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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ズートピア 《ネタバレ》 
 「みなさん、ディズニーはここまで来ましたよ」って感じ。   ジュディがとっても可愛くて。もふもふで、表情豊かで、鼻をヒクヒクさせるところなんか本当に愛らしく。CGでここまで生命を与えられるんだねぇ、ってその技術力に感服。もうジュディ眺めてるだけで満足な映画。   ・・・なのですが、ちゃんと映画としてしっかり作られています。物語は新人警官と詐欺師のバディもの。お互いに騙し騙されながら連続失踪事件の謎に迫ってゆく、その意外なまでにちゃんとした(子供向けになんとなくお茶を濁しました的な安直さのない)面白さ。幾つもの伏線がきっちりと回収されてゆく脚本が気持ち良いです。   そして、その根底に流れるシリアスなテーマ。差別が生まれる背景が描かれ、差別意識を植え付ける事で危機感を煽り世論をコントロールする危うさが描かれ、それを乗り越えてゆく道までもが示されて。これは社会派ディズニーアニメーションなのです。   だけど、難解な部分は何も無くて。そこに描かれるのは小さな子供でも存分に楽しめる、夢とワクワクに溢れた世界。『シュガー・ラッシュ』や『ベイマックス』同様、スクリーンの端から端まで意匠が凝らされ、その色彩、情報量に目が回ります。登場する動物達の個性、動物達の暮らす世界の独創性、映画の中に入り込んで魅了されるひとときが過ごせます。   一方で、もちろん映画やディズニーの過去作品にうるさい人達向けのネタも多数仕込んであって。   全ての世代を楽しませる映画。矛盾だらけになりそうなこの難題を圧倒的な数の創造力によってクリアしてみせる、今のディズニーにはそれだけのパワーが溢れているという事を実感させてくれます。  作品に流れる膨大なクリエイターの血、その力には頭が下がる思いです。
[映画館(吹替)] 10点(2016-04-24 23:24:55)(良:4票)
2.  スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団 《ネタバレ》 
くだらねー! マトモなシーンがまるっきりない、最初から最後までロクでもないモンが連なってるだけの映画。ユニバーサルのロゴが荒いドット絵、ファミコンのPSG音源みたいな音楽で幕が開ける時点から、この映画ヤバいでしょって。でも、こっちの予想を上回ってメチャクチャ。頭の悪そうなバカロック青春映画が突如として対戦格闘映画へ転じる上にマサラ、カンフー、超能力乱れ飛び。どう見てもダメな主人公が何故か女にモテまくっててバンドやっててしかもとても強いっていう、リアリティの欠片もない、ダメなヤツの妄想が暴走してるだけの状態。テレビゲームがメインとなる大量のネタはひたすら同族に対するウケ狙いばかり(「今のSEはメジャー過ぎて逆になんだったか思い出せない・・・『マリオ』のコインじゃなくて、えーと、あ、『ソニック』のリングだ」みたいな事を考えてるうちにどんどん先に進んじゃう)。自分でもよくやる、人生をゲームに例えて(え?フツーやらない?ほら、経験値積んでそろそろレベル上がったかな?とか)、そこから何らかのメッセージを発信するかと思いきや、なんやの?1upしたのでやり直し可とか。最初から最後まで映画として物語やシーンやカットがちゃんと流れてはいません。『エンジェル・ウォーズ』もそうなのですが、行くところまで行っちゃった、抑えなんてまるで効いてないリビドー暴走映画。本当にダメな映画。で、そのダメさがぴったりフィットな人間にとっては限りなく甘美な世界である訳でね。『ソウルキャリバー』や『モータルコンバット』等のゲームだけでなく、昔のテレビ版『バットマン』から韓国映画やら中島哲也監督作品やら『(500)日のサマー』やら『マクロスF』あたりまでいっぱいのアレコレを思い出しちゃニヤニヤする、傍から見たらキモチ悪いだけな集団自慰映画。悪いっちゃ悪い。でも仕方ない。
[映画館(字幕)] 10点(2011-05-02 17:40:30)(良:2票)
3.  スパイダーマン:スパイダーバース 《ネタバレ》 
 あまりに幸せな贅沢さに溢れた映画ね。   『スパイダーマン』という作品のアイデンティティ、作品が存在することの意義を過去作に遡って求めながら、その未来までも模索してみせる、そういう『スパイダーマン』のあり方としての映画、という面だけでも十分に見る価値はあるのね。   その上で「アメコミの映像化」についての映画でもあって。ただ物語とデザインを抽出して、あとは既成の映像理論に乗っけたものに「アメコミ」としてのアイデンティティは保たれるのか? アメコミの感覚を映像へ置換する独自の表現方法があるのではないか? そんな試行と挑戦が見えるわ。  かつて『クリープショー』や『ハルク』、『シン・シティ』など「アメコミらしさ」を求めた映像作品はあったけれど、表面的なスタイルだけではなくて、その空気や精神をも表現するには、やっぱり現在の映像コントロール技術が必要だったのかもかもしれないわね。   