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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
文字通り“クソ”にまみれた主人公の人生が、軽薄なクイズバラエティショウを通して肯定されていく様に、強く胸を打たれます。学は無くとも経験はある。それが決して他人に誇れるものでなくとも、血となり肉となり、今の自分自身をかたち作る糧となっています。辛い思いも、苦い体験も、全てがクイズの答えに、いや人生の答えに繋がっていました。最も痺れたのは、主人公が司会者の卑怯な罠に引っ掛からなかったところ。『親切を装う大人を信用してはいけない』という痛恨の教訓がちゃんと活かされていました。終わり良ければ全て良し。そう思える素晴らしきラストシーンは、ラブストーリーとしてもこれ以上ない“正しい”結末でありました。それにしてもヒロインを演じた女優さんの魅力的なこと!“この人の為になら命を賭けられる”そんな説得力を持つ恋物語は“強い”と思います。フリーダ・ピントというお名前、覚えておきますね。(以下余談)本作は『勇気の物語』でした。ザ・ダメ人間な自分も一緒に肯定された気がしたのです。私が長年かけて貯め込んできた『深夜ラジオ(伊集院光)』『囲碁』『プロレス』『B級邦画』『ももクロ』に関する知識も、いつか陽の目をみる日が来るんじゃないかと。いや、やっぱ来ないか。来なくてもいいんです。来るかもしれないと思えることが希望なので。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2016-03-30 22:28:40)
2.  スペル 《ネタバレ》 
何故サム・ライミ監督が支持されるのか理解しました。娯楽性豊かなアクションにコメディ&グロテスクのエッセンスがベストマッチ。執拗に汚物を飲まされ、髪の毛を引きちぎられるヒロインに、歯無しババアの噛み付き攻撃。オモシロ気持ち悪い。これはクセになります。そして忘れてならないのは、カメラワークの巧みさ。奇抜なアングルを用いなくても、印象に残るシーンを随所に作り出していました。役者のイイ表情を逃さず捉えるのも上手いのでしょう。人物造詣もお見事です。とりわけヒロインのキャラクターが気に入りました。ババアを車外に蹴りだし勝ち誇る人間臭さ。霊媒師に払う大金を自力で工面しようとする責任感。イイですね。それに呪いのボタンの処分の時のこと。もし彼女が躊躇無く同僚を地獄に蹴落とせるタイプの人間ならば、共感出来なかったでしょう。かといって復讐を考えない程お人好しなら手に負えない。彼女の良心は、私たちが持てる標準的なもの。だからうんと肩入れして物語に望めました。ラストがまた秀逸です。このままの無事のハッピーエンドを望めない事くらいは、物語の流れを見れば分かります。でもここまで後味の悪い結末が待っていようとは。突き放した感じにピリピリ来ます。情状酌量、社会的制裁、本人の反省等々、量刑を手加減する言い訳に慣らされている自分に気づきました。この結末に慈悲はありません。でも道理には適っています。そこにある種の心地よさ感じるのは何故なのか。最悪と爽快さの同居。自分でも知らない感情を引き出されては、褒めない訳にはいきません。サム・ライミ監督、恐れ入りました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-15 18:27:13)(良:4票)
3.  スター・トレック(2009) 《ネタバレ》 
