戦艦ヤマト」が実写になる日が来るとは。残念ながら感動はなかったけど、感慨でいっぱいです。初めて深く入れ込んだ作品だった最初のシリーズからこの実写版まで、実に35年。自分の人生の中に長く居座り続けているタイトルとして、看取らせてもらいました。突っ込みどころはありましたが、突っ込む気が起こりません。スクリーンに対していることに幸福感がありました。観て良かったです。
[映画館(邦画)] 7点(2010-12-04 01:05:04)(良:2票)
28.  醜聞(1950) 《ネタバレ》 
う~ん、微妙。雑誌ジャーナリズムの横暴から法廷ものを経て、最後は改心もの。テーマが入れ違いに現れて、全体として見応えを殺していました。法廷でダメ人間が改心するって、シドニー・ルメット&P・ニューマンの「評決」などがすぐに思い浮かぶけど、こちらは途中からそのテーマに切り替わった感が強くて深さを感じません。途中で何度もあった改心する機会を引っ張った理由は、志村喬の最終答弁に告発と告白と懺悔を集約して一気に解決させたかったから。そこは強引さが否めず呆気なくて拍子抜けでした。そもそも、原告側の弁護人が被告に買収されていたことが、争点を決定づける証拠になるものだろうか? 「情婦」が本作の7年後の製作だから、このジャンルはまだまだ未開拓の部分が多かったのだろう、と勝手に納得しておこう。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-11-15 23:47:15)
29.  スペル 《ネタバレ》 
グロさが笑えるサム・ライミらしいホラーの復活、なのかな? まず、オープニングの「GHOST HOUSE」マークが笑えました。分かりやす過ぎ。唐突に「花やしき」のお化け屋敷が浮かびました。その連想はあながち間違っておらず、オーソドックスさが微笑ましいホラーです。入れ歯とか、ハエとか、義眼とか、汚い爪とか、レアもののコインとか…。撒き散らしたオブジェクトを上手く回収してまとめる手腕はさすがベテランって感じです。駐車場での乱闘で、入れ歯が吹っ飛んだ自覚がなく噛み付くババアに大笑い。しかも、入れ歯をはめ直してもう一回チャレンジするもんね。不条理な呪いを掛けられたお姉ちゃんが、ババアの墓を暴いて死体の口に呪いを突き返す逆襲には力が入りました。そんなシーンに力を入れる自分が可笑しかったりもする。この人、某シリーズで「力と責任」なんて真面目なテーマを探求するより、本作のような気楽に観られて笑えるホラーを作るほうが才能の有効活用だと思う。「地獄へ引きずり込め!」ってシンプルで愉快な原題に対して「単語の綴り」って邦題が不可解で調べたところ「呪文」って意味もあるのね。でも、原題のノリが感じられない。邦題にも「死霊のはらわた」レベルの創作力がほしいところ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-08 22:39:28)(良:1票)
30.  スペース・カウボーイ 《ネタバレ》 
ジジイたちが頑張る映画ということで、嘘くささのギリギリラインでした。軌道上から見る地球がとてもきれいで、それは宇宙に行きたかった者の気持ちを雄大に代弁していました。実際、望み続けて実現せず諦めていたことを、生きているうちに叶えられたらどんなに嬉しいだろうか。そんな夢は誰にもひとつやふたつはあるはずで、これはそんな燃えカスがむず痒くなる映画でした。それにしても本作のイーストウッドは若造に手厳しいですなぁ。事故を引き起こしたイーサンって奴にフォローなしですか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-01 23:32:03)
31.  素晴らしき日曜日 《ネタバレ》 
実にまったく気分が晴れることのない映画で、最後まで観るのがかなり苦痛でした。貧乏という傷口にこれでもかと塩を塗り続けます。主人公たちがそこから健気に立ち直るような体裁ですが、私は疲れ果てました。実際、週1日の休暇がこんなことだと月曜からの1週間は地獄のように辛そうです。すでに何気なく享受している現代の週休2日が愛おしくなりました。戦後の日本人は本作から希望をもらったのでしょうか? そうだとしたら、やはり今の労働者より格段にパワフルだったと思います。高度成長前夜の世相を垣間見た想いです。
[CS・衛星(吹替)] 2点(2010-10-11 00:13:20)(良:1票)
32.  昴-スバル-
黒木メイサのファンが彼女目当てに観る分には良い具合かもしれません。自分はバレエを見る目が無い人ですが、頑張って練習したんだなあと思えるレベルにはなっています。ただ、役柄が「天才」だったりするので、そこまでのものには見えません。原作との印象の違いになりますが、主人公の幼稚なわがままとか傲慢さがその「天才」ゆえに許されるというか、周囲をねじ伏せてしまう歪んだお話が原作の味わいです。そのちょっと異質なアンチヒーローが、本作ではある程度は常識的で丸い人物に見えました。どんな世界でも一流と言われる人は人格的にも優れた(ように見える)人が多いけれど、そこに反旗を掲げているところがテーマと言えなくもないので、どうせなら思い切った嫌われバレリーナにしてくれた方がずっと見応えがあったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-07-05 01:44:24)