でも、更にそれだけじゃないの。現在の主流になっているフルCGアニメーション映画の世界そのままではなくて、あえてテクノロジーの引き算をしている面もあって。キャラクターが妙にパタパタ動いてる、今やCGアニメーションには常識なモーションブラーが付いていない状態なのね。それはこれがあくまで絵を動かしているアニメーションの世界だという事。なめらかな動きこそが大切? 横並びなテクノロジーの進化合戦の中の一作品である必要はない、あくまでアニメーションの次元の存在であると。   そして、大きく「マンガ」とひとくくりにされる世界の、そのマンガについての映画でもあって。CGアニメーションである以前にアメコミでアニメーションで、その上にカートゥーンと日本のマンガとアニメまでもリスペクトし、摂り込み、ひとつの世界の中で共存していて。  興味の無い人の目から見れば同じフィールドのものでも、それぞれが好きな人の目には全く別のフィールドのもの。それが高次で融合している作品、それはとても幸せな姿だと思うわ。  ここにアニメーション作品の1つの基準を作ってしまった感じ。これから世界中の映像クリエイターはこの作品の存在を意識せざるをえないわ。   っていうか、見る側は難しいコトごちゃごちゃ考える必要なんてないわね。単純にどんどんと加速してゆく映像と音のドライブ感を楽しんで。
[映画館(字幕)] 9点(2019-03-03 22:21:44)
4.  スモールフット 《ネタバレ》 
 コレ、ポスターの画像を見てもほとんどの人が「ソソるモノが無い」と思うわね。なんとなくジミめな海外アニメーション、アチラ産の、日本人には向いてなさそーな雰囲気。  実際、歌と笑いが散りばめられた、ファミリー向けのアメリカンなCGアニメーション映画。当たり前にありがちに思えるフォーマットの作品なのね。  コミカルなイエティはともかく、人間側のキャラクターはとてもじゃないけれど魅力的なデザインには思えず、「えー?コイツが人間側の主人公?ヤダー」みたいな印象。  だけど実はこれが大傑作! 後でDVDとかで見て「ぐわー!劇場で見れば良かった!」とか言っちゃうタイプの映画。個人的に今年のムーブメント的作品な『カメラを止めるな!』『若おかみは小学生!』以上に強くお薦めしたいわ。   以下はネタバレなので、ご注意。できれば読まないで見る事お薦め。   映画はイエティの集落を舞台に、イエティ社会を通して世界を象徴してゆくのね。タイトルの「スモールフット」っていうのはイエティ達から見た人間のこと。人間はイエティ達にとってのUMA、空想上の生物的な。  イエティ社会を支配するのは古くからの伝統的な教え。その教えに従ってさえいれば、みな幸せに暮らしてゆける、そんな社会の中で教えを盲信する側だった主人公が出会ってしまう、存在するハズのない「スモールフット」。一方、教えに疑問を抱き「スモールフット」の存在を探求する若者たち。  この映画には具体的な倒すべき悪役は存在しないの。真実を知りながら、あえてそれを隠し、民衆を無知な状態で支配する長老は、だけど良かれと思って情報をコントロールしてる。実際、事態が動いた時に主人公の父は「知らない方が幸せだった」と漏らすし、真実は民衆にとって危険をもたらす事に繋がるし。  そこに描かれるのは国家、政治の国民に対する姿勢、マスメディアのあり方、情報化社会での情報の扱い方。歌って踊ってドタバタ(ワーナー伝統のカートゥーン臭漂う)なアニメーションの中に織り込まれた、その重さ、難題。  そしてその難題に対して、この映画なりの結論をキッチリ描いてみせるのね。最後まで描ききりました、というラストシーンを見せてくれるわけ。  子供は純粋に楽しめ、そしてそこから何かを感じとり、大人はそこに流れる重いテーマから、あるべきこと、すべきことを考える、そういう深いアニメーション作品。   『ヒックとドラゴン』をかなりイメージさせて、あと『モンスター・ホテル』とか『LEGO ムービー』とか『メアリーと秘密の王国』とか(『モアナと伝説の海』は似ているようで意外と遠いかも)あたりを思わせて、そういう点では正統なアメリカンなアニメーション映画の系譜なのだけれども、そこら辺にアンテナが動く人ならば思い切り楽しめるだろうし、そうでない人もとりあえず見て!と言いたいわ。  何しろ上映してるハコ自体が少ないのだけれど、その少ないハコの中がガラガラで、クオリティ高くて素晴らしい映画なのにあまりにもったいなくて。
[映画館(吹替)] 9点(2018-10-18 22:31:56)(良:1票)
5.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