NHKで放送していたTVドラマが大好きでした。奇想天外な筋書きと素晴らしき人間模様、そして壮大な世界観に少年だった自分は魅了されました。トレッキーではありませんが、“スター・トレックは面白い!”という意識は心に強く刷り込まれました。その後目にした劇場版もTV新シリーズも(全部を観た訳ではありませんが)、全て“確実に”面白く、自分の中で『スター・トレック』は絶対的な価値を持つブランドとなりました。そこで本作。率直に言って最高でした。カーク船長、スポック、マッコイ医師…。耳慣れた名前を聞く度に、オリジナルメンバーの顔が脳裏を過ぎり、本作の若者たちの姿と重なって行きました。みんな若々しく、少しやんちゃな未熟者で、でも本質は自分が知るエンタープライズのクルーと変わりないように思えて、彼らの成長を想像するのが嬉しくて楽しくて。予備知識が無くても、十分に楽しめる質の高い映画には違いありませんが、『宇宙大作戦』を知る者にとっては、格別な仕上がりだったと思います。レナード・ニモイのキャスティング、そしてエンディングの懐かしのナレーション。シリーズファンに向けた心遣いを確かに受け取りました。サイエンス・フィクションよりもアクションエンターテイメント色が濃い点は、シリーズの赴きとは異なりますが、それも悪くないです。若いんだから、動かなきゃ。というか、スタートレックと名の付くものなら、なんでもOKってくらい信頼度はMAXまで上がっています(笑)。是非ともこの面子で劇場シリーズ化をお願いしたい。ナイスなサブキャラたち(サイモン・ペッグ&毒チワワみたいなヤツ)の活躍が観たいです!劇場鑑賞なら間違いなく10点でした。
[DVD(字幕)] 9点(2010-06-18 21:08:52)(良:1票)
4.  ストロベリーショートケイクス 《ネタバレ》 
詳細なキャラクター設定と的確な描写に唸りました。ここまできめ細かに人を描けている作品は、そうそう無いと思います。彼女たちの心の内、考え方がよく理解できました。リアリティを欠いていたら、こうは行かない。もっとも、リアルではあるけれどツマラナイ作品も多い。そんな中、魅せる要素を忘れていないのも素晴らしかった。棺桶ベッドなんかがその例。リアルでなくても彼女の人物像を伝えることに役立っています。とかく男性諸氏へのサービスになりがちなヌードやエロ。本作では盛りだくさんです。でも全て必要だと感じました。無駄な裸はひとつも無かった。こういう作品で脱ぐ女優さんは幸せだと思います。彼女ら4人は、みな心に隙間を抱えている。満たされる幸せを願っています。2組のペア。望むものを相手が持っているという図式です。池脇が願う恋にホテトル嬢は身を焦がし、遣り甲斐ある仕事に憧れる中越にとって、ルームメイトは羨む存在。でもホテトル嬢やイラストレーターが幸せかというと、そうではない。それぞれの神様が異なるように、幸せの捉え方は違う。同じなのは、みんな寂しいということ。エンディング、そんな4人がある浜辺に集います。波は荒く、空は淀んでいる。彼女らを取り巻く環境は相変わらず厳しい。でも彼女たちは諦めていない。人生を投げていません。泣いたり笑ったり落ち込んだり縋ったりセックスしたりショートケーキを頬張ったりしながら、強かに生きていく。神様を介して4人の人生が交差する刹那、池脇の「恋でもしたいっすねぇ」がラストカット。この切り方にやられました。想像が頭の中を駆け巡り、気持ちが昂りました。情感溢れる優しい余韻でした。何もかもが上手い。絶賛させてください。ただ、ご指摘の方も多いように、声が小さ過ぎるのが難点。劇場だと違うのかもしれませんが、自宅鑑賞ではストレスになりました。伝えるセンスに長けている監督なのに、観客へ声を届けることに無頓着なのは解せません。それでも賞賛したい気持ちが勝るのだから、自分と相性がいい作品なのでしょう。本作については、ぜひ女性レビュワー様の感想を聞かせて欲しいと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-11-15 18:15:28)(良:2票)
5.  スポンジ・ボブ/スクエアパンツ 《ネタバレ》 