33.  姿三四郎(1943)
紛失したフィルムの間をト書きで繋いでいる。普通じゃ観れたものじゃないけど、黒澤明の監督デビュー作という意義を持つ作品。確かに、すでに黒澤映画らしい空気があります。その黒澤監督の製作姿勢を語るとき、イメージ通りの天気になるまで粘るってのがあるが、本作のラストシーンなどはその典型だろう。山の稜線の向こうを雲が駆け抜けて行く。風雲急を告げる。まさに決闘シーンの為の空模様でした。姿三四郎って「バガボンド」の佐々木小次郎のように、その道で天才的な優男ってイメージを持っていたんだけど、藤田進はドカベンでした。このお方、東宝の怪獣映画や戦争映画に親しんだ自分には軍人以外に見えなくて、終始軍隊に号令しそうな錯覚を覚えておりました。本作は柔道が柔術を駆逐して行く話だけど、今は格闘技として柔術の方が勢いがありますな。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-06-01 00:38:55)
34.  スターシップ・トゥルーパーズ3 《ネタバレ》 
原作のエッセンスはある程度「1」で表現したし、すでに「2」で思いっきり萎んでいるし。だから、好き勝手に暴れた感じですね。無責任さが潔く思えるほど。「2」は論外の酷さだったのでこの際忘れるとして、「1」の続編ではあるが半分もお金を使っていないのが良く分かる。その制作費の少なさを、おバカでカバーした。「♪~ it's a good day to die (今日は死に日和)」の軽やかなメロディが頭の中でリフレインする。やっとお出ましのパワードスーツはそれなりの破壊力だったけれど、これも予算の関係なのか出番はラストだけ。しかも描写がしょぼい。やっぱり「1」で大暴れして欲しかったな。ということで、このシリーズは「1」が全てであとは蛇足。今作も真剣に評するような内容じゃないが、おバカは楽しめました。「2」よりは格段にマシな出来です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-05-18 22:04:18)(良:1票)
35.  スターシップ・トゥルーパーズ 《ネタバレ》 
ハインラインの原作は右傾描写が物議を醸した問題作。でも、日本ではモビルスーツのアイデアを提供した作品として有名。自分も学生時代に原作は読んだけど、確か巻末で訳者の矢野徹氏がその右傾描写を取り上げ、作品として「否定する」と評していたことが強く印象意残っている。映画化に際してはパワードスーツがどのように実写になるのか楽しみだったのだけど「機動歩兵」は生身に銃を持っているだけ。あれはただの「歩兵」じゃんと落胆した。その代わり、原作では蜘蛛になぞらえていた昆虫が、巨大な甲殻カマキリで、しかも大群に襲われる絶望感をビジュアルインパクトとして担保したようだった。原作の右傾描写は存在する。兵役を経た者だけが投票権を持つ「市民」だったり、時折挟まれる軍事ニュースがそれだけど、特にニュースの方はおバカ調に統一されていて、これは原作をリスペクトしつつ、そのままでは制作できないと判断した監督さんの苦肉の演出と自分には映った。結果として、前線に身を置いた青年の成長物語という印象に仕上がっているのだが、戦争相手である昆虫側の事情には一切触れないところや、最後に捕獲した頭脳虫が「恐れている」ということに狂喜する兵士たちの描写に、原作が持つ主張を毒として忍ばせている。一見、薄っぺらいお話だけど、ヴァーホーヴェンは相当に試行錯誤しながら作ったんだなぁと思うのでした。観ている側はグロい爽快をシンプルに楽しんでる人が多いようで、見かけはヴァーホーヴェンの狙い通りでしょう。でも、ハインラインらしい力の論理を真正面から描いて欲しかったとも思うのでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-15 23:47:56)
36.  砂の上の植物群 《ネタバレ》 
製作当時の視線で、真面目に「官能」を追求したような作品でした。主人公が道を踏み外してズタボロになるって感じでもない。一歩ずつ確認しながら、いろんなことにチャレンジするという印象です。性風俗が花開く前、ノーパン喫茶が初出店するよりさらに20年以上前の時代なので、現代の視点に照会するとかわいいものだが、当時としては異色の作品だったのだろう。痴漢、覗き、軽いSM、制服コスプレ。妻と父親の密通を疑っていたあたりに、近親相姦的な要素も入っている。それらに背徳を覚えながら、その性癖の源泉として自分の中に流れる父親の血を意識する主人公。明確な台詞にはなっていないが、自身の意思というより、もっと大きな摂理が背徳を希求させているような語り口です。ラスト近くで一緒に食事をする女性の口がアップになる。それは粘膜質でものを咥え込むことの象徴。その描写の生っぽさが今作の全てです。ちょっと珍しい感じの映画で面白かった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-05-15 13:02:21)
37.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