「映画」を子供の頃に好きになったか、大人になってから好きになったかで、心に映る「映画」の世界ってのは全く違ったモノになると思うんですね。子供の頃、心にスピルバーグ作品を映しまくったのであろう、この監督の世界に、中学生の頃『ジョーズ』からスピルバーグ作品と共に映画を見てきた私は強いシンパシーを抱きました。映画とは何ぞや?って問うた時に、芸術論や技術論をこねくり回すのは簡単ですけれど、子供の心に映した、ひっくり返ったオモチャ箱みたいな世界もまた映画のひとつのカタチであるのは真理であって。この映画はそのオモチャ箱を今の時代に送り手となって表現してみせたような作品で。色々盛り込み過ぎな感じはあります。『未知との遭遇』と『ジョーズ』と『E.T.』の要素が色濃く、一方でスティーブン・キング的だったり、時代ネタを盛り込んだり。で、あれこれと描いた上で、じゃあこの映画の本質ってのはどこなのか?って言うと、実はエンドクレジットの最中のアレこそが「映画」本体なのではないの?みたいな気もしないではなく(エンドクレジットが出ると共にさっさと席を立ったものの、途中で立ち止まったり戻ったりして見るハメになってる人多数。そんなに慌てないで)、あの最後と、遺されたママの映像とがこの監督の映画観を語る大切な部分なのではないのかな、と思ったり。映画の「夢」があって、そこから一歩踏み出してゆく「現実」があって。映画少年が映画を刻んできた証しが具象化されたような作品でした。ただ、スピルバーグ的ではあるけれど、この映画、クリス・コロンバスが脚本を書いて、ジョー・ダンテかリチャード・ドナーが監督したスピルバーグ製作作品みたいなカラーが色濃く出ていて、そこは自分の中に刻まれたスピルバーグとは、ちょっと違うね、って思ったりもした2時間でした(この映画はややレトロな色調になっていたけれど、私の記憶の中に刻まれているスピルバーグ作品の多くは70mmプリントされたペカッペカな色鮮やかな最先端の映像なワケで)。
[映画館(字幕)] 9点(2011-06-24 21:11:42)(良:2票)
6.  SPACE BATTLESHIP ヤマト 《ネタバレ》 
こんなん早いモン勝ち。長文注意。これからいっぱい批判が出てくるでしょうが、かつてアニメ映画版の初日に徹夜して並んだモロなヤマト世代な私から言わせて貰うと、元々『ヤマト』なんてこんなモン。こんなモンに熱狂してたんですよ。原作を冒涜してるとかいう評もありますが、そもそも当時からみんなその内容にツッコミ入れながら見てたっての。ここがキャラ弄りなアニパロの起源なんだし。『惑星大戦争』から『宇宙からのメッセージ』を経て『さよならジュピター』でトドメを刺された国産SF大作映画が、ここに久しぶりに甦ったって悦びをさ、ゴチャゴチャとウザい事言ってわざわざ貶めたくもないしねぇ。確かに沖田艦長を始めとして、島とか徳川機関長とか真田さんとか斉藤とかドラマのワリにキャラが弱いし、佐渡先生とか相原とか性別を変更した必然性はなかったし。一作目に『さらば』をブレンドしちゃう事によって、ボヤけた部分もありますよ。ワリと簡単にイスカンダルまで到達しちゃって、旅が短か過ぎな感じがしますし。つーかワープあっさりし過ぎ。この一作だけで簡単に完全に終わらせちゃうなよ!とも言いたい。でも、日本映画特撮史におけるお笑いポイントな色塗りなりきり外国人を避けるためとしか思えないデスラーとスターシャ(テレサブレンド)の描き方はあれで仕方ないと言えますし、声でちゃんとリスペクトしてるし、ヤマトはやっぱり左向きに旅立って左向きに波動砲撃つモンだし、第三艦橋は壊れてナンボだし・・・って結局ウザい事言ってますな・・・。でもね、ヤマトで特撮映画で育ってきた私が、これを否定する理由なんてのが見つからないんですよ。映像で音楽で、あの感覚を甦らせてくれる高揚感溢れる瞬間が訪れるたび、もう全肯定!って。ここは素直にヤマトの実写映画化、国産SF大作を甦らせてくれた事を喜ばせて頂きましょう。今回はもう、人の事は知らん。
[映画館(邦画)] 9点(2010-12-01 21:15:15)(良:12票)
7.  スター・トレック/BEYOND 《ネタバレ》 
 『スター・トレック』の魅力はキャラクターにあると思っているので、完全なキャラものと化した今回はかなり楽しく見られました。不時着によってクルーを分断する事によって幾つものコンビを作り、それぞれの道中を通してキャラの魅力を見せる、っていう作りはファンサービスになっていると思います。映画の展開はかなり慌ただしいですが。   ツッコミどころはいっぱいあって、あれだけの戦力(エンタープライズ号を短時間のうちに破壊してしまうような)があれば、別に細菌兵器に頼らなくてもアレだけでヨークタウン制圧できちゃうんじゃね?とか、あんなデカい戦艦を視覚だけで隠しておけないだろ(敵側もその存在を知ってるハズですし)とか、異星人女性キャラ3人のデザインが似過ぎとか、微弱な放射線でも素肌に密着してちゃマズいだろとか・・・   でもノリの良さっていうのか、押しの強さというのか、エンタープライズのクルー達の獅子奮迅っぷりで見せ場を連ねてぐいぐいと映画を推進してゆくパワーが心地良いです。   それからエンタープライズや宇宙ステーションを舐めるようにぐりぐり動くカメラワークを3Dで見るのも気持ち良くて。