私が子どもの時分よく観ていたTVアニメは、ご存じ『トムとジェリー』。そして現在小学生の娘たちが夢中になっているのが本作『スポンジ・ボブ』です。ハンマーで叩かれペチャンコになってヒラヒラ。傍で眺めている分には『トムとジェリー』と変わらないカートゥーンアニメに見えます。Eテレ(かつてのNHK教育テレビ)で放送ですから内容も問題無いはず。しかしこのような認識は、本作を2分も観れば吹き飛びます。一言でいうなら『狂気の毒アニメ』。安心安全なんてとんでもない。害しかありません。日本が誇る良識アニメ『アンパンマン』と同じ擬人キャラクター作品ですが、教育的要素はゼロ。お話はアンモラル&刺激過多で、社会風刺から差別偏見・下ネタに至るまで広域に渡り、基本どうかしています。とりわけギャグの手数の多さは圧巻で、ケンシロウも舌を巻くでしょう。『クレヨンしんちゃん』に眉をひそめる親御さんがいると聞きますが『スポンジ・ボブ』を観たら即死です。こんなアナーキーな作品がEテレで放送されているですから、とかく批判の多い国営放送も捨てたものではありません。 なお本作は劇場公開作品だそうで、TV版には無い『実写とコラボ』の特別仕様となっています。『ロジャー・ラビット』みたいなヤツですな。“お困りごとは全てスーパーカーがジャンプで解決”『ナイトライダー』からマイケル役のデヴィッド・ハッセルホフ氏がゲスト出演という悪ふざけが絶妙で(日本だと錦野旦みたいな肌感覚ですかね)、マイケルにはだいぶ無茶な発注がされています。おじいちゃんスターに何ってことさせるの。よく承諾したものだと感心しますが、それだけ愛されているコンテンツなでしょうね(あるいは大金を積まれたか)。いずれにしても、ギャグクオリティの高さは相当なものです。ただし、子供が30分スポンジ・ボブを観たら、2時間白湯でも飲みながらジブリでも観て精神のバランスを取らせる必要があるでしょう。
[インターネット(吹替)] 8点(2021-01-25 18:44:46)
6.  スーパーノヴァ(2000) 《ネタバレ》 
描かれる生命の神秘。ミニマムレベルの人の性交から、果ては宇宙の再生まで。そのふり幅の大きさに心奪われます。現代より遥かに進化したテクノロジーを持つ人類。しかし価値観は現在のそれと大差ない様子。セックスの悦びに溺れたかと思えば、女を寝取られ嫉妬に狂う。子を産みたい女の本能が相手の男を品定めする。愛って何?遺伝子の欲求?文明が進んでも、人という生き物の本質は変わらない。いや、プログラマーとコンピュータの恋愛は、半歩くらい次のステージに進んでいるのかも。新人類カールVS旧人類の戦い。不死身のターミネーターへ、ロボットを使ってのファックユーポーズ。気分爽快です。ただ、カールに同様のポーズをさせておく伏線を張っておけばカタルシス倍増だったかと。次元ジャンプのイマジネーションも素晴らしく、これぞSF映画という感じ。爆発から起こる新しい宇宙の誕生と、射精から生まれる新たな命の対比。次元ジャンプ≒セックスか。堪能しました。最期にオチの付け方について。DVD特典「もう一つのエンディング」では明確に人類の滅亡を予告しています(約250年後)。それに対して本編の方は、人類が生き残る可能性を示唆しています。滅亡するかも知れないが、人は次の次元に進むかも知れないという。約50年後に来る審判の日。正直自分があと50年生きるのは無理っぽいけど…なんとか頑張ってその日を迎えたいと思えます。断然オリジナルのエンディングの方を支持します。
[DVD(字幕)] 8点(2009-05-15 18:58:05)
7.  図鑑に載ってない虫 《ネタバレ》 