昨年のアカデミー作品賞ということで構えて観てしまったのか、どうもそこまでの作品とは思えない(実はアカデミー作品賞には同様の感想のものが多い)。何問も連続して正解した種明かしとして、スラムでの過酷な暮らしを回想させ、それが主人公の一途な性格描写でもあり、さらにリアルタイムでのラブストーリーに繋がって行く。その構成は上手く出来ているというより出来すぎという印象です。正直者が報われるのは嫌いじゃないけど、賞金を得たのはただのラッキーで、ストーリーに絡んだ必然が無い。そこは結構大事なことだと思うのだけど、都合の良すぎる出題でした。軽い映画です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-09 01:44:40)(良:1票)
38.  砂の器 《ネタバレ》 
う~ん、私はイマイチでした。事件の痕跡から犯人を追って行くサスペンスとして、現代的な視点では粗が目立ちますが、細かい突っ込みどころは許容できても、根幹となる部分に頷けない。それは殺人の動機です。父親に会えと言われただけで、人を殺すとはどうしても思えない。「今は忙しいけど、落ち着いたらこっそり会いに行きます」で事は済むはず。また、ハンセン病が偏見を持たれていることくらいは緒形拳も解っているはずで、社会的に注目を浴びる立場の加藤剛に、引きずってでも親父に会わせるなどと言う訳がないのだ。この伝染病に対する偏見によって地位を失う恐れから、出生を知る男を殺したという展開は訴求点が明確になるけれど、当事者たちの心理を冷静に考察すればステレオタイプなご都合主義に落としたと言わざるを得ない。松本清張の小説の多くは、事件の背後にある社会問題をテーマにしていますが、その問題をあぶり出すことに偏重するあまり、事件の動機を安直に社会問題に帰結させる作品も見受けます。先日観た「ゼロの焦点(1961)」も同様でしたが、今作はそれを顕著に感じました。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2010-02-09 03:01:16)(良:2票)
39.  スティング
たぶん誰にも、映画の楽しさや面白さを教えられた特別な作品があると思いますが、自分にとってはこの「スティング」がそれです。中学時代に名画座で観たのだけど、それまでほとんどゴジラやブルース・リーしか知らなかった自分に、映画の世界の楽しみ方を何倍にも膨張させてくれました。二大俳優の名演もさることながら、自分はジョージ・ロイ・ヒル監督の上手さを特筆したい。細かい話で恐縮だけど、役者がひと言を発する前の微妙な間と表情が、続く台詞と芝居を何倍にも引き立てるように緻密に計算されている。あからさまに笑わせるようなことはせず、劇中の人物たちが必死に真面目に取り組んでいる姿勢の隙間から漏れてくる笑いを、決してシニカルに見せるのではなく、温かく流れに乗せて行く。そんな演出です。初見から30年以上経ち、ポール・ニューマン氏もお亡くなりになりましたが、自分の中では色褪せることなく金色に輝き続けている映画です。まだ観ていない人には「うらやましい」って言ってしまいます。
[映画館(字幕)] 10点(2010-01-24 03:24:32)(良:2票)
40.  スクラップ・ヘブン
メインキャストの3人は絶望感を抱えているが、ストーリーの展開に従いそれぞれの絶望にもグラデーションが見えてくる。栗山千明の絶望は身体的欠損への憤怒を外界へ投影した、世の中を破壊したい絶望。オダジョーの絶望は、自分の父親さえ救えなかったことに起因する無力感。自分を消したい絶望。そして加瀬亮の絶望は…となった時に言葉に窮した。彼の場合は絶望と云うより、自分の周りにある不条理に対抗できない不満の蓄積で、いいところ閉塞感だろう。誰もが持つものかも知れない。彼はオダジョーと出会い、感化され、「想像力」という言葉に光明を見た思いで、それまでに出来そうに無かったことに一歩を踏み出す。これは、行為の良し悪しは別にしても大きな進歩だと思う。「想像力」とは自分の殻を破ることだ。でも、栗山千明やオダジョーほど大きな絶望を抱いている訳では無いので、それ以上の世界へは行けない。それは想像力の欠如では無く、加瀬亮が小市民だということだ。内的動機の限界とも言える。表現がグロいのでゲテモノに見られる映画かも知れないけれど、一般人が想像力を発揮して、自分を取り巻く世界を変えるという意味で啓蒙的な作品であり、同時にその限界をちゃんと見せている良心的な作品とも言える。裏テーマは「タクシードライバー」や「太陽を盗んだ男」などの映画を観た側を主人公にしたらどうなるかってこと、かな…。大半の人は加瀬亮と同じ種類の小市民である。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-12-07 01:02:26)
0170.80%
1462.16%
21316.16%
32069.69%
432315.19%
548322.71%
636917.35%
728213.26%
81758.23%
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10221.03%

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