これまで150本くらい3D映画見てきて、すっかり3D慣れしちゃって効果が薄く感じられるようになってましたが、この映画の立体感は久しぶりに3D見た!って感じがして。エンタープライズをフェティッシュなくらいに撫でまわすが如く撮る、っていうのはロバート・ワイズの映画版第一作目を思い出したりもして。ただ、上下左右がグルグルする系3Dなので、3D酔いしやすい人にはヤバいレベル、つーかエンドロールは3D慣れしてても酔います。   ご贔屓マイケル・ジアッキノの音楽は作品によって好不調の波がハッキリしてる感じですが今回は好調な方でしたし。   でもアントンはやっぱり悲しかったですね。ラストの「亡きクルーに」の次のカットに映るアントン。『ターミネーター4』の舞台挨拶の時に場内グルリと回ってハイタッチしてくれたアントン。もっともっとあの笑顔をスクリーンに刻んで欲しかったです。
[映画館(字幕)] 8点(2016-11-06 21:03:48)
8.  スーサイド・ショップ 《ネタバレ》 
 自殺グッズ専門店を営む一家の物語。冒頭から幾つもの死にっぷりを見せてくれるブラックなアニメ。  陰鬱な世界の中でも際立って陰鬱な一家の中に生まれた次男が変革をもたらしてゆく、というのが主軸になっています。   その中で長女が全裸で踊るシーンがありまして。陰鬱な家庭に生まれて当然の如く陰鬱な少女に育った彼女が、弟の贈り物に胸を躍らせ裸で踊り、その光景を覗き見た少年と友人達もまた性(生)の目覚めに心ときめかせてゆくという。   こう書くと随分と即物的な表現のようにも思えますが、ポイントは長女の姿がかなり醜く描かれているという事。目つきが悪く目の下はくすみ、紫色の唇は突き出していて、体型は樽型。  そんな彼女が生気を取り戻してゆく映像は醜から美へと至るエロティシズムに溢れていて、死の匂いが立ち込める世界から生へと目覚めてゆく流れを見事に表現していると思います。  モノトーンの世界からカラフルでオプティミスティックなラストシーンへと至る映画の中にあって、その長女のダンスシーンはインパクトのあるアクセントとなって大きな存在感を与えています。   表現の多様性において、アニメという分野はまだまだ伸び代があると思うのですが、その可能性は現在、海外のアニメ作品から強く感じられるように思います。こういう様々なカタチがあるからこそ、アニメって楽しいと思うんですよね。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-19 22:20:29)(良:1票)
9.  スノーピアサー 《ネタバレ》 
 前半、ありがちなB級SFアクション映画で、ポン・ジュノ監督ともあろうものがハリウッドに呑み込まれまくったモノを作っちゃったかぁ、って失望気味だったのですが、中盤からどんどんと一筋縄ではいかないヘンな映画になっていって、ああ、監督、ちゃんとブレなかったんだ(笑)ってひと安心。   『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』『母なる証明』と、ポン・ジュノ監督の作品は一貫して「英雄になりそこなう底辺の人々」を描いています。正義の名の元に体制に逆らい、真実を暴いてゆこうとする、だけど待ち構えるのはいつも皮肉な展開。   今回の作品はそのポン・ジュノ路線をいっそう純化させたような内容で。  一本の列車に凝縮された社会の縮図があって(この部分、エド・ハリスのセリフを始めとして説明し過ぎた感はありますが)、その中で底辺の人々の闘争があって。   一両一両の小さな空間にまとめられ象徴された世界(扉が開かれるごとに全く趣向が変わってゆく、その魅力的な仕掛けが楽しく)、そしてその社会の縮図を守ろうとする意志と破壊しようとする意志のバランス。それぞれが脆弱なものの上に成立している現実、それぞれの役割を全うする事こそが、社会のシステムのバランスを保つ秘訣・・・でも?   最後の投げっぱなしには決して明るい未来が開けてはいません。だけど、じゃあ今のシステムの上に安住する事こそが幸せなのか、上を向かずただそこにある現実を甘受していればいいのか、と言えば・・・。いずれにしろ今の行動が未来に責任を残す事に変わりはない、その「今」を描く事にポン・ジュノ監督はいつも腐心しているように思います。   予告から受ける印象よりもずっとヘンな映画で、それゆえポン・ジュノらしい快作でした。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-13 20:50:35)
10.  スター・ウォーズ/最後のジェダイ 《ネタバレ》 