いちいちギャグがグロいです。塩辛の人面疽風に、ゲロピッツァ、それに松尾スズキのキャラ。汚らしい。笑うに笑えない。この感覚は、三木監督の作品を初めて観たときと似ています。作風は分かっていたはずなのに、戸惑ってしまうから不思議。でもラストで全てがひっくり返りました。主人公が垣間見た死後の世界。現世と何ら変わりはありません。でもあいつらがいない。目玉のおっちゃん、チョロリ、マユ無しサヨコに、エセレゲエ・エンドー。うっとおしい奴らがいない。たったそれだけの違いなのに、心にぽっかり穴が開いたような。失って初めて大切なものに気付くなんて、ベタもいいところです。でも身に染みないと分からないのが人間だと思う。生きててバンザイ。お前ら居てくれてありがとう。今までの全てが、微笑ましく思えてきます。ダサくて、情けなくて、恥ずかしいことばかりの人生。でも、なんか有難いと思う。バカなお前らが好きだと叫びたい。三木聡流、人生賛歌のお話でした。難を言えば、目玉のおっちゃん側の流れ(新興宗教団体云々)が後半おざなりになったこと。でも、そんないい加減なところもまたいい。人生は、分からない事の方が圧倒的に多い。また一つ、三木監督が好きになりました。
[DVD(邦画)] 8点(2008-06-21 21:30:13)(良:1票)
8.  スパイダーマン3 《ネタバレ》 
回を重ねるごとにアクション性が増しているシリーズ。3作目となる本作は、もはやアトラクションと言っていい出来栄え。水平移動に垂直落下、空間の奥行を活かしたスピード感溢れる戦いにクラクラしました。敵もゴブリンジュニアに砂男、それに謎の寄生生物と盛り沢山。サービス精神旺盛です。アクションだけなら満点級です。ただその分、物語の粗が目立ちました。ご都合主義の展開や設定は目をつぶるにしても、ドラマが希薄になってしまったのは惜しい。テーマが良いだけに尚更そう思います。シリーズで一貫しているのは、根っからの悪人が居ないこと。みな弱い心が産んだ怪物たちです。主人公とて例外ではありません。誰もが悪人になってしまう可能性がある。そうならないために必要なのは何か。愛するMJに伯母さん、親友のハリー、大家のおじさんだって彼を気にかけている。多くの人たちの支えがあって、主人公はヒーローでいられるのだと思います。大切なことを忘れてしまったピーターが心を乗っ取られたのは必然だと思いました。堕ちるのは簡単。でも這い上がるのは容易ではありません。主人公やハリー復活のドラマを淡白に処理したのは勿体無いと感じました。前作には及ばないものの、採点は「十二分に満足」の8点です。続編を期待したいところですが、ハリーのような良キャラを失ったのはデカイなぁ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-07 19:37:12)(良:2票)
9.  スネーク・フライト 《ネタバレ》 
大量のヘビを使って旅客機を落とそうというトンデモ計画。フェロモンでラリったヘビたちが、乗客を襲う!機器類を破壊する!最初の犠牲者は、トイレでエロっているカップル。ホラー映画のお約束を踏襲しています。オッパイにパクリ。イチモツにガブッ。大蛇にぐるぐる巻きにされ、頭から丸呑みされる乗客。期待どおりのシーン連発です。設定は完全にイロモノ系おバカB級映画のノリ。笑って観るつもりでした。ところが、段々本気になってくるのです。当初考えていたよりも、ずっと優れた設定であったことに気付かされます。ポイントはヘビの種類が多いこと。その多様性が展開をスリリングにし、画にメリハリを与えていました。ドラマもなかなかのもの。極限状態で暴かれる人の本質。我が身を呈して赤子を守る者もいれば、醜態を晒す者もいるワケです。幼い兄弟のエピソードがいいですね。毒蛇に噛まれた弟。守ってやれなかったと悔やむ兄。でもちゃんと彼は弟の命を救います。不意を付かれてホロリときました。至ってシリアス。でもやっぱりおバカ。このブレンド具合が絶妙だと思いました。脚本を練れば、もうワンランク上のサスペンスに化ける可能性もあるかと。少々採点は甘めですが、個人的にはかなり気に入りました。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-16 18:11:44)(良:1票)
10.  スパイダーマン2
前作では物足りなかったアクション。本作では存分に堪能しました。ミスターオクトバスとの戦いはどれも見応えあり。スピード感あり、構図良しで、見事な飛翔感を味わいました。これは劇場で観ておくべきだったと大後悔。それにしても本シリーズは敵役に味がある。前作のゴブリンといい、本作のオクトバス博士といい、みんな根はイイ人なんですよね。でも自分の弱さに勝てずに悪人になってしまった。能力を持っていたら使いたくなるのが人間。能力には抗えない。カウンタックを一般道の法定速度で我慢しなさいというのが無理な話。そこへいくと主人公はエライ。というか真面目。せっかくのスーパー能力をヒーロー業以外に使わないなんて。(ピザ屋の配達はご愛嬌)。もっともそんな彼だからこそ、ヒーローの資格があるのかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-31 19:12:19)(良:1票)
11.  ズーランダー 《ネタバレ》 
コメディを賞賛する場合、“腹がよじれた”と表現することがあります。これは一種の比喩表現。それくらい面白かったという意味で、現実に腹がよじれることは稀かと思います。でも本作では現実に起こりました。腹よじれが。寝転びながらDVDを観ていた自分は、本当に腹を抱えて笑い転げました。ガススタンドの爆発シーンで文字通りの大爆笑。あまりのアホらしさと火薬の多さに不意を付かれました。ここで一気に作品の世界に引き込まれました。作品の楽しみ方が分かれば、もうしめたものです。家族揃って同じ髪形にも、ちっちゃな携帯にも、ウォーキング対決にも、宇宙の旅パロディにも、安っぽい家族愛にも、ことごとくハマリました。エンディングでダメ押しの噴水像。もう堪忍して!内容の無さ、無茶な展開がたまりませんでした。コメディは笑わせてナンボのジャンル。下品だろうと、卑怯だろうと笑わせた者勝ちだと再認識しました。もうあのキメ顔にメロメロです。セレブギャグのニュアンスが理解できれば、もっと面白かっただろうということだけが心残りです。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-16 19:36:00)(良:2票)
12.  スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 
本作はジャック・ブラックに尽きます。彼のテンションの高い演技を楽しめればOK。歌も上手く、ちょっと過激な西田敏行みたいです。子供達をロックに巻き込んだ理由が、“子供たちのため”ではなく、“主人公のエゴ”である点を明確にしているところが好きです。偽善的(他人のためと見せかけ、本当は自分のため)な事柄が多い昨今、潔くて好き。多分に結果オーライ的な部分はありますが、それはこの際置いときましょう。いつだって一番大切なのは自分。自分を大切にした結果、他人もハッピーになる。コレが最高です。あと、ステージにはスタッフ(裏方)がとても重要なんだよ、という描写を入れているところが素晴らしい。ちょっとしたことですが、このへんの気配りに、ロックへの愛を感じます。ときどき無性に観たくなる楽しい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-04-16 02:19:16)
13.  スクールウォーズ HERO 《ネタバレ》 
自分は山下真司主演の大映ドラマをリアルタイムで観た世代です。でもうちの学校は、校内暴力はほとんど無かったと記憶しています。BE-BOPハイスクールに感化されたであろう短ランは流行っていましたが。自分はノーマルの学ランに“つぶしていない”鞄。どちらかと言うと真面目タイプでした。いや臆病だったのかもしれません。完全燃焼した青春ではなかった。ツマラナくは無いけど、もっと後先を考えずに行動しても良かったかなと。なので、本作に出てくる子供たちを見ると羨ましい。ラグビーに心血を注ぎ、負けて悔しいと泣ける無防備さ。リスク管理は不可欠だけど、過ぎると身動きが取れなくなる。下手に小賢しいより、バカになってチャレンジする方が幸せなんだと、今になって思う。子供は未熟なのでバカで当たり前。でも分別ある大人がバカになれるのはスゴイこと。