 どんどんネタバレしちゃうから注意だ。   「凄くお金がかかった二次創作」感は今回も拭えず、でも『スター・ウォーズ』のファンを存分に楽しませるだけの要素に溢れているのも確かで。  前作の(そしてルーカスの作ったEP1~3の)流れからして、今回の作品が『帝国の逆襲』をなぞってゆくのであろう事は容易に予想できたわけで、やっぱりそう来たか、って思わせつつ、わざと外してきたり意外な方向に持っていったりして、一筋縄ではいかずに翻弄させてくるあたり、楽しめました。  でもそれはもちろん全シリーズを見ていてこその楽しみ。この一作だけで見れば、なんだか外してゆくばかりのストーリーにイライラさせられるのも事実で。『帝国の逆襲』でミレニアムファルコンがハイパースペースに入れないスカを何度か繰り返す、アレのスケールの大きい版を何度もやられちゃうっていう。後になって考えてみれば、あの展開は本当に必要だったのか?って疑問に思える点が幾つも。そしてその分、尺も長く、そしてその分、ダレて。いや、『スター・ウォーズ』好きならばダレもしないでしょうけれど。  後半のかなり多重状態の展開は、あっちのキャラは一体何してんの?、久々に出てきて一体何やってたの?状態を生み出し、群像劇を上手く捌ききれてない感じがしました。  そう、今回は群像劇としての側面が強くなっていて、初登場キャラにもそれなりのウェイトを与えているので、特定キャラの活躍って面は薄くなってます。そこが面白味にもなっていれば、物足りなさにも繋がっている、諸刃の剣。アジア人大活躍だな、みたいな。しかし東洋人はどうしても地域的なモノを意識してしまって。  そういう点で今回最大の問題点はカジノシーン。あんな既存のカジノイメージをまんま持ってきちゃったら、それこそ『宇宙からのメッセージ』の宇宙アロハ、宇宙ちゃぶ台の世界ですがな。シャンパンの栓ポーン!とかダメでしょ。   それでも前作に比べても『スター・ウォーズ』な映像はいっぱい見せてくれた感じがしましたし(今回は宇宙を舞台にした画が多くて)、今の映像技術で新しい『スター・ウォーズ』の映像を見せてくれるのは嬉しい事で。それにジョン・ウィリアムズは大変にツボを押さえるメロディを鳴らしてくれていました。そこでそのメロディを鳴らされたら、そりゃ泣くわ、みたいなシーンがいっぱい。   1作目からリアルタイムで追ってきてる身には、今なおこれだけの映像を見せてくれる、40年に渡ってこれだけの娯楽を提供し続けてるって点で偉大なシリーズである事を心から実感させてくれるのでした。   ・・・・・あと、たとえ敵を作ったとしても私ゃディズニーの味方だよ。  【追記】最速でレビュー書いたモンで、世の流れを見ると自分のレビューとは反応がかなり違うみたいねぇ。『スター・ウォーズ』ファンからは不評、むしろ新規ファンが楽しんでる、と。  レイとカイロ・レンの関係を「レイロ」って言って二次的に楽しんでる層を見ると、以前『ズートピア』で「ニクジュディ」層が生まれた状況とよく似ていて、それってとてもディズニー的、個人的には好ましい『スター・ウォーズ』になっていってるのかな?って思います。ある層にとっては悪夢のようですが(ナンバリングから外せ!って言ってる層とかね)。  もう1点上げてもいいかも、と思うけど、それはある層にとっては嫌がらせのようにも映るでしょうしねぇ。
[映画館(字幕)] 7点(2017-12-14 23:08:35)(良:4票)
11.  素晴らしきかな、人生(2016) 《ネタバレ》 
 ウィル・スミスの抜け殻演技は、なんかやる気無さそうにも見えちゃって、主役なのに薄~い感じに思えてしまうのが残念。でも、エドワード・ノートン、ケイト・ウィンスレット、マイケル・ペーニャ、ヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイって主役クラスな人々がそれぞれにいい味を見せているので、その多彩さを楽しめます。   さて、物語は予告編から予想したものとは違って、最初から種明かしをした上で進行してゆきます。娘を亡くして生きる気力を無くしてしまった男の前に、周囲が(彼を思って、と言うより会社の存続のために)舞台役者を使って「死」と「愛」と「時」を登場させる、って(『クリスマス・キャロル』が元ネタなのは明らかですね)。あのリアクション薄いウィル・スミス相手にそれで面白い物語が進行するのかいなぁ?って感じではありましたが。  これが、実はウィル・スミスだけの話ではなくて、その仕掛けた側の人達それぞれの話でもある、って広がりが見えてくると共に映画に奥行きが出て、興味深く見る事ができました。そして、「もしかしたら」という更なる予想が生じて、こうあって欲しいと思った結末、その通りのラストを迎える事で心が満たされて。   決して幸せな映画ではありません。それぞれがそれぞれのハッピーエンドを迎えてめでたしめでたしになる、そういうほんわかしたノリにはならないのは、娘を亡くした男って起点からしても明らかで。停滞していたそれぞれの苦悩、葛藤が「死」と「愛」と「時」の登場によって動いてゆく、そのさまが感動を呼びます。1つにはまとまらない、それぞれ散り散りな進行ゆえに大きな感動のうねりって訳にはいかないのが難点ではありますが。   でも、『素晴らしき哉、人生』は「人生は素晴らしい」って映画ですが、この作品は「人生ってたいへん」って映画なわけで、決して「素晴らしきかな、人生」って話ではないと思います。邦題を付けた人はこの映画のどこを見て素晴らしい人生を感じ取ったのかなぁ?
[映画館(字幕)] 7点(2017-03-01 21:59:51)
12.  スノー・ロワイヤル 《ネタバレ》 
 今回もまたリーアム兄さん怒りの鉄拳炸裂・・・って映画とは、ちょっと違ってたわ。  オフビートというかダウナーというか、『ファーゴ』と『ジョン・ウィック』を足したような世界で(ちょっと『スリービルボード』的でもあるかしら?)、いっぱい人が死んでゆく、だけど笑いを散りばめた、ブラックな映画ね。   派手なアクションを速いテンポで繋いでゆくような映画ではなくて、ロングショットで淡々と描くようなシーンが多くて。  どこに行くにもファー付き作業着なリーアム兄さん、ヘンな個性が集まった不真面目なマフィアの人びと、ちっとも役に立ってなさそうな警察。まとまりが全くない群像劇みたいな映画で、リーアム兄さんの映画って括りだと、ちょっと物足りないかな。前半こそリーアム兄さんが復讐に燃えてガシガシ進んでゆくんだけど、中盤以降は物語があっちこっち迷走を始めて、混乱劇状態になっていって。   それでも、幾度となく反復される街に向って疾走する映像とか、死者を告げる字幕とか、セオリー通りには進まない物語とか、映画の作りに対する興味はいっぱい湧いてくるので、退屈することは無くて。めちゃくちゃ面白い!ってワケでもないケド。  アタシ的には、まだ子供なのに、なんだか達観したカンジのマフィアのボスの息子がスキ。   タランティーノ的なカンジをウリにしてるけど、タランティーノ作品よりは色々と大人しめね。
[映画館(字幕)] 6点(2019-06-09 21:02:00)(良:1票)
13.  スポットライト 世紀のスクープ 《ネタバレ》 
 1本でも多くの映画を真剣に真面目に見る、よりは好きになった映画をいっぱい愛する方がいいと最近思うのですね。そんな事を書くのはツイッターでこの映画を「教会ってモノにピンと来ないから楽しめなかった」って感想に対して「積極的に映画を理解しようとしないのは勿体ない」って批判する意見を見かけたので。   この映画、キリスト教圏の国に向けて作られてます。教会とかキリスト教の信仰の実態とかをキリスト教圏以外の人間に判りやすく解説するとかいう事は一切していません。描かれるのは教会で行われた複数の神父による複数の児童虐待事件に対する記者達の取材、その奮闘ぶりで、その外側は全く描かない、何が起きたのかを映像で説明したりしません。全ては事後の取材の姿のみで構成される映画。なので事件の当事者すら取材対象としてほんの少し登場するだけ。  そこからこの事件の恐ろしさを実感し、記者達の挑戦の困難さを理解できるのは実際にキリスト教圏に暮らし、日常の中に教会が存在している人だと思うんですよね。万物に神が宿る八百万の神の国、お寺や神社に年に何度かお世話になる程度の国、神様も仏様もごっちゃであちこちのお祭りにでかけたり参拝したりする国の人間がピンと来ないのは当たり前で。そこで何もアカデミー作品賞の映画だからって必死に理解する必要なんてあるのかいな?みたいな。それよりは好きな映画を愛した方がよっぽど映画と人にとって幸せなんじゃないかな?   さて、正直眠い映画でした。ピンと来ないってトコだけじゃなくて、テクニック面に面白さを感じられなくて。このテの社会派映画の持つパワーっていうのがこの映画は希薄なんじゃないかって。ワリと「劇映画」のセオリー通りの画で構成されていて、記者が取材で街を歩くシーンが重ねられる部分での振り付けっぽさ(背景のエキストラの動きまで含めて)とか、ああ、作られた画だねぇ、って。  編集部の縦の構図なんかは面白いのですが、ならばもっと徹底されてたりする方がいいのに、みたいな。  『大統領の陰謀』や『ザ・ペーパー』のようなパワーある作りではなくて、良い言い方をすれば実直な作りなのですが、悪い言い方をすれば平凡。   アカデミー賞はタブーに挑戦した映画としての評価なのかな、って感じですが、まあ、そこら辺を無理矢理理解しようとする時間があるのなら自分の好きな映画を探す作業に移った方が有意義かと。
[映画館(字幕)] 6点(2016-05-04 22:01:09)(良:1票)
14.  スター・ウォーズ/フォースの覚醒 《ネタバレ》 
 エピソード4をテアトル東京のシネラマ最前列で見たくらいのリアルタイム世代ながら元からそんなにハマってないシリーズでして。   4、5、6のエピソードの引用によって展開はどんどん先読みできるし、お馴染みのセリフや小ネタを散りばめて、まるでファンが作った二次創作みたい。ファンを喜ばせるのはいいとして、そこから先は?って考えると、ちょっと心許ないかなぁ、と。   なんか微妙に違和感を抱くのですよね。1、2、3がCGに溺れてしまったようなシリーズだった事を思ってでしょうか、ロケセット中心になってあまりCGに頼り過ぎない作りになっています。それが結果として「遠い昔、遙か彼方の銀河系で」ではなくて「最近、どっか地球上のロケセットで」な世界に感じてしまって。  旧シリーズもロケセットを多く使っていましたが、マットペインティングを多用する事で異世界感を醸していた訳です。今回は冒頭のスターデストロイヤーの残骸が横たわる風景こそ、その世界観を強く打ち出していますが、以降は奇を衒うような風景は描かれず、ごくごく自然な世界として描かれ、星ごとの特徴も地球の常識の範囲内。  更に物語は人間中心で明らかな東洋人顔も参入、一方で雑多な異星人たちは背景に留める程度の扱いになってしまって、それが従来シリーズとは違う感じがして。『宇宙からのメッセージ』にアロハシャツが出てきちゃう違和感、アレに近いかな。   これまでのシリーズでルーカスは民族、兵器、風景、生活など雑多な世界を描いてきました。ゴチャゴチャとしてあらゆるデザインで溢れていて。それこそが『スター・ウォーズ』の宇宙だと考えると、今回は世界がやたら狭い感じがします。宇宙空間の描写も少なく(宇宙に出たところですぐハイパードライブに突入しちゃいますし)、「地球のどっか」感が拭えないんですよね。もっとハッタリをカマしてくれてもいいのよ?みたいな。   それでもやっぱりお馴染みのオープニングには心躍りますし、レイとBB-8が魅力的で(レイはもう少し陽気でもいいんじゃないかと思いますが)、なので以降のシリーズにも少しは期待が持てるかな。   ちなみに今回はTOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン7の最前列で見ました。