ですから山上先生のように損得勘定抜きで動ける人間を心から尊敬します。物語的には3年生が卒業した時点で、「学校を立て直す」当初の目的が、ほぼ達成されています。ゆえにクライマックスで得られるカタルシスが目減りしているのが惜しい。フーローの件も、同じく勝利の余韻を打ち消す作用があり、ラストで失速した感は否めません。それでも鑑賞後、十分な満足感が得られるのは、照英の熱演があったればこそ。実は『魁!!男塾』での、彼の吹っ切れた演技を見て本作の鑑賞に至ったのですが、予想通り素晴らしかった。バラエティ畑での「熱血バカ」というポジションは松岡修造が独占していますが、俳優界では照英が今や第一人者。表裏を感じさせないキャラクターは貴重。これからの活躍に期待したいです。
[DVD(邦画)] 7点(2009-01-17 19:56:35)(良:1票)
14.  スパイダーマン(2002)
(本作と2を観た上での感想。3は未見です。)自分の世代で『スパイダーマン』といえば、TVの特撮ヒーローのひとつ。いわゆる戦隊モノと同類で、最後は巨大ロボに乗って悪と戦うという設定でした。スパイダーマンがアメコミで、日本の特撮とは全く別物だと知ったのは、大人になってからのこと。原作を読む機会にも恵まれず、漠然とした子供の頃のイメージを引きずったまま本作に臨みました。率直な感想は、「これぞアメコミヒーロー」。悩む主人公に大河ドラマ。アメリカンヒーローの18番フォーマットだと思いました。観客と等身大の主人公が、人並みに苦悩し恋をする。人生簡単には上手く行きません。それが共感を呼ぶのだと思いました。設定お披露目の要素の強い1作目。アクションは控えめですが、上々の滑り出しだと思いました。(余談)どうも皆様のレビューを拝見すると、MJについての見解を表明しなければいけないみたい(笑)。本当に申し訳ありません。悪い魔女に見えます。
[DVD(字幕)] 7点(2007-12-30 21:39:03)(笑:2票)
15.  好きだ、 《ネタバレ》 
ポイントは顔の描写。序盤多用されるのは横顔の画。例えば宮崎姉。観客が見るのは、ほとんど彼女の横顔です。そこから見えない部分を想像するしかない。それは反対側の顔であり、正面の顔、そして心の顔。大切な人を失って少し増えた笑顔の理由を、私たちは想像するしかありません。瑛太の場合も同じ。彼の描写もほとんどが横顔です。横顔は、すなわちその人の半分。見せない部分がある。そこに心の壁を感じます。この2人と宮崎は少し違う。彼女も2人同様に横顔が多いものの、正面の顔を幾つか見せてくれます。半分ではなく全部をさらけ出している。その分彼女は少し強い。表情から読みとる彼女の心。口には出さなくても、彼女の振る舞いや眼差しから想いは伝わります。西島の場合も同じ。野波を助けたときの、加瀬に対する哀れみの気持ち。その想いは伝わってしまった。このときの彼は正面の顔です。大人になって強くなったということ。ただ、結果的に悲劇を呼ぶことになってしまいます。伝えたいのに、伝えられない気持ちもあれば、その気が無いのに伝わってしまう想いもある。なんて面倒なのでしょう。だからこそ、声に出して伝えることに意味がある。長い歳月をかけてやっと言えた言葉が、胸を突きます。それを口にしたのは永作。やはり女のほうが強い。“想い”に形はありません。色も匂いも質量もない。あやふやなものを頼りに、人は生きている。そんな曖昧な存在に形を与え、ときに色や匂い、重さを与えるのが言葉なのかもしれません。「好きだ、」はやっと辿りついた言葉。そしてそこから始まる。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-03 18:51:00)(良:3票)
16.  300 <スリーハンドレッド>