[映画館(字幕)] 6点(2015-12-26 13:54:43)(良:3票)
15.  STAND BY ME ドラえもん 《ネタバレ》 
 ちゃんとこれ一作だけで『ドラえもん』として成立させられてない感じがします。従来の『ドラえもん』のイメージに頼っちゃってるでしょ?って。  『さよならドラえもん』をやるならば、そこまでののび太とドラえもんとのエピソードの積み重ねが必要な筈ですが、物語は主にのび太としずかちゃんのエピソードが中心になっていて、ドラえもんはサポートに回ってばかり。ひみつ道具による楽しい日々もダイジェスト状態でサラリと描かれる程度ですし。  なので、全体的に軽い、食い足らない感じの『ドラえもん』。   3Dは飛び出し方向に振ってあってトリッキーな3Dを楽しめますが、3DCGの技術はアメリカに比べたらまだまだ。それでもやっと「呼吸してる、かな?」くらいの表現には辿り着きましたか。アメリカのCGアニメをしっかと見てると判りますが、今はCGキャラ、普通に呼吸してますからね。モーションキャプチャー使ってれば呼吸も記録されるだろ、って? いや、今この『ドラえもん』も含めてモーションキャプチャー使ってるCGアニメ、あんまりないですよ。   でも、山崎貴監督らしい、最大公約数的『ドラえもん』でもあって、幅広い層にアピールできている作品でもあると思います。1つ1つのエピソードに過剰な重さを置いていないのも、あんまり子供にヘヴィなモノ見せたって仕方ないでしょ、っていう意識があるのでしょうし。  これまでのフィルモグラフィーを見てもこれと言って色の無い映画ばっかり撮ってる感じがしないでもないですが、『永遠のゼロ』と今作とで既に合わせて150億円を越える興行収入を上げている、今の時代の日本で最も観客を動員できる監督、その色の無さの中にこそ求められるモノがあるのではないでしょうかねぇ? 逆に言うと、他の監督には、観客から求められていない余計な色ってのがあるんじゃないのかなぁ。   で、唯一2Dアニメ版では全く感じなかった、この映画ならではの色。しずかちゃんがいいオンナ(笑)
[映画館(邦画)] 6点(2014-09-15 23:01:48)
16.  スター・トレック/イントゥ・ダークネス 《ネタバレ》 
 昔からあまり思い入れの無い『スター・トレック』、元々こんなモンってイメージ。毎回そこそこ、今回もそこそこ、みたいな。  前作こそ色々とやってみせて「お、ちょっともしかしてこれからの『スター・トレック』って・・・」って思ったものの、今回は話のスケール小さ目、キャラ中心で、ああ、やっぱりねぇ、って。結局内輪モメ話になっちゃうっていうのは『叛逆』がありましたっけ。   でも見せ場の連続で退屈はしませんし、カーンネタって事で『カーンの逆襲』に連動したシーンなんかも登場して楽しめました。今のVFXの技術によってエンタープライズ号がドーン!って存在感を見せるのもまた楽し。  このままのノリでまた続いていくのもいいんじゃない?って。   J・J・エイブラムスってシネフィルだのマニアックな人には評判悪いけど(日本で言うと山崎貴みたいな感じ)、そんな連中の話をマトモに聞いたところで行きつく先は退屈な袋小路でしかないので、このままでいいんじゃない?と思います。  『スター・ウォーズ』に過剰な期待したってねぇ。どうせプリクエルからして「あの程度」だったわけだしね。
[映画館(字幕)] 6点(2013-09-22 22:32:52)
17.  スノーホワイト(2012) 《ネタバレ》 
最初から期待値下げまくって見たらワリと楽しめました。って言っても素直に見るって姿勢には欠けまくってましたが。白雪姫、塔に幽閉されててクラリス(『カリオストロの城』)みたいだな、と思ってるそばから動物戯れ系でナウシカ?みたいになって次にサン(『もののけ姫』)かよ!シシ神様かよ!みたいな状態で。ジブリ臭いわぁ、んでも映像的には全編ほぼ灰色で『ロード・オブ・ザ・リング』風で、あと『ネバーエンディングストーリー』の悲しみの沼の展開そっくりとか『ハリー・ポッター』のディメンター風とか、で最後の方は『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスね、みたいな。既存ファンタジーのイメージ寄せ集めって感じではあります。前世紀末に作られた『スノーホワイト』では色々とドラマを抱えたシガニー・ウィーバーに感情移入して悲しい話だなぁって感じになっちゃいましたが、今回のシャーリーズ・セロンには特に感情移入できる程のドラマも無く、ただキレイなだけのフツーの悪い人って感じで。でも、何より失敗したのは、途中で「クリステン・スチュワートってジェットジャガーに似てない?」って思っちゃった事で。もう以降はジェットジャガーが頭にこびり付いて「頑張れジェットジャガー、負けるなジェットジャガー!」みたいな感じになっちゃって。んでも、だからこそ楽しめたんじゃないかと思ったりもして。大体、甲冑身に着けて戦う白雪姫なんて、ネタとしてしか見られんわさ。アリス、白雪姫と甲冑着させたハリウッド、次はシンデレラかドロシーでも武装させますか?
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-21 21:08:59)(笑:3票)
18.  ステキな金縛り ONCE IN A BLUE MOON 《ネタバレ》 
相変わらず不粋だなぁ。『スミス都へ行く』のビジュアルを見せる、更に言及する、って。どうせ引用を明らかにするならば、実際の中身をキチンと説明しないと、これじゃただのスノッブだっての。判る人にだけ判るようにするならば、即物的なモノでなくてそれとなく判らせればいいのにさ。今回、深津絵里をほぼ出づっぱりにする事で映画の流れに芯が通って、必要以上に脇キャラが自己主張しまくって五月蠅い状態は多少抑えられているのでまだマシな感じですが、エピソードやイメージの断片がぶち撒けられた状態もまた相変わらず。笑えるエピソード、いいエピソードもありますが、それがキチンと映画を組み上げてゆく礎となっているかというとそうでもなくて、あくまで断片だったりして。この世を去った者に対するスタンスまでバラバラでしょ。六兵衛やお父さん、犬には死んでいった者の心、残された者の心を語りつつ、速水はギャグ扱い。『レベッカ』か昔のホラーみたいな冒頭のビジュアルも他と融和する事なく3人のキャラのみに与えられたイメージですし、なんかもうひたすらバラバラと雑多な断片ばかりで組みあがってる感じ。「それこそが三谷作品なんです」って言われたら、あー、そうですか、としか、ねぇ。テンポを殺す尺の長さやラストの引っ張りっぷりもまたまた不粋な感じで、この人って自分にとっては『やっぱり猫が好き』だけの人なのかも。あ、でも笑えた事は笑えた、そこそこ面白かった、それは事実です。
[映画館(邦画)] 6点(2011-11-06 14:21:40)(良:1票)
19.  スープ・オペラ 《ネタバレ》 
人と繋がっている状態はいいね、という事を語りつつ、その実、孤独もいいんじゃない?というのがこの映画のポイントなんじゃないかと思いました。孤独になった主人公の元に人が集ってきて、心地良いひとときを送る事になる。でも、人と人との関係が、ある線を越えてしまうと、その心地良さは失われてしまう。ちょうどいいヌルさは、そう長くは続かないと。坂井真紀の、あまり前に飛び出さない程度の存在感が映画のトーンにぴったりとハマっています。正直なところ、スイーツ版『上海バンスキング』ですが。心地良さは感じられたけれど、一連の去勢されたようなスイーツ系映画から一歩抜きん出たようなところは何もなく、毎度のリアリティーのカケラもないファンタジー。それでいいんですけどね。だけど、人と繋がってゆくたびにバンドが組み上がってゆくとか、最後の夢のシーンとかは、さすがに見てる方が恥ずかしく感じちゃうなぁ。
[映画館(邦画)] 6点(2010-10-27 17:04:14)
20.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け 《ネタバレ》 
 エピソード4をテアトル東京のシネラマの最前列で見てから41年半よ。そりゃ歳も取るわ・・・   さて、『スター・ウォーズ』っていうコンテンツ全体の太い太い軸から考えるとJJの新三部作って、なんていうかシッポっていうか枝葉っていうか竜頭蛇尾っていうか、結局ここまで見て蛇足感が否めないのよね。オマケで作りました的な。少なくとも初代三部作よりも更に凄いコトになりましたよ、っていう拡がりは感じられないわ。映像こそ凄くなってる(ハズだ)けど。   新三部作、なんかやたら些末事に追われてない? そしてその些末事が映画の本体の殆どを構成しちゃってる。まるでデキの悪いお使いRPGのイベントをこなしてるみたい。あー、また本筋から外れて回り道ぃ~?って何度思ったコトかしら。それも三部作の最初や真ん中でやるならともかく、完結編、しかもこれまでの全『スター・ウォーズ』までひっくるめての完結まで謳ってる作品でまーだやってるものだから、一体何してんのよ?って感じ。  もうどっかんと真正面からガチのぶつかりあいってのを見せて欲しいのだけど、あちこちでちまちまちまちましてるからもっと気持ち良くさせてよ!って思っちゃうのよね。  何度も何度もレイとカイロ・レンが戦うんだけど、しつこいわ。いちいち戦っちゃ離れるを繰り返す『Zガンダム』見てるみたいよ。  クライマックスだってカイロ・レン来るのは見え見えなんだけど、何よ、まだそんなとこウロウロしてんの?とか、援軍バーン!って来るのだって見え見えなんだけど、被害出し過ぎ引っ張り過ぎ、とか、どうも気持ち良さをハズしちゃってくれちゃうのよね。もしかしてJJって王道を描くの、下手?   っていうか、前作にあったフォースやジェダイは血じゃなくて普通の人にも可能性はあるのよ、ってのはドコ行っちゃったのかしら?   全作品リアルタイムな世代なワケだけど、なんか特に感慨は無かったわね。どうせまた色々やるんでしょ?ってね。
[映画館(字幕)] 5点(2019-12-20 20:59:35)(良:3票)
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