シネコンの中でも一番キャパが小さいスクリーンで鑑賞。狭い空間のせいもあったでしょうが、張り詰めた空気を感じました。多くの観客が、物語に引き込まれていたと思います。事実、非常に堪能しました。絶望的に不利な状況。その中で鬼神のごとき強さを見せるスパルタの戦士。戦闘シーンの見事さは特筆に価します。システマチックな集団戦にはリアリティがあり、個の闘いにおける華やかさは、格闘技マンガを読んでいる感覚に近い。あるいはシューティングゲームをプレイしているよう。手や首はバンバン飛びますし、血しぶき出まくり。しかし、壮絶な殺し合いの描写に目を背けたくなるような事はありません。絶妙なセピアの色合いが、痛ましさを緩和していました。言葉は適切ではないかもしれませんが、面白い。不謹慎かもしれませんが、楽しい。それが率直な感想です。ただ、こういう注釈を付けざるをえないところが、本作の弱点だとも思います。何故素直に「面白い」「楽しい」と言えないのか。それは、物語の体裁が紛れもなく戦争映画だから。コメディ以外で、楽しい戦争映画というのは、やはり無理がある。痛みが伝わらないから、薄っぺらく感じます。なまじ史実に基づいているから尚更です。娯楽に特化した弊害がここにある。ただし戦闘シーンが出色の出来映えであるのは間違いありません。ですから題材を変えれば相当イケるはず。三浦健太郎の傑作漫画『ベルセルク』をこの手法で是非とも実写化していただきたい。
[映画館(字幕)] 7点(2007-06-25 18:08:06)(良:2票)
17.  スクラップ・ヘブン 《ネタバレ》 
オダギリと主人公の復讐代行業。想像力が欠如した人間に対する制裁。奴らはクソ。だから糞詰まりの便所で復讐の依頼を受ける。主人公が集めた事件記事の切り抜き「スクラップ」がそのエスカレートぶりを物語ります。“悪ふざけ”から一線を越えた拳銃窃盗。さらに栗山の依頼「世界全部への復讐」が事態を加速させます。栗山の絶望にオダギリの絶望が共鳴した。オダギリは同時多発テロを引き起こすことで、栗山は自家製爆薬を量産することで“世界全部の終わり”を目指した。そうとも取れます。でも多分違う。両者の「絶望」の中身と目指すところは違う気がしました。栗山の絶望は世界そのものに対するもの。自身の障害に対する周りの無理解(不要な哀れみ)への絶望です。ただ世界を消し去りたい。発想はネガティブで、破壊のベクトルは“外”です。一方オダギリの絶望は、無力感に起因します。彼が目指したのは再生。人に想像力を取り戻させ、あるべき人間、社会を再生しようというもの。栗山と違いポジティブです。バスジャックでの“死”が彼を変えた。(タイトルは、『スクラップ=再生可能な廃棄物=欠如した人間』の『ヘブン=理想とする世界』の構築を意味するのでは。)しかしオダギリは父の死で、自らの行為に限界を感じます。再生は不可能であると。心を病んだ父。ポテチを食べる父に再生への希望を感じた矢先の自殺…。無力であると思った彼が、同時多発テロで世界を終わらせる(正しくは世界の再生)などと考えるはずがありません。単なる“あがき”でしかないことは承知。彼が選んだ「世界の終わり」は自殺でした。破壊のベクトルは“内”。そんな2人に引き寄せられた主人公。仕事に不満を抱え、不眠に悩まされ、保身に走る男。彼こそ「現代人」の典型です。彼もまた、想像力が欠如した人間=”スクラップ”。それは柄本刑事からも強烈に指摘されます。オダギリと同じ結末を選んだ主人公。しかしその願いは叶いません。そして哀しく自嘲します。そんなに簡単に行かせないよ。お前達スクラップの天国は「ここ」なんだ。そんなメッセージを感じ取りました。それを前向きに受け取るか、後ろ向きに受け取るかは観客次第です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-11-15 18:17:48)
18.  スーパーサイズ・ミー 《ネタバレ》 
本作で真に訴えたかったのは、“マックの食品は有害だ”ではありません。ファーストフード全般に見られる中毒性、高脂高糖食品を大量摂取するリスクについて。つまるところ、「食育」の重要性を説いているのだと思います。マックがヤリ玉にあがったのは、ファーストフードの代名詞であったこと。そして子供を取り込む販売戦略が問題にされたのでしょう。企業倫理が問われた訳です。この倫理というのがクセ者。企業が営利を求めるのは当たり前。その戦略に乗るほうが悪い。結局は消費者の自己責任ですよ。その理論で随分と企業は擁護されてきたと思う。自己責任を否定する気はありませんし、マックを訴えたアメリカ人などは論外です。しかし、だから企業は何をやってもいいということにはならない。肥満予防はもはや国策です。日本でも真剣に取り組まれるようになってきた。理由はハッキリしています。医療費増は経済に悪影響を及ぼすから。健康な国民が多いことは、国力のひとつ。消費者が不健康になって一番不利益を被るのは企業だったりします。企業倫理とはそういうこと。本作の主張は正しいと思います。ただ、手法が適切だったとは思わない。実験の比較対象は過去の自分。それなら少なくとも今までと同じライフスタイルにしなくては。運動頻度が極端に落ちていたら、その影響も少なからずあるでしょう。食べてからすぐ寝ていない?規則正しく生活した?大切な判断材料が示されていません。それこそ倫理に反します。ただし想像だけで語る評論家もどきや、したり顔で説教するテレビショウの司会者に比べれば随分マシ。当たり前でも確かめてみることに価値はあります。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-20 00:26:50)(良:1票)
19.  スターダスト(2007) 《ネタバレ》 
世界観を掴むまでに少々手間取りましたが、慣れてくると心地良くなります。“星”の美女をめぐるファンタジックな冒険譚を堪能しました。観て良かったです。ただ不満な点もありました。気になったのはスリル不足。危機回避があっけないです。こういうお話ですから、ご都合主義はむしろ歓迎したいのですが、そこへ至るまでの展開がもっと欲しい。ハラハラドキドキ焦らされたい。主軸となる恋物語にも同じ事が言えます。何故“星”は彼を好きになったの?出会い方はなんとも微妙だし、その後の彼の行動にも胸を打つ要素が無かったような。おまけに彼女の方から告白なんて羨まし過ぎます(笑)。すんなり恋愛が成就しちゃうのはツマラナイ。それにしても、デ・ニーロ。相変わらずどんな役でもこなしますね。彼のおかげで本作は、かなり得をしていると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-16 22:18:01)(良:1票)
20.  スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ 《ネタバレ》 
石川梨華が松浦に言い放った「お前の全存在がウゼえんだよ!」。斉藤由貴の娘である松浦が言う「親子どんぶり」。この2つの台詞があるだけでも、本作には価値がある。脚本家の執念(悪ふざけとも言う)を感じずにはいられません。さて内容について。正直、思っていたよりは全然悪くなかったです。真面目なつくりに好感が持てました。アイドル松浦のセーラー服姿は良かったですし(ブレザー制服の学院に無理矢理セーラー服。そのこだわりに脱帽。)、アクションも頑張っていたと思います。今の時代に「スケバン」は流石に厳しいと思いましたが、なかなかどうして。アイテムがヨーヨーである必然性は皆無ですが、「それがスケバン刑事だから」で納得させられてしまう。結末がショボイのもこの際関係ないです。次回作があるなら、加護亜依・若槻千夏・あびる優の風間3姉妹を希望。武器はそれぞれ、タバコ・ハズレ馬券・ダンボール箱でどうですか。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-13 20:07:42)(笑:2票)
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